英文長文読解 短期集中 個別指導 

共通を表す表現 共通構文 Common Relation       

KVC Tokyo  やり直し硬派英語塾

                               





















https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/























































































































































塾長のコラム 2026年1月25日






共通を表す表現



2025年1月25日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 今回は共通構文について解説していきますが、前回の挿入構文と同様に、構文と言うよりは1つの表現用法と考えた方がピタリと来ますね。共通とは要するに、数学で扱うところの分配法則に類似して、同じ文言を繰り返す時に、それら文言の共通項を(頭の中で)括弧で括り、残りの異なる要素を並列するとの用法です。数学の様に実際に括弧の記号で共通項を括ることは出来ませんので、<眼力>でもって、異なる要素がどの共通項に掛かるのかを見抜くことになります。まぁ、基本的に、(A+B)X→AX+BX, X(A+B)→XA+XB を見抜くことに尽きますが、AとBが語数も揃った綺麗な対等な関係に理想的に記述されているとは限らず、Bの方の後ろに余分な文言が続き、それも含めてXに掛けて良いものかと判断に迷うシーンも多発します。これは英語なる言語の、成文構造の緩さそのものが抱える問題もあるのですが、一番はそれに注意を払わない英文作成者側の怠慢、推敲不足を露呈するものです。この様なことは日本語の記述でも頻発し、要は述べ手側の意識の問題ですね。この様なシーンでは<文脈>即ち意味合いから相手の主張を汲み取り理解する(正しくは、読者側が理解して上げる)他にありません。塾長から言わせると、<最初から誰もが分かり易い明快な文をモノするのがお前、本当のインテリつうもんだろ?>との感想を抱くしかありません。まぁ、ハズル解読のような英文を出題されては、特に人生経験の少ない若者は難儀するでしょう。

 以上の様な<曖昧性>に留意しつつ、(A+B)X→AX+BX,及び X(A+B)→XA+XB と解釈する際の一通りの注意点を今回1回にてザッと解説して行きます。一見して意味の取れない英文に出会った際には、何が共通項なのかを落ち着いて考えるだけで疑問の霧が晴れるケースは多く、読解上の大きな援軍を得ることになります。原理的には、(A+B)X→AX+BX, と、X(A+B)→XA+XBの2つ、また、共通語が前後にある場合 X1(A+B)X2 →X1AX2+X1BX2 の3通りしか存在せず、以前に採りあげた否定の比較構文などに比べると格段に与しやすい筈です。更にこの先の予定としては、各種英語構文の内、−強調構文、倒置構文、省略構文、−を中心に大方この順序通りに触れて行く積もりです。


『チャート式 英文解釈』 鈴木進、数研出版、昭和51年、特殊構文第3章 共通構文

 ここの基本的構成並びに(難解な)例文を幾つか参考にしていますが、塾長なりの視点から批判的検討を加え、また一部、より現代的な、或いはより正しい明確な表現となる様、書き換えたものも併記しています。






【西きょうじ】英文読解入門講義79【共通構文の訳出】

「ただよび」文系チャンネル  2024/08/28 

https://youtu.be/uAxmDjis7C8


共通構文 Common  Relation の語で検索しましたが native の動画が見付からず

日本語のものに行き着きました。カリスマ講師の西氏のものですがポレポレで有名

な方ですね。私の場合は前後に異なる共通項を持つタイプを第3の共通構文として

認識し分けていますが、西氏のものは従来通りの2通り分類です。これは考え方の

違いの域に留まるものです





共通構文 Common Relation




*2つ以上の等位の関係にある語句が他の語句に対して共通に掛かる場合、これを共通関係 (Common Relation) と言います。

*共通構文は、1つの共通語句と、それに掛かる二つ以上の語句とからなり、@共通語が前にある場合、A共通語が後にある場合、B異なる共通語が前後に配置する場合、の3種類があります。


*共通要素を繰り返す手間を省き、文章を簡潔でコンパクトにする為に利用されますが、情報を省略することを通じて曖昧性を生じ、逆に文意を誤って解釈することにも繋がります。


