法助動詞 modal verbs と関連表現@ |
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2022年11月20日 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。 英語表現の1つの山である条件文について既に解説しましたが、その中で will, would などの助動詞 (正式には法助動詞 modal verb と呼ぶ) が頻繁に、或いは必ずと言って良いほど登場しました。そこでこの先暫くの間は、法助動詞並びに関連表現について深い切り込みを与えようと思います。意味用法について完全な自信を持てない方には見直しの参考に大きな力となろうかと思います。これまでに断片的に触れて来た表現も数多く含まれますが、復習がてら再確認して下さい。解説の第1回目です。 英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。 https://dictionary.cambridge.org/https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/modal-verbs-and-modalityhttps://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/modal |
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modal verbs と modality とは*modal verbs は日本語に訳せば<法助動詞>になります。おそらく皆さんには聞き慣れない文法用語だろうと思います。*中核となる modal verb には以下の9 個が含まれます:can, could, may, might, will, shall, would, should, must*他には:dare, need, ought to, used to が semi-modal verbs (準法助動詞)と呼称出来ます。*modal の意味を持つ他の表現としては: have (got) to, be g oing to, be able to などが挙げられます。*そもそも modal 、及びその名詞形である modality とは正確には何を意味するのかですが、modality とは話し手側或いは書き手側の動詞に対する態度を示すものになります。これは法助動詞が掛かる動詞に対して、確実性 certainty, 可能性 possibility, 意欲 willingness, 義務の念 obligation, 必要の念 necessity, 能力 ability(様相表現 modal expressions と言う) を加える用法になります。*同じ事象を目にしても話し手/書き手側は異なる見解を持つ訳ですが、 modal verbs とはその見解の揺らぎを表す表現であるとも言えるでしょう。*要するに動詞に対して補助的な意味合いを添える言葉で有り、それゆえの動詞お助け役、すなわち <助>動詞 と言う話です。modal米発音 モウドゥル、英発音 ムードゥル・名詞 nouna verb, such as "can", "might", and "must", that is used with another verb to express an idea such as possibility that is not expressed by themain verb of a sentence:文の主動詞が表現し得ない例えば可能性と言った考えを表す為に利用される動詞のこと。様相動詞。・形容詞としての意味 adjective [ before noun ]used to describe the number or value which appears most often in a particular set:ある特定のセットに於いて最も頻度が高く見える数や価値を記述するのに利用される表現、最頻のThere are rates of 5, 10, 20, 40 and 70%, the modal rate being 10%.5.10.20.40%、70%の比率がありますが。最頻率は 10%です。modality様相(哲学用語)、事物の可能性、現実的、必然的などの有りよう*modal, modality 共に、ぴったり来るまともな日本語訳が存在しません。<様相>などと言われて理解出来る日本人は殆ど居ない筈です。言語構造が大きく異なると文法用語自体の翻訳が難しくなることが実感出来ます、--------------------------------以下例文:Another useful verb, need, turns out to be both ordinary and modal.もう1つの有用な動詞の need は、通常の動詞並びに法助動詞の両方であることが判ります。The themes are: first, critical assessment must start from subjects' understanding; second, a modal fallacy; and third, fallacies of distribution.そのテーマは、最初に厳密な評価を主題の理解から開始されねばならないと言う事、第2に叙法上の誤謬、そして第3に分配上の誤りからなります。= The themes are → The themes consist ofThe technologies developed to address these newly modal medical problems tended not to work as effectively.これらの新たな頻発する医学的問題に対処するために開発された技術は、事実上機能しない傾向にあった。= The technologies which had been developed to address these newly modal medical problems...cf. address a problem= deal with a problem, discuss a problem 問題を採りあげる、対処する、考察するcf. tend to do 〜する傾向にある、〜しがちである= have a tendency to do, there is a tendency (for someone, something) to dotend not to do 〜しない傾向にあるcf. as effectively 事実上--------------------------------以下言語学論文からの文例です:*文の構造(=構文)が理解出来れば、文章が実際のところ何を真に意味しているのかが判らなくても、和訳自体は出来てしまいます。