英文長文読解 短期集中 個別指導 

強調構文10  強意語・緩和語とは

KVC Tokyo  やり直し硬派英語塾

                               





















https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/























































































































































塾長のコラム 2025年3月15日






強調構文10



2025年3月15日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 今回シリーズからは強調構文について解説していきます。以前に一度軽く解説しましたが今回からは復習がてらじっくりと濃厚に進めて行きます。

 話し手或いは書き手が文中のある語句の持つ意味を強めて叙述したいシーンは極めて日常的に見られる事なのですが、それを文法用語では強調 (=強勢 Emhasis )と呼称します。実際に言葉が話されている場は、tone (語気)、intonation イントネーション、gesture ジェスチャー、或いは顔の表情などで強調を表すことが出来ますが、書き言葉に於いてはそれが能わず、代わりに、@語句を反復する、A他の語句を添える、B語句の配列順序を変更する(倒置)、C特殊な構文を用いる、D特殊な疑問文(修辞疑問)を用いる、などで強調を表すことになります。実のところ、これまでに触れて来た各種の構文とは大きく異なり、これらの方式からどの文言が強調されているのかはほぼ確実に把握し得、そこに曖昧性は存在しません。逆に曖昧性があれば、特定文言を明確に強調し得ない事にもなってしまいますのでこれは頷けることだと思います。まぁ、理解は至極ラクでしょうね。読み手側が文脈から文章の意味を汲み取ったりする必要性はありませんし、解釈に迷ったりする事も無い訳です。強調表現に関して一通り説明して行きますので、頭にインプットしておくと、確実な、大きな力となります。この先の予定としては、各種英語構文の内、−やや難解な倒置構文、省略構文、−を中心に大方この順序徹りに触れて行く予定です。本シリーズの第10回目、最終回になります。

英国ケンブリッジ英語辞典並びに Collins 英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/cleft-sentences-it-was-in-june-we-got-married


https://intrepidenglish.co.uk/wp-content/uploads/2024/03/Extreme-adjectives-Cheat-Sheet.pdf

https://intrepidenglish.co.uk/podcasts/extreme-adjectives-and-how-to-use-them/

 この2つのサイトの記述を主に参考にさせて戴いています。


https://hapaeikaiwa.com/blog/2016/01/14/「pretty」の様々な用法/

 「Pretty」の様々な用法





Intensifiers  and  Downtoners  in English - Give power to your adjectives andadverbs!

Oxford English Now  2021/12/06

https://youtu.be/CvmHdRHt_nY

簡潔な解説で得るところは大きいですが、強意語、緩和語の両方に利用出来るとする語、

very,  pretty などの定義、説明について曖昧なところがあります。この動画の強意語、

緩和語の定義に塾長は全て賛成できる訳ではありません。。



English  Grammar  Lesson - Using Intensifiers and Mitigators to modify  Adjectives

Learn  English  |  Let's Talk - Free English Lessons  2014/04/24

https://youtu.be/lmMu_f7dS70

毎度の如くで熱の入った分かりやすい解説をして呉れます。





強意語・緩和語とは




*本シリーズの第2回目にて、言葉の意味を強調する語として、very  に加え、dead, dreadfully, terrible, even, all, extreme, highly, badly の用例を挙げましたが、これらの副詞は修飾する語句に強意を加える強意語 Intensifier です。他にも数多くの強意語が存在します。

*前回にて扱った極限形容詞を修飾可能な副詞はその仲間になります。


*これとは逆に、修飾する語句に強意を加えるのではなく、マイルドさを加える修飾語もあり、これらを緩和語 Mitigators, Downtoners などと呼称します。

*まぁ、例えばギターの弦で或る1つの音を発音させる時に、同じ音を出すにしても、強い音を出したり、ボケた音を出したり、ミュートの掛かった音を出したりと様々な効果が駆使されますが、言葉に対しても同様な加工が施される訳です。

*これらの語は、修飾する対象語が比較不可能形容詞−絶対形容詞+極限形容詞−では無い一般形容詞でも勿論利用可能です。

*それらが名詞を修飾する語、即ち形容詞であればそれぞれ強意形容詞・緩和形容詞などと呼ぶことになります。


*very + 形容詞が別の1語で言い換えられる例を述べて来ましたが、1語に言い換える策では無く、very ばかりではない別の強弱を表す語を使い、文の締まりを良くしようとの、横に広がった策になります。

*強意副詞・緩和副詞を使用して強弱にニュアンスを加える遣り方です。


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*実は、動詞に関しても、同様なことを強意で述べたり、ボカして述べたり、弱気で述べたりする、<互いに別動詞ではあるが似たもの>が有ります。

