英文長文読解 短期集中 個別指導 

同格を表す表現3  文字を用いる同格構文        

KVC Tokyo  やり直し硬派英語塾

                               





















https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/























































































































































塾長のコラム 2026年1月5日






同格を表す表現3



2025年1月5日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 前回シリーズまでにて、否定表現を交えた比較構文、否定構文について説明を加えましたが、今回からはそれらに比べると我々日本人にはだいぶ扱い易い同格構文について解説を加えて行きます。構文と言うよりは単なる一つの表現用法と呼称した方が寧ろ適切かもしれません。まぁ、難解なものが連続しましたので皆様にはちょっとリラックスして戴こうとの思いもあります。同格とは要するに、2つの名詞或いは名詞相当句をカンマ、コロン、ダッシュ、of  などを挟んで並列し、後ろの表現にて意味をより明確に或いはより具体的に述べる用法になります。少し注意を払えば、ああ、ここは前言を言い換えている、同格表現だなとすぐに分かる様になります。これは意味内容からの判断もありますし、後ろに続くものが独立した文章では無く名詞句であると考えざるを得ないことを根拠にそう判断するに至る場合もあります。勿論、明確に、< or, thatis, that is to say, in other words> などと言葉に拠って明言する用法もあり、これらも併せて解説していきます。このシリーズの第3回目、最終回となります。更にこの先の予定としては、各種英語構文の内、−挿入構文、共通構文、強調構文、倒置構文、省略構文、−を中心に大方この順序徹りに触れて行く積もりです。

英国ケンブリッジ英語辞典並びに Collins 英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/apposition

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/punctuation


『チャート式 英文解釈』 鈴木進、数研出版、昭和51年、特殊構文第1章同格構文

 ここの基本的構成並びに(難解な)例文を幾つか参考にしていますが、塾長なりの視点から批判的検討を加え、また一部、より現代的な、或いはより正しい明確な表現となる様、書き換えたものも併記しています。






['s] と [of] の使い分けを解説します 【〜の】

サイモンのイキれる英語教室  2023/06/02

https://youtu.be/QzZxvo87enc


同格の of についての動画は見付からず、この際ですから!属性を表す of

の用法について確認しましょう。生物、国名、天体、月名などは<名詞's >

を用い、その他無生物には <of +名詞>を使う原則ですね。文法と言う

よりは慣用用法のセンが色濃い模様です。





同格構文−文字を用いる同格構文




*文字表現の前後のものが同じであることを示す表現になります。

*詰まりは利用される文言は、=イコール、等号に等しいことになりますね。

*但し、思考の流れとしては、分かり難いものから容易なものへと進みます。




1. of の利用


*前置詞 of には様々な意味が有りますが、of の前後を比較して、似ている様な事が述べられて居る場合に、同格用法だと判断する形になりますね。

*〜なる、と訳すとスンナリ来ます。


the city of Naples

 ナポリなる街


a speech on the subject of archaeology

 考古学(なるテーマ)についての講演


the virtue of temperance, the country of (= which is)  Japan,  all  three of us ( = all three who are we)

 「節制なる徳」、「日本なる国」、「われわれ三人」


She is an angel of a woman ( = an angelic or  ange-like  woman).

 彼女は天使のような女性である。


She broke suddenly into the most terrible passion  of  tears.

 彼女は突然とてもはげしく泣き出した。


That fool of a doctor  (= That foolish doctor) told  me  to  make my will.

 うちのばか医者めが俺に遣言書を書けといいおった。


The invention of writing was the  greatest movement by  which  mankind rose from barbarism to civilization.

 文字を書くという発明は人類が野蛮状態から文明へとそのおかげで向上した最大の活動であった。


Of the elements which contribute to the English  habit  of  tolerance geography is one.

 英国人の忍耐の習慣に貢献している要素のうち地理がその1つである。


In the British Parliament, there developed an  important  habit  of arranging with the Lower House the business of obtaining money.

 英国の議会では金を調達するという仕事を下院と取り決めるという重要な慣行が発達してきた。


The summer continued hot and dry, a condition  which  gave  rise to the danger of forest fires.

 その夏は暑くて雨がなく,山火事の危険を生む状態だった。



I'd heard from my fool of a husband, who came  running  to  me with the news as if it were something I'd jump for joy about, that you'd abandonedhim.   (J. Wain)

 まるで私が喜んで飛びあがるようなものであるかのようにそのニュ-スを知らせに駆け込んで来た私のばかな亭主から、あなたが彼を捨てたということを聞いたんです。


*和訳するとややこしいですので、<英文の語順通りに>次々とイメージを思い描きながら<短くぶった切って>理解するのが一番です。

→ I'd heard from my fool of a husband. / He came  running  to  me  with the news that you'd abandoned him. / It was as if it were something I'djump for joy about.

