英文長文読解 短期集中 個別指導 

否定を表す表現4 have yet to do  too...to do   

KVC Tokyo  やり直し硬派英語塾

                               





















https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/























































































































































塾長のコラム 2024年11月25日






否定構文4



2024年11月25日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 前回シリーズの前半にて、否定表現を交えた比較構文について説明を加えました。これは特に我々日本人には直感的に意味が掴めないものとなります。西欧語同士は互いに類似した言い回しがあるため、理解に困難は無い筈ですが、日本語にはその様な発想法が無く、何度説明をされ、一端は分かったものの、暫くするとまた混乱してしまう方が多いのではと思います。今回からは、それの一種の延長戦上にある表現として、否定構文の内でも難解な二重否定構文を採りあげて行きます。まぁ、否定語+than を、than を否定語に変えて、否定語+否定語にしたものと似ています。

 殆どが定型的な慣用表現でもあり、また日本語でも、〜無い訳では無い、吝(やぶさか)かでは無い、憎からず思う、などの二重否定表現があり、否定+than の場合よりは、幾らか理解すること自体は容易ではと思います。但し、和訳するに際し好適な訳語を当てるには、文脈を把握することが必要となりますのでなかなか大変です。 その場でまごつかないように、斯かる言い回しには斯かる訳語(の候補)を当てる、と、その定型的な複数候補−要は書き換え公式と呼称しても良いもの−を含めて前もって知っておくことは、比較表現などと同様、非常に大きな強みになります。難解な比較表限と否定表現をきっちり押さえておくと、英語の読解力が確実に数段上に上がる訳です。皆さんには塾長のコラムを通じて是非ともそれらを頭に input  して戴ければと思います。

 当然乍らストレートに物言いすべきところを、ひねて婉曲に告げる表現ですので、学術論文などには皆無の表現ですね。特に難解な<凝り固まった>表現は古典的な文学作品にも頻出し、一頃の大学入試では、この様な持って回った様な英文を和訳せよとの出題が見られ、受験生泣かせでした。この種の出題は、古典的文芸教材を元に古い教育を受けた文系上がりの英語教官が半ば趣味的に出題したものと私は考えて居ます。これが入試に対応せざるを得ない高校での英語教育を歪め、何年英語を勉強 study しても英語が身に付く learn することが出来ない元凶の一つであったろうと考えます。なんとなれば、難解なハズルの様な英文を<解読>させることと、意思疎通の為の正しく明確な英語表現力−自己主張力−を育てる事とは次元が大きく異なるからです。難解な英文を提示する事で自らの地位の保全を図るようなところが、旧来の英語指導者の多く−優れた指導者は勿論存在しましたが−に見られた様には感じています。幸いな事に斯かる古い世代の遣り方は駆逐され、事態は改善されつつあり、近年の入試にはその様な<パズル問題>はだいぶ少なくなって来ていると感じますね。

 これらの表現について過去に断片的に触れたものも纏め一通り触れて行きましょう。このシリーズの第4回目となります。更にこの先の予定としては、各種英語構文の内、難解なもの−同格構文、挿入構文、共通構文、強調構文、倒置構文、省略構文、−を中心に順次触れて行く積もりです。

英国ケンブリッジ英語辞典並びに Collins 英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/double-negatives-and-usage

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/negation_2

https://www.collinsdictionary.com/dictionary/english/fail


『チャート式 英文解釈』 鈴木進、数研出版、昭和51年、第7章 否定構文

 ここの基本的構成並びに(難解な)例文を幾つか参考にしていますが、塾長なりの視点から批判的検討を加え、また一部、より現代的な、或いはより正しい明確な表現となる様、書き換えたものも併記しています。






Have  Yet  to Do & Have Yet to Be Done - Formal English  Grammar

English  with Jennifer 2021/05/21 https://youtu.be/wH05tgqPAm8

have  yet  to do, have yet to be done の用法を学びます。


I haven't made a video on madal certainty yet.

モーダルの確実性についてのビデオはまだ作っていない。(過去から今に

至るまで作っていません)

I have yet to make a video on modals certainty.

私はモダルの確実性についてのビデオはまだ作っていません

(この先に作ります)。

過去志向と未来志向のニュアンスの違いはありますが、ジェニファーさんはこの2文

を同値と扱っていますね。





否定語を用いない否定構文2




*否定語を用いる以外に、いろいろな形で否定の意味を表わす文があります。これらの文は形式上は否定文ではありませんが、否定的に和訳すると意味がスンナリ取れる場合が多いです。




仮定法の利用


That he were here!  Were he here, he'd help  us  immediately.

