英文長文読解 短期集中 個別指導 

省略構文6  Situational ellipsis 状況が許す省略  

KVC Tokyo  やり直し硬派英語塾

                               





















https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/























































































































































塾長のコラム 2025年5月25日






省略構文6



2025年5月25日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 今回シリーズからは省略構文について解説していきます。これまで各所で折に触れ解説してきましたが、それの集大成版、纏めとなります。日本語でもそうですが、前言に出て来た単語や語句をそのまま繰り返すと文章がくどくなってしまいます。判り切っている文言は省略すると、文章の風通しが良くなり、また文字数も減らすことが出来て省スペース化出来ますね。これにも様式、型があり、<このような表現では文言を省略して良い>とのある程度のワクがありますので、それを押さえておくと、何が省略されているのかを正しく把握することが出来ますし、また自分が英作する際にも役立てることが出来ます。まぁ、構文理解と言うよりは、表現の問題として理解するのが正しい様にも思います。省略表現に関して一通り説明して行きますので、頭にインプットしておくと、確実な、大きな力となります。省略構文の第6回目、最終回となります。

英国ケンブリッジ英語辞典並びに Collins 英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/ellipsis?q=Ellipsis


『チャート式 英文解釈』 鈴木進、数研出版、昭和51年、特殊構文第6章 省略構文

 ここの基本的構成並びに(難解な)例文を幾つか参考にしていますが、塾長なりの視点から批判的検討を加え、また一部、より現代的な、或いはより正しい明確な表現となる様、書き換えたものも併記しています。






FORMAL  vs  INFORMAL  LANGUAGE | What's the difference? | Learn with examples

Learn  Easy  English 2020/09/11 https://youtu.be/zWyGx2-xiiQ


formal  と informal の例文の対比が大変参考になります。今回のコラムにて

採りあげる informal 表現の各省略は、informal の中でも一段とcasual 且つ

ぞんざいな表現であることを心得て下さい。

FORMAL vs.INFORMALに関しては後日コラムに仕立てる予定です。





Situational  ellipsis 状況的省略




*会話、特にインフォーマルな会話では日常的に省略表現が頻用されます。

*会話なる狭い範囲での遣り取りゆえ、判り切っていることを省くのは理解出来るでしょう。

*例えば話し手と相手しか居ない場合、I や you が無くとも話は出来ますね。

*これゆえ、状況的省略 situational  ellipsis  と呼称される訳ですが、<状況が許す省略>です。

*この situatuional とは、特定の場、シーンに於ける、の意味です。

*<気品有る>会話中に於ける省略とは異なり、casual  の度合いのだいぶ高い表現になります。


*米国通俗映画での会話シーンにも良く登場するのですが、ぞんざいで不明瞭な発音、また俗語表現の多用に加え、語句の省略が理由で会話が聞き取れない場合も多々あるかと思います。

*省略部分を理解して聴き取れれば一番ですが、聴き取れずとも恥でも何でもありません。

*映画を見ると英語の勉強になると主張する者も散見しますが、当然乍らどの映画を観るべきか、選ぶ必要があります。


*一応、斯かるレベルの英語が存在すると知識として知っておくと、何かの時には役に立つでしょう。

*以下一通りのパターンを頭に入れて下さい。




a. Subject pronouns (主語代名詞)の省略


*その場の状況から明らかなため、誰かや何かについて言及する必要がない場合、状況的省略を用います。

*特に節の冒頭で主語代名詞を省く場合の例が多いですね。

これは非常にインフォーマルです。極く親しい者との間でしか使いません。


[I] Wonder where Joe Healey is these days?

 ジョー・ヒーリーは最近どこにいるんだろう?


Bye! [I] Hope you have a nice holiday.

 さようなら!よい休暇をお過ごしください。


Are you coming? → You coming? → Coming?

Are you ready to go?→Ready to go?

Do you want a (wanna) bite? → Want a (wanna)  bite?


A:I saw Janice in town. [She] Said she’s getting  married  next  year.

 ジャニスを街で見かけました。[彼女は)来年結婚するって言ってたよ。

B: Yeah. [She] Met some guy and got engaged to him  after  only  a couple of weeks, apparently.

 ええ、ある男性と知り合って、数週間で婚約したらしいわ。


There’s something wrong with the car. [It]  Started   making  a  funny noise on the way home.

 車の調子がおかしいんだ。帰り道で変な音がし始めたんだ。


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b. Subjects and auxiliary verbs (主語と助動詞)の省略


*インフォーマルな会話では、意味が明らかな場合、 I  や  you  などの主語代名詞と、それに付随する助動詞 (be, do, have)の両方を文の冒頭で省略することがあります。

*これは疑問文でよく使われます。

*be 動詞は一般的に助動詞そのものとして扱われることにご注意下さい。



[Have you] Finished with the newspaper?

