法助動詞 modal verbs と関連表現25 |
||
2023年5月5日 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。 英語表現の1つの山である条件文について既に解説しましたが、その中で will, would などの助動詞(正式には法助動詞 modal verb と呼ぶ)が頻繁に、或いは必ずと言って良いほど登場しました。そこでこの先暫くの間は、法助動詞並びにその関連表現について深い切り込みを与えようと思います。意味用法について完全な自信を持てない方には見直しの参考に大きな力となろうかと思います。これまでに断片的に触れて来た表現も数多く含まれますが、復習がてら再確認して下さい。解説の第25回目です。 英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。 https://dictionary.cambridge.org/https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/modal-verbs-and-modalityhttps://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/modalhttps://ja.wikipedia.org/wiki/コピュラ |
||
様相の意味 modal meaning を表現する一般動詞@*法助動詞以外に様相 (確からしさの程度と義務の程度) の意味 modal meaning を表現する一般動詞がありますので解説していきましょう。@ 可能性 possiblity と蓋然性 likelihood を表現する動詞reckon, suppose, believe, guess, think 〜と思う、信じるknow 〜と分かっている、知っているexpect, promise 期待、約束するappear, feel, look, seem, sound 〜に見える、感じる、聞こえるgather 〜だと理解する,tend 良く〜する、〜しがちだ、〜する確率が高い*ここに示した大方の動詞は that 節を目的語として取りますが、that 節以下の文章内容に様相( 確からしさの程度或いは義務の程度)を加える点に於いて法助動詞的な意味を加える機能を持つことが理解出来るでしょう。*これらの動詞が to 不定詞を取る場合は、to 不定詞以下が、この先起こることを期待する、約束する、そうなりがちだ、との未来に対する可能性、蓋然性を述べる表現になりますね。*that 節を取ることが出来る動詞については以下のコラムにてリストアップしてあります。目通しして下さい。https://www.kensvetblog.net/column/201908/20190815/動詞型E that 節を取る動詞Thttps://www.kensvetblog.net/column/201908/20190820/動詞型F that 節を取る動詞U---------------------------------幾つか例示します:think〜と思う (或る程度以上の確信性を持って居る)reckon〜と思う、英国の口語で利用されますsuppose確信が持てないが〜ではと思うguess投げやりな気持で〜と思う、〜もいいかも、(推測する、との意味を除いて、ぞんざいな口語表現です)I think the meeting is about to start.この会合はすぐに始まると思うよ。(単に心にそう思い浮かんだのではなく、或る程度の根拠を元にそう思っている)I suppose we’d better go.行った方が良いと僕は思うけど。→行かないとマズくないかい? (確信は持てないがそう思う)gatherto understand or believe something as a result of something that has been said or done:言及された或いは為された何かの結果としての何かを理解或いは信じるHarry loves his new job, I gather.ハリーは自分の新たな仕事を愛していると僕は思う。From what I can gather, they're old school friends.私が理解し得るに、彼らは昔の学友だ。= From what I can understand, they're old school friends.(共に頻用される表現です)tend to do(be likely/ apt to do)to be likely to happen or to have a particular characteristic or effect:起こりそうに見える、可能性が高い、特別の性格や効果を持っていそうに見える、良く〜する、〜し勝ちだ*〜する蓋然性が高い、傾向にある、〜する割合が高い、ですね。We tend to eat at home.我々は家で良く食事します。= We often eat at home.Children tend to be like their parents.子供は自分の両親に似るものです。= It's likely that children are/will be like their parents.expect & promiseI expect to be back home by 6.6時までに家に戻っている様にしたい(戻れると思う)。(そうなる蓋然性は高い、或いはその可能性がある)= I expect that I'll be back home by 6.I promise you that I will continue to listen and, where I can, I will do my best.聴き続けること、そして出来るところではベストを尽くすこと、を君に約束するよ。(約束なる決意表明ゆえ、それが実現される蓋然性は低くは無い)* where I can = where I can do my best---------------------------------appear, feel, look, seem, sound*様態を表す動詞 appear, feel, look, seem, sound は仮の主語 it を先に立てて、その内容を節で後ろに置く形式をしばしば取ります。