英文長文読解 短期集中 個別指導 

倒置構文6  so が先行する倒置

KVC Tokyo  やり直し硬派英語塾

                               





















https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/























































































































































塾長のコラム 2025年4月15日






倒置構文6



2025年4月15日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 今回シリーズからは倒置構文について解説していきます。これまで各所で折に触れ解説してきましたが、それの集大成版となります。倒置とは疑問文を作る際にも見られることですが、要は、平叙文の中の特定語句、或いはそれに含まれていた様態語句(いわゆる助動詞)を文の先頭に持ってくる構文形式です。前回で触れた様に、強調の為に強調すべき語句を文頭に持って来る例が殆どであり−今回シリーズは前回とだいぶオーバーラップしますね−、それに伴い、それ以下の語句が固有の配列の変化を来します。定型的な法則に従いこれらの倒置現象が起きますので、否定の比較構文の解釈などと異なり、理解は至極ラクでしょうね。逆に出会った文章が、どうも通常の文の配列としては理解出来ない構造であれば、ははぁ〜ん、倒置が隠されていると判断し、落ち着いて<元の>語順に戻して解釈すればそれで足ります。倒置表現に関して一通り説明して行きますので、頭にインプットしておくと、確実な、大きな力となります。この先の予定としては、省略構文に触れて行く予定ですが、それで一通りの構文解説のシリーズを終える事になりますね。今回は倒置構文の第6回目となります。

英国ケンブリッジ英語辞典並びに Collins 英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/inversion

https://www.collinsdictionary.com/jp/dictionary/english/nor

https://www.collinsdictionary.com/jp/dictionary/english/neither

https://www.collinsdictionary.com/jp/dictionary/english/so

https://www.collinsdictionary.com/dictionary/english/so-that

https://www.collinsdictionary.com/jp/dictionary/english/such


『チャート式 英文解釈』 鈴木進、数研出版、昭和51年、特殊構文第5章 倒置構文

 ここの基本的構成並びに(難解な)例文を幾つか参考にしていますが、塾長なりの視点から批判的検討を加え、また一部、より現代的な、或いはより正しい明確な表現となる様、書き換えたものも併記しています。






INVERSION  | So - Neither - Nor

RachidS  English  Lessons   2021/11/25

https://youtu.be/zkHsB6QJDFk

RACHID  SLIOUAT さんはモロッコの英語教師であり、大学院にて英語教授法の研究

も行っています。モロッコではアラビア語、ベルベル語が主流でフランス語が第2言語に

なります。モロッコで英語の教師をしている立場は日本に於けるそれに等しい様に思え

ますが、易しい英語を巧みに操って教授する姿勢は日本の英語教員のレベルを遙かに

超えていそうです。因みにアラビア語の国名アル=マグリブ中のマグリブは、

「日の没する地」 を意味します。まぁ、rising sun の日本とは逆ですね。





倒置構文6




*文の普通の語順 (Word Order) を変えることを倒置 (Inversion) と言いますが、これは広義の言葉であり、例えば、ある語句を文頭に持って来ることに注目すれば、それは fronting 前置 と呼びます。

*ここでは疑問文の倒置形式については扱いません。

*これら以外の構文としての倒置は、@強調の為のもの、A慣用によるものとに大別出来ます。

*形式を覚えて仕舞えばそれで済みます。

*否定構文の様に意味の解釈に戸惑わされることも無く、或る意味形式論で終わりますので単純明快です。

*覚えればそれで終わります。


 以下これらを順を追ってざっと解説して行きましょう。




3. so が先行する倒置


*so は副詞として機能し、直前に言及したことを示します。正確には、<その様に>の意味で動詞に掛かる言葉です。

*so を文頭に置く場合、倒置の発生するしないに関わらず、be  動詞はそのまま、また一般動詞は do, does, did で代用させ、コンパクトな文にします。

*これはそもそも so を使うのが言いたい事の重複を避ける<省エネ>の為だからです。

*and..., too,  and  also,  and...as  well などと同じ意味です。


I enjoy Ann's company and so does Martin.

 私はアンと一緒にいるのが楽しいし、マーティンもそうだ。

→ I enjoy Ann's company and Martin.enjoys Ann's  company,  too.


They had a wonderful time and so did  I.

 彼らは素晴らしい時間を過ごし、私もそうだった。

→ They had a wonderful time and I.also had  a  wonderful  time.


The police arrived, and so did reporters and a  photographer  from  the 'Journal'.

 警察が到着し、『ジャーナル』紙の記者とカメラマンもやってきた。

→ The police arrived, and reporters and a  photographer  from  the 'Journal' arrived as well.


Beginnings are apt to be shadowy, and so it is with the  beginnings  of that great mother of life, the sea?  (鳥取大)

 始まりというものは影が掛かりがちだが、生命の偉大な母である海の始まりもそうなのだろうか?