*共通関係は「修飾語と被修飾語」「主語と動詞」「動詞と目的語」「動詞と補語」「助動詞と動詞」「前置詞と目的語」などの間で見られます。

*まぁ、あらゆる組み合わせで記述可能です。


*要素 a,b,...は同一要素の均等な構造の語、句、節とする必要があります。

*この均等さ、対称性が崩れた記述がそこそこ見られますが、その場合は読み手側にどこをどの範囲まで括弧で括れば良いのか迷いを与えます。

*その様な文の書き手側も自身が誤解されて損をします。

*まぁ、文言がどこに掛かるのかを文脈 context から考えろと読み手に強いる訳ですが、推敲の足りない悪文です。


*1個の文を長々と続けそこに多くの情報を詰め込もうとする姿勢に全ての英文解釈上の問題が続発すると言っても過言ではありません。

*塾長は長い英文を目にするだけで、この書き手は似非インテリかと思う事が多いですね。まぁ、いい加減にしろ、との気持です。

*寸足らずに感じられても短い明快な文意の文を複数個記述し、1つの段落として書き手の言いたい事を最終的に理解させる方が余程マシな訳です。


*要素 a,b,...はせいぜい3つとするのが望ましいでしょう。特に節の場合は3つでも苦しい感じがしますので2つが良いところでしょう。




1.共通語が前にある場合 X(A+B)→XA+XB


Government of the people, by the people, for  the  people  shall not perish from the earth. (Lincoln)

 人民の、人民に拠る、人民の為の政治は地上から滅びることはない。 


 X: Government


We bathed in the sea, played on the sand, and  took  a  rest  under the cool shade.

 私たちは海水浴をし、砂浜で遊び、涼しい日かげで休息した。


 X: We


Education means development, not only of the  brain,  but  also of the body.

 教育は、頭脳(の発達)ばかりでなく、肉体の発達も意味する。


 X: development


What we do not know is always a cause of uneasiness,  of  suspicion, or of fear.

 私たちが知らないことは、常に不安、疑い、恐れの原因である。


 X: a cause


At once Miss Keller was invited to write articles  for  magarzines  and to speak for the blind in many pats of the world.

 ミス・ケラーは、すぐに雑誌に記事を書いたり、世界各地で盲人のために講演するよう招かれた。


 X: was invited


Speech is, or ought to be, silver but silence is gold.

 話し言葉は銀である、いや銀であらねばならないが沈黙は金である。


X: Speech


Every country tends to accept its own way of life as  being  the  normal one and to praise or criticise others as they are similar to or differ from  it. And unfortunately, our picture of the people and  the  way  of life of other countries is often a distorted one.

 どの国も、自国の生活様式を普通のものとして受け入れ、他国がそれに似ていたり異なっていたりすると、賞賛したり批判したりする傾向がある。そして残念なことに、他国の人々や生活様式に対する我々のイメージは、しばしば歪んだものとなる。

X: tends,  is often






The 4 English  Sentence  Types  simple, compound, complex, compound-complex

Adam’s  English Lessons ・ engVid  2016/01/28

https://youtu.be/urr55rAreWc


今回の塾長の解説テーマとは直接の関係は有りませんが、有益と考えて

採りあげます。個々の文の構造としては、例えば1つの考え方として動詞型

に基づく5文型がありますが、文と文の繋りに目を転じるとと4通りが有り、

いわゆる英文読解とは、この様な複雑な文で構成される集合体としての文章を

正確に読み解いて行く作業に他なりません。共通構文としてはこれら4つのタ

イプのいずれにも出現し得ますが、更に解釈を難しくします。<構文判定>を

迅速に行い、正しい解釈に繋げるのみですね。

語学一般に言える事ですが、場数をこなして行くとこの力が身に付きます。





2.共通語が後にある場合 (A+B)X→AX+BX


She always looked, but never really was happy.

 彼女はいつもしあわせそうにみえたが、実は決してそうではなかった。


X: happy


He has not, or has never had, anyone to love him.

 彼には愛してくれる人はいないし、また今まで一人もなかった。


X: anyone


His energy is not and cannot be what it was.

 彼の活力は昔のとおりでなく、またそうであるはずもない。


X: what it was


Writing English, and not reading it, makes you a  fluent  speaker  of it.

 英語を読むことでなく、英語を書くことによって、君は英語を上手に話せるようになる。


X: makes


Passions weaken, but habits strengthen, with age.

 情熱は年とともに弱まるが、習慣は年とともに強まる。


X: with age


The health, and perhaps the survival, of the whole  human  race  is at stake in the use of atoms for peace as well as in their use for war. .(津田塾大)

 全人類の健康、そしておそらくは生存が、戦争のための原子使用のみならず平和のための原子使用に懸かっている。

X: is at stake

*at stake = at risk, being risked (命・名誉・安全などが〉賭けられて,危険にさらされて


One thing these young people seem to have in common - the angry ones as well as the quiet ones 一 is a complete rejection, or indifference to,  the political system of this country.

