英文長文読解 短期集中 個別指導 

強調構文5  倒置  修辞疑問文  if 節の利用        

KVC Tokyo  やり直し硬派英語塾

                               





















https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/























































































































































塾長のコラム 2026年2月20日






強調構文5



2025年2月20日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 今回シリーズからは強調構文について解説していきます。以前に一度軽く解説しましたが今回からは復習がてらじっくりと濃厚に進めて行きます。

 話し手或いは書き手が文中のある語句の持つ意味を強めて叙述したいシーンは極めて日常的に見られる事なのですが、それを文法用語では強調 (=強勢 Emhasis )と呼称します。実際に言葉が話されている場は、tone (語気)、intonation イントネーション、gesture ジェスチャー、或いは顔の表情などで強調を表すことが出来ますが、書き言葉に於いてはそれが能わず、代わりに、@語句を反復する、A他の語句を添える、B語句の配列順序を変更する(倒置)、C特殊な構文を用いる、D特殊な疑問文(修辞疑問)を用いる、などで強調を表すことになります。実のところ、これまでに触れて来た各種の構文とは大きく異なり、これらの方式からどの文言が強調されているのかはほぼ確実に把握し得、そこに曖昧性は存在しません。逆に曖昧性があれば、特定文言を明確に強調し得ない事にもなってしまいますのでこれは頷けることだと思います。まぁ、理解は至極ラクでしょうね。読み手側が文脈から文章の意味を汲み取ったりする必要性はありませんし、解釈に迷ったりする事も無い訳です。強調表現に関して一通り説明して行きますので、頭にインプットしておくと、確実な、大きな力となります。この先の予定としては、各種英語構文の内、−やや難解な倒置構文、省略構文、−を中心に大方この順序徹りに触れて行く予定です。本シリーズの第5回目になります。

英国ケンブリッジ英語辞典並びにCollins dictionary を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/rhetorical-question

https://dictionary.cambridge.org/ja/grammar/british-grammar/fronting


UNLA ( アルゼンチンのラヌス国立大学、Universidad Nacionalde Lanus )サイトに掲載の資料も参考にしています。

https://language2unla.wordpress.com/wp-content/uploads/2018/09/language-ii-module-5-inversion-and-emphasis_with-numbers.pdf

 (これは Advanced English Practice, M. Vince; A Communicative Grammar of English, G. Leech などの書籍から Inversion とEmphasis の章を抜き出して寄せ集めたものになります。)


『チャート式 英文解釈』 鈴木進、数研出版、昭和51年、特殊構文第5章 強調構文

 ここの基本的構成並びに(難解な)例文を幾つか参考にしていますが、塾長なりの視点から批判的検討を加え、また一部、より現代的な、或いはより正しい明確な表現となる様、書き換えたものも併記しています。






English  Grammar - Inversion: "Had I known...", "Should you need..."

Adam’s English Lessons ・ engVid  2014/04/03

https://youtu.be/4K0npnSYjJE


疑問文を作る時にも倒置しますが、それ以外では強調したい語句要素

を文頭に持って行くことで倒置する例が多いですね。Adam 氏のこの

解説動画は普段とは違って随分中途半端で散漫な感じがするのですが

それでもざっとおさらいをするには役立ちそうです。





強調構文5




*文中のある語句の持つ意味を強めることを強調 (=強勢Emphasis )と言います。

*実際に言葉が話されている場面では、tone (語気)、intonation イントネーション、gesture ジェスチャー、或いは顔の表情などで強調を表すことが出来ます。

*しかし書き言葉に於いては、それが能わず、代わりに、@語句を反復する、A他の語句を添える、B語句の配列順序を変更する(倒置)、C特殊な構文を用いる、D特殊な疑問文(修辞疑問)を用いる、などで強調を表すことになります。


 以下これらを順を追って解説して行きましょう。




構文による強調1




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1.倒置による強調  Fronting


*語句の配列順序を変更して強調を表わす表現です。

*文頭に出る部分が強められます。他の部分の語順の変化にも注意します。

*必要に応じ、本当に、〜すら、正に、などの強調語を添えて訳します。


文語的な、構えた表現になります。要は修辞 rhetoric (=表現の化粧法)の一種になります。

*解釈可能としておくべきですが、皆さんが自ら進んで使うべき表現とはとても言えないでしょう。

*仮に、会話中にこの様な表現を使う者が居れば、周囲は、こいつはナンボのもんじゃい、坊主か神掛かり系かよ、と奇異の目で見るでしょうね。

*塾長も自分の英作時にこれを使った経験は皆無です!


