英文長文読解 短期集中 個別指導 

KVC Tokyo  英語塾

                               


























































































































































































































































































塾長のコラム 2020年3月5日 『ケルト人とウェールズ語







ケルト人とウェールズ語




2020年3月5日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 ノルマン・コンクエストの項で、大陸側のブルターニュ半島へとブリテン島からウェールズ人が植民した (ブルトン人と呼称) とチラと触れました。これに絡めてお話ししましょう。



以下、本コラム執筆の為の参考サイト:


http://www.bradshawfoundation.com/stonehenge/stonehenge.php

Bradshaw Foundation Stonehenge The Age of The Megaliths


https://ja.wikipedia.org/wiki/ドルイド


https://www.afpbb.com/articles/-/2763458

古代ケルト信仰ドルイド教を史上初めて公認、英国

2010年10月3日


https://ja.wikipedia.org/wiki/ケルト人


https://ja.wikipedia.org/wiki/キャサリン・ゼタ=ジョーンズ

https://en.wikipedia.org/wiki/Catherine_Zeta-Jones


https://ja.wikipedia.org/wiki/ウェールズ語


https://www.bbc.co.uk/programmes/p02b4l6s

BBCのウェールズ語放送 S4C

 放送の視聴は英国内に限定されるとの表示が出、日本では試聴出来ないものがあります。


https://ja.wikipedia.org/wiki/ブルトン語


https://ja.wikipedia.org/wiki/アイルランド語


https://ja.wikipedia.org/wiki/スコットランド・ゲール語


https://ja.wikipedia.org/wiki/コーンウォール

https://en.wikipedia.org/wiki/Cornwall






  


http://www.bradshawfoundation.com/stonehenge/photographs/b1b.jpg

http://www.bradshawfoundation.com/stonehenge/photographs/b2b.jpg


  イベリア半島からブリテン島へ渡来した壺人 Beaker People とその土器。

3つの時代区分からなるストーンヘンジの2番目を作った人々とされています。





Catherine Zeta-Jones On Her 20-Year Marriage To Michael Douglas, BeingEmpty

Nesters | TODAY 2021/04/14 TODAY

The actor joins the 3rd Hour of TODAY live to discuss her new role in thedrama

“Prodigal Son.” She also shares how she and husband Michael Douglas plan to

celebrate their 20th wedding anniversary, what it’s like to be on the verge of

empty-nesting and whether their two kids are interested in show business.


ウェールズ出身の英国女優のキャサリン・ゼタ=ジョーンズなどの様に、ケルト系の者には

濃いブルーネットで黒目がちの者が混じっていますので、ひょっとしてケルト以前の先住民

−イベリア半島由来?−の血が遺っているのかもしれませんね。






 ローマ人がブリテン島に拠点を構える (1〜5世紀)以前には、先にヨーロッパ大陸から渡ってきていたケルト系民族がブリテン島、アイルランド島及び周辺の島嶼に居住していました。但し、紀元前 3000〜2000年にストーンヘンジを作ったのがケルト系民族であるかは不明です。ストーンヘンジは紀元前 3000〜2000年前に作られましたが、今からもう 4,5000年も前ですね。ケルト系がヨーロッパの中心地から各地に拡大していった歴史的経緯から考えると、この時代にこれを作った者達はおそらくケルト人とは違うのでしょう。その子孫とケルト人がのちに混血したのか、ケルト人が彼らを制圧、或いは追い出したのかも不明です。塾長の推測に過ぎませんが、ケルト系とされる者の中に、例えばウェールズ出身の英国女優のキャサリン・ゼタ=ジョーンズなどの様に、濃いブルーネットで黒目がちの者が混じっていますので、ひょっとしてケルト以前の先住民の血が遺っているのかもしれませんね。

 ストーンヘンジは3つの時代区分で作られましたが、2番目の「壺人」 Beaker People はイベリア半島から渡来したとのことです。1番目と3番目は、家畜 (イヌを含む)を飼育していたこと考えると、家畜と共に海を渡ってきた同じくヨーロッパ由来の民族だった可能性がありそうです。ひょっとすると古ゲルマン人の一派或いはバスク人の様な非印欧系の大陸先住民族だった可能性もあるやもしれません。

 さて、ケルト人はローマ人以前からの先住民であるからと言って文化に乏しい原始民族であったと言う事は無く、青銅器の製造技術や鉄器の武器も持っていましたし、独特の宗教(ドルイド教)も信仰していました。それがローマ撤退後に、ゲルマン系がブリテン島に、寄せる波の様に何度も侵攻を開始して以降(基本は海賊形態の植民です)、ケルト系民族は次第に辺境の地−ヨーロッパ大陸からは遠い、言わば裏日本ならぬ裏ブリテンに追いやられて行ったのです。尤も、ローマ人からすれば、北海に面したフランス北部、ゲルマン系民族が居住する北ヨーロッパやスカンジナビア自体が辺境そのものであったのですが。ブリテン島のケルト人はほぼ駆逐或いはアングロサクソン人(ゲルマン系)に吸収されましたが、ウェールズのケルト人は抵抗烈しく、結局最後まで彼らを支配下に置くことが出来ませんでした。

 その様な次第で、現在でもウェールズにはケルト系住民のウェールズ人が生活し、ケルト語の一種ウェールズ語を話す者がまだ相当数居ます。

 ブリテン島の南西端にコーンウォール州が位置していますが、この場所もケルト系住民の場所でした。残念なことに、ウェールズ語とも近い関係にあるコーンウォール語の最後の native speaker は 1914 年に亡くなりました。






Defnyddio'r Gymraeg

BwrddyrIaith

Cymry enwog a phroffesiynol yn son am sut mae'r Gymraeg yn

allweddol i lwyddiant eu gyrfa neu fusnes.

https://youtu.be/mCjLWzRUZik


Gymraeg Cymraeg カムライグとはウェールズ語の事です。「ウェールズ」は

英語で蔑みの意を含むので、ウェールズ人はこの表記を避けます。





Welsh Lady Preserves yn canmol defnyddio'r Gymraeg ym myd busnes.

