英文長文読解 短期集中 個別指導 

強調構文6  It is/was...that の強調文          

KVC Tokyo  やり直し硬派英語塾

                               





















https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/























































































































































塾長のコラム 2026年2月25日






強調構文6



2025年2月25日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

  今回シリーズからは強調構文について解説していきます。以前に一度軽く解説しましたが今回からは復習がてらじっくりと濃厚に進めて行きます。

 話し手或いは書き手が文中のある語句の持つ意味を強めて叙述したいシーンは極めて日常的に見られる事なのですが、それを文法用語では強調 (=強勢 Emhasis )と呼称します。実際に言葉が話されている場は、tone (語気)、intonation イントネーション、gesture ジェスチャー、或いは顔の表情などで強調を表すことが出来ますが、書き言葉に於いてはそれが能わず、代わりに、@語句を反復する、A他の語句を添える、B語句の配列順序を変更する(倒置)、C特殊な構文を用いる、D特殊な疑問文(修辞疑問)を用いる、などで強調を表すことになります。実のところ、これまでに触れて来た各種の構文とは大きく異なり、これらの方式からどの文言が強調されているのかはほぼ確実に把握し得、そこに曖昧性は存在しません。逆に曖昧性があれば、特定文言を明確に強調し得ない事にもなってしまいますのでこれは頷けることだと思います。まぁ、理解は至極ラクでしょうね。読み手側が文脈から文章の意味を汲み取ったりする必要性はありませんし、解釈に迷ったりする事も無い訳です。強調表現に関して一通り説明して行きますので、頭にインプットしておくと、確実な、大きな力となります。この先の予定としては、各種英語構文の内、−やや難解な倒置構文、省略構文、−を中心に大方この順序徹りに触れて行く予定です。本シリーズの第6回目になります。

英国ケンブリッジ英語辞典並びに Collins 英語辞典の用例を主に参考に解説を加えて行きます。

https://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/cleft-sentences-it-was-in-june-we-got-married


UNLA ( アルゼンチンのラヌス国立大学、Universidad Nacionalde Lanus )サイトに掲載の資料も参考にしています。

https://language2unla.wordpress.com/wp-content/uploads/2018/09/language-ii-module-5-inversion-and-emphasis_with-numbers.pdf

 (これは Advanced English Practice, M. Vince; A Communicative Grammar of English, G. Leech などの書籍から Inversion とEmphasis の章を抜き出して寄せ集めたものになります。)


『チャート式 英文解釈』 鈴木進、数研出版、昭和51年、特殊構文第5章 強調構文

 ここの基本的構成並びに(難解な)例文を幾つか参考にしていますが、塾長なりの視点から批判的検討を加え、また一部、より現代的な、或いはより正しい明確な表現となる様、書き換えたものも併記しています。






【西きょうじ】 英文読解入門講義60 【強調構文の基本】

「ただよび」文系チャンネル  2024/07/13

https://youtu.be/sV_qbN95s5A

分裂文とそれ以外の文との見分け方を強調しています。

几帳面で丁寧な教え方をしていますね。





強調構文6




*文中のある語句の持つ意味を強めることを強調 (=強勢Emphasis )と言います。

*実際に言葉が話されている場面では、tone (語気)、intonation イントネーション、gesture ジェスチャー、或いは顔の表情などで強調を表すことが出来ます。

*しかし書き言葉に於いては、それが能わず、代わりに、@語句を反復する、A他の語句を添える、B語句の配列順序を変更する(倒置)、C特殊な構文を用いる、D特殊な疑問文(修辞疑問)を用いる、などで強調を表すことになります。




構文による強調2




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4. It is - that… による強調


*It is (or was)...that (or who, which)…'の構文を用いて、主語、目的語、副詞修飾語句、副詞節を強調します。

*単純に強調することも出来ますし、誤りを正す際にも利用されます。

*否定語、否定語句を強調することも勿論出来ます。


*強調したい要素を単純に it is/was ..と that (その他の関係代名詞或いは関係副詞)で挟むだけです。

*that を使うのは less formal であり、それ以外は  more  formal です。

*強調したい要素が複数形であっても it is/was のままであることにご注意下さい。

*意味としては、it is + new information that + old  information  と見倣す事が出来ます。


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*強調できない例外語句


@ 但しこの構文で動詞を強調する事は出来ません。その場合は助動詞  do/ does/did を動詞原型の前に添えます。或いは、古風な文語表現になりますが、動詞自体を文頭に出して倒置する遣り方もあります。


A 二重目的語を取る動詞の構文である第4文型 S+V+IO+DO に関してですが、その間接目的語を抜き出して強調することは場合に拠り不文とされます。

例えば、

She gave me chocolate. これの me を取り出して

It was I (me) that she gave a chocolate. は不文とされます。

一方、

She gave a chocolate to me. のSVOの第3文型に関しては、

It was to me that she gave chocolate. は文法的に正しくなります。

 彼女がチョコレートを与えたのは私にでした。


同様に

She bought coffee for me.

