英文長文読解 短期集中 個別指導 

強調構文1 反復  再帰代名詞  動詞の強調       

KVC Tokyo  やり直し硬派英語塾

                               





















https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/























































































































































塾長のコラム 2026年2月1日






強調構文1



2025年2月1日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 今回シリーズからは強調構文について解説していきます。以前に一度軽く解説しましたが今回からは復習がてらじっくりと濃厚に進めて行きます。

 話し手或いは書き手が文中のある語句の持つ意味を強めて叙述したいシーンは極めて日常的に見られる事なのですが、それを文法用語では強調 (=強勢 Emhasis )と呼称します。実際に言葉が話されている場は、tone (語気)、intonation イントネーション、gesture ジェスチャー、或いは顔の表情などで強調を表すことが出来ますが、書き言葉に於いてはそれが能わず、代わりに、@語句を反復する、A他の語句を添える、B語句の配列順序を変更する(倒置)、C特殊な構文を用いる、D特殊な疑問文(修辞疑問)を用いる、などで強調を表すことになります。実のところ、これまでに触れて来た各種の構文とは大きく異なり、これらの方式からどの文言が強調されているのかはほぼ確実に把握し得、そこに曖昧性は存在しません。逆に曖昧性があれば、特定文言を明確に強調し得ない事にもなってしまいますのでこれは頷けることだと思います。まぁ、理解は至極ラクでしょうね。読み手側が文脈から文章の意味を汲み取ったりする必要性はありませんし、解釈に迷ったりする事も無い訳です。強調表現に関して一通り説明して行きますので、頭にインプットしておくと、確実な、大きな力となります。この先の予定としては、各種英語構文の内、−やや難解な倒置構文、省略構文、−を中心に大方この順序徹りに触れて行く予定です。本シリーズの第1回目になります。

英国ケンブリッジ英語辞典並びに Collins dictionary の記述を参考にしています。

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/pronouns-reflexive-myself-themselves-etc


UNLA ( アルゼンチンのラヌス国立大学、Universidad Nacional de Lanus )サイトに掲載の資料も参考にしています。

https://language2unla.wordpress.com/wp-content/uploads/2018/09/language-ii-module-5-inversion-and-emphasis_with-numbers.pdf

 (これは Advanced English Practice, M. Vince;  A Communicative Grammar of English, G. Leech などの書籍から Inversion とEmphasis の章を抜き出して寄せ集めたものになります。)


『チャート式 英文解釈』 鈴木進、数研出版、昭和51年、特殊構文第5章 強調構文

 ここの基本的構成並びに(難解な)例文を幾つか参考にしていますが、塾長なりの視点から批判的検討を加え、また一部、より現代的な、或いはより正しい明確な表現となる様、書き換えたものも併記しています。






How to  Use THE for Emphasis

Pronunciation  with Emma  2022/06/17

https://www.youtube.com/shorts/Cduxaf80lmg


定冠詞 the の発音を変えて強調を表す遣り方ですが、

勿論、casual な口語になります。書き言葉では明確な

表記を用いて強調を意味する他に方法は有りません。





強調構文1




*文中のある語句の持つ意味を強めることを強調 (=強勢  Emphasis )と言います。

*実際に言葉が話されている場面では、tone (語気)、intonation イントネーション、gesture ジェスチャー、或いは顔の表情などで強調を表すことが出来ます。

*しかし書き言葉に於いては、それが能わず、代わりに、@語句を反復する、A他の語句を添える、B語句の配列順序を変更する(倒置)、C特殊な構文を用いる、D特殊な疑問文(修辞疑問)を用いる、などで強調を表すことになります。


 以下これらを順を追って解説して行きましょう。





語句による強調




[1] 反復による強調


*語句 (動詞や修飾語句の場合が多い) を反復することによって強調を表わす方法です。

*写実的で判り易い反面、稚拙な、子供めいた印象を与える事もあり得ます。

*実際、子供向けの読み物では良く登場します。

*日本語で、<なんどもなんども>、などと表現するより、<繰り返して>の方が端整且つより知的に感じられるのと同様です。

*日本語のオノマトペもほほ反復語ですが、公的な文書ではそれを使いません。これに類似します。

*逆に言えば、<高級>語句がアタマに思い浮かばない場合に、この方法で強調を容易に表現出来ます。

*この方法は入試の英作文にて利用出来そうですね。

*稚拙な英文であれ誤りがない以上、相手は減点が出来ないからです



The wind blew, and the ship was blown far from the  land.

→  The wind blew and blew, and the ship was blown  farther  and farther from the land.

 風はますます吹きつのり、船は陸地からますます遠くへ流された。

= The wind continued to blow even harder, and the  boat  was  swept farther away from the land.

   (強意の副詞 even を使用しての書き換え)


I am so very, very sorry to hear of your illness.

