英文長文読解 短期集中 個別指導 

否定を表す表現7  no way   in no sense   not simply because      

KVC Tokyo  やり直し硬派英語塾

                               





















https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/























































































































































塾長のコラム 2024年12月10日






否定構文7



2024年12月10日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 前回シリーズの前半にて、否定表現を交えた比較構文について説明を加えました。これは特に我々日本人には直感的に意味が掴めないものとなります。西欧語同士は互いに類似した言い回しがあるため、理解に困難は無い筈ですが、日本語にはその様な発想法が無く、何度説明をされ、一端は分かったものの、暫くするとまた混乱してしまう方が多いのではと思います。今回からは、それの一種の延長戦上にある表現として、否定構文の内でも難解な二重否定構文を採りあげて行きます。まぁ、否定語+than を、than を否定語に変えて、否定語+否定語にしたものと似ています。

 殆どが定型的な慣用表現でもあり、また日本語でも、〜無い訳では無い、吝(やぶさか)かでは無い、憎からず思う、などの二重否定表現があり、否定+than の場合よりは、幾らか理解すること自体は容易ではと思います。但し、和訳するに際し好適な訳語を当てるには、文脈を把握することが必要となりますのでなかなか大変です。 その場でまごつかないように、斯かる言い回しには斯かる訳語(の候補)を当てる、と、その定型的な複数候補−要は書き換え公式と呼称しても良いもの−を含めて前もって知っておくことは、比較表現などと同様、非常に大きな強みになります。難解な比較表限と否定表現をきっちり押さえておくと、英語の読解力が確実に数段上に上がる訳です。皆さんには塾長のコラムを通じて是非ともそれらを頭に input  して戴ければと思います。

 当然乍らストレートに物言いすべきところを、ひねて婉曲に告げる表現ですので、学術論文などには皆無の表現ですね。特に難解な<凝り固まった>表現は古典的な文学作品にも頻出し、一頃の大学入試では、この様な持って回った様な英文を和訳せよとの出題が見られ、受験生泣かせでした。この種の出題は、古典的文芸教材を元に古い教育を受けた文系上がりの英語教官が半ば趣味的に出題したものと私は考えて居ます。これが入試に対応せざるを得ない高校での英語教育を歪め、何年英語を勉強 study しても英語が身に付く learn することが出来ない元凶の一つであったろうと考えます。なんとなれば、難解なハズルの様な英文を<解読>させることと、意思疎通の為の正しく明確な英語表現力−自己主張力−を育てる事とは次元が大きく異なるからです。難解な英文を提示する事で自らの地位の保全を図るようなところが、旧来の英語指導者の多く−優れた指導者は勿論存在しましたが−に見られた様には感じています。幸いな事に斯かる古い世代の遣り方は駆逐され、事態は改善されつつあり、近年の入試にはその様な<パズル問題>はだいぶ少なくなって来ていると感じますね。

 これらの表現について過去に断片的に述べたものも纏め一通り触れて行きましょう。このシリーズの第7回目となります。更にこの先の予定としては、各種英語構文の内、難解なもの−同格構文、挿入構文、共通構文、強調構文、倒置構文、省略構文、−を中心に順次触れて行く積もりです。

英国ケンブリッジ英語辞典並びに Collins 英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/double-negatives-and-usage

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/negation_2

https://www.collinsdictionary.com/dictionary/english/in-no-way

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/sense?q=in+no+sense






【ネイティブが使う日常英会話】No Way

ネイティブ30秒英会話  2016/10/19 https://youtu.be/b03mbqlm_yk


No  way!  は口語として極めて頻用されますが、否定を表す場合と驚きを表す

場合の2通りがあります。全然そんなじゃあない!、そんなのあり得ない!

どちらかと言うと若者メインが使う類いの casual 表現ですね。



Struggling  single  mom gets blessed because of her kind  heart!