 [新聞は読み終わりましたか?


[I’ve] Lost my car keys again. Have you seen  them?

 [また車の鍵をなくしてしまいました。見ませんでしたか?


A: [Do you] Want some coffee?

 コーヒー飲む?

B: Yeah. [I’ve] Just made some.

  丁度淹れたところだよ。


A: [Have you] Seen my gloves anywhere?

 [あなたは]私の手袋をどこかで見ましたか。

B: They’re in the kitchen.

 台所にあります。


A: [Are] You ready yet?

 もう準備はできたの?


B: Yes. [I’m] Ready now. [I’m] Sorry to keep  you  waiting.

 ええ。今準備ができました。待たせてすみません。


I said to him, '' Better drive more slowly. What if  you  ran  against one of the trees along the road!" He kept silent, but became more careful.

 私は彼に言った。「もっとゆっくり行かないとマズいぜ。道沿いの木にぶつかったらどうするんだ!」。彼は黙っていたが、より慎重になった。

→ (You had) better drive more slowly.






Louis  The Child - Better Not (Lyric Video) ft. Wafia

Louis  The  Child  2018/04/13 https://youtu.be/YhZoPauDUg0

you  better  not = you'd better not = you had better not ですが

ぞんざいな informal 表現です。〜するとマズいんじゃない?の語感

です。失礼乍ら頭の悪い中学生が歌っている様な内容ですが、再生

回数が740万回に達しそうです。このレベルの英語を喋って過ごして

いる者が米国人の7割方かと推測します。皆さんは formal な英語で

話し、書ける様にして下さい!





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c. Auxiliary verbs (助動詞 be, do, have) の省略


*助動詞 have の省略

You [had] better not tell anyone.

 誰にも言わない方がいいよ。


[Have] You finished your essay yet?

   エッセイはもう書いた?


[Has] Claire bought a new car yet? She said she  was  going  to.

 クレアは新しい車を買った?買いに出ると言ってたけど


Yoy [have] got to try harder.

 もっと頑張らなきゃ。



*be 動詞の省略

[Is] Richard coming tonight?

 [リチャードは今夜来るの?


[Are] You going to the match on  Saturday?

  土曜日の試合に行くの?


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d. it is/ there is の省略

Mm, It's delicious.→ Mm, Delicious.

Hello! Is there anybody home? → Hello! Anybody  home?


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e. Questions with question tags 付加疑問文での主語代名詞の省略


*付加疑問文に於いて、主語代名詞、または主語代名詞とそれに付随する助動詞を省くのが通例です。

*付加文側にそれらが含まれているので誰が主語なのかは分かります。


[He] Gave up his job, did he? I thought he  would.

 [彼は] 仕事を辞めたよね?私は彼がそうすると思ってた。


[You] Wrote to the local newspaper, did you?

  [あなたは] 地元の新聞社に手紙を書きましたね?


A: He was asked to leave the room.

 彼は部屋を出るように言われました。

B: Yes. [He] Didn’t like it, did he?

 はい。彼はそれが気に入らなかったんだろうね?


A: Pat and Cathy certainly had a long break  from  work.

 パットとキャシーは確かに長い休暇をとっていました。

B: Yeah. [They] Went away for a month, didn't  they?

 ええ、1ヶ月間旅行したんでしょう?


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f. 冠詞の省略


*インフォーマルな会話では、文脈から明らかな場合は文頭で冠詞  (a/an, the)を省略することがあります。


[The] Dog wants to go out. Can you open the door  for  him?

 (その)犬が外に出たがっています。ドアを開けてあげてください。


A:What are you looking for?

 何を探しているの?

B: [A] Pen. Can you see one anywhere?

 [A] ペン。どこかにありませんか?


[The] Postman’s just been. There’s a letter for  you.

 配達人が来てたわ。あなた宛の手紙です。


I’d love to go with you. [The] Trouble is, I’ve got to  work  on  Saturday this week.

 あなたと一緒に行きたいわ。困ったことに、今週は土曜日に仕事があるんだ。


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g.  as の省略


I can't read that. I’m [as] blind as a bat without  my  glasses.

 それが読めないんだ。メガネがないとコウモリ同然に目が見えないんだ。

=  I'm blind like a bat without my glasses.


*最初から様態の前置詞 like を使うべきですね。









 今回で省略構文の解説を終わります。何度も見返し曖昧なところは排除すべく理解を深めて戴ければと思います。皆様の大きな力となる筈です。次のテーマはいよいよ!分詞構文を扱います。