*文の主語のものではなく、その文章の話し手/書き手側の opinion 意見の表明になることにご注意下さい。It appears that they won’t be able to sell the house.彼らは(この先)家を売ることが出来ない様に見える。≒ They don't appear to be able to sell the house in the future≒ They don't seem to be able to sell the house in the future*日本語には未来形が無く、現在形+未来を表す時間表現で未来を表すしか有りません。 <won't be able to sell> を、<売る事が出来ないだろう>、と訳すと、推測の意味が混入し単純な未来の意味が濁ってしまいます。時間表現を伴わない英語の will, won't の文章を正しく和訳するには、適宜<この先>などの未来時間表現を加えた日本語の現在形で訳すのが一番でしょうね。It seems like I was dreaming.僕は夢を見ていた様に思える。(like は前置詞なので文法的に後ろに文は取れないが、口語では一般的な表現)≒ It seems as if I was dreaming.≒ It seems that I was dreaming.≒ I seem to have been dreaming.*like 〜の様だ、は前置詞として機能しますが、後ろに文章を取る接続詞としての機能は本来は持ちません(会話表現になります)。*informal な会話等では 様態を示す接続詞 as の代わりに like が普通に利用されます。次第に like の接続詞としての用法が文法として正式に許容されるになるかもしれませんね。Like any good cookbook will tell you, don’t let the milk boil.= As any good cookbook will tell you, don’t let the milk boil.まともな料理本ならどれも書いてある様に、ミルクを沸騰させては駄目だ。≒ Any goodcook book will tell you not to let the milk boil.It feels more comfortable in here than in the kitchen.台所よりここにいる方がもっと快適に感じるよ。= It feels more comfortable for me to be in here than in the kitchen.= I feels more comfortable in here than in the kitchen.*仮主語 it が代理する内容構造が簡略化され、一見、it が状況を表す形式主語の様に見えますね。*in here の in は本来不要ですが、 in the kitchen との対称性及び、ここの中、の意味を強調する為に添えられたのでしょう。(次回コラムにつづく) |
||
(補足説明)Linking verbs 連結動詞*linking verbs 連結動詞 或いは copular verbs コピュラー・バーブズ 繋合 (けいごう) 動詞 と呼ばれる幾つかの動詞があります。後ろに目的語を取らず、その代わりに、主語についての更なる情報を付け加える語句 (名詞句、形容詞句、副詞句或いは前置詞句) が後に続きます。*意味は変わって仕舞いますが、全て be 動詞に置き換え可能です。*意味が取りにくい時は一旦 be 動詞に置き換えてから、プラスα の意味を添えて解釈して下さい。*詰まりは、いわゆる文型で言うところの広義の SVC の文型になりますが、斯かる文型の概念を離れ、動詞としての取り得る型、即ち動詞型として理解、分類するのも大変合理的です。appear, look, seem 〜の様に見えるfeel, sound, smell, taste 〜に感じる、聞こえる、匂う、味がするbe, get, become, remain, stay 〜に成る、〜のままで有り続ける*他にもありますし、一般動詞をその様な用法で扱うこともあります。cf. He stood silent.彼は黙って立っていた。He returned empty.彼は手ぶらで戻った。(silent, empty 共に形容詞であり、副詞ではありません)---------------------------------A face appeared at the window. It was Pauline.その窓に顔が1つ覗いた。ポリーヌだった。cf. A face was at the window.This coat feels good.このコートは気持ちよい。cf. This coat is good.Sheremainedoutside while her sister went into the hospital.彼女は妹がその病院に入る間、外に居続けた。→妹がその病院に入る時には彼女は外で待機していた。cf. She was outside while her sister went into the hospital.---------------------------------cf. go into hospital, enter hospital, be admitted to hospital(一般的な意味での)入院する*go to school, 学校に通う、graduate from university 大学を卒業する、などと同じく、抽象化した概念ゆえ名詞が無冠詞になります。*go into the hospital は、その施設、建物としての病院内に立ち入る、と解釈出来ますが、その病院に入院するとも解釈出来、曖昧な表現ですね。*その病院に入院する、を明確に言うには、be admitted to the hospital と表現出来ます。She was admitted to the hospital.彼女はその病院に入院した。(動作)*他にも be hopitalized 入院している、入院する、も利用出来ます。His wife's been hospitalized for depression. (状態)彼の妻は鬱病でずっと入院しています。 |
||