 彼がここにいてくれればなあ!彼がいてくれれば,すぐに私たちを助けてくれるのに。


*仮定法の文は事実の反対を述べるものですので、含意は否定になります。

That he were here !  

→現実は I am sorry he is not here.


Were he here, he would help us immediately . (were he  here =  if  he were here の倒置表現)

→現実は As he is not here, he cannot help us.


If I had more experience, I might not mind it so  much,  but  as  it is, I am terrified.

 もっと経験があれば、それをこれほど気にしないんですが、実はこわいのです.

→現実は As I do not have so much experience, I  mind  it  so much.




動詞、名詞、形容詞、副詞の利用


be/have  yet  to  do

 まだ〜されていない

*be to do = have to do  、〜することになっている、〜する義務だ、に、まだだ、の意味の yet が割り込んだものです。

*これから〜する/ される事になっている→まだされていない、の否定の意味ですね。


The most difficult part of the work was yet to be  done.

 仕事の最も難しい部分は、まだ為されていなかった。


He is/has yet to know the truth.

 彼はまだ真実を知っていない。



過去志向と未来志向のニュアンスの違いはありそうですが、以下の2文が同値であるとの解説動画もあります。

I haven't made a video on madal certainty yet.

 モーダル(法助動詞)の確実性についてのビデオはまだ作っていません。

  (過去から今に至るまで作っていません)


I have yet to make a video on modals  certainty.

 私はモ−ダルの確実性についてのビデオはまだ作っていません

  (この先に作ります)。


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remain  to  do

 まだ〜されていない、〜するのが俟たれる

*頻用される表現です。


All our problems remain to be solved.

 我々の問題は全て解決されないままである。


The task is almost completed, but a few things  remain  to  be  done.

 その仕事はほぼ完成したが、まだ2、3しなければならないことがある。


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refuse  to do

The elevator refused to work.

 エレベーターはどうしても動かなかった。


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fail  to  do

1. 〜出来ない、しくじる

= unable to do it or do not succeed in doing it.


I fail to see the reason.

 その理由が僕には分からない

= I cannot see the reason.


The Workers' Party failed to win a single  governorship.

 労働者党は一度も知事選に勝てなかった。



2. (本来)そうすべきことをしない、し損なう

(formal) = do not do what they should have  done

Some schools fail to set any homework.

 宿題を出さない学校もある。


He failed to file tax returns for 1982.

 1982年の確定申告を怠った。


The bomb failed to explode.

 爆弾は爆発しなかった。


She failed to appear.

 彼女は現われなかった


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all

= only thing

This is all I know about him.

 彼についてはこれしか知りません。(これが彼について知っている全てです。


*詳細は以下をご覧下さい。

 唯一を表す表現6

https://www.kensvetblog.net/column/202408/20240805/


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anything  but

= never  けして〜ない

*肯定文にて使われるときはこの意味になりますが、not と共に使われると、nothing but = only 〜に過ぎない、の意味になりますのでご注意下さい。


He is anything but a scholar.

 彼は決して学者なんかじゃない。(=He is no scholar.)


The man was anything but a gentleman.

 その男は全く紳士なんかではなかった。


*字面通りに訳すと、その男は紳士以外の全てだった、になります。

= The man was no gentleman.


*日本語の冗談で、<君は顔と性格と頭以外は全ていいね>と言う表現と同じですね。

*これは、<君は顔と性格と頭は最低だ>、の裏返し!です。

*それ以外のいずれにも該当する→兎に角絶対にそれではないのだ、の精神作用ですね。


*これは、

He is the last man to tell a lie.

 彼は嘘を衝く最後の男だ。→彼は絶対に嘘なんか衝かない。

 の発想に類似します。


*but は前置詞として except 〜以外に、の意味になり、各種の否定表現に頻用されます。






The  Rolling  Stones - Ain't Too Proud To Beg - OFFICIAL  PROMO

The  Rolling  Stones  2012/11/20 https://youtu.be/Kktm9rwz-dE


I'm too proud to do 〜するのはプライドが許さない、の表現ですが、これを

ain't (= am not) で否定すると、〜するのはプライドが許さない訳では無い、となります。

まぁ、逃げた女に男のプライドもかなぐり捨てて帰って来てくれよと懇願する訳です。





God  knows

 神のみぞ知る

God knows how many sleepless nights she  passed.

