英文長文読解 短期集中 個別指導 

同格を表す表現2   ダッシュとコロンの利用        

KVC Tokyo  やり直し硬派英語塾

                               





















https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/























































































































































塾長のコラム 2025年1月1日






同格を表す表現2



2025年1月1日

 皆様、新年明けましておめでとうございます。KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 前回シリーズまでにて、否定表現を交えた比較構文、否定構文について説明を加えましたが、今回からはそれらに比べると我々日本人にはだいぶ扱い易い同格構文について解説を加えて行きます。構文と言うよりは単なる一つの表現用法と呼称した方が寧ろ適切かもしれません。まぁ、難解なものが連続しましたので皆様にはちょっとリラックスして戴こうとの思いもあります。同格とは要するに、2つの名詞或いは名詞相当句をコンマ、コロン、ダッシュ、of  などを挟んで並列し、後ろの表現にて意味をより明確に或いはより具体的に述べる用法になります。少し注意を払えば、ああ、ここは前言を言い換えている、同格表現だなとすぐに分かる様になります。これは意味内容からの判断もありますし、後ろに続くものが独立した文章では無く名詞句であると考えざるを得ないことを根拠にそう判断するに至る場合もあります。勿論、明確に、< or, thatis, that is to say, in other words> などと言葉に拠って明言する用法もあり、これらも併せて解説していきます。このシリーズの第2回目となります。更にこの先の予定としては、各種英語構文の内、−挿入構文、共通構文、強調構文、倒置構文、省略構文、−を中心に大方この順序徹りに触れて行く積もりです。

英国ケンブリッジ英語辞典並びに Collins 英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/apposition

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/punctuation


『チャート式 英文解釈』 鈴木進、数研出版、昭和51年、特殊構文第1章同格構文

 ここの基本的構成並びに(難解な)例文を幾つか参考にしていますが、塾長なりの視点から批判的検討を加え、また一部、より現代的な、或いはより正しい明確な表現となる様、書き換えたものも併記しています。






English  Grammar Basics: How to Use a Dash

Socratica   2015/07/17 https://youtu.be/nqluA-a3jbw


追加したい付加的な情報にdramatic な強調効果を与えたいと考える

場合にのみダッシュを使うべきと解説されます。実際のところ現在では

informal な文章で利用されることが多くなっています。





同格構文−記号を用いる同格構文2




2.同格表現−ダッシュの利用


*同格 apposition としてはコンマを利用する場合が一般的ですが、ダッシュ dash を使うと、dramatic な強調効果を与える事が出来ます。

*即ちダッシュを利用する場合は、一呼吸置いて構える様な、力を入れた感情的表現になりますね。

*含みを持たせ勿体を付ける効果もあります。

*ダッシュはインフォーマルな文章でよく使われます。コンマやセミコロンと同様の使い方ができます。同格、補足説明の用途です。

*感情的な効果を意図する表現ゆえ、自然科学の学術論文の文章中にダッシュは通常は用いません。

*思わせぶりの付け足しの補足説明などせず、必要な情報は最初からきっちりと明瞭に述べるのが学術論文だからです。


This laboratory - the largest one in the world - employs  thousands  of able scientists.

  この研究所は世界最大のものだが、数千人の有能な科学者を採用してぃる。

  (This  laboratory =  the  largest one in the world )


He placed his hat - a dark grey Homburg - upon his  knees.

 彼は帽子−濃いねずみ色のホンバ−グ−を膝に置いた。


Health, friends, position, -  all are gone.

 健康、友人、地位−すべてが失くなってしまった。


Her voice is soft and beautiful - an excellent thing  in  woman.

 彼女の声はやわらかで美しいが、それは女性にとってはすばらしいことである.


I have given up my favorite pastime - reading, and  now  have  very  pleasant work, preparing boys for college.

