英文長文読解 短期集中 個別指導 

省略構文3  Textual ellipsis 構文としての省略3 

KVC Tokyo  やり直し硬派英語塾

                               





















https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/























































































































































塾長のコラム 2025年5月10日






省略構文3



2025年5月10日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 今回シリーズからは省略構文について解説していきます。これまで各所で折に触れ解説してきましたが、それの集大成版、纏めとなります。日本語でもそうですが、前言に出て来た単語や語句をそのまま繰り返すと文章がくどくなってしまいます。判り切っている文言は省略すると、文章の風通しが良くなり、また文字数も減らすことが出来て省スペース化出来ますね。これにも様式、型があり、<このような表現では文言を省略して良い>とのある程度のワクがありますので、それを押さえておくと、何が省略されているのかを正しく把握することが出来ますし、また自分が英作する際にも役立てることが出来ます。まぁ、構文理解と言うよりは、表現の問題として理解するのが正しい様にも思います。省略表現に関して一通り説明して行きますので、頭にインプットしておくと、確実な、大きな力となります。省略構文の第3回目となります。

英国ケンブリッジ英語辞典並びに Collins 英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/ellipsis


『チャート式 英文解釈』 鈴木進、数研出版、昭和51年、特殊構文第6章 省略構文

 ここの基本的構成並びに(難解な)例文を幾つか参考にしていますが、塾長なりの視点から批判的検討を加え、また一部、より現代的な、或いはより正しい明確な表現となる様、書き換えたものも併記しています。






No Visitors Allowed At Irina's House!

2024年3月25日

https://www.youtube.com/shorts/vbBSBJrhxFU

No visitors (are) allowed.

文字通りの訪問者おことわりの意味ですね。

まぁ、ガキンコの喜ぶことは世界共通の模様で。





Textual  ellipsis 構文としての省略3




2.主に慣用による省略

*こちらは主に定型的な表現中に於ける省略になります。


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a.  the+比較級, the+比較級…'の構文中の省略


*勿論ですが省略せずに記述することも可能です。


The more cars, the more accidents.

 車が多くなればなるほど事故も多くなる。

→The more cars [there are], the more accidents  [will  happen].


The smaller a class, the friendlier the pupils.

 クラスが小さければ小さいほど生徒は親密である。(→ The  smaller a class [is], the friendlier [are] the pupils.)


I hope a lot of people will come to the party; the more,  the  merrier.

 たくさんの人が会に来るといいと思います。多ければ多いほど楽しいですもの。

→the more [people there are], the merrier [ it  will  be].)


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b.  It is...that-clause の構文に於ける文頭の lt is の省略


*that 節を仮主語 it で前に出す構文に於いて、文頭の It is/  was を省略する場合があります。

*勿論、この that は省略出来ます。

*強調構文の It is/was は省略出来ません。


No wonder that he failed in the enterprise.

 彼が事業に失敗したのは当然です。

→[It is] No wonder that he failed in the  enterprise.


Pity that his plan fell through.

 彼の計画が失敗したのは残念だ。(→[It is a]  Pity  that.)


Strange that he shouldn't show up for the  meeting.

 彼が会合に現われないなんておかしい。(→[It is]  Strange  that)


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c.  It is...that-clause の構文に於ける that の省略


*that 節を仮主語 it で前に出す構文に於いて、 that は省略出来ます。


*it is/was...that の強調構文の that,  who,  which は省略は可能です。

*主語を強調する構文の場合の、that,  who,  which  なども省略可能です。この場合、単なる文の前に It is/was を添えただけの文になります。

*しかしこうすると、強調構文が形骸化し、その構文を作る意義が低下しますね。

*一般的な話になりますが、that,  who,  which  などを省略することは、やはり、<崩れ>、<口語化>の意味を持つ事が逆に理解出来ます。

*他にも省略しても意味が取れる限りに於いて省略は可能です。


It was John [who] used a hammer and  violently  broke a  vase  twice  in his studio yesterday because of a mental deadlock. 

 (主語の強調

 昨日、精神的な行き詰まりからアトリエでハンマーを使い、花瓶を2度も激しく割ったのはジョンだった。

*上の文で who は省略可能です。


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c.  感嘆文中の S + V の省略


*勿論省略せずに記述することも可能です。


What a pity that such a good man should have  such  a  talkative  wife!

 あんな良い人があんなにおしゃべりな妻を持つなんて何と気の毒なこと!

→What a pity [it is] that such a good man has  such  a  talkative wife!


How good of you to do it for me !

 私のためにそれをしてくださるとは何と親切なんでしょう。

→  How good [it is] of you...)

= It is good of you  to do it for me.  (of you は  to  do... の意味上の主語になります)


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d. 所有格のあとの名詞の省略


I went to the dentist's [office] yesterday.