 彼女はどんなに多くの眠られぬ夜を過したか、誰も知りません。(神だけが知っている)


*キリスト教徒のみ使用する表現でしょう。

*同様に何かにおどろいた時に、Oh my God! 或いは Oh,  my  gosh!  (略してOMG)が必ずと言って良い程口にされますが、こちらも本来的に他宗教や無宗教の者が使うべきものではないと言えるでしょう。

*日本語で言うと、ビックリだぜ、ぶったまげた(魂が消えた)相当ですね。


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too...to  do

〜過ぎて〜出来ない

*so ....that cannot に書き換え可能です。

*書き換え問題の頻出パターンです。


*字面通りの意味では、〜するには〜過ぎる、の意味になり、可能性について言及するのは慣用的な意味用法になります。

*理由と帰結を表すとも解釈出来ますし、後ろから訳して程度を表す表現とも解釈可能です。

*これは、so...that や so as ...to などの構文と似ていますね。

*casual な口語表現に近いものです。

*formal な硬い文章中には使用されません。


He was too young to be trusted with the work.

 その仕事をまかせられるには彼は若すぎた。

→ 彼は若過ぎてその仕事をまかせられなかった。

= He was so young that he could not be trusted  with  the  work.

= He was so young that we could not trust him  in  our  work.

=  He was too young for us to trust (him) in  our  work.


*受動態で意味が捕らえにくい時は<消されている主語>を建てて能動文にすると理解出来る場合が多々あります。



She followed him as fast as she could, for she  was  too  eager to know what had happened to stay behind.

 彼女は出来る限り素速く彼の後を付けた。と言うのは、何が起こったのかを知りたすぎて、じっとしていることができなかったからだ。


*too (eager to know what had happened) to stay  behind.

*まぁ、to 不定詞が2つ重なり、分かり難い文ですね。

*どちらの to 不定詞が too とペアを組むのかを落ち着いて考えれば分かるかと思います。

*発語すれば to stay behind.の前でワンクッションが置かれ、意味が取り易くなる筈ですが。

= She followed him as fast as she could, for she was  so  eager  to  know what happened that she couldn't stay behind.

= She followed him as quickly as possible because  she  was  so  eager to know what happened and did not want to stay behind. (平易且つ普通の表現)



not  too...to  do

〜過ぎて〜出来ない、と言う訳では無い


*not (too...to do) と解釈します。


*Ain't Too Proud To Beg は The  Rolling  Stones のタイトル曲ですが、I'm too proud to do 〜するのはプライドが許さない、の表現を ain't (= am not) で否定して、〜するのはプライドが許さない、と言う訳では無い、となります。

*まぁ、逃げた女に男のプライドもかなぐり捨てて帰って来てくれよと懇願する歌です。


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know  better  than  to  do

= not to be so stupid as to

UK 〜するほど馬鹿ではない、分別がある


I know better than to tell the truth easily.

 俺は本当のことをやすやす語るほどの馬鹿じゃあない。

= I'm not so stupid as to tell the truth easily.


He'll know better than to pay a return visit to  this  property.

 彼はこの土地に再訪問するほどの馬鹿はしないだろう。

You know better than to ask me a question like that,  Heather.

 私にそんな質問しない方がいいってことはわかる筈よね、ヘザー。


The rest of us know better than to try and  interrupt  when  David is in this sort of mood.

 デビッドがこんな気分の時に、ちょっかいを掛けるほど私達は馬鹿では無いわ。

→デビッドがこんな気分なんだから、彼を一人にさせておこうと思って居るの。


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the  last  (person/thing)  to  do

 決して〜ない

*入試頻出の定番ネタですね。


He is the last man to tell a lie.

 彼はうそをつく最後の人間だ。

→決してうそをつかない人だ。

= He never tells a lie.


*次の文の否定の意味の強調です。

He is not a man to tell a lie.

 彼は嘘をつかない人だ。


He is the last man to betray you.

 彼は決して君を裏切りはしない。


Tom was the last person (that) I expected to see  there.

 そこでトムに会うなんて全く予想外だった。

= It was totally unexpected to see Tom there.


cf. 初回に人に会うの意味では meet を使いますが、一度知って後には see を利用します。ご注意下さい。