Videos By Vu  2024年6月6日

https://www.youtube.com/shorts/M8ABAko6MsM


困っているのでボロボロの靴を20ドルで買ってくれないかとシングルマザーに持ち掛け

ます。なけなしの20ドルを渡すお返しに2000ドルを上げますが、彼女が No way! と

口にするのが聞こえます。涙無しには見れませんね。 a buck とは a US dollar.です。





その他の否定表現2 けして〜ない(その3)




in  no  way

= not at all,not in any way, no way, definitely  not,  not  at  all true.

 まったく〜ない、けして〜ない


In no way am I going to adopt any of his methods.

 決して彼のやり方を採用するつもりはない。


A spokesman insisted the two events were 'in  no  way  related'.

 広報担当者は、この2つの出来事は『まったく関係がない』と主張した。


'He hasn't become more boring has he?' she laughs.  No. Not in any way.'

 彼はこれ以上退屈にはなっていないでしょうと彼女は笑う。 いいえ、一切ありません。


I in no way regret my choice to have a child.

 私は子どもを持ったことに後悔はしていません。

=  I don't regret my choice to have a child. al  all.


*no way は口語で強い否定や驚きを表す表現として頻用されます。全然そんなじゃあない!、そんなのあり得ない!

*若い世代が頻用する casual 表現ですね。


----------------------------------------


no 〜 whatever  (whatsoever)

 全然〜ない

*否定文を強調するために名詞群の後に副詞  whatever を使います。


There is no evidence whatever that competition  in  broadcasting  has ever reduced costs.

 放送の競争がコストを下げたという証拠は何もない。


I have nothing whatever to say.

 私は何も言うことはない。


We do not know the nature of whatever lies in the  pit  you  saw, or its powers.

 あなたが見た穴の中にあるものの性質も、その力もわからない。


My school did nothing whatsoever in the way  of  athletics.

私の学校は陸上競技に関しては何もしていない。


I don't think they'll have any idea how I'm feeling. None  whatsoever.

 彼らには私の気持ちはわからないと思う。何もね。


My wife has no sense of direction whatever  (whatsoever])

 私の妻は全くの方向音痴です


Is there any chance whatever of our survival?

 我々が生き残る見込みは少しでもあるだろうか


----------------------------------------


in/under  no  circumstances

= not 〜in/under any circumstances

= in no case; never, under no conditions


Under no circumstances should you see them  again

 いかなる事があっても二度と彼らとは会うなよ。


----------------------------------------


in  no  sense

= not at all:

*如何なる意味に於いても〜ではない、が字義です。


We are in no sense obliged to agree to this.

 私たちはこれに同意する義務は全くない。


In no sense has she chosen an easy option.

 彼女は決して安易な選択肢を選んだわけではない。


These people are in no sense ordinary citizens  and  we  should  not forget that.

 この人たちは決して普通の市民ではないし、私たちはそのことを忘れてはならない。


In no sense did she bear responsibility for  what  happened t hat night.

 あの夜起こったことに対して、彼女はいかなる意味でも責任を負っていない。


I am an enthusiast but in no sense an expert.

 私は熱狂的なファンだが、決して専門家ではない。


He's not a sophisticated man - not in any sense  of  the  word that I'm aware of

 彼は洗練された人間ではない。私の知る限りのいかなる言葉の意味においても


----------------------------------------


cannot ...for  the  life  of

 どうしても〜できない

idiom informal

cannot do although trying very hard

 非常に努力しているにも関わらず出来ない


*ぞんざいな口語です。


I can't remember her name for the life of  me.

 頑張ってんだけど彼女の名前が思い出せ無いよ。


I could not understand what he said for the life  of  me.

 どうしても彼の話を理解できなかった


----------------------------------------


simply,  really,  just  +  not

 全く〜ではない、全然〜ではない

= not...at all

*not などの否定語の前に置いて、否定を強調します。


*just の同様の用法については

  https://www.kensvetblog.net/column/202408/20240805/ をご参照下さい。


I simply/really/ just don’t know what  happened.

 何が起こったのか私はもう全然知らなかったのです。


I simply cannot solve this problem.

