法助動詞 modal verbs と関連表現30 |
||
2023年6月1日 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。 英語表現の1つの山である条件文について既に解説しましたが、その中で will, would などの助動詞(正式には法助動詞 modal verb と呼ぶ)が頻繁に、或いは必ずと言って良いほど登場しました。そこでこの先暫くの間は、法助動詞並びにその関連表現について深い切り込みを与えようと思います。意味用法について完全な自信を持てない方には見直しの参考に大きな力となろうかと思います。これまでに断片的に触れて来た表現も数多く含まれますが、復習がてら再確認して下さい。解説の第30回目です。5ヶ月に及ぶ長丁場でしたが、今回で modal expressions 様相表現の一連の解説は終わります。 英国ケンブリッジ英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。 https://dictionary.cambridge.org/https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/modal-verbs-and-modalityhttps://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/modalhttps://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/verbs-types |
||
be 動詞を用いた modal expression*以下の表現は modal meaning を持ちます。即ち、いずれも確からしさの程度 degrees of certainty や義務の程度 degrees of obligation を表現します。*適宜 modal verb 或いは他の類似表現に置換可能です。*多くは既にこれまでに解説して来た表現になりますが塾長のコラム 2020年 9月15日塾長のコラム 2021年12月 5日塾長のコラム 2021年12月10日塾長のコラム 2021年12月20日をご参照下さい。例文もそちらに掲載してあります。ここでは復習がてら簡易な言い換えのみを掲載しておきますね。* model verbs をこれらの表現の動詞 be の前に置いて組み合わせることは可能ですが、それ自体に未来の表現を含む場合には will などとは組み合わせられません。また義務の念を含む場合には should や have to などとも組み合わせられません。意味が重複するからです。A.未来に於ける確からしさを表す表現*下記の表現があります:be to dobe going tobe due tobe about tobe supposed to*全て文の主語に拠らない他律的な未来をも意味し得ます。<〜と言う事になっている>のニュアンスです。*未来の事を表しますので、will などとは同時に使えません。*未来に於ける確からしさ→未来にそれが起こる事になっている→未来にそれが起こらねばならない→取り決めに従わねばならない→そうするべきだ*この様に、英語では、未来への客観的な言及は義務の念に転じる性質を持ちます。*まぁ、be to do, be + (adjective) + to do の表現に対しては、全て<〜することになっている>と解釈して外れません。--------------------------------be to do sth〜する手筈である to be held, to be arranged (過去表現として使えば、〜する運命だった、の意味)〜する必要がある need to do〜すべきである、せねばならない have to do, be obliged to do〜する役務・役目がある have a duty to do--------------------------------be going to do sthbe intending to do〜するつもりだbe planning to do〜する計画をしているto be certain or expected to happen in the future(確たる証拠を持って)〜になる、〜する*意味或いは用例的にはほぼ will に一致しますが、will の方は意志の力によって〜して見せる、などの意味も加わります。またwill には他の意味用法も存在します。*未来表現については以前のコラムにて既に詳述しています。--------------------------------be due to do sth*通常時間表現と共に用いられます。= be expected to do, be planned to do, be intended to do, be going to do(特定の時に)起きることが期待されている、起きる事を計画している、そうする積もりである、〜することになっている--------------------------------be about to do sth= be going to do very soon, be expected to do, be almost ready to do, be intending to doすぐに〜する(ことになっている)、〜する積もりだ、〜するところだ、〜する手筈、意図だ*既に、 soon の意味が含まれていますので、時間表現は利用出来ません。cf. 過去表現 was/ were about to do . A....when BBした時にはあわやAするところだった(すんでのところでしそうだったが実現しなかったことを表します、一種のギリギリ表現ですね)*これは下記の almost などと異なり、gradation ではなく、その前段階にあって nothing happened を表します。即ち直前で行為に踏み込まなかったことになります。cf. almostalmost = not completely the case but is nearly the case 完全ではないが極く近い、ほぼ*all or nothing ではなく、状態、事象に gradation があることが前提となります。The effect is almost impossible to describe.その効果は、ほとんど説明することができません。→極く僅かは説明可能だ。The arrested man will almost certainly be kept at this police station.逮捕された男は、ほぼ間違いなくこの警察署に留め置かれることになる。(=高い確率で)He contracted Spanish flu, which almost killed him.彼はスペイン風邪に感染し、ほとんど死にそうだった。→瀕死の重症だったが辛うじて死ななかった。= He contracted Spanish flu, which nearly killed him.