It was for me that she bought coffee.

 彼女が珈琲を奢って呉れたのは僕なんです。

 は正しいです。


しかし

She bought me coffee. からの強調文

It was me that she bought coffee.

 も正しいとされます。

*揺れ動きが見られると言うことですね。


他の構文、例えば後に説明する tough 構文、too...to 構文、enough..to 構文の場合も、to 不定詞内の間接目的語を引っ張り出して主語に据える事が出来ないのですが、強調構文の場合と類似します。

*まぁ、間接目的語の前方への抜き出しは一般的に避けられると考えて下さい。

*強調したいのであれば、第三文型に戻し、to/ for + 関節目的語の文に直してから、it is/was ...that でその語句を挟めば良いだけの話です。



B当然乍ら一度強調構文に仕立てた文、また漠然たる状況を表す it を主語に取る文は強調構文にすると不文になります。


例えば

Seven years have passed since he left home.

 彼が家を出てから7年が過ぎました。

 この文は下記の様に強調構文に出来ますが、

It is seven years that have passed since he left home.

 彼が家を出てから正に7年が過ぎました。


 同じ意味の下記の文

It has been seven years since he left home.


 これを以下の様に無理遣り強調構文に仕立てると意味不明の文になります。

It is seven years that it has been since he left home.


It has been seven years since he left home.

 お気づきかと思いますが、この文の造り自体が既に強調構文風な造りになっています。


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紛らわしい構文


*It is....that の構文には、It = that-clause が成立する場合(形式主語構文)も有ります。

*この場合は、that 以下で完全文を構成します。


It is...that で、理由を表す口語表現もあります。この場合の it は漠然たる状況を表す it と見做して良いでしょう。


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強調構文とその疑問文


*強調された要素を場合に拠り wh やhow の疑問詞を用いて疑問文に出来る事がありますが、慣れて居ないと解釈に手間取ります。

*この形式の疑問文は、整序問題として入試にもそこそこ出題されます。

*逆にこれを知っていれば確実な得点源になります。

*疑問詞 wh や how に続く is it や was it が略される場合があります。


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元の文

Due to a mental deadlock, John used a hammer  and  violently  broke  a vase twice in his studio yesterday..

 精神的な行き詰まりゆえに、昨日ジョンはハンマーを使いアトリエで花瓶を二回も乱暴に壊した。


*以下、この文を元にして各パーツを強調し、その強調部分を尋ねる疑問文を作成して行きましょう。



強調構文とその疑問文の作り方


It was due to a mental deadlock that John used a  hammer  and  violently broke a vase twice in his studio yesterday. 

 (理由の強調

 昨日ジョンがハンマーを使いアトリエで花瓶を二回も乱暴に壊したのは精神的な行き詰まりゆえだった。

Why was it that John used a hammer and violently broke  a  vase  twice in his studio yesterday?

 昨日、ジョンがアトリエでハンマーを使って花瓶を2度も乱暴に割ったのは一体なぜなのですか?



It was yesterday when John used a hammer and  violently  broke  a vase twice in his studio due to a mental deadlock.

 (時間の強調

  ジョンが精神的な行き詰まりから、アトリエでハンマーを使って花瓶を2度も激しく壊したのは昨日のことだった。

When was it that John used a hammer and violently  broke  a  vase  twice in his studio due to a mental deadlock?

 ジョンが精神的な行き詰まりからスタジオでハンマーを使い、花瓶を2度も乱暴に割ったのはいつだったのですか?



It was in his studio where John used a hammer and  violently  broke  a vase twice yesterday because of a mental deadlock. 

 (場所の強調

 昨日、精神的な行き詰まりから、ジョンがハンマーで花瓶を2度も激しく壊したのは、彼のスタジオだった。 

Where was it that John used a hammer and violently broke avase twice yesterday because of a mental deadlock?

 昨日、ジョンが精神的な行き詰まりからハンマーを使い、花瓶を2度も乱暴に割ったのはどこですか?



It was John who used a hammer and violently broke a  vase  twice  in his studio yesterday because of a mental deadlock. 

 (主語の強調

 昨日、精神的な行き詰まりからアトリエでハンマーを使い、花瓶を2度も激しく割ったのはジョンだった。

Who was it that used a hammer and violently broke  a  vase  twice  in his studio yesterday because of a mental deadlock?

 昨日、スタジオで精神的な行き詰まりからハンマーを使い、花瓶を2度も乱暴に割ったのは誰ですか?



It was a hammer that John used and violently broke a  vase  twice  in his studio yesterday due to a mental deadlock.

 (動詞 used の目的語の強調

ジョンが精神的な行き詰まりから昨日彼のアトリエで花瓶を2度も乱暴に割るのに使ったのはハンマーでした。

What was it that John used and violently broke a vase  twice  in  his studio yesterday due to a mental deadlock?

 ジョンが精神的な行き詰まりから、昨日彼のスタジオで花瓶を2度激しく割ったのは何でしたか?