→ it is apt to be shadowy with.., too.



以下 50年前の学参掲載の文例

  As a writer who loves words and lives by them, I  am  as  jealous  for  them  as is a dog-lover for his friends, and as indignant as he when  they   are dressed up and put through tricks at a  circus.  Words  need  no  dressing.  In writing dialogue it is sometimes wise to underline, so  that  the    stress  comes immediately in the  right  place;  for  in  dialogue  one  is  circumscribed  by the character's choice and arrangement  of  words,  and  if  he depends upon intonation, so must  the  author. (A.A. Milne)


 言葉を愛し、言葉によって生きる一人の作家として、犬好きが友人達に(恋人が取られるかの如くに)嫉妬するのと同じように私は言葉に嫉妬し、(犬の様に)言葉が着飾らされサーカスで芸をさせられる時にも同じく憤慨する。言葉に着飾る必要はないのだ。(台本の)会話部分を書く時には、アンダーラインを引くのが賢明な場合があり、そうすることで、(セリフの)強調が適切な場所に即座に遣って来る。と言うのは、会話では、登場人物の言葉の選択と配列に制約があるからだ。もし登場人物(の言葉)がイントネーションに基づくものなら、作者もそうしなければならない。(A.A.ミルン)


*平易な英文ですが、木に竹を接いだような箇所が複数有り、明確な意味の把握しにくい文ですね。ここに記されていない、切り離されている前後の英文を読まないと訳がキメられないところがあります。

*ここでは芝居の脚本執筆についての内容と考え、和訳しました。

*思いつくままにしたためた様な散漫な文にも見え、読み手が゛想像力を働かせて適宜言葉を補わないと文言の意味が特定出来ない弱さを抱えています。

*web 上の Milne の Quates (名言集)を見ても、言葉の抜け落ちが有り、native はスンナリ理解出来るとしても non-native には何を言いたいのか意味が取りにくいものがありました。

*塾長は日本の古文を読んでいる時と同様の感想を抱いたのですが、まぁ、クセがある英文です。

*これを和訳せよと求められても初学者には字面通りに訳す以上の事は困難でしょう。

*と言いますか、この手の文を課題に出すのは英語指導者としてズレている気がするのですが・・・。


*as is a dog-lover for his friends = as a dog-lover  is  jealous for his friends

* as indignant as he =  as indignant as  he (= the  dog-lover) is indignant

*underline   強調すると下線を引くの2つの意味がありますが、台本だとすれば下線を引くと訳するのが適当だとしました。

*the character's choice and arrangement of  words =  the  choice and arrangement of words as to the character

*so must the author → the author must  so

*put through = to make experience  a  unpleasant  thing  (相手に) 嫌なことを味合わせる

  (動詞+through で、イヤな事、辛い事を経験するとのニュアンスを持つ場合が多いです。)


参考

https://en.wikipedia.org/wiki/A._A._Milne

  Alan Alexander Milne (18 January 1882 - 31 January  1956)  was an English writer best known for his books about the teddy bear Winnie-the-  Pooh, as well as children's poetry. Milne was  primarily  a  playwright  before the huge success of Winnie-the-Pooh overshadowed his previous  work. He served as a lieutenant in the Royal Warwickshire  Regiment  in  the  First World War and as a captain in the Home Guard in the Second  World War.


 アラン・アレクサンダー・ミルン(1882年1月18日-1956年1月31日)は、テディベア「くまのプーさん」の本や児童詩で知られるイギリスの作家である。『くまのプーさん』の大成功がそれまでの作品を見劣りさせる様になる以前には、主に劇作家として活躍していた。第一次世界大戦では王立ウォリックシャー連隊中尉として、第二次世界大戦ではホームガード大尉として従軍した。


*overshadow 1. 影を落とす   2. 凌駕する、見劣らせる  ここは2の意味です。

*A.A. Milne 氏は児童文学者であり、『クマのプ−さん』 の作者です。

*自分の息子の為にプーさんを語ったとのことですが、『機関車トーマス』と同じ背景ですね。


*一般論となることをお断りしますが、児童文学者の書く英文素材が英語学習者にとって真に好適な材料となるかは別問題です。

*英語初学者だから児童文学作品を使って勉強を進めたら良いだろうとの判断は正しいとは限りません。

*寧ろ英語が上達せずに終わるのではないでしょうか。

*non-native は英語に余程習熟してからでないと、児童文学作品には逆に手が出せないでしょう。






【毎日使う】ネイティブの私が「So that 構文」のリアルな使い方を教えます〔#116〕

StudyIn ネイティブ英会話  2021/01/28

https://youtu.be/Qeb3LqieFQs


So...that,  Such...that の倒置文を扱う前に、ここで一度、so/such...that 構文

のお浚いをしておきましょうか。毎度の如くでみっちゃんが惚れ惚れする程の

大変分かり易い解説をして呉れます。



How  to  Use  Inversion After SO and SUCH - English Grammar Lesson

The English Channel 2022/02/03 https://youtu.be/vVFaDgj_iKI

視覚的に良く分かる説明です。





4. so....that,  such...that 構文の倒置


*so...that, such...that 構文自体は、会話などの casual なシーンで多用される強調表現(とても〜なので〜だ、〜な程までに〜とてもだ)なのですが、倒置形式とすると<尋常ならざる>重々しさが加味され、文語扱いになりますね。同時に古めかしい、時代掛かった表現になります。