 昨日歯医者(のところ)へ行った。


I have a sweater just like Kate's [sweater].

 私もケイトと同じセーターを持っているわ。


Yesterday, I bought tomatoes from my usual  greengrocer's  [shop]..

 昨日、いつもの八百屋でトマトを買った。

*buy something from a shop   buy = to acquire  by  paying ですので、購入先を示すのには from を使います。


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e. if necessary, if any などに見られる省略


*これらの語は譲歩表現として文中に挿入されることも多いです。


Insert the definite article where [it is]  necessary

 必要なところに、定冠詞を入れなさい。


Correct errors if [there are] any [errors].

 まちがいがあれば正しなさい。


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f. 掲示に於ける省略


No Parking. 「駐車禁止」 (→ No Parking [is  allowed  here].)


Wet Paint. 「ペンキ塗りたて」(→ [Beware of the]  Wet  Paint.) 


Not for sale. 「売りものにあらず。」  (→ [This  article is]  Not  for  sale.) 


No visitors allowed at work: 「就業中訪問者おことわり。」  (→No  visitors  [are] allowed [while we are] at work.)


cf. 病院の面会謝絶は、最初の2文字だけで単純に "No Visitors" の札を掲げます。






Defining  and  Non-Defining Relative Clauses - English Grammar Lesson

Oxford English Now 2019/07/26 https://youtu.be/a_mFlafGyy8


関係節の制限用法と非制限用法の違いについてここで一度復習して下さい。

毎度の如くで大変分かり易くまた詳細な解説をして呉れます。

non -defining の方は、extra information を追加しますが、それを削除しても

文章は成立します。

それに対し、defining の方は削除すると文章の幹が失われてしまいます。

non -defining の方はコンマを前に添え、制限用法と大方同じ関係詞が利用

出来ますが、that と why は利用出来ません。





g. 関係代名詞の省略


*関係詞の用法には、制限用法(先行詞に強く結びつき、省略すると不文になる)と非制限用法(コンマ+関係詞の形を取り、追加的に情報を述べるもので省略しても不文にならない)があります。

*前者に於いては関係代名詞が省略可能な場合もありますが、後者では省略出来ません。

*前者では関係代名詞 that が利用出来ますが、後者では利用不可です。

*非制限用法では that と why 以外の関係詞が利用出来ると考えて良いでしょう。

*why は制限用法のみ利用出来ます。


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関係代名詞目的格の省略

 これは皆さん良くご存知の省略ですね。


*非制限用法では目的格であっても削除出来ません。


This book, which I bought in London, is extremely dull.

 この本はロンドンで買ったんだけど非常に退屈だ。

×This book,  I bought in London, is extremely dull.

*<, which I bought in London, > これは挿入句的な軽い気持で添えています。<これはロンドンで買ったんだけどね>


This book which I bought in London is extremely dull.

 ロンドンで買ったこの本は非常に退屈だ。

◯This book I bought in London is extremely dull.



Brian told me about his new job, which he is not enjoying very much.

 ブライアンは新しい仕事について話してくれたが、彼はその仕事をあまり楽しんではいない。

× Brian told me about his new job, he is not enjoying very much.

*別文に仕立てればOKです。

→Brian told me about his new job. He is not enjoying it very much.


*この例文を以下の様に制限用法で記述する意味は特にありません。

Brian told me about his new job (which) he is not enjoying very much.


*native は我々が漢文を返り点で遡って解釈するのとは異なり、語順通りに文意を解釈しますので、大方の場合に於いて非制限用法とは意味合い的に大差を生じません。

*制限用法で記述されていても、関係詞以降を非制限用法的に、即ち別文に仕立てて解釈して行く遣り方で、寧ろ文意が正しく理解出来る場合が大半ですね。

*特に入り組んだ長い文章の場合にこの遣り方が意味を持ちます。

*その際には適宜文言を付け加えるなどします。



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註:

*先行詞を含む関係代名詞 what, whatever に関しては目的格用法であっても削除出来ません。

*先行詞を含んでいますので省略すると文が成立しなくなるわけですね。


You are whatever the company that you keep is. -Proverb

 あなたは、あなたが持つ仲間が何であれ、そのものだ。 (=朱に交われば赤くなる)。」.一諺

= You are everything that the company you  keep  is. (ちょっと分かり難いかも知れませんね)

cf. The company you keep is everything.  


*これは良く目にする例文をまずは思い浮かべて下さい。

He is not what he once was.

 彼は嘗ての彼ではない。

= He is not the person that he once was.

cf. He once was the person.

 この that は関係代名詞補語格用法です。(すぐ下を参照)


cf.whatever = anything that, everything that  

*これは what (= thing (s) that) の強調形ですが、先行詞+関係代名詞に相当します。

*whatever, whichever, whoever など以下が名詞節を作る場合は日本語に訳しにくいです。

*〜であれいずれも、何にせよ、誰にせよ、などと、<譲歩のニュアンス+名詞節>の様に訳すと良いでしょう。


Franklin was free to do pretty much whatever  he  pleased.