 私は読書という気に入りの趣味を捨てました。そして今は少年たちに大学へ入る準備をさせるという大変楽しい仕事をしています。


When they are successful, many men and women forget  prudence,  moderation, and kindness - qualities which were instrumental in their success.  (A. Maurois)

 成功すると、男性でも女性でも慎重さ、節度、親切--すなわち彼らの成功の助けであった美点を忘れる人が多い。

There are many prejudices against the Middle Ages;  the  name  itself  means the interval of darkness between the ruin of the ancient classical  culture and the modern revival of learning - a time  supposed  to be full of ignorance, superstition and bad taste, an object of loathing to well-educated persons. (W.P. Ker)

  中世紀に対して幾多の偏見がある。中世紀という名前自体、古代の古典文化の衰亡と近代の学問復興の間の暗黒の時期、すなわち無知、迷信、悪趣味に満ちていたと考えられる時代、そして十分教育を受けた人々には嫌悪の対象でもある時代、の意味になっている。



*以下は名詞或いは名詞相当句ではない文言にダッシュを利用しており、同格の定義に外れます。

*文言、セリフに劇的効果を与えんとの意図でしょう。


Our teacher - who often gets cross when we're late -  wasn't  cross at all. No one could believe it!

 私たちの先生は、遅刻するとよく怒るのですが、(今回は)全然怒られませんでした。誰もそれを信じられませんでした!


Just wanted to thank you for a lovely evening - we  really  enjoyed it.

 素晴らしい今夕に対して有り難うと言いたかったです。本当に楽しかったですよ。


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*ここで括弧、スラッシュ、ハイフンの用法について学んでおきましょう。


cf. 括弧の利用法


*括弧はダッシュと同じような働きをします。括弧は多くの場合、本質的でない追加的な情報を追加します:


Thriplow (pronounced ‘Triplow’) is a small village  in  the  eastern part of England.

 Thriplow (発音は「トリプロウ」)はイングランド東部の小さな村です。


*学術論文では、日付やページ番号を括弧で囲みます。

*学術論文の中身の文章中に括弧は通常は用いません。


Heaton (1978) gives a convincing explanation of  how  hurricanes  are formed (pages 27-32).

   Heaton (1978)はハリケーンがどのように形成されるかについて説得力のある説明をしている (27-32ページ)。



cf. スラッシュの利用


*インターネットのアドレスや、学術的な参考文献の中で、スラッシュを使うこともあります。


You can find the figures you need on www.bbc.co.uk/finance

 www.bbc.co.uk/finance にて、必要な図を見つけることができる。


Binks (1995/1997) has already researched this  aspect  of  Roman history.

  ビンクス(1995/1997)はローマ史のこの側面をすでに研究している。


*話は外れますが、英文の読み方の1つとして参考書やyoutube 動画等にてスラッュリーディング法を勧めるものが有ります。

*英文を語句の纏まり事にスラッシュで区切り、視覚的にも、文型や修飾関係或いは文言の独立性を明確に出来る利点は確かにあると感じます。

*英語は各文字列が均等な関係で配列しているのでは無く、言葉の纏まりのブロックで組み立てられて機能しますので、実は native が文を読む時には意識もせずにスラッシュで言葉の固まりを区切っているとも言えます。

*実は発話する時に、言葉のブロック毎に僅かな区切りが置かれていることに気が付くでしょう。

*多数のスラッシュを用いると却って煩雑になりますので、文構造を把握する力が付いてきたら、分かり難い修飾関係のみ括弧で括る方法などに移行すると良いでしょう。

*塾長はスラッシュリーディング法は一度も使ったことはありませんし、生徒にトライさせてみたこともありません。


cf. ハイフンの利用


the symbol -, used to join two words together, or  to  show  that a word has been divided into two parts at the end of one line and the beginningof the next:

*ハイフンは、2つの単語を結合したり、1つの行の終わりと次の行の始まりで単語が2つの部分に分かれていることを示すために使用されます。

*ダッシュとの混同は避けて下さい。


There are hyphens in "well-to-do".

 well-to-do "にはハイフンがある。






COLON  |  English  grammar | How to use punctuation correctly

Learn  Easy  English  2020/02/09 https://youtu.be/NKWdStFFkj8


コロンの用法が手短に解説されます。





3.同格表現−コロンの利用


*コロンは、イコール= 記号を左右から圧縮した形になりますが、基本的にその前後で同じ内容を表す記号です。

*しかしながらコロンの使用は、英語の apposition 同格としては必ずしも文法的には扱われません。

*即ちコロンを利用する場合は、真の意味での同格(格が等しい)では無く、補足的説明なる下位の概念扱いなのでしょう。

*国内の英語参考書では同格用法としてのコロン利用の記述が見られますし、実際同格用法の一種として利用されると理解して不都合はありません。


*コロンは必ず完全文の後に使われます。コロンのあとでその(一部の)中身を言い換えます。

*全ての用法は、コロン以下に最初の文章の(一部の)補足説明、具体的な中身を提示する用法になります。


*this is because, for example, in other words などを1つの記号で示す事の出来る便利な用法です。



1.コロン(:)は次に例示する語をリストアップする際に用いられます。(例示のコロン)


There are three main reasons for the success of  the  government:  economic, social and political.