*尤も、単に強弱を違えるだけではなく、同時にニュアンスも幾らか変えてしまう例が動詞には殆どだろうと思います。

*これは、(強意などに限定されずあらゆる意味の)副詞+基本動詞を別動詞にて言い換える操作になります。

*何のことは無い、英英辞典での、<見慣れない1つの難しい動詞>を<副詞語句+易しい基本動詞>で言い換える定義、の逆を遣ることに等しいです。


*話を思わず!拡張してしまいましたが、英語の語彙を増やすことの根本はここにあり、単に知っている名詞の数ばかり増やせば足りると言うものではありません。


*この様な動詞の使い分け方、ニュアンスの出し方の違い -要は動詞の類義語の正確な理解- に関しては、我々日本人は非常に弱いところがあると塾長は常々感じていますし、塾長本人が学校英語にてそれらについての指導を受けたことも無かったですね。


*名詞に関して、例えば、中学生が良く尋ねるような  journey  と  trip  の違いは何か程度の探りと教師側の返答はありますが、動詞に関しては生徒側からの質問も出ず、また教師側からの解説もほぼ有りません。

*英作させても、例えば<報告動詞:言う>、<想念動詞:思う>の各種動詞を使い分けての英作も出来ませんし、目にした英文の意味合いの違いもピンと来ないのが実情かと思います。


*機会があれば本塾長コラムにて、この観点から過去の断片的な説明をも纏めつつ、解説出来たらと考えて居ます。


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*以下、全てを網羅する事は不可能ですが、代表的な、強意語、緩和語 についてざっと眺め、本シリーズの締めくくりとしましょう。




強意語 Intensifier


*対象とする語に high strength を加えます。


*very, really, extremely が頻用されますが、こればかりでは退屈な面白みの無い表現になってしまいます。

*これら以外の強意語を使うと洒落っ気も出ます!


*他に以下の語が良く利用されます:absolutely,  amazingly,  completely,  entirely,  incredibly,  insanely,  particularly,  remarkably,  so,  utterly,  unusually,  totally,  exceptionally


You did amazingly in the exam.

 あなたは試験で素晴らしい結果を残した。


It's incredibly generous of you to pay for  my  holiday.

 私の休暇のためにお金を出してくれるなんて、あなたは信じられないほど気前がいい。


Their insanely catchy, upbeat songs make  you  instantly  humalong.

 彼らのめちゃくちゃキャッチーでアップビートな曲は、すぐに口ずさんでしまう。

The food looked insanely delicious.

 料理もめちゃくちゃおいしそうだった。

*insanely 狂おしいほどに (大げさで informal な用語です)


It is particularly gangerous to swim in the  lake  during  a storm.

 嵐の中、湖で泳ぐのは特に危険だ。


She was so upset, I felt extremely sorry  for that.

 彼女はとても動揺していて私は非常に残念に思いました。


I am totally confused.

 私は完全に混乱している。


It's going to be an exceptionally useful  lesson.

 非常に有益なレッスンになりそうだ。



特定の形容詞と共に利用される強意語

*広く一般的に利用出来る強意語もあれば、或る特定の語との組み合わせ(コロケーションと言う)で利用される強意語も存在します。


dangerously

ill, hot などと共に利用されます

I'm afraid your mother is dangerously ill.

 お母さんは重症だと思う。


The car engine was dangerously hot.

 車のエンジンは危険なほど熱かった。


seriously

damaged, hurt などと共に利用されます

The house was seriously damaged.

 その家はひどく損傷した。


Fortunately, none of the passengers was  seriously  hurt.

 幸いなことに、乗客の誰も重傷を負わなかった。


highly

successful, intelligent, likely, unlikely と共に利用されます

She was highy intelligent woman.

 彼女は非常に知的な女性だった。


He is a highly successful businessman.

 彼は非常に成功したビジネスマンだ。


× It was a highly tasty meal.

 非常に美味しい食事だった。

→  It was a really tasty meal.

 本当においしい食事だった。

→ We had a insanely tasty meal.

 とてもおいしい食事だった。


×That's a highly good idea.

 それは非常に良いアイデアだ。

→ That's an incredibly good idea.

 信じられないほど良い考えだ。


bitterly

disappointed, unhappy, cold と共に利用されます

I was bitterly unhappy at work.

 私は職場で苦しいまでに不幸だった。


We were bitterly disappointed to lose the  football  match.

 サッカーの試合に負けたのが苦々しいまでに悔しかった。


It can  get bitterly cold in Canada in winter.

 カナダの冬は寒さが辛くなるほど厳しい。






INTENSIFIERS  &  MITIGATORS  in English - Adverbs intensifying Adjectives

&  another  Adverbs - Usage Sowjanya's English Class  2020/06/15

https://youtu.be/5sA7VL2DPLY

quite  が後ろに強意の形容詞・副詞を従える時は強意のabsolutely の意味となり、

それ以外の時は、緩和語 そこそこの、結構な、相当の、の意味となる事を指摘しています。



Pretty」の様々な用法【#277】

Hapa 英会話  2019/05/29 https://youtu.be/uMHhHYwFhO8

pretty の持つ語感、また緩和語としての用法について

大変分かりやすく教えて呉れます。



Kid plays VIVALDI Summer !! (Fastest YouTube version)

Violin Phonix  2025/03/06 https://youtu.be/ftOLUlNQiUM

It's quite hard. ヴイヴァルディは結構難しいよ。(君、大丈夫?)

