KVC Tokyo やり直し英語
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塾長コラム記事




独立不定詞と独立分詞構文の慣用表現@

2020年9月20日


「〜せざるを得ない」の英語表現C

2020年9月15日


「〜せざるを得ない」の英語表現B

2020年9月10日


「〜せざるを得ない」の英語表現A

2020年9月5日


「〜せざるを得ない」の英語表現@

2020年8月20日


思考連結詞G

2020年8月15日


思考連結詞F

2020年8月10日


思考連結詞E

2020年8月5日


思考連結詞D

2020年7月20日


思考連結詞C

2020年7月15日


思考連結詞B

2020年7月10日


思考連結詞A

2020年7月5日


思考連結詞@

2020年6月20日


理由と原因を表す表現D

2020年6月15日


理由と原因を表す表現C

2020年6月10日


理由と原因を表す表現B

2020年6月5日


入試和文英訳D 2020東北大学

2020年5月20日


入試和文英訳C 2020大阪大学U

2020年5月15日


入試和文英訳B 2020大阪大学T

2020年5月10日


入試和文英訳B 2020大阪大学T

2020年5月10日


入試和文英訳A 2020京都大学

2020年5月5日


入試和文英訳@ 2020東京大学

2020年4月20日


理由と原因を表す表現A

2020年4月15日


理由と原因を表す表現@

2020年4月10日


目的を表す表現B be to do

2020年4月5日


目的を表す表現A

2020年3月20日


目的を表す表現@

2020年3月15日


Mac とアイスランド

2020年3月10日


ケルト人とウェールズ語

2020年3月5日


フランス語の勧めU

2020年2月20日


フランス語の勧めT

2020年2月15日


入試英文を添削するE

2020年2月10日


入試英文を添削するD

2020年2月5日


入試英文を添削するC

2020年1月20日


入試英文を添削するB

2020年1月15日


入試英文を添削するA

2020年1月10日


入試英文を添削する@

2020年1月5日


ノルマン・コンクエストと英語

2019年12月20日


アングロサクソン人とはC 1066年に何が起きたのか

2019年12月15日


アングロサクソン人とはB 宗教・社会

2019年12月10日


アングロサクソン人とはA 言語文化

2019年12月5日


アングロサクソン人とは@ どこから来たのか?

2019年11月20日


英語に一番近い言語 フリジア語

2019年11月15日


英語はゲルマン語かA

2019年11月10日


英語はゲルマン語か@

2019年11月5日


英語は論理的か(その2)

2019年10月20日


英語は論理的か(その1)

2019年10月15日


英語の綴りと発音の乖離

2019年10月10日


英語ではものの順序が訊けない

2019年10月5日


日本語には未来形がない

2019年9月20日


lost in translation

2019年9月15日


ゲシュタルト崩壊

2019年9月10日


動詞型G (誰々に)+that 節を取る動詞

2019年9月5日


動詞型F that 節を取る動詞U

2019年8月20日


動詞型E that 節を取る動詞T


2019年8月15日


動詞型D  感覚動詞と使役動詞

2019年8月10日


動詞型C  to 不定詞と ing 型で意味が異なる動詞

2019年8月5日


動詞型B someone + to 不定詞型を取る動詞

2019年7月20日


動詞型A ing 型のみを取る動詞

2019年7月15日


動詞型@  to 不定詞 を取る動詞

2019年7月10日


文型 と 動詞型

2019年7月5日


主語の概念 B 膠着語と屈折語U

2019年6月20日


主語の概念 A 膠着語と屈折語T

2019年6月15日


主語の概念 @ 概論

2019年6月10日


句動詞の話

2019年6月5日


idiom の話(その2)

2019年5月21日


idiom の話(その1)

2019年5月20日


collocation の話(その3)

2019年5月17日


collocation の話(その2)

2019年5月16日


collocation の話(その1)

2019年5月15日


師匠と弟子

2019年5月10日


塾と大学(その2)

2019年5月6日


塾と大学(その1)

2019年5月5日


参考書の話

2019年4月20日


英単語の暗記(その2)

2019年4月16日


英単語の暗記(その1)

2019年4月15日


英文読解力涵養のすすめ

2019年4月10日


英語塾開設のご挨拶

2019年4月5日

















 塾長のコラム (随時掲載版) 



*時系列でそのまま上に追記しています。 

*検索サイトからお越しの方は、ブラウザの<ページ内検索>機能 (Windows では Ctrl+F、Mac では command+F にて左下に検索窓が開く) を利用し、用語を探して下さい。


*右上の<これまでの記事一覧>のリストをクリックするとフルバージョンの記事に飛べます。


*内容的には国内外の英語参考書類や web 上の英語解説サイトで扱われるトピックの内容を更に掘り下げたレベルのものとなります。基礎学力のある学生生徒諸君、社会人の方々には噛み応えがあるのではと思います。


