仮定・条件を表す表現J |
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2022年7月5日 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。 これまで時間に関連する表現として、「現在」と「過去」について触れて来ました。「未来」を表す表現も今後扱う予定ですが、その前に、他の時間関連表現についてお話しましょう。今シリーズからは、もしも〜ならば、〜するだろう、もしもあの時からだったなら〜しただろう、の、広義の未来、過去未来表現、即ち仮定、条件を表す一連の表現について解説を加えて行きます。時制表現の面から混乱と戸惑いをお感じの方々も多いのではと推測しますが、基本的概念を押さえておけば自信を持って対処出来る様になる筈です。その第11回目ですが、引き続き<各論>の解説を行います。今回で条件文に関する一通りの説明は終わります。 英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。https://dictionary.cambridge.org/https://dictionary.cambridge.org/ja/grammar/british-grammar/conditionalshttps://dictionary.cambridge.org/ja/grammar/british-grammar/conditionals-other-expressions-unless-should-as-long-as |
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if only仮定法表現*物事が違ってくれたらとの強い願いを表すのに if only を使います。I wish と同じ意味ですが、それよりも強い表現です。過去、現在の、事実とは異なることを話す時に使います。〜であればなぁ、〜であってくれたらなぁ*if 以下は仮定法を利用します。現在の事実に反する事には過去形を、過去の事実に反する事には過去完了形を使います。* 本来従属節となる if ony の文だけで単独の文章を構成します。If only he knew the truth. (he doesn’t know the truth, but he wishes he did)彼が真実を知っていればなぁ。If only there was something she could do or say to help.助ける為に彼女が行える或いは言う事の出来る何かがあればなぁ。*より formal な状況では was の代わりに were を用います。If only she weren’t so tired. (If only she wasn’t so tired.)彼女がそんなに疲れていなければいいのになぁ。If only he had listened to what his friends had been telling him. (He didn’t listen.)口を酸っぱくして友人が言っていた事を彼が聞いていれば良かったのになぁ。If only Anna had been able to come. (Anna wasn’t able to come.)アンナが来れたら良かったのになぁ。if only would*見込みの薄い、見込みの無い未来への願いを述べる時、或いは実際の状況と願う事との対比を強めて示したい時には if only would を使います。*if 節内に助動詞 would を使うところが特徴的ですね。通常 if 節内には will や would は使わない事になっています。If only someone would buy the house.誰かがその家を買うといいのに。(実際は購入される見込みは低い/ない)If only they would talk to each other.彼らがお互いに口を利いて呉れるといいのになぁ。(実際は口を利いてくれる見込みは薄い/ない)--------------------------------------------注意:*if 節中に単にonly を加える用法も勿論成立します。t matters little who finds the truth, if only it is found.=It matters little who finds the truth, if the truth is just foundもし真実が単に発見されるならば=It matters little who finds the truth, as long as the truth is found.真実さえ見つかれば、誰が真実を見つけるかはほとんど重要ではない。*仮定法の希望表現であれば、If only the truth would be just found. 真実が見付かりさえすればなぁ。となります。*しかし、ここは仮定法ではない、単純な if 節と考えます。*〜でありさえすれば+ (主節の言いたい事は満たされる)、の慣用表現として覚えて下さい。*if only = as long as〜の限りは、で言い換えるのも手です。if it weren't forif it hadn't been for仮に〜が真実ではない或いは起きていなかったら状況は違ったものになっていただろう*仮定法過去/過去完了表現の中の定型句として覚えておいて下さい。= withoutIf it weren’t for your help, we would never have finished in time.あなたの助けが無いのなら、我々はけして時間内に終えてないでしょう。(仮定法過去表現で現在のもしもの事を述べます、即ち主節は意味的に現在完了表現です)= Without your help, we would never have finished in time.= Thanks for your help, we have successfully finished in time.If it hadn't been for your help, we would never have finished in time.あなたの助けが無かったら、我々はけして時間内に終えなかったでしょう。(仮定法過去完了表現で過去の事を述べます、即ち主節は意味的に過去表現です)= Without your help, we would never have finished in time.= With your help, we were able to (or managed to) finish in time.×With your help, we could finish in time.(過去の或る出来事を行う事が出来た、の表現に could は利用出来ません。could を使うと過去に〜する能力があったの意味になります。)*上記、 Without your help, we would never have finished in time. の文章が、現在の事を言っているのか過去の事を言っているのかの2通りに解釈出来ることにご注意下さい。*上記文例では主節が同一ですが、上の方は:現在時制を表す現在完了であり、一方、下の方は過去形 finished を過去完了化してそれに助動詞 would を着けて現在完了形にしたものになります。*条件節での時制表現が落ちますので、現在のこと(現在完了)を述べているのか、過去のことを述べているのか区別が出来なくなり、ちょっと困りますね。context に応じ、より明確な表現を使うべきでしょう。cf. in time= sufficiently early 間に合って、時間内にcf. on timehappening or done at the particular moment that it was expected to happen or be done:期待された時間通りに起きる、為される; 時間通りにMy parents go to the house right on time.私の両親はきっちり時間通りにその家に行く習慣です。*formal 表現で倒置も出来ます。Were it not forHad it not been forWere it not for your help, we would never have finished in time.Had it not been for your help, we would never have finished in time. |
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without接続詞用法= unless, if not*この接続詞用法はあまり知られていないと思います。You don't know about me without you have read a book.もし読書して無かったら君は僕のことを知っていない。= You don't know about me if you have not read a book.= You know me because you (have) read a book.×You don't know about me unless you have read a book.*unless は<もしも今〜なら、もしもあの時〜だったなら>を表す仮定法には利用出来ないことを想起して下さい。単純な条件節としての利用に限定されます。前置詞用法not having or doing (something), or not having the use or help of (someone or something):〜を持っていない、〜をしないで、助けや役立ちを持って居ない、〜無しで*単に〜無しでの意味の他、 if not の意味を持つ前置詞として利用され、仮定を表す句を作ります。*即ち、 〜が無ければ/無かったら、の意味の仮定法現在(単純な仮定)、仮定法過去、仮定法過去完了節の全てを without で置き換えることが出来ますが、主節の時制が曖昧になる欠点も持ちます。Without a better understanding of popular terminology and establishment of clear philosophical goals, it will be impossible to design and conduct relevant crop/livestock research.一般的な用語のより良い理解と明確な哲学的目標の設定無しには、関連する収穫/畜産研究を企画し遂行することは不可能だろう。= If we don't have a better understanding of popular terminology and establishment of clear philosophical goals, it will be impossible (for us) to design and conduct relevant crop/livestock research. (仮定法現在: 単純な仮定) |
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今回で条件文に関する一通りの説明は終わりますが、スラスラと言い回しが出来る様に練習を積んで下さい。大学受験や各種の受験には必ず出題されますので、条件文を押さえておくことは大きな力になります。接続詞により、仮定法過去、仮定法過去完了形まで取り得るもの、単純に現在及び未来を語るだけのものなどがあります。区別して覚えて下さい。 さて、次回からはいよいよ未来表現の解説に入りましょうか。これも数ヶ月に亘る長丁場になりそうです。気を引き締めて頑張りましょう! |
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