 僕はこの問題が全然解けない。

= I can't  solve this problem at all.


*僕はこの問題が単純には解けない、などと訳さないで下さい!






Velshi:  We Can’t Ignore Latino History Simply Because It Makes America Look Bad

MSNBC  2021/10/03 https://youtu.be/oE7cp3AsyJo


We  didn’t cross the  border,  the border crossed us,” is a common expression among

LatinX  Americans.  And  they are not wrong. The people we know as Hispanic or, more

commonly  now, Latino,  Latina or LatinX, have been in America longer than there has

been  an America.  There  were Spanish-speaking people in Texas while it was a Spanish

colony,  then a  Mexican  province and when Texas was an independent country, prior

to  the Civil War. But  in  1845, Texas joined the United States, and Mexicans ? who

had  been citizens of  the  Texas Republic - became outsiders in their own land. White

settlers  from the rest  of  the United States, along with many immigrants from Europe,

moved  in and  essentially  started to take over. It could be the textbook definition of

colonization  except  it  probably wasn’t in the textbook you were reading in grade

school.  Having an  accurate  grasp on this country’s history is essential to our identity

- especially for  the  black and brown people whose history is being ignored, simply

because it makes America look bad.


私たちが国境を越えたのではなく、国境が私たちを越えたのだ。ラテン系アメリカ人の

間ではよく使われる表現だ。そして、彼らは間違っていない。私たちがヒスパニックと呼

ぶ人々、あるいは現在ではより一般的に ラティーノ、ラティーナ、ラテン系アメリカ人と

呼ばれる人々は、アメリカという国が存在するよりもずっと昔からアメリカにいる。テキサ

スがスペインの植民地であったときも、メキシコの州であったときも、そしてテキサスが

独立国であったときも、南北戦争以前には、テキサスにはスペイン語を話す人々がいた。

しかし1845年、テキサスは合衆国に加盟し、テキサス共和国の市民であったメキシコ

人は、合衆国から追放された。彼らは自分たちの土地では部外者となった。白人やア

メリカの他の地域からの入植者たち、そしてヨーロッパからの多くの移民たちが移り住み、

実質的に支配を開始した。これは、植民地化の教科書的定義と言えるかもしれない。こ

の国の歴史を正確に把握することは、私たちのアイデンティティにとって不可欠である。

- 特に黒人や褐色の人々にとっては。アメリカの印象を悪くするからだ。


元々は先住民であるインディアンが住んで居た土地を<発見>し乗っ取ったのは

海賊を生業としてきた北方系ゲルマン人の習性が多分に作用しているものと塾長

は分析します。自分の物は自分の物、他人の物も自分の物とする彼らの現在に至る

迄のご都合自画自賛主義にも良く表れていると塾長は常日頃感じますし、彼らに対す

る一定の警戒心はけして捨てていません。それを元に自然科学者として英語を1つの

言語として客観的に観察し、また<硬派>に指導している訳です。


We Can’t Ignore Latino History Simply Because It Makes America Look Bad

単にアメリカの印象を悪くしてしまうからと言う理由でラテン系の歴史を無視し

得る訳では無い。(無視するのはもっと別の理由があるのだ)


not simply = not only ですが、後ろに but also の気持が隠されている事に

気付いて下さい。





その他の注すべき慣用表現


*いずれも時間の前後関係、理由の一部を否定する表現です。

*以下いずれも字面通りに訳しても意味は取れますが、日本語として分かり易い訳出法がありますので覚えて下さい。


----------------------------------------


not do A until do B

 BしてはじめてAする


*入試頻出表現ですが、さっと訳せる様にして下さい!

*〜まで〜ずっとしなかった、と時間的に連続していますので、do  A,  do  B  は同じ時制にします。


I didn't learn the news until he told me.

 彼が教えて呉れるまで僕はそのニュースを知らなかった。

→彼から聞いて僕は初めてその知らせを知った


*これを強調構文にした形、 It is not until do  B  that  do  A.   Bして初めてAした、も良く目にします。

→ It was not until he told me that I knew  the  news.