 政府の成功には3つの主な理由がある:経済、社会、政治。



2.また、サブタイトル(副題)を示すときや、トピックの細分内容を示すときにもコロンを使用します。(副題のコロン)


Life in Provence: A Personal View

   プロヴァンスでの生活: 個人的な見解


The Senator spoke on the subject: '' International  Trade  and  the World Market,'.

 上院議員は「国際貿易と世界市場」という演題で演説をした。



3.2つ目の文が1つ目の文を追加的に説明したり、正当性を補強する場合によく使われます。(追加説明、主張正当化・補強のコロン)


Try to keep your flat clean and tidy: it will sell more  easily.

 アパートをきれいに整理整頓するように心がけましょう。そうすればもっと簡単に売れます。


As for the old women, they sat there on their  yellowed  and  bony haunches. They were all beyond the bitter pain and ecstasy of youth - its    frenzy, its hop, its sinew of bright blood and agony: they  were  beyond the pain and fear of anything save age and death.  (T. Wolfe)

 老婆たちといえば,彼女らはそこで黄ばんだ骨ばった腰をおろしていた。皆,青春のはげしい苦痛と法悦--すなわち青春の狂気,希望,若々しい情熱と苦悩を結びつけている「腱」とも言えるもの--をすっかり越えていた。つまり彼女らは老年と死以外の何の苦痛も恐怖も及ばないところにいたのである。


It may help to solve one of mankind's most urgent  problems : how to increase food production.

 それは人類の最も急を要する問題、すなわちいかに食料を増産するか、を解決する助けとなるであろう。


Drake had only one hope: to live long enough to sat  at  least  once on an English ship across the sea.

  ドレイクはただ一つの望みをもっていた。すなわち生きている間に少なくとも一度、英国の船で海を渡りたいという望みを--。


Broadly speaking, human beings may be divided into three  classes: those who are toiled to death, those who are worried to death, and those、whoare bored to death. (W.S,Churchill)

 おおざっぱに言えば人間は三つの種類に分けることができるでしょう。すなわち、苦労して働いて死ぬ人、悩みつづけて死ぬ人、そして退屈しきって死ぬ人です.


But reading and book love in all their forms suffer  from  one  serious defect: they are too nearly akin to the ordinary daily round of the brain    worker to give that element of change and contrast  essential  to real  relief.  (W.S. Churchill)

  しかしあらゆる形の読書と本を愛することは一つの重大な欠点を持っているのです。 つまりそれらは頭脳労働者の普通の日常の仕事にあまりに似ているので,ほんとうの息抜きにとって必要な変化とか対照ということを与えることができないのです。


4.発言を引用するときに用います。(引用のコロン)


Toni Morrison relates language to power; "Definitions  belong  to definers, not the beloved."

 トニ・モリスンは言語と権力を結びつけている。"定義は定義者のものであり、愛する者のものではない"。



5.直接話法の導入時にコロンを使うことがあります。(直接話法のコロン)


Then he said: ‘I really cannot help you in any way.’

 それから彼は言った:「私は本当に何もお手伝いできません」。



cf. colon は解剖学用語で結腸を意味します。


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*ここでセミコロンの用法について学んでおきましょう。


cf. セミコロンの利用


*2つの主節を区切るには、フルストップ(=ピリオド)の代わりにセミコロンを使います。このような場合、節は意味に於いては関連するものの、文法的には分離しています。

*コロンの様に、前の文に対して直接に情報を追加する、説明するなどの機能は持ちません。

前後の文が独立している訳ですが、意味的には軽度に関連している場合にセミコロンを使います。


Spanish is spoken throughout South America; in  Brazil  the  main language is Portuguese.

 スペイン語は南米全土で話されているが、ブラジルではポルトガル語が主流である。


*セミコロンは現代英語ではあまり使われず、ピリオドで切ったり、コンマを使う方が一般的です。


*複数の例示各々の要素を明確に分離して示す為にセミコロンを各要素の区切りとして使います。この用途では一般の文書、また学術論文等でも頻用されます。