Comisiynydd y Gymraeg | Welsh Language Commissioner

Dyma Carol Jones o gwmni Welsh Lady Preserves yn son am

fantais defnyddio'r Gymraeg ym myd busnes.

https://youtu.be/iwjRu3yI2JE


文法構造、単語の1つ1つからして英語とは全く異なる言語であることが分かります。

こんな言語がイングランドと地続きのウェールズで現在も話されていると知りびっく

りした方も多いのではと思います。





 他方、アイルランド島のアイルランド共和国側の住民もほぼ純粋なケルト人の子孫と考えて間違いないと思いますが、こちらの方は過去150年ほどの間に英語化が著しく進み、ごく一部の地区(貧しい漁労民の生活区)にてケルト語の一派ゲール語が細々と利用されるだけとなっています。英語が話せないと経済的また社会的地位を上げる事が出来ない現実から、アイルランド人自体が学校で形だけ祖語を勉強するものの実際には利用もしない現況にあります。逆にゲール語を話すものは衒学趣味の嫌味な奴だと思われがちとのことですが、魂を完全に相手側に売り渡した様にも塾長は感じてしまいます。まぁ、文化的に優勢な言語下に組み込まれ、祖語そして固有の文化も失ってしまう例はこれ以外にも普遍的に見られることではありますが、優勢な言語が文化とセットになって入る以前に、失っては困る、他に置き換え出来ない高度な文化、或いは武力を持っていなかったから呑み込まれたのだとも言えそうです。この様な言語に拠る文化支配を言語帝国主義と呼称する者もいます。







ケルト諸語

Langfocus

https://youtu.be/ri1Vw3w1_10

毎度のポールがあっぱれと言わざる得ないほど、簡潔且つ informative に

ケルト語の解説をしてくれます。




ウェールズ国歌(我が父祖の土地)

Kenji Y

イギリスのウェールズ地方の国歌。ウェールズ語で歌われており正式な歌名は Hen  Wlad Fy

https://youtu.be/aHwvO7TBYLs


美しい国歌ですね。聞いていると日本人にも拘わらずこみ上げてくるものがあります・・・。





 生き残っているケルト語には、ウェールズ地方と植民先のブルターニュ半島で話されるウェールズ語とブリトン語 (Pケルト語と呼ぶ)、それとアイルランド及びアイルランドからの植民先であるスコットランドで話されるゲール語 (Qケルト語)の2派があります。地理的には遠く離れてはいませんが、2つの言語は分離して既に数千年が経過していると考えられ、同じケルト語であっても互いの意思疎通が困難です。

 ウェールズ語はまだ話者も多く、ウェールズの北方では小学校に入るまで英語を知らない子供達も居るとのことで、日本人の感覚としては同じブリテン島に全く異なる言語体系の者が相当数住んでいることが驚きですね。

 ウェールズ語の文法は大変複雑に見え、他国語の話者が習得するのは難しそうに見えます。言語学的に分析はし得たにしても実際の話者となるのに道は遠い様に感じますが、これは塾長の偏見かもしれません。またケルト語から英語への借用語なども少なく、これは英語話者側はケルト語を文化的に相手にしなかったと言うことでしょう。






Accession number: ST-C232-9-63  

Description: President's trip to Ireland. Reception and tea at the home of Mrs.Mary Ryan,

President Kennedy's second cousin.


Margaret Kirwan, Jean Kennedy Smith, Josie Ryan, Mrs. Mary Ryan, PresidentKennedy, Mary

Ann Ryan, Mrs. Margaret Whitty, Eunice Kennedy Shriver, other guests.Dunganstown,

Ireland, Kennedy ancestral homestead.Creator: Stoughton, Cecil W. (CecilWilliam), 1920-2008

Date: 27 June 1963 Copyright: Public Domain


ケネディ大統領がアイルランドの祖先の地を訪問し、<また従姉妹>

であるメアリーライアンさん宅でお茶の接待を受ける。






 イングランドの 800年に及ぶ支配下にあり迫害されていたアイルランドのケルト系住民が、1800年代のジャガイモ飢饉で生活に困窮、逼迫し、再起を図って新大陸にこぞって移民しました。そこで成功を収めてケネディの様に大統領になった者も出現します。

https://www.jfklibrary.org/learn/about-jfk/jfk-in-history/john-f-kennedy-and-ireland

John F. Kennedy and Ireland

John Fitzgerald Kennedy, America's first Irish-Catholic president, was a son of two families whose roots stretched back to Ireland.


J.F.Kennedy とアイルランド

「J.F.Kennedy は米国で最初のアイルランドカトリック系の大統領となったが、アイルランドにまっすぐ辿れる2つの家系の息子である。」


 ケネディー大統領は、純粋なアイルランド人、詰まりは純粋なケルト人と言う事のようですね。

 古くはヨーロッパ大陸に広く居を構えていましたが、他民族に呑み込まれ、或いは追い立ててられ、辺境の地の中の辺境で生き残ったケルト人が、新大陸で花開いた訳ですが、その歴史にはケルト人の底力を感じると同時に落涙を禁じ得ません。