様態を表す表現10 |
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2023年7月20日 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。 これまで過去半年近くに亘り、英語の様相表現、即ち法助動詞とその関連表現について詳細に解説してきました。これは、話す内容の確からしさの程度と義務の念の2つを語る表現でした。様相とは少し似た言葉ですが、話のついで?とばかりに、次には、様態表現、即ち、〜に似た、〜の様だ、の一連の表現について個々に取り上げることにしましょう。まぁ、広義の比喩表現になります。他と比べることで言いたい物事がより鮮明に浮かび上がる事例は日常茶飯ですし、学問の根本的方法論を支える支柱でもあります。これまで折に触れ断片的に解説を加えてきたものの集成ともなります。その解説の第10回目です。 英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。 https://dictionary.cambridge.org/https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/ashttps://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/as-ashttps://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/also-as-well-or-toohttps://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/same-similar-identicalhttps://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/likehttps://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/as-or-likehttps://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/alikehttps://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/as-if-and-as-though |
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as を使っているが、様態の as とは言えない表現*as を利用した慣用表現が多く見られますが、元の意味、成立が不明で、様態なのか他の意味なのか区別が付きにくいものがあります。*辞書などの記述、用例に基づく品位の定めなども揺れ動きが見られますし、web 動画の解説を見ても、スジの通ったものてばなく、なし崩し的に説明がされる場合が有り、native-speaker ですら、明快な把握が出来ていない言葉が as であるとの印象を強くします。古くから利用される語であれば意味が多義に派生し、また明快には説明しにくい慣用的表現も生まれますが、その様な言葉の1つなのでしょう。*これまでも繰り返し述べてきましたが、実は as の品詞分類も必ずしも明確に指定できるものではなく、後ろに名詞を取ることから前置詞として考える事も出来たり、文が省略されていると考えて接続詞として捉える場合もあったり、副詞、代名詞と見做せる場合も多々あります。品詞で分けて考えるべき語ではなく、意味として区別すべき語とも言えそうです。*as を前に加える事により、その句を独立した語として利用出来る効果を持ちます。従って as の句を文頭に持ち出して際立たせることが可能になります。一種の勿体を付ける効果と言えましょう。*下記表現には一部前置詞また副詞<らしき> as も含まれます。as you go alongphraseas you are doing a job or activity: 仕事や活動をするに連れて*go along なる時間の進行を意味する用法ですので as は〜に連れて、を表す表現だろうと察しがつくかと思います。*A + do B as C + do Ddo D が進行、継続を表す動詞の場合は、as は時間の as と判断して良さそうです。*翻って考えると、様態の場合は、as など使わずに (文法的にはマズい) like を使ってくれる方が npn-native には意味が明瞭で分かり易いですね。We have a flexible approach to what we're doing that allows us to make any necessary changes as we go along.私たちは、必要な変更をその都度行えるよう、柔軟な姿勢で臨んでいます。*changes as we go along 仕事を進めつつ変化させる→様態では無く、時間(〜につれて)を表す as ですね。I'll explain the rules as we go along.ルールはその都度説明します。→様態では無く、時間(〜につれて)を表す as ですね。So as we're going along wrapping presents, she jumps up and runs out of the room for no reason.だから、プレゼントを包んでいる時に、彼女は理由もなく飛び起きて部屋を飛び出してしまうんだ。→様態では無く、時間(〜の時に)を表す as ですね。Like everyone, we make things up as we go along.みんなと同じように、自分たちで作り上げていくんです。→様態では無く、時間(〜しながら)を表す as ですね。We start with a basic treatment plan and then we adapt it as we go along.基本的な治療計画からスタートし、その都度修正していくのです。→様態では無く、時間(〜につれて)を表す as ですね。We're all learning as we go along.私たちは皆、学びながらやっているのです。→様態では無く、時間(〜しながら)を表す as ですね。as follows以下にリスト、描写、説明を紹介するために使う、以下〜の通りThe winners are as follows - Woods, Smith, and Cassidy.受賞者は以下の通りです - ウッズ、スミス、キャシディ。= The winners are listed as follows - Woods, Smith, and Cassidy.= The winners are listed as the following fact - Woods, Smith, and Cassidy.*受賞者は以下の様な者達です、と考えれば一見様態表現とも言えますが、実は様態では無く、事実を例示する表現です。* as follows = as the following fact 以下の事実として、とも見做すことも出来、そうすると as は前置詞 だと理解可能です。*as follows の as 然りですが、<〜の様に>、なのか、<〜として>、なのか、また時間表現なのかどうかなど、区別出来ない、区別しにくい as の表現が結構存在します。The demographics broke down as follows: 48 percent male, 52 percent female, 16 percent under 18 years old, 25 percent age 18-45, 40 percentage 46-65, 19 percent age over 65.デモグラフィックの内訳は以下の通りです: 男性48%、女性52%、18歳未満16%、18〜45歳25%、46〜65歳40%、65歳以上19%。Overall, 762 incidents were reported, broken down as follows: violent crimes, 430; vandalism, 212; weapons-related incidents, 56; and substanceabuse-related offences, 64.全体として762件の事件が報告され、その内訳は、暴力犯罪430件、破壊行為212件、武器関連事件56件、薬物乱用関連犯罪64件であった。cf. break downphrasal verbTo break down something such as an idea or statement means to separate it into smaller parts in order to make it easier to understand or dealwith.理解や扱いが容易になる様に考えや発言などを細かくする、分解する 他動詞用法しか記述がありません。最初の文例は複数の物に分離する、の意味の自動詞として捉える他にありません。〜に細かく分かれる→〜の内訳になる、ですね。下の文例の受動態が正しい用法でしょう。The key trends observed were as follows: low turnout in rural places, higher turnout in urban areas, low turnout for anti-government parties.観察された主な傾向は以下の通り:地方では投票率が低く、都市部では投票率が高い、反政府政党の投票率は低い。This can be done if you proceed as follows.これは、以下のように進めれば可能です。 |
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副詞としての as を使った短い表現as toidiom formalabout; relating to: 〜については、〜に関与してHe was uncertain as to which road to take.どの道を通ればいいのか、彼はわからない状態だった。There's no decision as to when the work might start.いつ仕事が始まるかも決まっていない。I can’t answer questions as to how much money Mr. Mayer is being paid.メイヤー氏にいくら支払われているかという質問には私は答えられない。They should make decisions as to whether the student needs more help.生徒がもっと助けを必要とするかどうか、彼らが判断すべきです。Andy sat down at the table and inquired as to what the problem was.アンディはテーブルに座り、何が問題なのかを問いただした。as to前に話していた別の話題について話し始めるときに使われます、さて〜に関してですがAs to where we'll get the money from, we'll talk about that later.さて、どこから資金を調達するかについては、後ほどお話しします。as for someone/somethingused to talk about how another person or thing is affected by something前に話していた別の話題について話し始めるときに使われます、さて〜に関してですが*複数の質問を受けた時に、as for your first question, 最初の質問に関してですが、などと返答を進めるのにも役立つ表現です。As for Louise, well, who cares what she thinks.ルイーズについては、まあ、彼女がどう思うかなんて気にする必要はないでしょう。As for the money, we’ll talk about that later.お金については、後で話しましょう。(つづく) |
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