法助動詞 modal verbs と関連表現L |
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2023年1月20日 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。 英語表現の1つの山である条件文について既に解説しましたが、その中で will, would などの助動詞(正式には法助動詞 modal verb と呼ぶ)が頻繁に、或いは必ずと言って良いほど登場しました。そこでこの先暫くの間は、助動詞について深い切り込みを与えようと思います。意味用法について完全な自信を持てない方には見直しの参考に大きな力となろうかと思います。これまでに断片的に触れて来た表現も数多く含まれますが、復習がてら再確認して下さい。解説の第13回目です。 英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。 https://dictionary.cambridge.org/https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/modal-verbs-and-modalityhttps://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/modalhttps://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/verbs-typeshttps://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/must |
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must と have (got) to の違いobligations義務*一般的に、話者 (I の場合を除き文の主語とは一致しません)に発する義務の念について語る時は must を用い、話者以外に発する義務の念には have (got) to を用います。*have to の方が他律的の意味合いが強い訳です。*尤も、過去の義務を話す時には must には過去形がありませんので had to を使うしかありません。*must は formal、一方 have to は informal な場でより使われる傾向があります。*初学者、例えば日本の中高生に対しては、2つの違いは無くイコールだ、との指導が行われますが、実際この遣り方で native 相手には支障なく十分に意思疎通が可能です。*理由を表す接続詞には、as, since, because など多々ありますが、全て because で通せば相手は理解してくれるのと同じで、最初は紋切り型の荒削りで行き、英語に習熟していく過程でニュアンスの違いを知ればそれで足りるだろうと塾長も思います。*細かな違いに触れると初学者は混乱し萎縮させる弊害も大きいかもしれません。結局英語が口から出ないままでは本末転倒です。*当指導塾は上級者を対象としていますので、モヤモヤを解消すべく徹底的な文法的な解説を行う方針です。従って、must と have to の違いについても詳述していきます。I must buy some new clothes. Mine look so old.(The obligation is from me to buy new c lothes.)私は新しい服を何枚か買わねばならない。私のはとても古びて見える。(服を買うとの義務は話者=主語である私に発している)≒ I'm impelled to buy some new clothes. Mine look so old.私は新しい服を何枚か買おうとの衝動に駆られている。私のはとても古びて見える。I’ve got to buy some new clothes. I’m starting a new job as a teacher and we have to wear formal clothes.(The obligation is from the school to buy new clothes.)私は新しい服を何枚か買わねばならない。教師として新たな仕事を始めるつもりだしフォーマルな服を着なければならない。(服を買うとの義務は学校に発している)≒ I’m obliged to buy some new clothes.注意:*must not, mustn't は禁止を表しますが、don't/ doesn't have to , haven't/ hasn't got to は必要では無いことを表します。否定表現にすると2者の意味が乖離してしまう訳です。*mustn't は禁止の意味用法しかありませんが、must not は、〜の筈が無い、との意味用法も持ちますのでご注意下さい。You mustn’t tell this to anyone. It’s a secret.君はこのことを誰にも話してはならない。それは秘密だ。We haven’t got to wear a uniform to work.我々は勤務用の制服を着る必要はありません。= We don't have to wear a uniform to work.= We don't need to wear a uniform to work.= We need not to wear a uniform to work.*don't have to は他人を批判したり何かをするなと命ずる時に使われますが、 must not よりは勿論柔らかい表現になります。You don’t have to drink all of the juice! (stop drinking the juice!)君はジュースを全部飲む必要はないのに! (ジュースを飲むのを止めて呉れ!)deductions推論*have got to を推論や結論する時に利用もしますが、must を使う方がより普通です。That picture has got to be a fake!その絵は偽物に違いない!That must be a fake!(こちらの表現の方がより一般的)cf. have to do with= = to be related to or connected with, to be associated with〜と関係する、 通例は have a lot/nothing/ something などのhave の目的語を入れるmust: typical errors 典型的な間違い*過去に於ける義務と必要性 (〜せねばならなかった) を語る時には must は使わずに had to を代わりに使います。◯ When she got home, she had to cook dinner before everyone arrived.家に着いた時に、彼女は皆が戻る前に夕食を調理せねばならなかった、× When she got home, she must cook dinner before …----------------------------------------------------*未来の事について明確に語る (〜に違い無かろう) 時には must は使わず will を代わりに使います。◯ Don’t worry about our accommodation because I found a nice hotel which will be suitable for us.僕らの宿泊場所について心配しないで下さい。なぜなら僕らに適しそうな良いホテルを見つけたからです。× Don’t worry about our accommodation because I found a nice hotel which must be suitable for us.僕らの宿泊場所について心配しないで下さい。なぜなら僕らに適するに違いない良いホテルを見つけたからです。(未来を明確に語る表現、即ち、〜に違いなかろう、を1語で明確に表す法助動詞表現は英語には存在しません)未来に関する強い推論を述べたいのであれば、→Don’t worry about our accommodation because I found a nice hotel which will be definitely (絶対に) suitable for us.などと強調表現の副詞を入れるしかありません。 |
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