仮定・条件を表す表現E |
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2022年6月10日 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。 東京も梅雨入りしましたが、南日本より早いのは17年ぶりとのことです。塾長もエアコンを使いたいところですが、電力需要の逼迫に備えるのと家計節約の2つの理由から我慢しています。これは近時の世界情勢の変化に直結しての事ですが、世の中何が起きるかも分からないと実感されている方々も多いかと推測します。こう言う時こそ冷静にじっくりと英語を学び直す好機かも知れませんね。 これまで時間に関連する表現として、「現在」と「過去」について触れて来ました。「未来」を表す表現も今後扱う予定ですが、その前に、他の時間関連表現についてお話しましょう。今回からは、もしも〜ならば、〜するだろう、もしもあの時からだったなら〜しただろう、の、広義の未来、過去未来表現、即ち仮定、条件を表す一連の表現について解説を加えて行きます。時制表現の面から混乱と戸惑いをお感じの方々も多いのではと推測しますが、基本的概念を押さえておけば自信を持って対処出来る様になる筈です。その第6回目ですが、引き続き<各論>の解説を行います。 英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。https://dictionary.cambridge.org/https://dictionary.cambridge.org/ja/grammar/british-grammar/conditionalshttps://dictionary.cambridge.org/ja/grammar/british-grammar/conditionals-other-expressions-unless-should-as-long-as |
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supposesupposing接続詞用法used at the beginning of a sentence or clause to mean 'what would happen if':文章の先頭に置いて <what would happen if もしそうだったら何が起こるのか>を意味する文を作る。*supposing は条件文を作るのに使われますが、仮定法現在、仮定法過去、仮定法過去完了の全ての文に利用出来ます。*話し手が聴き手に、ある状況を想像してくれと頼む用法です。*suppose, supposing, what if は全て、独立した文章 (〜と仮定してみよう/もし〜だとかるとどうなるか?)が作れます。これが単なる if 節(従節としての扱いのみで必ず主節を別に伴う)との大きな違いですが、勿論、これらは主節に対する条件節としても機能させられます。cf. suppose = think likely 〜が有りそうだと思う--------------------------------------仮定法現在用法*基本形は<suppose + 現在形の文>と<will を 用いた文>、の組み合わせとなります。Suppose we miss the train - what will we do then?もしその列車を逃したらその時は何をしたら良いのか?We'd love to come and see you on Saturday, supposing (=if) I don't have to work that day土曜日にお目に掛かりに来たいと思います。その日に働く必要が無ければですが。Supposing I don’t arrive till after midnight, will the guest-house still be open? (Imagine if I don’t arrive till after midnight …)もし真夜中過ぎまでに私が到着しなかったら、ゲストハウスはまだ開いているでしょうか?(もし真夜中過ぎまでに私が到着しなかったらと想像して下さい。<その時に>ゲストハウスはまだ開いているでしょうか?)*上の文の主節部分を平叙文に直すと、If I don’t arrive till after midnight, the guest-house will be closed.もし真夜中過ぎまでに私が到着しなかったら、ゲストハウスは締まっているだろう、となります。= When I don’t arrive till after midnight, the guest-house will be closed.≒ If I arrive till after midnight, the guest-house may be open.*仮定法現在ですが、仮定条件とその帰結の関係を厳密に論理的に組み合わせるものではなく、if = when = supposing/ suppose の感覚で気軽に利用される表現です。*その意味で仮定法の用語で呼ぶのでは無く、単なる条件文と呼称するのが適切でしょう。--------------------------------------仮定法過去用法*suppose, supposing, what if 節では、現在及び未来の確かさの小さい時には、仮定法過去表現にします。*基本形は<suppose + 過去形の文>と<would を 用いた文>、の組み合わせとなります。*仮に〜だとしたら〜の帰結となるだろう、との、仮定条件とその帰結の関係を論理的に組み合わせる表現になりますね。Suppose we asked Mary to baby-sit? Do you think she’d do it? (not as certain as Suppose we ask Mary to baby-sit?)我々が仮にメアリーにベビーシッターを頼んだとしたら。彼女がそれをすると君は思うかい?(現在形の動詞を用いる場合に比べて、依頼するかどうかの確からしさが少ない)Supposing someone else wrote the essay. How would we know? (not as certain as Supposing someone else writes the essay …)誰か他の者がその作文を書くとしよう。