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倒置構文5 |
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2025年4月10日 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。 今回シリーズからは倒置構文について解説していきます。これまで各所で折に触れ解説してきましたが、それの集大成版となります。倒置とは疑問文を作る際にも見られることですが、要は、平叙文の中の特定語句、或いはそれに含まれていた様態語句(いわゆる助動詞)を文の先頭に持ってくる構文形式です。前回で触れた様に、強調の為に強調すべき語句を文頭に持って来る例が殆どであり−今回シリーズは前回とだいぶオーバーラップしますね−、それに伴い、それ以下の語句が固有の配列の変化を来します。定型的な法則に従いこれらの倒置現象が起きますので、否定の比較構文の解釈などと異なり、理解は至極ラクでしょうね。逆に出会った文章が、どうも通常の文の配列としては理解出来ない構造であれば、ははぁ〜ん、倒置が隠されていると判断し、落ち着いて<元の>語順に戻して解釈すればそれで足ります。倒置表現に関して一通り説明して行きますので、頭にインプットしておくと、確実な、大きな力となります。この先の予定としては、省略構文に触れて行く予定ですが、それで一通りの構文解説のシリーズを終える事になりますね。今回は倒置構文の第5回目となります。 英国ケンブリッジ英語辞典並びに Collins 英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/inversionhttps://www.collinsdictionary.com/jp/dictionary/english/norhttps://www.collinsdictionary.com/jp/dictionary/english/neitherhttps://www.collinsdictionary.com/jp/dictionary/english/sohttps://www.collinsdictionary.com/dictionary/english/so-thathttps://www.collinsdictionary.com/jp/dictionary/english/such『チャート式 英文解釈』 鈴木進、数研出版、昭和51年、特殊構文第5章 倒置構文ここの基本的構成並びに(難解な)例文を幾つか参考にしていますが、塾長なりの視点から批判的検討を加え、また一部、より現代的な、或いはより正しい明確な表現となる様、書き換えたものも併記しています。 |
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倒置構文5*文の普通の語順 (Word Order) を変えることを倒置 (Inversion) と言いますが、これは広義の言葉であり、例えば、ある語句を文頭に持って来ることに注目すれば、それは fronting 前置 と呼びます。*ここでは疑問文の倒置形式については扱いません。*これら以外の構文としての倒置は、@強調の為のもの、A慣用によるものとに大別出来ます。*形式を覚えて仕舞えばそれで済みます。*否定構文の様に意味の解釈に戸惑わされることも無く、或る意味形式論で終わりますので単純明快です。*覚えればそれで終わります。以下これらを順を追ってざっと解説して行きましょう。2.nor, neither, so が先行する場合の倒置*nor, neitherが後ろに文を取る場合には、その後ろの文は倒置されます。* so は副詞として機能し、直前に言及したことを示します。正確には、<その様に>の意味で動詞に掛かる言葉です。*nor, neither, so + 助動詞 +S + Vの語順になります。*或いは、nor, neither, so + be 動詞 +Sの語順になります。-------------------------------------nor (つづき)*大方は否定表現の後に続け、第2の文内容も同じく否定する時に用います。<〜もまた無い>*前文内容が肯定の時には nor は and not の意味で用いられます。 <そして〜はない>*他に、neither A nor B の組み合わせの形でも頻用されます。*nor を上手く利用することで、文の冗長さが無くなり、端整に締まるのが実感出来ます。*前文が肯定文The child cried and lay down, nor could all our beating raise it.その子は泣いて横になってしまった。そしてわれわれがどんなに叩いても立ち上がらなかった。→ , and all our beating could not raise it.They are happy, nor need we worry彼らは幸せだし、私たちが心配する必要もないThe truth is - and it is not a sad truth - that happiness cannot be pursued and caught like a butterfly in the collecter's net. It defies pursuit, and all attempts to contain it are vain. Nor can it be purchased. It is one of the many things that you cannot buy.真実は--そしてそれは決して悲しい真実ではない--幸福は、蝶が採集者の網にかかるように、追い求めることも捕らえることもできない。幸福は追い求めることを拒み、それを封じ込めようとする試みはすべてむなしい。買うこともできない。買えないもののひとつなのだ。Nor can it be purchased. → It cannot be purchased...,either.Anything and everything within human experience can be made the subject of study, nor is mankind satisfied until it has dealt with everything that has any bearing on human life. Practical needs made the natural environment an early subject for study. (同志社大)人間が経験するあらゆることが、研究の対象となりうる。また人間の生活に関係するものすべてに取り組むまでは、人類は満足できない。実用的な必要性から、自然環境は早くから研究の対象とされてきた。nor is mankind satisfied → and mankind is not satisfied...,either.cf. anything and everything 「なにもかもすべて」 |
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neither A nor BAもBも〜ない*nor が後ろに文を取る時のみ、 nor 以下で倒置が起きます。*全く同じ意味で、not A or B が利用出来ます。*neither A not B はあまり一般的では無く、 formal で堅苦しい表現になります。They can neither read nor write, nor can they comprehend such concepts.彼らは読むことも書くこともできないし、そのような概念を理解することもできない。= They cannot read, write, or comprehend such concepts.*以下、倒置が起きない例Neither Mr Rose nor Mr Woodhead was available for comment yesterday.ローズ氏もウッドヘッド氏も昨日はコメントできなかった。= Mr. Rose and Mr. Woodhead were unavailable for comment yesterday.Neither he nor I will be there.彼も私もその場にいないだろう。= He and I would not be there.I can give you neither an opinion nor any advice.私は意見もアドバイスもできない。= I cannot give you any advice or opinions.-------------------------------------neither〜もまた〜ない= not either*nor が前文が肯定文の時も使えるのに対し、neither は前文も否定の場合のみ利用出来ます。*否定の上重ね表現ですね。I never learned to swim and neither did they.私も彼らも泳ぎを習ったことはない。I don't have all the answers and neither do you.私もあなたも、すべての答えを持っているわけではない。I can't ever recall Dad hugging me. Neither did I sit on his knee.父さんが私を抱きしめてくれた記憶はない。膝の上に座ったこともない。-------------------------------------まとめ*以下例文を元に用法を再確認して下さい。both A and BA,B共に肯定I like both apples and oranges.私はリンゴとオレンジの両方が好きです。not both A and BA,B共に〜と言う訳では無いI don't like both apples and oranges.私はリンゴとオレンジの両方が好きと言う訳では無い。(部分否定の発想です)either A or BA,Bのいずれか1つを肯定I want to go either to the park or to the cinema.私は公園か映画館のどちらかに行きたい。not either A or B = neither A nor BAでもBでも無い=共に否定I don’t have either time or money.= I have neither time nor money.時間もお金もありません。neither A nor B = not A or BA,B共に否定I like neither cooking nor cleaning.I don’t like cooking or cleaning.私は料理も掃除も好きではありません。*以下の用法は間違いです。not neither A nor Bnot A nor B× I don’t like neither cooking nor cleaning.× I don’t like cooking nor cleaning.これらは非文になります。cf.not A and B = not (A and B)Don't drink and drive. 呑んだら乗るな。Don't drink or drive. 酒も運転も止めろ。cf.No pain, no gain. 痛みなくして得るものなし。= Without pain, you gain nothing.No drink, no drive.= Without drink, I can never drive.酒無しでは全く運転できん。(<飲むな、運転するな>、の意味にはなりませんのでご注意を!) |
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