It was a vase that John used a hammer and violently  broketwice  in his studio yesterday due to a mental deadlock.

 (動詞 broke の目的語の強調

 昨日、ジョンが精神的な行き詰まりから、アトリエでハンマーを使って2度も激しく割った花瓶だった。

What was it that John used a hammer and violently  broke  twice  in his studio yesterday due to a mental deadlock?

 ジョンが昨日彼のアトリエで精神的な行き詰まりからハンマーを使って2度激しく壊したのは何でしたか?



It was twice that John used a hammer and violently  broke  a  vase in his studio yesterday due to a mental deadlock. 

 (回数の強調

 ジョンが昨日彼のアトリエで、精神的な行き詰まりからハンマーを使って花瓶を2度も乱暴に割った。 

How many times  was it that John used a hammer and  violently  broke a vase in his studio yesterday due to a mental deadlock?

 ジョンが昨日彼のアトリエで、精神的な行き詰まりからハンマーを使って花瓶を乱暴に割ったのは何回ですか?。 



最初の文

Due to a mental deadlock, John used a hammer and  violently  broke  a vase twice in his studio yesterday.

Because he had a mental deadlock, John used a  hammer  and  violently broke a vase twice in his studio yesterday .

とすれば

It was because he had a mental deadlock that John  used  a  hammer and violently broke a vase twice in his studio yesterday.

と、理由の節を強調できます。





ネイティブっぽい英語を話すには必須フレーズ「It’s not that」

Hapa 英会話  2021/06/30  https://youtu.be/LxXJNBwkOz8


ネイティブは会話の中でよく “It’s  not  that/ like という表現を使いますが、これは物事を完全に

否定するのではなく部分的に否定をするときに使われる表現で、「〜というわけじゃないんだけ

ど」といった意味になります。自然な英語を話すのに役立つ表現なので、ぜひ覚えておきましょう!


 it is ...that の強調構文とは全く別の casual 表現ですが、頻用されますので覚えておいて下さい。

無理遣り!文法的に解説すれば理由を表す that の用法とも言えましょう。

Just because A doesn't mean B (AだからといってBとは限らない)も、文としては破格ですが

会話文では良く目にします。共に、口語表現を出題する傾向の一部私立医大入試では時々見ます。





強調構文の例文


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It is not help but obstacles that make a man.

 人を完成するのは、援助でなくて障害である。

主語の強調

What is it that make a man?

 人を完成するのは一体何ですか?



What kind of work is it [that] you want ?

 君の希望しているのはどんな仕事かね。

目的語の強調


It is seldom that he comes this way.

 彼がこっちへ来るのはまれだ。

頻度の強調

How often is it that he comes this way?

 彼がこっちに来るのはどの位の頻度なのですか?


It was on that occasion that I first met the man I  am  going  to  speak of.

 私がこれから話そうとしている人に、はじめて会ったのはそのときでした。

機会の強調

When was it that I first met the man I am going to  speak  of?

 これからお話しする男性に初めて会ったのはいつのことだっただろうか。



It's an ill wind that blows nobody good. (俚諺)

= An ill wind blows nobody good.

= There is an ill wind that blows nobody good.

 誰にも為にならない悪い風が吹くこともある。

→(ウラを返して)悪い風でも誰かの為になることがある。

Even the worst wind can be good for someone.

=風が吹けば桶屋が儲かる。


*blows nobody good. 風が吹いた結果、nobody is good になるとの一種の結果構文です。

*適当な動詞にてSVOC の形を取りますが使役動詞 make などの劣化版と考えると分かりやすいでしょう。

*結果構文に関しては、本年4月以降の「その他の構文」シリーズにて扱います。



I stood near some iron railings, by an iron gate, to  watch  the  train come in and it was there that I saw this frightening thing.

 私は列車が入ってくるのを見るために、線路の近く鉄の門のそばに立っていた。そしてこの恐ろしいものを見たのは正にそこだった。

 (it was there that I saw this frightening thing. → I saw  this frightening thing there.)



It was only when he left his room that he made it neat,  and  never neat as it was now. I ran across the room to his closet lest it be empty too.  But it was not. Oh, what joy to see his clothes still  hanging  there!  I  counted his suits, the brown second best, his work clothes, the slacks. No,  his best dark-blue suit was gone.  (P. Buck)


 彼が自分の部屋をきちんと片づけたのは部屋を出て行くときだけだったし、今ほどきちんとしたことはなかった。私は部屋を横切り、そこも空っぽだったらどうしようと思って彼のクローゼットに駆け寄った。しかし、そうではなかった。彼の服がまだそこにぶら下がっていたのを見るのは何と言う喜びであったか。私は彼のスーツを数えた。二番目に良い茶色のスーツ、仕事着のスラックスもあった。いや、彼の一番の濃紺のスーツはもうなかった。(P.バック)

 (It was only when he left his room that he made it  neat  →  He made his room  neat only when he left it.)


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