法助動詞 modal verbs と関連表現E |
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2022年12月15日 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。 英語表現の1つの山である条件文について既に解説しましたが、その中で will, would などの助動詞(正式には法助動詞 modal verb と呼ぶ)が頻繁に、或いは必ずと言って良いほど登場しました。そこでこの先暫くの間は、法助動詞並びにその関連表現について深い切り込みを与えようと思います。意味用法について完全な自信を持てない方には見直しの参考に大きな力となろうかと思います。これまでに断片的に触れて来た表現も数多く含まれますが、復習がてら再確認して下さい。解説の第6回目です。 英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。 https://dictionary.cambridge.org/https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/modal-verbs-and-modalityhttps://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/modalhttps://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/verbs-typeshttps://grammar.collinsdictionary.com/english-usage/what-is-the-difference-between-can-could-and-be-able-tohttps://www.grammarbank.com/can-cant-esl.html |
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canC (POSSIBILITY) 可能性の canused to express possibility: 〜する可能性がある、あり得る= it is possible that* possibility 可能性を表すには、 can, could, may, might を利用出来ますが、意味は異なります。*基本的に could は弱い可能性(〜であり得るだろう)を、 can は強い可能性(〜であり得る)を表します。*can は現時点に於いて何か確信、確定していることを表します(〜は確かにあり得る、〜の筈だ)。*この意味で can は may よりは強意になります。 it is possible よりは高い蓋然性を意味しますので、実際には can は it is probable that に置き換える方が正しいシーンが多いでしょう。論文中の may*formal 或いは academic な文章中では、本来 can を利用すべきところを、<奥ゆかしい> may が利用されます。この場合、may の、確率50%、即ち〜かも知れない、と解釈するのは誤りとなり、can の、〜があり得る、(意味に拠っては)〜出来る、と解釈します。*逆に、〜かも知れない、の意味で終わるだけでは、その先の証拠を掴んでから論文投稿して呉れないかとレフェリーに突っ込まれるやも知れません。*<我々は現時点では〜の可能性を考えて居る (It is possible that...) が、これに関しては続報にて論じる予定である、斯く斯く然然ゆえにそう考えた>などと、discussion (考察)、 conclusion (結論) などの項にて論拠、研究の将来の方向性、課題を提示、コメントするなら許されます。----------------------------------------You can get stamps from the local newsagents.君は地元の新聞雑誌販売店で切手を買える筈だ。You possibly get stamps from the local newsagents.君は地元の新聞雑誌販売店で切手を買えるかも知れない。(確率50%)よりは強い可能性を表します。You can get very nasty skin diseases from bathing in dirty water.汚れた水で水浴するととても質の悪い皮膚病を得る可能性があります。= It is possible that you will get very nasty skin diseases from bathing in dirty water.≒ You probably get very nasty skin diseases from bathing in dirty water.Smoking can cause cancer.喫煙は癌を起こし得ます。Noise can be quite a problem when you're living in a flat.アパートに住んでいる時には騒音は極めて重大な問題になり得ます。He can be really annoying at times (= he is sometimes very annoying).彼は時に本当にうるさい時があります。Couples who are childless can feel excluded from the rest of society.子供の居ない夫婦は社会から阻害されていると感じる場合があり得ます。= It is possible that couples who are childless feel excluded from the rest of society.Children can choke on peanuts.子供はピーナッツで窒息する可能性があります。Clearance of a cheque can take up to a week.手形交換は最長一週間を要する可能性があります。You can get travel concessions if you are under 26.もし26歳以下なら旅行特権を得る可能性が有ります。Not making a will can have serious consequences for the people you might wish to benefit.意志を固めない事は、君が恩恵を与えたいとひよっとして願う者達に対して、重大な結果を持つ可能性があります。現在或いは未来に於ける特定の可能性と一般的可能性の違い*未来の可能性(〜があり得る)を一般的に表現するのに can ではなく could, may, might を用います。*現在或いは未来に於ける、或る特定の可能性 (specific possibility 或る人物、或る場所、未来を含むある時間) を表すのに、could, may, might を用い、現在或いは未来に於ける、一般的な可能性 (general possibility 多くの人々、多くの場所、多くの時間) を表すのに can を利用すると考えても良いです。*まぁ、一般的に認められる可能性であれば、弱含みで推測する必要がありませんので、can を用いて強く主張できる訳ですね。◯ Working in London next summer could be a great experience. (The speaker thinks this is possible, in particular circumstances)来年の夏にロンドンで働くことは大きな経験になり得るだろう。(話し手はこれが特定の状況で可能だと考えて居る) (未来の特定事象の可能性)×: … can be a great experience.(can を使うと普遍的な可能性を表す事になるが、ここには不適)◯ Working in London next summer may not be a great experience. (The speaker thinks this is not possible, in particular circumstances)来年の夏にロンドンで働くことは大きな経験にならないかもしれない。(話し手はこれが特定の状況で不可能だと考えて居る)× Working in London next summer could not be a great experience. (未来の不可能性を表すのに could not は用いません)I can travel in July because my exams will definitely be finished at the beginning of that month. (strong possibility)僕は7月に旅行することが出来るよ。その月の初めに僕の試験がきっちり終わるからね。(特定の可能性だが強い可能性、確信、確定)I could travel in July because my exams will probably be finished at the beginning of that month. (weak possibility)僕は7月に旅行することが出来ると思う。その月の初めに僕の試験がおそらく終わるからね。(弱い可能性)Not everyone can afford to buy organic food.誰もが有機食品を買える金を持っている訳では無い。(普遍的真実を述べる)×Not everyone could afford …----------------------------------------*以下の意味の違いに留意下さい:It can be dangerous to cycle in the city.街中で自転車に乗ることは危険な可能性があります。(話し手がこれを普遍的真実だと信じている)It can't be dangerous to cycle in the city.街中で自転車に乗ることが危険な筈がない。(話し手がこれを普遍的にあり得ないと強く信じている)It could/may be dangerous to cycle in the city.街中で自転車に乗ることは危険な場合があります。(話し手がこれを普遍的真実だとは思って居ない、場合に拠っては、の意味で語る、弱い可能性)It’s dangerous to cycle in the city.街中で自転車に乗ることは危険です。(話し手がこれを普遍的真実そのものと考えている) |
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