*語順通りに訳せば良いので日本人には却って覚えやすいでしょう。


*更に It is と thatを省略して、以下にすることも出来ます。

→ Not until he told me did I know the news.


----------------------------------------


It  will  not  be  long  before

 まもなく〜するだろう


It will not be long beforehe has a driver's  license.

=  Soon he will be able to get a driver's  license.

 すぐに彼は運転免許を取るだろう。


*接続詞 before  以下は時を表す副詞節ですので、未来の事であっても現在形で記述します。

*しかし仮に未来形にしても特に問題扱いはされません。



It  was  not  long  before

 まもなく〜した


It was not long before I realized the ruse.

まもなく私はその計略に気付いた

=I realized the ruse before long.

= Soon I realized the ruse.


cf. before long は副詞句で、間も無く、soon の意味になります。


----------------------------------------


not  do  A  (just/only/simply)  because  do  B

 単にBの理由からAする訳では無い。(Aする理由は他にも有る)


I don't study because I want to be a  doctor.

これは、

1. I don't study (because I want to be a  doctor.)

 医者になりたいがゆえに、僕は勉強しない。


*即ち、本来的に副詞節として主節からは独立的に機能すべきことを考えると、この様に解釈すべきなのですが、


2. I don't (study because I want to be a doctor.)

 (医者になりたいがゆえに僕は勉強する)、のではない。(別の目的で勉強する)


 と、副詞節とその直前の動詞との結び付きが強くて意味的に一体化している、ものとして慣用的には解釈されます。


*逆に言えば英語には斯かる大きな意味の違いをもたらす多義性を抱えている曖昧表記の言語と言う事が判然としますね。


*2番目の意味を鮮明に表したいのであれば、これを以下の様に記述します。


I don't study  (just/only/simply) because I want to  be  a  doctor.

 単に医者になりたいがゆえに僕は勉強する、のではない。(勉強するのは別の理由もある)


*これは、not + just/only/simply の語の組み合わせから、<私が〜するのは、単に〜の理由からだけではない、他にも理由が>、の意味合いをより明確に把握させるからです。

*not  only...but  also  の前半部分と同じですね。but  also 部分のところに医者になりたい以外の別の理由があるわけです。



*副詞節としての従属節が、主節全体に掛からず副詞節の直前の動詞に掛かる例は散見されます。

*例えば、What do you want to be when you  grow  up?

  大きくなったら何になりたいの?(幼稚園児レベルの日常語)

*when 以下の副詞節は主節の主動詞 want には掛からず、直前の be 動詞に結び付きます。

*What do you want to (be when you grow up?) ですね。









すぐ上で、not の意味の波及範囲に触れたついで?に以下を挙げておきます。


注意:

(think,  believe,  suppose,  hope, etc.) + (that-clause) の否定様式


*think, believe, suppose のような動詞 (メンタルプロセス動詞、mental  process  verbs  想念動詞)を使って、何かについての不確かさを表現する場合、通常、それに続く that 節の動詞にではなく、メンタルプロセス動詞の前に  not  を使います。

*これは絶対と言う訳では無く、状況に拠っては that 節の中にて not を用いる場合もあり得ます。


メンタルプロセス動詞、mental  process  verbs) については以下をご参照下さい。

塾長のコラム2019年8月15日 『動詞型E that 節を取る動詞T』

https://www.kensvetblog.net/column/201908/20190815/


I don't think I’m going  to pass my exams.

 私は試験に合格するとは思わない。( I think I’m  not  going  to pass my exams. より好まれる)


*しかし、hope や wish では、that 節内に not を置くのが通例です。

◯ I hope I’m not going to fail.

× I don’t hope I’m going to fail.

(hope でまだ分からないこの先の不確かなことを希望する)


◯ I wish I hadn’t sent that email to Joan.

× I don’t wish I had sent …

 (wish で確実に不可能であることが分かって居ることを願う)