≒ When he contracted Spanish flu, he was about to be killed.--------------------------------be supposed to do sth義務と取り決め、手筈を示す表現です。〜することなっている、〜する筈だ@ to have to; to have a duty or a responsibility to〜せねばならない。〜すべき義務や責任がある、〜する筈となっているA to be intended to〜と意図されている、意図している、〜する積もりである、〜する筈だ= be meant to doB It’s also used to talk about people’s expectations or beliefs about something:何かについての人々の(一般的な)期待や信心について述べる、〜することが期待される、〜するとされている、〜だとされている、〜の筈だ= to be expected to do, to be believed to docf.be not supposed to do sth〜するのを許されない、許可されない、してはいけない (軽い禁止)cf. was/were supposed to do sth, butする筈だったが実現しなかったことを表します。--------------------------------be meant to do sthそうするのが望ましい、期待される、或いは意図されることを表現します。・to be expected or desirable to do〜することが期待される、望ましい・to be intended to:〜する様に意図されている、することになっている、〜の積もりだ、・ to be planned to do〜される計画、予定だ人+ be meant to do sth*受け身表現ですが、人称主語を取る場合は、場合に拠り受動体ではない日本語に適宜訳さないと意味が取れません。*〜する積もり、予定である、するのが期待される、望まれる |
||
B.現在/未来に於ける確からしさを表す表現*全て仮主語 it を立てた文章に書き換え可能です。*下記の表現があります:be certain tobe sure tobe likely tobe bound to do--------------------------------be certain to do sth= it is certain thatbe sure to do sth= it is sure thatbe likely to/that= be expected to happen; probable: 起こる事が期待される、おそらくあり得る= it is likely that = it is probable that多分〜しそうだ、多分〜だ、おそらく〜だbe bound to do sthcertain or extremely likely to happen:きっと〜になる= it is certain thatC.現在に於ける能力を表す表現be able to do sthto have the necessary physical strength, mental power, skill, time, money, or opportunity to do something何かを行う為の肉体的な力、精神的な力、熟練、時間、金銭、機会を持つ、〜出来るD.現在に於ける義務、許容を表す表現be obliged to do sth状況により〜せざるを得なくなる(精神的な力の作用)be forced to do sth物理的な力により〜せざるを得なくなる(暴力、権力の作用)be set to do sth〜の仕事をさせられる= be given some work to dobe allowed to do sth〜する許しを与えられる、〜する制限をなくされる、自由に〜できる、〜が可能になる、出来る*受験参考などでは le someone do の受動態がこれだと言い換える例もあります。cf. be ready to do sthinformal2つの意味があります。・to be willing to do something:何かをする気になっている、用意がある・to be going to do something immediately:即座に〜する積もりである、〜するところだ |
||
参考 auxiliary verbs とは何か*日本の学校英語では modal verb と auxiliary verb を一括りにして助動詞の名で教えますが、英語圏ではこの2つは明確に区別され名称も異なります。*auxiliary verb は do, be, have の3つです。modal verb と同様に主動詞の前に置いて利用します。以下、判り切ったことですが念の為おさらいしましょう。*時制的には、do: simple tenses 単純時制, be: continuous senses 進行形, have: perfest tenses 完了形、で利用されます。*いずれも、確からしさの程度 degrees of certainty や義務の程度 degrees of obligation を表現する法助動詞としての機能は全く持たず、単なる文法記号としての役割しか持ちません。機能が全く別個のものであることは明らかですね。--------------------------------do*疑問文、否定文また強調表現で利用されます。Does she live locally? (interrogative)They didn’t know which house it was. (negative)I do like your new laptop! (emphatic, with spoken stress on do)be*状態が連続している場合に、並びに受動表現に用いられます。I’m waiting for Sally to come home. (continuous)僕はサリーが家に来るのを待っている。(連続、進行形)Her car was stolen from outside her house. (passive)彼女の車は自宅の屋外から盗まれた。(受動態)have*完了表現で利用されます。I’ve lost my memory stick. Have you seen it anywhere? (present perfect)She had seen my car outside the shop. (past perfect) |
||
今回で modal expression 様相表現の一連の解説は終わります。様相表現とは、単なる事実の描写、記述に対して、話し手側からの思いを加える修飾表現の1つですが、物を感じ、推測し、考える人間固有の精神発現が加えられる表現ですので、これに習熟することは、話し手側の哲学性、表現力を深めることにつながります。是非皆さんも modal expression の扱いに習熟して下さい。 |
||