*ホームページ作成ソフトのバグにより、単語同士がくっついてしまう事例が発生しています。どうぞフルバージョンのコラムをご覧ください。








独立不定詞と独立分詞構文の慣用表現@



2020年9月20日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 思考の流れをつなぐ表現についてですが、今回から6回に亘り、日本の大学入試問題でも、君たち知っていて当然だ、とばかりにしばしば出題される立不定詞 absolute  infinitive、並びに独立分詞構文 absolute (participial)  construction の体裁を取る短い慣用表現を採り上げましょう。文法用語 absolute は、relatively  independent  syntactically (統語的、文章構成的に、主文に独立した関係にある)の意味であり、その様な訳で、日本語の「絶対」ではなく「独立」の語を当てるのは正しいでしょう。因みにここの  relativeは、文法用語であり、relating or referring to an  antecedent term (先行する用語に関係する)、の意味で、例えば relative pronoun. 関係代名詞の用語もありますね。<相対的に>と訳すと absolute の語と矛盾してしまいますのでご注意を。

 to 不定詞は皆さん良くご存じの様に、名詞用法(それ自体が名詞となる)、形容詞用法(名詞を修飾する)、それと副詞用法(動詞、形容詞、副詞、文全体を修飾する)の3つが有りますが、独立不定詞とは、慣用的な定型的表現であって、parenthetically (挿入句的) な方法で使われます。詰まり大まかには主節の文章全体に掛かる一種の副詞用法と考えたら良いのではと思います。独立不定詞を「元の状態に expand 拡張」して同じ意味内容の文に仕立てることも出来ますが、逆に言えばその様な長ったらしい定型的な概念を一言でサッと済ますための簡潔明快な表現と言えますね。

 不思議なことに、立不定詞  absolute infinitive で 英語圏にて web に検索を掛けても該当する記述が全く見付かりません。更に、colloquial expression using to-infinitive や absolute  phrases with to-infinitive などで google さんのお世話になっても何らピックアップもされません。どうやら、英語圏では独立不定詞なる用語で括った概念はほとんど存在しない模様であり、日本ならではの文法概念である可能性があります。この辺は、実は英語の5文型の概念がもともと英語圏には存在せずに日本人が唱えた可能性があることにも類似します(塾長のコラム 2019年7月5日  『文型 と 動詞型』 を参照下さい)。まぁ、英語圏では只の慣用表現の1つだ、程度の扱いでしょうか。



 これは独立分詞構文 an absolute (participial) construction or absolute phrases に関しても然りであり、単に an  absolute  construction (主文に対して文章構成上独立する、換言すれば主節とは主語が異なる節 clause)の1つとして簡略に説明されるのみです。分詞構文は自由に作成・表現出来ますが、不定詞の用法と同様に主節との意味上の主語が一致していることが必要だと強調されます。英語圏の者でもこれに外れたマズい英文を作成してしまう者が居る訳です。その様な中で主語が一致しない分詞構文即ち独立分詞構文は、短い慣用的或いは簡単な定型的な表現(意味がすぐに分かる)が許容されて生き残り、一般的な使用は限定されて来ている状況かもしれませんね。

 まぁ、不定詞にせよ分詞にせよ動詞の用法ゆえ動作の主体たる主語が何であるかの鋭い意識が英語には常に必要とされるのですが、これが慣用的表現化し、この、意味上の主語の呪縛が弱まり、副詞句としての色彩を強めた表現であると考えるのも面白いでしょう。

 分詞構文また独立分詞構文も、適当な接続詞を選択し用い、関係代名詞などを用いて通常の構成の文章に<復元>が可能です。逆に言えば、適切な接続詞などが省かれている分だけ文意が曖昧性、多義性を抱えることになります。この様なことから決まり切った、明らかに意味の取れる表現に固定化が進むのでしょう。

 例えば、wikipedia の独立分詞構文の用例 

  https://en.wikipedia.org/wiki/Absolute_construction では

   Weather permitting, we will have a barbecue tomorrow.

 天気が良ければ明日はバーベキューを遣ろう。


→If the weather permits us to have a barbecue tomorrow, we will do it.


   All things considered, it's  not a bad idea.

 全部を考えてみるとそれは悪い考えじゃあない。


→ When (If) all things are  considered, it's not a bad idea.


  This being the case, let  us go.

 こんな訳だから出掛けよう。


→ Since this is the case, let  us   go.


   The referee having finally  arrived, the game began.

  レフェリーがやっと到着し試合が始まった。


→ After the referee had finally arrived, the game began.

→ Finally the referee arrived, and then the game began.


 これらは皆決まり切った用法ですので迷うことなく適当な接続詞を用いて即座に脳内変換されます。




 英語にまつわるコラムを執筆する為に、森一郎先生の『試験に出る』シリーズ以降の定評ある受験参考書を片っ端から通読しましたが、我々日本人には良く理解出来る文法概念が本国では成立していない、曖昧なままである、或いは視点が異なっているケースがあることに改めて気づかされました。語順からして全く異なる言語圏から英語を見ると、本国人が見えていない法則性が逆に明確に把握出来ると言う事かもしれませんね。日本人が英語を理解する為の、日本語圏にての「英文法」が成立していてもそれはそれで合理性があることだと塾長は考えています。