この quite は、結構、かなり、相当に、の意味ですね。

白熱した素晴らしい演奏でした!

13歳のルーカス・チケ君は既に数々のコンクールで優勝し、各地のオケとも

共演しています。 https://www.lucaschiche.com/ まぁ、天才肌です。





緩和語  Mitigators


*<突き抜けて極端に>では無く、<ほどほどの、結構な、相当に>、の意味です。

*意味が取りにくい場合は、取り敢えず、<極めて〜だ>ではなく、マイルドさを加えた<そこそこ〜だ><或る程度〜だ>の意味だと脳内確認して下さい。


*quite, somewhat, rather, fairly, pretty (これは informal),  kind  of  (これも informal),  mildly などが利用されます。

*これらの語は、<極めて><心底の>の意味は持たず、<或る程度までに>の意味を持ちます。

*<或る程度までに>の<或る程度>は幅を持ち得ますので意味の曖昧性を持ちますね。

*逆に、物事を断定せずに敢えてボカす意図、或いは話し手本人が評価・判断に迷っている状態にある事を示す意図でも利用出来ることになります。

*これは、日本語の<相当に>の<相当>と同様です。

*casual 表現の pretty, kind of は進んで使う事は控えるべきでしょう。


*但し、quite は強意の形容詞、副詞、例えば  brilliant,  amazing,  incredible,  awesome,  gorgeous  などの語を修飾する時には、強意語 absolutely  とても、の意味として機能します。

*後ろの語に意味を合わせると言うわけです。

*pretty も同様に、強意、緩和の両方の意味用法で利用されますが、quite と同様な理解で良いと思います。


pretty

*外見が可愛らしいの意味を持ち、これは若い女性の形容に主に使われます。

*これに対して、内面から滲み出てくるものを含めた美しさが beautiful になります。

*very, really よりは控えめの意味の緩和語としても利用され、結構、そこそこ、相当などの意味になりますが、意味の曖昧性を抱える語です。

*強意の形容詞、副詞と共に利用される時には、quite と同じく強意語として働きます。

*口語的色彩の強い言葉になります。


It's really cold today.  今日はとても寒いですね。

It's pretty cold today. 今日は結構寒いですね。

It's pretty cold in Los Angels. ロスって(思って居たより)結構寒いねぇ。

That test was pretty hard. I thought it was goint to be easy.  あのテスト思ってた以上に結構難しかった。


cf. prety much = almost 口語で<殆ど>の意味で利用されます。

That's pretty much it for today. Let's call it a day and go home.

 今日は大体こんなところです。この辺で切り上げて帰りましょう。



quite

It was quite hot on Sunday.

 日曜は結構暑かった。

= It was hot, but moderately hot.

 暑かったけど、ほどほどに暑かった。(極度に暑いと言うほどでは無くそこそこ暑かった)


She was quite tired.

 彼女は結構疲れていた。(疲労困憊と言う程でも無く結構疲れていた)


The film was quite exciting.

 その映画は相当に面白かった。(ほどほどには面白かった)


This project is quite brilliantly built.

 この計画は非常に見事な作りだ。(これは強意の quite)

= This project is absolutely brilliantly built.


fairly

He has worked fairly hard this week.

 彼は今週は結構頑張った。(必死に頑張ったというのではなくそこそこ頑張った)


I ran fairly quickly.

 私は相当速く走った。(全速力で必死に、とまでは言わないがそこそこに速く走った))


rather

It's rather cold today, isn't it?

 今日は結構寒いですね。(極度に寒い訳ではなくそこそこ冷えている)


By the end of the party, we were rather bored.

パーティーが終わる頃には、私たちはそこそこ退屈していた。(心底退屈したと言うほどでは無いが結構退屈した)


somewhat

He concluded that Oswald was somewhat  abnormal.

 彼はオズワルドが或る程度は異常であると結論づけた。


He explained somewhat unconvincingly that the  company  was  paying for everything.

 彼は、会社がすべてを負担していると、やや納得のいかない説明をした。


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目出度さもちう位也おらが春 小林一茶


*この句の、ちう位の意味するところに関しては、文字通りの<中程度だ、そこそこだ>と解釈する者もいれば、<可なり良い>の意味だと唱える者もいます。

*上に挙げた緩和語を当てて訳すと好適な様に塾長は感じますが如何でしょうか?


今年の正月は結構目出度い。

My New Year's Day is fairly auspicious.


今年の正月はほどほどに目出度い。

My New Year's Day is moderately auspicious.


*結構良い、悪くない、などと同様に、意味に含みを持たせて読み手側にあれこれ想像させる点に於いて、正に文学的表現、一茶の思う壺?ですね。









 今回で強調構文の解説を終わります。次からは各種の倒置構文を扱う予定です。これまた、一通り、ガツンと頭に入れると生涯を通して役に立つ事必定です。