どうやってそのことを知ったらいいの??What if I gave up working full-time. I’d love that.フルタイムの仕事を私が辞めるとするとどうなるのか? 私はその仕事が好きなのだが。Supposing you lost your passport, you’d have to go to the embassy, wouldn’t you?もし旅券を紛失したとお考え下さい。あなたは大使館に行く必要があるでしょうね。--------------------------------------仮定法過去完了用法*suppose, supposing, what if 節では、過去の起こらなかったことを仮定する場合には、仮定法過去完了とします。*基本形は<suppose + 過去完了形の文>と<would + 完了形を 用いた文>、の組み合わせとなります。*仮に〜だったとしたら〜の帰結となっていただろう、との、仮定条件とその帰結の関係を論理的に組み合わせる表現になりますね。Suppose we hadn’t brought our umbrellas. (We did bring our umbrellas.)われわれがもし傘を持って来なかったとしよう。(実際には我々は傘を持って来た)Supposing they had closed the road. Would that have been a good idea? (They didn’t close the road.)彼らがその道を閉じていたとしよう。それは良い考えだったろうか?(彼らは道を封鎖しなかった)What if I had accidentally told Maria about the party! That would have ruined the s urprise. (I didn’t tell Maria about the party.)たまたま私がマリアにパーティについて話していたならどうなっていたことか。サプライズを駄目にしたろうね。(実際は話していなかった)Supposing he hadn’t recognised us - he might never have spoken to us.仮に彼が我々を認識しなかったとすると、彼は我々に全く話しかけなかったかも知れない。(実際は彼は私たちに気付いた) |
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*注意 1suppose, supposing, what if + 現在形の文を使い、〜したらどうかい?、〜したらどうだろう?と相手に対して提案を述べる用法もあります。*後ろには現在形の文を続けることにご注意下さい。*意味用法としては仮定法現在 (単なる条件文) の派生ですね。What time shall we meet?何時に会おうか?Suppose we meet in the offices downstairs at four o’clock?4時に下の階のオフィスで会うのはどうかな?Supposing I don’t bring my car and you and I travel together. That would save us half the cost of petrol and parking.私が車を持って来るのは止めて君と私とで一緒に旅行しないかい?ガソリンと駐車代が半分節約になるよ。The electricity has gone. There must be a power cut.電気が消えた。電力遮断に違い無い。What if we find the candles and put them around the room?ロウソクを見つけて部屋の周囲に置いたらどうだろう?= Shall we find the candles and put them around the room?*注意 2be supposed to do を 義務 obligations や手配 arrangements の意味で用いますが、これは提案 suggestions は意味しません。You are supposed to put money in the parking meter!君はパーキングメーターにお金を入れねばならないよ。*be to do, be supposed to do, be going to do, be due to などは未来表現と言えますが、計画、意図、予定、義務、手配などの意味の違いはあるものの、基本は〜することになっている、と解釈出来ます。*be supposed to do の意味用法の詳細については以下を参照下さい:https://www.kensvetblog.net/column/202112/20211220/be meant to do, be supposed to do 意味と用法*注意 3*英語の形容詞の用法は、「限定用法(attributive use)」と「叙述用法(predicative use)」の2つがあります。 限定用法は形容詞が直接名詞を修飾しますが、叙述用法は形容詞が主語や目的語の補語となって名詞を間接的に修飾します。*supposed なる語を動詞の過去分詞として捉えずに、独立した完全な形容詞として捉える事も寧ろ通常ですが、では叙述用法 be supposed to ではない、限定用法のsupposed にはどのような意味用法があるのでしょうか?Others fear they will lose their job when their supposed lack of skill is discovered, so they distance themselves from colleagues as much aspossibleまたある人たちは、自分の能力がないことーそれは自分が思い込んでいることなのだがーが判明すると仕事をなくすのではないかと心配し、なるべく同僚たちと距離を置く。(英検準1級の長文問題の1部)their supposed lack of skill is discoveredここのsupposed が日本人には意味が取りにくいですね。限定用法の形容詞 supposed は、<自分ではそうだと思って居るが実際はそうではない>の意味で利用されます。*要は、想像或いは仮定していたことがお門違いの思い込みである、との意味になります。*思い込みの、とパッと和訳するといいでしょう。 |
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