*文に poetic 詞的なニュアンスを添える事も出来ます。

*口語で利用される例を実際一度も聞いたことがありません。

*但し、such is the case のみ会話で使っても間違いではありませんが、これも相当に硬い表現になります。


so/such 以下に使われる動詞が be 動詞の場合に限り倒置が可能になると文法書に記述されているのを確認していますが、少ないながらも他の一般動詞でも倒置される例を見ています。


*目的や結果を表す連語表現 so that (そんなで〜だ)は倒置出来ませんのでご注意下さい。

*連語 such that = so much that, so great that の意味の強調表現ですので、連語 so that の場合と異なり、 such を文頭に倒置出来ます。

*元々強調表現である、so...that,  such...that, such  that  が更に倒置、強調されることになります。



So devastating were the floods that trees were  uprooted.

 洪水は木々が根こそぎになるほど壊滅的だった。

→ The floods were so devastating that trees were  uprooted.


So fast were the tears streaming (that) she  could  not  see.

 涙の流れが速すぎて彼女は見ることができなかった。

→ The tears were streaming so fast (that) she  could  not  see.


The deal is So attractive is the deal (that) it  would  be  ridiculous to say no.

 その取引はとても魅力的なので、断るのは馬鹿げている。

→ The deal is so attractive (that) it would be  ridiculous  to  say no.


So familiar a feature of Italian churches are  Frescoes  that  it is easy to take them for granted.

フレスコ画はイタリアの教会ではとても見慣れたものなので、当たり前のものと思ってしまいがちです。

→ Frescoes are so familiar a feature of Italian  churches  that it is easy to take them for granted.


So awfully does she sing that I have to wear  earplugs.

 耳栓をしなければならないほど、彼女の歌はひどい。

→ She sings so awfully that  I have to wear  earplugs.

  (be 動詞以外での倒置例です)



*以下、意味が取りにくい場合は、such  =  so  much,  so  great に即座に置き換えて下さい。


Such was the force of the storm that trees were  uprooted.

 嵐の勢いがすさまじかったので、木々は根こそぎにされた。

→The force of the storm was such that trees  were  uprooted.


Such a hurry he was in that he almost pushed  me  over  onthe stairs.

 彼はとても急いでいたので、危うく私を階段で押し倒すところだった。

→ He was in such a hurry that he almost  pushed  me  over  on the stairs.


Though Vivaldi had earned a great deal in his  lifetime,  such  was his extravagance that he died in poverty.

 ヴィヴァルディはその生涯で巨万の富を得たが、そのあまりの浪費のために貧窮のうちに死んだ。

→Though Vivaldi had earned a great deal in his  lifetime, his  extravagance was such that he died in poverty.


Such is OFSTED's brief that it can conduct any  inquiry  or  provide any advice that the Secretary of State requires.

 OFSTEDの任務は非常に大きく、国務長官が必要とするあらゆる調査を実施し、或いは助言を提供することができる。

→ OFSTED's brief is such that it can conduct  any  inquiry  or provide any advice that the Secretary of State requires.


He kept thinking such was the pain that he  would  faint.

 彼はその痛みが烈しくて失神する程だと思い続けた。

→ He kept thinking the pain was such that he  would  faint.


Such a smell did the man cause that everyone  at  the  party  left.

 その男のあまりの臭さに、パーティにいた全員が帰ってしまった。

→ The man caused such a smell that everyone  at  the  party  left.

  (be 動詞以外での倒置例です)



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注意


*So + V + S と So + S + V の違い

I am very anxious about him. So am I.

→ I am very anxious about him, too.

 私は彼のことがとても心配です。→私もそうです。

 (相手の見解への同意)


You are very anxious about him, aren't you.  So  I  am.

→Yes, I am (very anxious about him.)

 あなたは彼のことがとても心配ですね。はい、そうです。

 (疑問文に対する返答)



*nor  (neither) と so の違い

I don't like wisky. Nor (or Neither) do I.

→ I don't like whisky, either.

 私はウィスキーはきらいです。私もそうです。


I like Whisky.  So do I.

→ I like whisky, too."

 私はウィスキーが好きです。私もそうです。