 あなたが病気だと聞いて、本当に本当に残念です。

= I am deeply sorry to hear you are ill. (心底残念だ)


I waited for her for hours and hours.

 私は彼女を何時間も何時間も待った。

= I waited a disgustingly long time for her. (嫌になるほどの長い時間)


I fired and fired, and not a bottle could crack. (a  bottle  は他動詞 crack の目的語、倒置して強調している)

 私は射って射って射ちまくったが、一瓶すらも割ることはできなかった。

= I shot persistently, but could not break a single  bottle. (しつこく撃った)



Up Kii-no-kuni-zaka he ran and ran; and all was black  and  empty  before him. On and on he ran, never daring to look back; and at last he saw alantern, so far away that it looked like the gleam of a  firefly;  and he made for it.

  (Lafcadio Hearn  (小泉八雲)作 Kwaidan「怪談」のうちの Mujina「むじな」の一部)


 彼は紀伊国坂をずんずん駆け上った。目の前は闇に閉ざされ何もなかった。どんどん彼は走り続けるだけで後ろをふりむく勇気もなかった。やっと提灯が見えたが、それは遙か向こうで蛍の光のように見えた。彼はそれをめがけて走った。


cf. make  for =  to  head  for,  go  toward  〜に向かう


*子供が読める様な記述ですね。


→書き換え

He ran up the Kinokuni-zaka hill as hard as he could.  There  was  nothing in front of him but darkness. He just kept running and did not dare to  look back. Finally, he saw a lantern, but it was so far away  that  it  looked like the light of a firefly. He ran toward it with all his heart.

 彼は紀伊国坂を懸命に走りのぼった。彼の前は闇に閉ざされ何もなかった。兎に角彼は走り続けるだけで後ろを振り向く勇気もなかった。やっと提灯が見えたが、それは遙か向こうで蛍の光のように見えた。彼はそれをめがけ一心に走った。



In a few minutes they had him all wound up 一 hands  and  feet,  nose  and  eyes, all tied up tight. Then they took him among them, and flew  away   with him,  miles and miles, over the hills, and  up  to  a  big  cave  in  the mountain. There he heard ever so many more voices, and it wasnoisier than ever.


 数分後、彼は手も足も、鼻も目も、すべてきつく縛り上げられた。それから彼らは彼を連れて、何マイルも何マイルも丘の上を飛んで行き、山の中の大きな洞窟まで行った。そこで彼はさらに多くの声を聞いたが嘗て経験がないほど騒々しかった。


→書き換え

After a few minutes he was tied up, hands and feet,  nose  and  eyes, all tightly bound. Then they took him flying over the hills for a distance sogreat that he was no longer recognizable, until they  reached  a  large cave in the mountains. There he heard more voices, but noisier than ever.

 数分後、彼は手も足も、鼻も目も、すべてきつく縛り上げられた。それから彼らは彼を連れて、最早わからなくなるほどの距離を丘の上を飛んで行き、山の中の大きな洞窟まで行った。そこで彼はさらに多くの声を聞いたがこんなに騒がしかったことはない。


The tree seemed to become higher as she went up,  but  she  continued to climb as quickly as possible round and round the trunk and farther and  farther upward. (S.O.Jewelt)

 木は上に行くにつれて高くなるように見えたが、彼女はできるだけ早く幹をぐるぐると回り、はるか上へはるか上へと登り続けた。(S.O.ジュエルト)


→書き換え

The tree seemed to get higher as she went up, but  she  circled  the trunk as fast as she could and kept climbing much farther up.

 木は上に行くにつれて高くなるように見えたが、彼女はできるだけ早く幹をぐるぐると回り、ずっとはるか上へと登り続けた。



注 意  

*名詞を反復する場合で、There are 〜and 〜. と、There  are 〜and there are  とでは次のように意味が異なります。

There are books and books.「本がたくさんある」

= There are lots of books.


There are books and [there are] books. 「本にもピンからきりまである」

*ただし、下の文では and にストレスを置いて発音する必要があります。

= There are books that range from excellent to  scrappy.






REFLEXIVE  pronouns |  EMPHATIC pronouns | RECIPROCAL pronouns - myself, yourself...

Arnel's  Everyday English  2022/02/08

https://youtu.be/wE4IQ8GXA_U


reflexive  pronoun 再帰代名詞は2通りの使い方が有ります。

@目的語が主語に一致する時(再帰用法)

A強調の為の利用(強調用法)

6分40秒頃から強調表現用法に付いての解説が始まります。

使い方は日本語の〜自身、〜自体とほぼ同じで理解も容易でしょう。





[2] 他の語句を加える強調


******************************************


a. 再帰代名詞 -self, -selves (reflexive  pronoun) を使っての強調


*再帰代名詞は主語を強める場合がもっとも多いのですが、それ以外の場合もあります。

*〜自体、〜でさえも、〜もまた、などの様に適宜訳すと良いでしょう。


I'll go with you. I'm going that way myself.