*一般的には、文法用語の倒置 inversion とは疑問文を作る際の倒置や否定表現を文頭に持って来る倒置表現(語順の配列変化)の事を言います。

*ここに扱う倒置は、強調すべき語を文頭に持って来ることを言い、正確には fronting と言います。

*いわゆる文法用語の倒置 inversion については次回シリーズにて詳述します。



a. 補語 Cの強調. 

*倒置してV+Sの順序になるのが普通です。


Fortunate is the man who meets the right friend  at  the  right moment.

 然るべき時に然るべき友人を持てる人は本当に幸いである。

 (Fortunate is the man  →The man who meets... is  fortunate.)


Happy are those who know the pleasure of  making  all  people around, happy.

 周囲の人々をすべて幸せにする喜びを知っている人は本当に幸せである。 (→Those who 〜 are happy.)


So poor was the boy that he went barefoot to school.

 その子は非常に貧しかったので、裸足で通学した。 (→The boywas so poor. that ..)

 (so...that 構文です)

→ The child was very poor and went to school barefoot. 

*大した内容でもありませんので、構えること無く、このようにサラッと述べるのが普通ですね。

*and =  as a consequence 結果、帰結を表す and の用法です。そんでもって、その結果として



b. 目的語 Oの強調

*S + Vのままであるのが普通です。


What I am today I owe to my mother.

 私が今日あるのは本当に母のおかげです。

 (What I am today I owe to my mother. (→ I really owewhat  I  am  to my mother.)


No help he offered her.

 どんな援助すらも彼は彼女に与えなかった。 (→ He  offers  her  no help.)


Such conduct we can't put up with any longer.

 そんな行為にはもう我慢できない。 (→ We can't put  up  with  such conduct any longer.)


Whatever did not please him, he wished neither to  think  about  nor to hear.

 彼は自分の気に入らないことはなんでも、考えたくも聞きたくもなかった。

  (→ He wished neither to think about nor hear  whatever  did  not please him.)


Such a hurricane as then blew it is folly to attempt  describing.  The oldest seaman in Norway never experienced anything like that.

 その時に吹き荒れたようなハリケーンを描写しようとするのは愚の骨頂だ。ノルウェー最古の船乗りでさえ、あのような経験を一度もしたことがない。

  (→ It is folly to attempt describing such a  hurricane  as  then blew.)


The test of a great book is whether we want to read  it  only  once or more than once. Any great book we want to read the second time even  more than we wanted to read it the first time.

素晴らしい本かどうかの尺度は、私たちがその本を一度で沢山と思うか、一度ならずまた読みたいと思うかどうかである。素晴らしい本であれば全て、一度目に読みたいと思った時以上に二度目に読みたくなるものだ。

  (→ we want to read any great book...)


*test 「尺度;規準」,  more than once「一度ならず;たびたび」  



c. 副詞語句の強調


*主語が名詞のときには V+S、代名詞の時には、助動詞+ S+Vとなります。

*否定を表わす副詞語句も強調のため文頭に出ることが多いです。

*この場合は、名詞、代名詞共に倒置が起きます。

*訳し方にも強調の意味が出るように工夫します。



主語が名詞の場合

Down came the ceiling and many were injured.

 正に天井が落ちてきて、多くの人が負傷した。

 (→ The ceiling came down.)


Down went the bus over the cliff.

 バスは崖から落ちていった。(→ The bus went down?.)


On this depends the whole argument

 この点にこそ、論議のすべてがかかっているのです。.( → Thewhole argument depends on this.)



主語が代名詞の場合

Sometimes his fingers seemed to fly over the keys,  so  slightly did he touch them.