= Franklin was free to do pretty much anything  that  he  pleased.

 フランクリンは好きなことは何であれ自由にやっていた。


It does not matter whoever broke  the  rule. The  rule  itself  is wrong. The rule itself is wrong.

 誰がルールを破ったにせよそれは問題ではない。ルール自体が間違っているのだから。


Whatever doubts he might have had about  Ingrid  were  all  over  now.

= Any doubt he might have had about Ingrid  were  all  over  now.

 彼がイングリッドに対して抱いていた疑念は何であれ、もうすべて終わったのだ。

 (ここの whatever は形容詞です)


You are whatever company you have. 

 あなたはあなたの仲間そのものだ。( whatever を形容詞にすると、文末の is は不要になります。)


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関係代名詞主格の省略


*嘗ては there is/are 文に於けるこの省略が見られたのですが、現在ではほとんど見ません。

There is a man downstairs [who or that] wants to  see  you.

 君に会いたがっている人が階下にいます。 


There is something [that] keeps worrying.me.

 ずっと心配なことがあるんだ。



*文法的誤用としての関係代名詞主格の省略

When he meets a woman [who/ that] he thinks  is  beautiful,  he dreams of becoming her lover, getting married and having a family.

 彼は美人だと思う女性に会うと、恋人になり結婚して家庭を持つことを夢想します。


*he thinks は挿入句ですが、この様に挿入がある場合には、主格であっても直前の関係代名詞が省略されることが寧ろ一般的になっています。

*文法的には誤用ですが、特に問題ともされません。

*まぁ、慣用に拠る省略そのものです。


因みに、

×When he meets a woman whom he  thinks  is  beautiful,  he  dreams  of becoming her lover, getting married and having a family.

*主格 who を使うところを woman を動詞 think の目的語と見做して目的格 whom を使う例もしばしば見ますが、誤用ですね。

*しかし、主格の代わりに目的格を使う例は英語では日常的に見られ、whom を使っても特に違和感はありません。意味は100%通じます。


He broke the window.

→強調構文にすると

It was he that broke the window.

= It was him that broke the window.



*大学入試用の学参の整序問題集などにこれらの例が採りあげられている例を見ます。

*これ以外の一般的な文に於いては、関係代名詞の主格は全く削除出来ません。


*ここでは深くは触れませんが、There is 構文には文法的な破格が多く見られ、しかもそれが英語圏にて普通に通用している現実があります。

*...is there が倒置されて特殊な意味合いを持つに至った経緯があり、文法の王道からは外れた特殊な表現様式とも言えそうです。

*機会があれば、there is 構文について纏めて採りあげたいと考えて居ます。


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関係代名詞補語格 that の省略

He is not the idle boy [that] he used to be. 

 彼は昔のような怠け者ではない。


*この省略は良く見られます。と言いますか省略するのが通例です。

*補語格としては関係代名詞は that しか利用出来ません。

*関係代名詞補語格の存在を知らない方々も多いかと思います。

 cf. he used to be an idle boy.→ the idle boy (that) he  used   to  be


*この際、覚えて下さい!



関係代名詞補語格+ there is の省略

Do you feel that there is a difference  between  fashion  in New York and Tokyo?

 ニューヨークと東京のファッションの違いを感じますか?

I can feel the difference [that there is]  between  fashion  in New York and Tokyo.

 ニューヨークと東京のファッションの違いは感じます。


*物事の間の違いは[存在する]訳ですから、there  is  の文言自体が元々大して意味を持っていないことが分かります。

*影が薄いので省略されますし、それでも十分に意味が取れますね。


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cf. 関係詞の後ろの主語+be 動詞の省略


*これは何を指すかと言うと、頻用される関係詞 +to do の表現に於いて、関係詞の後ろの主語 +be/ 法助動詞が省略されているとの考え方に基づくものです。


関係代名詞

He has no house in which he is to live

He has no house in which he should live

→He has no house in which to live.

= He has no house to live in.

 彼は住むべき家を持って居ない。


以下の様に前置詞を文末に添える記述はできません。

×He has no house which to live in.


関係副詞

We have no room where we can play.

→ We have no room where to play.



*以下は疑問詞 + to do が、主文動詞の目的語の名詞句となるケースです。


I don't know how I can swim,.

→I don't know how to swim.

 どうやったら泳げるのかが分からない。


I don't know what I am to do.

I don't know what I should do.

→I don't know what to do.

僕は自分が何をすべきかが分からないんだ。


I cannot decide whether I should go.

→I cannot decide whether to go.

 行くべきかどうか決められないんだ。