 これらの若者−怒れる若者にも、おとなしい若者−にも共通しているのは、この国の政治体制に対する完全な拒絶、あるいは無関心である。


X: the political system


Churchill disliked sports almost as much as he despised  the  classics. He refused to cheer at, much more to participate in, the football and  cricket matches; the only form of athletics in which  he  distinguished himself was the fencing compettotion which he won when he was  seventeen. His father concluded that the best place  for  his  son was a military school. (神奈川大)

 チャーチルは、古典を軽蔑するのと同じくらいスポーツを見下していた。フットボールやクリケットの試合を応援することも、ましてや参加することも拒んだ。彼が唯一活躍した陸上競技は、17歳のときに優勝したフェンシング競技だけだった。息子にとって最良の場所は陸軍士官学校である、というのが彼の父親の結論だった。(神奈川大)


 X: refused  X: the football and cricket matches

*despise = to look down on, scorn, disdain  見下す




3.異なる共通語が前後にある場合 X1(A+B)X2 →X1AX2+X1BX2


Work is so much a necessity of existence that it is  less  a  question whether, than how, we shall work.

 仕事は生存にきわめて必要なものであるから、仕事をすべきか否かと言う事よりも、いかに仕事をすべきかと言う事が問題である。


X:1 question  X2:  we shall work

*question (whether, than how) we shall work =  question  whether we shall work than question how we shall work

X1(A+B) と(A+B)X2の重複パターンになります。



How the book came to have, for a work of this kind,  so  much  success,  and what sort of persons compose the bulk of those who have bought, Iwill not venture to say read, it, I have never thoroughly  understood. (J.S. Mill)

 この種の作品にしては、どうしてこの本がこれほどの成功を収めるに至ったのか、また、この本を買った(読んだとはあえて言わないが)人々の大部分はどのような種類の人々なのか、私にはまったく理解できない。(J.S.ミル)


X1: have  X2: it

*those who have bought, (I will not venture to say)  read,  it =  those who have bought it and (I will not venture to say) have read it

X1(A+B) と(A+B)X2 の重複パターンになります。



In such cases, failure to afford time and leisure  encourages,  if  it does not actually create, habits of speedy, but snapshot and superficial,judgement.

 このような場合、時間や余暇を与えないことは、実際にそうさせるわけではないにしても、スピーディーだがスナップショット的で表面的な判断の習慣を助長する。


X: afford  

X1: habits of  X2: judgement

*habits of (speedy, but snapshot and superficial)  judgement.  

X1(A+B) と(A+B)X2 の重複パターンになります。


The question of religion is one of the difficulties  his  work  presents. There is something peculiary British in his humour: it is perhaps a kind of  humour that can be understood and enjoyed to the full  only  by the English, and that can not be exported or translated with losing its freshness.(大阪経済大)

 宗教の問題は、彼の作品が示す困難のひとつである。彼のユーモアには英国特有のものがある。それはおそらく、英国人にしか十分に理解し楽しむことができない種類のユーモアであり、その新鮮さを失うことなく国外に出したり翻訳したりすることはできないものである。


that can not be (exported or translated) with losing its freshness.

X1: that can not be  X2: with losing its freshness

A: exported   B: translated


Plato was a great philosopher who lived in Greece more  than  two thousand years ago. His teaching fell into two main divisions, examination of  the foundations and methods of human thinking and  an  examination  of political institutions. He was the first man to write a Utopia, that is to  say, the plan of a society different from and better  than  any  existing one. This shows boldnes in the human mind which had hitherto accepted  social traditions and customs with scarcely a  question.  (神奈川大)


 プラトンは2000年以上前のギリシャに生きた偉大な哲学者である。彼の教えは、人間の思考の基礎と方法の考察と、政治制度の考察の2つに大別される。彼はユートピアを書いた最初の人物である。これは、それまで社会の伝統や慣習をほとんど疑うことなく受け入れてきた人間の心の大胆さを示している。(神奈川大)


X1: society  X2: any existing one

*a society (which is) (different from and better  than)  any  existing one  

X1(A+B) と(A+B)X2 の重複パターンになります。


X1: social   X2:with scarcely a question

*accepted social (traditions and customs) with  scarcely  a  question  

こちらも上記と同様です。