 私の馬鹿亭主から聞いたんですよ。あなたに捨てられたんだと私の許に駆け込んで来たんです。私が喜んで飛びあがるとばかりでしたよ。


*一部の英語指導者が提唱するスラッシュリーディング法を越え、完全に独立した文に前から切り離していく遣り方です。

*<独立切り離し法>とでも名付ましょうか。

*主文の後ろにズラズラ付け加えられる英語の文言を漢文の返り点の様に読み返して和訳するのは、言語構造が全く異なる日本語話者にとっては苦行でしか有りませんし、更にそのように忠実に訳したとて肝心の読み手側が意味が取れなくなり無意味にさえなります。

*時間との闘いである同時通訳者はこの遣り方で進めます。

*この訳文で満点が取れます。第一、どうせ大した事も語られていない!内容です。




2. 名詞+名詞節


*日常普通に目にする用法ですね。


名詞 + that-clause

*関係代名詞 that との区別は、that 以下が完全文になっているかどうかです。

*完全文なら同格と判定出来ます。


Can you produce an evidence that the rifle was  yours?

 その銃が君のだったという証拠が出せるか?


cf. produce  

produce evidence or an argument 証拠を出す、証拠として示す = to show, provide


He reminds me twenty times a day without knowing  it  of  these two facts, that he has not his father and that he has to live his own life. (P.  Buck)

  彼はこの二つの事実、すなわち彼には父親がなく彼自身で生活をしなければならないということを、1日に20回も知らず知らずに私に思い出させるのである。


I have received confidential information that a  document  of great importance has been stolen.

 私は非常に重要な文書が盗まれたという極秘の情報を受けています。



名詞 + wh-clause

There arose a question whether we should do it  or  not.

 われわれがそれをすべきかどうかという疑問が生じた。



名詞節+名詞節

Scott felt, what every sensitive nature should feel,  that  poverty  is a much lighter burden to bear an debt,  (S. Smiles)

 スコットは−これは物分かりの良い人間人ならだれでも感じることであるが−貧乏している方が借金するよりもずっと気が楽だと感じた。


cf. sensitive = thoughtful, understanding 物わかりの良い、察しの良い

cf. be sensitive about 〜にくよくよする


*wh-clause と that-clause が同格内容のものとして併記されています。

*共に動詞 felt の直接目的語です。

*should = would






Infinitives  Used as Adjectives @geniuseng

https://www.youtube.com/shorts/aP1_40UmWgw


native に拠る to 不定詞の形容詞用法の解説動画をあれこれ見ましたが、いずれ

もこの動画の様に、単に、名詞を修飾 modify します以外の説明無しに済ませてし

まい、日本の文法書の様に、名詞と to 不定詞の動詞がSV の関係になる、名詞

が動詞の目的語になる、名詞と to 不定詞が同格関係になる場合がある、などの

説明は皆無でした。英語初心者や現地の中学生相手の動画ばかりなのかとも感じ

ます。或いは  native  は自国語の文法も分かって居ないのかとも塾長はしばしば

感じるところです。現況の youtube にて英語を学ぼうとしても中学高校の復習レ

ベルで終わって仕舞い、その先の深掘りが殆ど全く出来ない訳です。まぁ、これが

SNS利用の限界と言う次第でしょう。欠陥を弁えた上でご利用下さい。深掘りした

い方は定評ある英語圏の文法書、web サイトや学術論文に当たるべきでしょうね。


因みにここに例示される a dicision/ desire/ need/ plan to do は

全て名詞の内容を説明する同格の形容詞用法になりますね。





3.to 不定詞の利用


*極く普通に多用される表現です。


I'll let you have a choice, -to buy a house, to  lease  a  house, or to build a house.

 君は家を買うか、借りるか、建てるか、の三つのうち一つ選べ。


*これは choose to do の動詞 choose を名詞化し、そのまま to 不定詞を続ける用法です。

*to 不定詞以下で choice の具体的内容、中身を明示します。真の意味での同格関係では無く、補足説明を加える表現と呼ぶべきでしょう。

*名詞を形容するので形容詞用法になります。


*choose to do の場合は不定詞の副詞用法(名詞用法と考える立場もあります)ですが、choice to do では形容詞用法に切り替わる訳ですね。


a right to do 〜する権利、なども同格用法と言えます。どう言う権利であるのか、その権利の中身を説明します。


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*因みに to 不定の形容詞用法は、1.名詞が to 不定詞の主語となるケース、2.目的語となるケース、そして3.同格を表すケースの3通りがあります。


Neil Armstrong, an American astronaut, wasthe first person to walkon the moon.

  (the first person walks  = SV の関係となっている) 


There are lots ofthings to do.

   (do things = thingsは do の目的語になっている)


I'll let you have achoice to buy a house.

  (to 不定詞は a chice の内容を説明している)


cf. I have somewhere to be tomorrow.

明日は行くところがあるんだ。(頻用される表現です)

これは本来は

→ I have some place where to be tomorrow.

=  I have some place where I shoud  be tomorrow.