 君と一緒に行きますよ。私自身も行くところです。



注意

(1) この用法と-self の再帰用法とを混同しないように注意して下さい。

He killed himself. 「彼は自殺した」→再帰用法  (動詞の目的語として機能→削除できない)

*再帰用法とは主語と目的語が一致する場合の表現です。

He killed it himself. 「彼は自分でそれを殺した」 →強調用法 (削除しても文が成立する)



(2) He himself did it. と He did it himself. とはどちらの himself も he を強調していますが、後者の方がより口語的表現です。


(3) She is happiness itself. -  She is very happy.

 彼女は幸福そのものだ。 (itselfが happiness を強調)

=  She is all happiness.


The doctor himself despaired of his life.

 その医者でさえ、彼は助からないとさじを投げた。

= Even the doctors gave up on him, saying he would  not  survive.

cf. despair of =  to  feel  there  is  no  hope  of  improvement.  改善する希望が無いと感じる、匙を投げる


I saw Mrs. Smith herself.

 私は〔代理ではなく〕スミス夫人自身に会った。

= I met Mrs. Smith in person.

 私はスミス夫人に直接お会いしました。

cf. in person = actually present 生身の人間としてそこに居る


Life itself is an unsolved mystery.

 人生それ自体が解けない神秘である。


His story was simplicity itself.

 彼の話は単純そのものだった。(= very simple).


He said that God himself had commanded him to  find  the  thief  and the sold traveler.

 泥棒と売られた旅人を見つけよと神自らが自分に命じているのだと彼は言った。


******************************************


b. 本動詞の直前に助動詞 do (does, did) を置き、動詞を強調


*「本当に」「たしかに」「実際」などと訳すと良いでしょう。

*尤も、特に訳出する必要の無い場合も多いです。

*動詞以外の文要素に関しては、後に扱ういわゆる強調構文にて、一部例外の語句(間接目的語は強調できません)はあるものの、全て強調する事が出来るのですが、動詞自体にはその構文を使う事が出来ずません。


He doesn't often visit me, but when he does visit  me,  he  stays  for hours.

 彼は私のところへあまり来ないが、いざ来るとなると、何時間もねばる。

 when he does visit me > when he visits me

= He doesn't come to my place very often, but when  he  does, he spends hours.


注意 do以外の助動詞 (must, can, will, haveなど) が用いられている文ではその助動詞に強勢をおき doを用いません。

"You must do it well." 一" But I have (have に強勢をおいて発音する) done it already."


That's exactly what he did say.

 それは確かに彼の言った通りのことです。


Do come to see us again!

 是非またおいで下さい。

= Please be sure to come again.


He doesn't speak much, but when he does speak, he  speaks  very fluently.

 彼は余り喋らないが、一旦ロを開くと非常に流暢に話す。

= He doesn't talk much, but once he opens his mouth,  he  speaks eloquently and fluently.


When he did get his fifty cents a day, he had to work  fifteen  hours for it--so it figured out to about three cents an hour. (D.Carnegie)

 1日50セントを実際手にする時、彼はその為に15時間働かなければならなかった。その仕事は時給に換算すると3セントだった。(D.カーネギー)

= When he actually got his 50 cents a day, he had to  work  15  hours for it. -That's 3 cents an hour.


*figure out to 計算して〜になる



c. 本動詞を文頭に出しての強調


*古い表現ですが、昔日の文芸作品などで目にします。

*文語表現ですね。

*動詞を文頭に倒置しての強調表現です。

*must ねばならない(註:法助動詞 must には過去形無く、過去時制でそのままの形にて利用されます)、との組み合わせを良く見ます。

*小気味良いリズム感が出ます。


Go  you  must at any rate.

 とにかく君は行かねばならない。


She was very much frightened, and tried to kick off  her  red  shoes, but could not do so.  Dance  she  did,  and  dance  she  must,  over field  and   meadow, in rain and in sunshine, by night and  by  day. (From  H.C. Andersen)


 彼女はとても怯え、赤い靴を蹴り落とそうとしたが、できなかった。雨の日も晴れの日も、夜も昼も、野原も草原も越え、彼女は踊り、踊らねばならなかった。


Science has made the world so small that there  is  constant  contact and conflict between one nation and another; we may live together  peacefully or we may quarrel constantly, but  live  together  we  must.  (香川大)  

 科学は世界をこれほどまでに狭くしたため、国同士の間には絶え間ない接触と対立がある。平和的に共存することもあれば、絶えず争うこともある訳だ。 しかし、我々は共に生きなければならない。


(つづく)