ほとんど〜ない、ギリギリだ の表現@ |
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2022年3月5日 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。 これまでに時間を表す表現の内、過去に関する表現を解説して来ましたが、次に未来表現について触れる前に、番外編として、殆ど〜ない、ギリギリだ、辛うじてOKだとの、言わばキワモノ的状況を表す表現について学習して行きましょう。意味用法を曖昧なままにして利用している方も実は少なくないのではと推測しますが、ここでガツンとその理解を確かなものとして下さい。それに纏わる表現の第1回目です。 英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。https://dictionary.cambridge.org/https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/hardly-ever-rarely-scarcely-seldomhttps://dictionary.cambridge.org/topics/size-and-quantity/merely-and-barely/ |
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否定の意味を持つ頻度を表す副詞hardly ever, rarely, scarcely, seldom の文法的理解*これらの語は物事が殆ど全く起きない、或いは余り頻繁には起きないことを言う時に利用される頻度を表す副詞 frequency adverb です。*皆否定の意味を持っていますので通常 not と共に利用することはありません。*rarely, scarcely と seldom は、会話よりは文章中で利用するのがより一般的です。*殆ど〜ない、と言う事は、僅かには起こり得ることを意味します。詰まりはギリギリ肯定の意味が含まれています。それを否定的表現のサイドから強調する副詞と言えるでしょう。*いずれも、滅多に〜無い、殆ど〜ない、と訳せばOKです。He hardly ever smiles.彼は滅多に笑わない。Providing fresh trout for dinner was rarely a problem.晩餐に新鮮な鱒を提供する事が問題になることは稀です。→ 晩餐に新鮮な鱒を提供しても滅多に問題になりません。She scarcely saw her grandchildren.彼女は自分の孫達に滅多に会わなかった。Griffin, the physics teacher, seldom shouted.物理の教師であるグリフィンは叫んだことはほとんど無い。*hardly と scarcely は‘almost not at all’ 殆ど全く無い、或いは‘only just’ たったそれだけ、を意味します。*hardly の方がより一般的に使われ、scarcely はより formal に利用されます。Jen was so tired. She could scarcely keep her eyes open.ジェンはとても疲れていた。目を開いていることが殆ど出来なかった。I hardly know them. I’ve only met them once.僕は連中の事は殆ど全く知らないよ。一度会っただけだし。--------------------------------------*語順ですが、普通はこれらの副詞は主語と動詞の間、法助動詞並びに助動詞の後ろに、be 動詞の後ろに置かれます。*より formal なスタイルではこれらの副詞を文頭に置き、主語と動詞を逆転させます。もし法助動詞、助動詞が無い場合は do/ does/did が用いられます。*法助動詞 modal verb とは、can, could, will, would, shall, should, may, might, must の9個の助動詞を指します。*助動詞には他に have, had, ought to などがありますね。以下用例を示します:neutralShe hardly ever went on holiday彼女は休暇で出掛ける(旅行に行く)事は滅多にありませんでした。*hardly ever = almost not ever = almost neverformalHardly ever did she go on holiday.neutralI had seldom seen so many people out on the streets.道路に沢山の人々が出ているのは滅多に見た事は無かった。formalSeldom had I seen so many people out on the streets.neutralThings are rarely as bad as you think they’re going to be.君がそうなるだろうと思うほどに事態が悪くなるのは稀だよ。formalRarely are things as bad as you think they’re going to be.--------------------------------------*より formal なスタイルでは、何かのすぐのちに何かが起きることを言う場合には、scarcely /hardly … when の表現が使われます。*この時も scarcely と hardly を文頭に持って来て、主語と動詞を逆転させます。Scarcely [V]had [S]I got myself comfortable and closed my eyes when I heard the sound of the alarm.自身を心地よくさせて目を閉じた途端にアラームの音を耳にした。cf. I had got myself comfortable and closed my eyes when I heard the sound of the alarm.アラーム音を聞いた時には私は(既に)寛いで 目を閉じていた。(大過去+過去)→I had hardly got myself comfortable and closed my eyes when I heard the sound of the alarm.アラーム音を聞いた時には私は辛うじて自分を寛ろがせて目を閉じていた。= 私が辛うじて自分を寛ろがせ目を閉じていた時にアラーム音を聞いた。→ 私が寛いで目を閉じた途端にアラーム音を聞いた。*hardly, scarcely にはギリギリの意味での肯定の意味が含まれることにご注意下さい。*〜すると途端に、〜するや否や、の構文は no sooner than で同様に表現可能です。Scarcely had I got myself comfortable and closed my eyes when I heard the sound of the alarm.= No soonerhad I got myself comfortable and closed my eyes thanI heard the sound of the alarm.*no sooner + than ですが、〜すると間髪を入れずに〜だ、と訳すとまだニュアンスが伝われるかもしれません。*〜するより全然早く無かった、の源義ですが、実際には完全に同時に起きたのでは無く、辛うじて早かったの意味になります。詰まり、no sooner = hardly, scarcely に相当します。*字義からあれこれ考えても必ずしも明確な理解に繋がるとも言えず、慣用的にこの様な意味合いを持つのだと腹を括るのも一法です。*塾長は高校生の時にこの no は強い意味では無く not 程度などと解釈されるのを見聞しましたが、その様な指導では混乱させられるばかりと感じました。*過去完了+過去の組み合わせになる事にご注意下さい。*これらの語順に関する構文は文法書や入試の参考書に屡々登場しますが、塾長が日常的に相手にする科学論文、評論文では過去30年一度も遭遇したことの無い表現です。文語的表現に留まるものであると理解して正しいでしょう。* Soon after I got myself comfortable and closed my eyes, I heard the sound of the alarm.* Immediately after I got myself comfortable and closed my eyes, I heard the sound of the alarm.* I only just got myself comfortable and closed my eyes when I heard the sound of the alarm.これらの構文だと口語的ですが、過去完了形を使わずに単純に<過去+過去>となることにご留意下さい。即ち時間の隔絶は無く、スンナリと続いている訳です。--------------------------------------*次回から個々の表現についてじっくりと見ていきましょう。 |
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