 とした方が良さそうに見えます。

*ここの to be は somewhere ( = an unspecified or uncertain place) なる名詞に掛かる to 不定詞の形容詞用法だと説明する native の動画を見たのですが、somewhere を名詞に利用するのは方言掛かった表現の模様です。通常はsomewhere は副詞 (或る場所に、ちょっと或る場所に) として用いる語です。

*英米共に、地方では特殊な文法用法や語法が見られることがあります。古い時代の表現がそのまま使われていることも多々あります。

*まぁ、標準からは外れた表現ですので、意味は理解出来ても自分から使うのは避けるべきですね。




4.i.e.,   that  is,   that  is  to  say,  or,   in  other  words

*記号や of, clause, to 不定詞を使う表現と異なり、同格であることを文言を用いて明確に述べる表現形態です。


*文学的な含みを持たせたい、などの場合除き、これらの文字表現を用いて明快に述べる、記述することを塾長はまずお勧めします。


*文学作品などに接したときに備えて一通り知っておくべき修辞的表現形態と、自らが日常的に人様から敬意を持って見られる英文を作る、語る場合の formalで明快な表現、とを鋭く分けて学習することが、これからの英語学習に特に必要になる筈です。

*他方、これらに対し、casual で informalな、ぞんざい口語英文を語る、作る事は、また別の次元の英語習得−巷の英会話スクールの守備範囲−になりますね。


*どうも大方の日本人はこれらの英語の間の区別が殆ど付いていない様に見受けられます。

*例えば formal な場で informal な語彙や用法を用いると、知性や教養をまず疑われますので混用などは厳に避けた方が良いでしょう。


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that  is  (to  say)

that's  to  say

[formal]

in other words; more explicitly

 言い換えれば; より明確に

that is what is meant

 つまりそういうことだ


You use that is to say or that's to say to indicate that  you  are  about to express the same idea more clearly or precisely.

 that is to sayやthat's to sayを使って、同じ考えをより明確に、または正確に表現しようとしていることを示す。


All the B Vitamins work synergistically. That is to say,  they  are  more potent when taken together than when used separately.

 すべてのビタミンB群は相乗的に働く。つまり、別々に使うよりも一緒に摂ったほうがより強力に作用する。


I believe his account of the story, that is to say, I  have  no  reason to doubt it.

 私は彼の話を信じている。つまり、それを疑う理由がないのだ。


In fact, I could put you in touch with some of Dodo's  old  customers - that is to say, followers - who would be only too happy... `

 実際、ドドの昔の顧客、つまり信奉者たちに連絡を取れば、きっと喜んでくれるだろう......。`


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in  other  words

 他の言葉でいうと

expressing the same idea but differently

 同じ考えを違う形で表現する


You say in other words in order to introduce a  different,  and  usually simpler, explanation or interpretation of something that has just been said.

通常、直前に述べた事を、より簡単な、別の説明や解釈を紹介するために、他の言葉で言う。


The mobile library services have been reorganised -  in  other  words, they visit fewer places.

 移動図書館サービスは再編成された。つまり、訪問する場所が減るのだ。


We're all the same, in other words; national differences  count  for nothing in these psychic regions.

 言い換えれば、私たちは皆同じなのだ。この精神領域では、国の違いなど何の意味もない。


Delegates, in other words, were beginning to cluster  together  in groups, often groups around someone.

 言い換えれば、代議員たちはグループ、しばしば誰かを中心としたグループにまとまり始めていた。


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i.e.

id  est (イドゥ・エスト)

=that is (to say)

 即ち


*formal な文、学術論文などで極めて頻用される表現です。


i.e. is used to introduce a word or sentence which  makes  what  you have just said clearer or gives details.

 i.e.は、今言ったことをより明確にしたり、詳細を示したりする単語や文章を紹介するときに使う。

...

...strategic points - i.e. airports or military bases.

 戦略的地点、すなわち空港や軍事基地など。


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or


1. introducing a synonymous word or phrase

 同義語や同義句を導入するのに用います


botany, or the science of plants

 植物学即ち植物の科学



2. You use or to introduce a comment which  corrects  or  modifies what you have just said.

 今言ったことを訂正したり、修正したりするような意見を述べるときに使う。


The man was a fool, he thought, or at least  incompetent.

 この男は馬鹿だ、いや少なくとも無能だ、と彼は思った。


There was nothing more he wanted, or so he  thought.

 ガレがそれ以上望むものはなかった、いや彼はそう思った。


That was sporting of him. Or should I say cowardly.

 彼はスポーツマンだった。いや臆病と言うべきか。


She was aware of tension between them. Or had it  been  there  from the beginning?

 彼女は2人の間に緊張があることに気づいていた。それとも最初からそうだったのだろうか?



3. You use or to introduce something which is  evidence  for  the truth of a statement you have just made.

 あなたは、今言ったことが真実であることの証拠となる何かを紹介するために、"or"を使います。


He must have thought Jane was worth it or he  wouldn't  have  wasted time on her, I suppose.

 彼はジェーンにそれだけの価値があると思ったに違いない。でなければ、ジェーンのために時間を浪費することはなかっただろう。

=

He must have thought Jane was worth it. Otherwise,  he  would  not have wasted his time on Jane.









 今回で同格構文の解説は終わりますが、構文と呼称するよりは寧ろ単なる1つの表現方法とも言えますね。一通り覚えて下さい。皆様の知識の復習がてらコラムに仕立てました。この先もまた、また〜り、がつんと進めましょう!