 時々、彼の指は鍵盤の上を飛んでいるように見えたが、とても軽く鍵盤に触れるのだった。



否定の副詞(句)が前に出る場合

Never before or since have I been as happy.

 後にも先にも、こんな幸せなことはありません。.(→ I  have  never  before or since been as happy as now)


Little did I dream that I should never see him again.

 彼にもう決して会えないなんて、私は夢にも思わなかった。 (→I little dreamed that...)






What is  a  Rhetorical  Question (Examples): What are the Different Types

of Rhetorical Questions?

Twinkl Teaches KS2   2021/08/02

https://youtu.be/dvM6fUxd38I


以前に一度ご紹介した動画ですが、ここに再掲します。

修辞疑問文 (Rhetorical  Question) の種類について簡略に解説されます。



What are  rhetorical  questions? | Types of questions | Learn with examples

Learn Easy English  2022/07/18

https://youtu.be/91YJhnkF0Jc


修辞疑問文の易しい例が示されて参考になるでしょう。



Who's Afraid of Virginia Woolf? (1966) Official Trailer

- Elizabeth Taylor, Richard Burton Movie HD

Rotten Tomatoes Classic Trailers  2016/06/08

https://youtu.be/4vIUGN8CGjE

『バージニア・ウルフなんかこわくない』 は、1962年のエドワード・オールビー

の戯曲で三幕ものです。これはそれを1966年に映画化したもの。youtube にて

映画の全編がアップされていましたが、興味のある方はこの機会にご覧下さい。





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2.疑問文を用いる強調


*疑問文を用いて反語的に強調の感じを表すことがありますが、これを修辞疑問文 (Rhetorical Question) と言います。

*通常の疑問文が新たな情報を相手に求めるものであるのに対し、こちらは相手側に答えを求めません。

*答えはこの疑問文を発する側に既に明白なものとなっている、或いは不明のままである場合もあります。

*この様式を用いて相手に注意を引く、或いは強調的効果をを意図して与えるがゆえに修辞の語が付きます。

*疑問の対象となっている文言を否定にして平叙文に書き換えれば同値の文になります。



a.  疑問詞を用いない疑問文の場合


Can I ever forget her kindness ?

 彼女の親切を忘れられようか (忘れられない)。

→ I can never forget her kindness.



b. 疑問詞を用いる疑問文の場合


Who knows what has become of him?  (→ Nobody  knows  what  has become of him.)

 彼がどうなったか誰が知っていようか (誰も知らない)。


Didn't I tell you not to touch it ?

 それにさわらないようにといわなかったかね (いったはずだ)。(→ I told you...)


Is there anyone who remains calm at his words?

 彼のことばを聞いて落ち着いていられるものがあろうか (誰もいない)。(→ There is ...)


Who's afraid of Virginia Woolf ?

 誰がバージニアウルフをこわがるのか。 (バージニア.ウルフなんかこわくない。). (→ No one is afraid ...)

*『バージニア・ウルフなんかこわくない』は、1962年のエドワード・オールビーの戯曲・三幕。


Where can such a beautiful place be found on  the  earth ?

 地上のどこにこんな美しい場所が見つかるだろうか。 (こんな美しい場所はどこにも ない。)

  (→ Such a beautiful place can nowhere be found  on  the  earth.)


What would I not give to go to the concert ?

 コンサートに行くためなら、私は何を与えないでいられようか。 (どんなものでも手 離してしまいます。)

 (→ I would give anything...)


The Beatles' principal contribution seems to have  been  long  hair - a fashion which has now spread all over the heads of young men over a  large   part of the globe. But who can really rationalize  the  charm  and  appeal of the Beatles ?  (A. Montagu)


 ビートルズの主な貢献は長髪だったようだ。 このファッションは、今や世界中の多くの若者の頭に広がっている。しかし、ビートルズの魅力と魅力を本当に合理的に説明できる人はいるだろうか?(A.モンタグ)

(who can really rationalize...→ noone  can reallyrationalize...)