*この域にまで到達すればヴェテランと言えるでしょう。皆様も頑張って下さい!This has led us to the conclusion that only declarative (but possibly modal) expressions can constitute subordinate finites.これは我々を次の結論に導いた。即ち、平叙表現 (しかし様相表現の場合もあり得る)のみが従属時制節を構成し得ると。As an analogical change, this would have been supported by the parallel use of modals and be in ellipsis contexts and with overt infinitives.類似の変化として、これは法助動詞の並行的な利用によって支持されただろうし、省略された文脈中に存在しまた顕在する不定詞と共にあるだろう。We thus postulate for this element a specifier position within the functional projection in which the modal character of the sentence is expressed.斯くして我々はこの要素に対して機能的な投影の内にある指定辞の位置を提示するが、そこに於いては文章の法助動詞の特徴が表現される。It is common in such estimations to set initial values equal to the mean or modal value of each of the explanatory variables.初期値を説明変数の各々の平均値と最頻値に等しく置く事は、その様な算定に於いては普通の事である。Again, whether the concept of future is a temporal or modal notion depends on whether the language in question is tense or mood prominen .更に、未来の概念が時相或いは様相概念であるかどうかは、当該の言語が時制或いは態突出型であるかに拠っている。In this paper we have also shown how lax logic can be embedded naturally in modal logic with necessity and possibility.どの様な方法で緩い論理が必要性と可能性を伴い様相論理の内に自然に埋め込まれ得るのかをこの論文にて我々はまた示した。 |
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modal verbs と modality の文法的理解modal verbs以下日本人には容易に理解出来る内容ですが念のため記述します。*コアとなる9個の法助動詞には to 不定詞表現もありませんし、進行形や時制表現もありません。*それらを示したい時には適宜他の表現を使う必要があります。◯ I’d love to be able to see the Taj Mahal one day.いつの日がタージマハールを見る事が出来ればと願います。× I’d love to can see the Taj Mahal one day. (to を前に据えての to 不定詞用法はありません)◯ They had to sell their house.彼らは家を売らねばなりませんでした。× They musted sell their house. (過去形は取れません)*語順ですが、主語+法助動詞+動詞(或いは auxiliary verb である be, have)の順になります。cf. auxiliary verb= auxiliary (オグジリアリィと発音します) 補助の + verb 動詞*いわゆる助動詞ですが、狭義には法助動詞を除く助動詞 be, have, do のことを指します。*法助動詞は人称変化や時制変化はありません。*法助動詞を他の法助動詞と組み合わせて使う事は出来ません。◯ Windsurfing can be difficult.ウインドサーフィンは難しい場合もある。× Windsurfing can might be difficult. or ×Windsurfing might can be difficult. (法助動詞の二重使用)*例えば can を未来表現とする場合には will can ではなく、 will be able to に置き換えます。*動詞の意味が明確な場合に限り、法助動詞に続く動詞を省略出来ます。She could take the bus.彼女はそのバスに乗ることが出来たよ。(過去の可能性としての解釈)彼女はそのバスに乗ることが出来るのだが。(現在の不可能性を仮定法で示す用法)Yeah, that’s true. She could. (She could take the bus.)そう、その通りでそう出来た。(出来るんだが)*注意: この文章は1つの意味として <過去に於いて彼女がバスに乗れる可能性或いは能力があった> ことを意味します。*実際にバス乗る事が出来た、は意味しません。*実際に過去に於いてバスに乗るとの行動が為し得たのであれば、She was able to take the bus. 或いはShe managed to take the bus. と表記しなければなりません。(could 用法の詳細については後のコラムにて説明致します)*否定形を作る時の not は法助動詞の後ろに添えます。◯ We can’t hear very well at the back.背中に向かって言われても良く聞こえないよ。× We don’t can hear very well …*疑問形は主語の前に法助動詞を移動させて作ります。◯ Could you help me?手を貸して戴けますか?×Do you could help me? |
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