*principal 「おもな;重要な」  rationalize (合理的に)説明する





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3.If 節による強調


*if-clause が挿入的に使われて、主として語を強調することがあります。

*省略形を取る場合が多く、1.いやしくも〜とすれば;〜こそはと、2.譲歩表現の 「たとえ〜としても」 、の2つの意になり得ます。


He is a scholar, if anybody is [a scholar].

 もし誰かが学者であるならば、彼こそ学者である。 → 彼こそ本当の学者である。


Read your books, if at all, thoroughly.

 いやしくも本を読むなら、完全に読みなさい。


There is little, if any, fear of his failing.

 彼が失敗する恐れは、もしあるとしても、ごく少ない。


Few people, if ever, saw it.

 それを見た人は、たとえあったとしても、ごく少ない。


Few people, if any, are always sustained by unselfish  or  religious  motives, and few or none are altogether beyond their influence.

 無欲や宗教的な動機によって常に支えられている人は、いたとしてもほとんどいない。また、その影響をまったく受けない人などほとんどいない。


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What  English  people SAY vs What English people MEAN!

Passive  Aggressive Business English!

English with Lucy  2022/07/08

https://youtu.be/owzPL9jaSU8


passive  aggressiveness (内に秘めた怒り)で波風立てずに!婉曲に

モノを言う遣り方です。これは強調表現とは異なるものですがそれの

鏡像の様な意思伝達法ですね。





cf. 京言葉


*修辞疑問文の亜流として、反語表現がありますが、更に日本語の世界では有名なものにいわゆる<京ことば>が挙げられます。

*これに関して、面白い記事が見つかりましたので以下引用致します。


https://news.yahoo.co.jp/articles/b1d72890abf1f19e4570d14367994c9b79082e30

2024年 11月15日 (金) 7:34配信 現代ビジネス 岩田 太郎(在米ジャーナリスト)  

*この記事は既に削除されています。


「ドナルド・トランプ次期大統領は過激な発言、直情的な発言が持ち味だった。ところが、第2次政権の人事のなかで、婉曲的で反語的な表現を使うようになっていて、筆者は非常に驚いている。


一般的に想像しやすいのは、「京ことば」だ。近年では、反語的で底意地が悪い表現を指して、「京ことば」と言われるようになっている。


たとえば、「ええ時計してはりますなあ」は、相手の時計を褒めることで「時間見よし、早よお帰りやす」という意味になる。「〇〇ちゃん、ピアノ上手にならはりましたなあ」は「ピアノの練習の音がうるそうて迷惑してますわ」という意味を込めてあるのだという。


ちなみに、筆者は京都市出身だが、京都にはこんな「いけず」な心を持つ者などただの一人もおらず、親切で心やさしい人ばかりである。「京都人は意地悪」との悪いうわさを広めている主体は、京文化の威光や雅さをひがむ大阪人や、平安京遷都以来さびれて卑屈になっている奈良人だけなので、賢明な全国の読者諸兄諸姉におかれては、悪質な反京都プロパガンダに騙されないようご注意願いたいものだ。」


*関西人同士のせめぎ合いの結果として、<京ことば>なるマイナスの印象操作が為された、との京都人の筆者の怒りが、私の様な遠く離れた<原住>東京モンからは愉快痛快に見えます。


*<京ことば>に相当するかは全く別として、<英語圏の反語的で底意地が悪い表現>については機会があればコラムに纏めたいと考えて居ます。

*就任したばかりのトランプ大統領の発する英語が大いに参考になりそうです・・・。

*<誉め殺し>表現など含め、皮肉好きの英国人はお得意の様にも思うのですが、解釈は文脈依存性ですので扱いは難しそうです。

*「ええ時計してはりますなあ」の様な定型表現が見付かれば良いのですが。


*passive aggressiveness (内に秘めた怒り)がやや近いかも知れません。

*これは波風立てずに!婉曲にモノを言う遣り方ですが、その精神が<京言葉>に似ていると塾長は感じます。

*これは強調表現とは異なるものですが<それの鏡像の様な意思伝達法ですね。

*このテーマで別コラムシリーズが構築出来れば面白いと塾長は考えて居るところです。