 勿論、ガラパゴスにならずに英語圏に於ける native speaker が構成した英文法の概念を知っておくことは視野を広げる上で大切ですし刺激になります。これまでのコラムで触れて来ましたが、西欧語は西欧語の中で理解するのが一番の原則であり、その中で英語がどの様な位置づけにあって派生してきたのかを見ることがまさしく英語の理解に直結します。例えばゲルマン祖語からどのようにして変遷して来たかを探る過程で倒置表現の成立なども深く理解出来るようになります(これに関しては塾長のコラム2019年11月5日 『英語はゲルマン語か@』の、ゲルマン語の特徴の項をご参照下さい)。日本人が他の西欧語への理解に乏しいままに日本語vs. 英語の捉え方で英文法を理解しようとすると独りよがりの奇怪な解釈に陥る危険性も確かにあり得るでしょうね。




慣用用法としての独立不定詞と独立分詞構文


 慣用用法として成立、ほぼ固定化されている独立不定詞と独立分詞構文は、少数を除いては、全て自分が発言しようとする姿勢、発言する内容の全体像の方向性を、事前に或いは途中で、相手に伝達する定型的表現となります。例えばいきなり結論を述べると相手はビックリしますので、<奇妙なことに>、<最後に結論と致しましては>などのフレーズをクッション役として挟み込む訳です。この様な表現を複数知っておくと、日本語でスピーチする時にも自分自身の緊張感をほぐして話の主題に自己の意識を向けられる効果もあるでしょう。その意味でも無駄ではありません。

 既に定まったものゆえ好き勝手に作る事は出来ません。数が少ないのでそのまま頭に入れれば終わります。決まり切った言葉ですので多用し過ぎるとすると嫌味にも聞こえます。日本語の文章でも同じことですが、文章は最後は中身での勝負となります。<即ち、まず最初に、換言すれば、面白いことに、結論と致しましては>などの語句だけを並べても普段文章に接している者には中身が空虚だとすぐに見抜かれてしまいます。まぁしばしば政治家の挨拶や高級官僚の国会での答弁などに見られることですが、言語明晰意味不明と言う次第です。因みに、考えを明瞭に表現すること、言葉を1つ1つ聴き取り易く話すことを articulate を動詞、形容詞として使い、

She always  talks a lot, but  she is not so articulate.


彼女は毎度べらべら喋るけど話の筋があまり明晰じゃあない。


などと表現します。articulate は、骨と骨とを関節させるが原義ですので、ホネである単語と単語を適切に繋いで意味がスッキリ通る文章を仕上げるとの意味です。文章とは恐ろしいもので、書き手のIQ、教養、創造性などが丸分かりとなりますが、皆さんも優れた文学作品、評論などを批判的に読み、articulate な文章をモノすべく研鑽を積んでください。




 前置きが長くなり、またちょっと分かり難い内容だったかと思いますが、文法的な概念、理解はさておきまして、本コラムシリーズでは、思考の流れを滑らかに繋ぐ表現として、幾つかの<独立不定詞>並びに<独立分詞構文>を利用した慣用的表現を次回から5回のコラムで見ていきます。一通り頭に叩き込んで下さい。損はしません。







「〜せざるを得ない」の英語表現C


2020年9月15日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 <〜せざるを得ない>の日本語に対する英語表現を考えましょう。第4回目、最終回です。




force, compell, oblige, impel




force,  force someone to do,  be forced to do

 第三者の意思による力で強制する 

 権力、物理的な力業で強制する、との意味です。


The owner of the apartment forced them to be removed from it.

 大家は彼らをアパートから無理遣り転出させた。

= They  were forced to be  removed from the apartment by the owner.

 彼らは大家に拠りアパートから追い出された。

= They  were forcibly removed from the apartment by the owner.


cf. forcibly 強制的に  覚えておくと便利な表現です




compell,  compell someone to do,  be compelled to do

 為されるべきことを強制する、

 義務として強制する


Japanese government compells children to go to school.

 日本政府は子供達に学校に通うことを義務としている。

= Childfren are compelled to  go to school in Japan.

日本では子供達は学校に通う義務がある。


cf.

compulsory insurance 強制加入保険

compulsory education  義務教育


cf. under  (on, upon)  compulsion

 強制されて.


I signed the contract  under  compulsion.

 私は強制されて契約書に署名したのです。


A promise made  under compulsionis of no legal force.

 強制されてなせる約束は効力が無い。




oblige,  oblige someone to do,  be obliged to do

 法律、命令、良心、道義心、必要性により強制される、要求される

 精神的な判断により強制される意味ですね。


Circumstances (Necessity) obliged me to  borrow ten thousand dollars from  her.

 状況(必要性)が私に彼女から1万ドル借りることに追い込んだ。

= I was obliged to  borrow  ten thousand dollars from her.

 彼女から1万ドル借りるのを余儀なくされた。




impel,  impel someone  to do,  be impelled to do

 強い動機や誘因に拠り駆り立てられる 

 内側から湧き上がる情動に拠り駆られるとの意味です。


Curiosity impelled me to ask a question.

 好奇心が私を1つの質問へと駆り立てた。

= Curiosity droved me to ask a question.

= I was impelled to ask a question from (out of ) a curiosity.

= I could not help asking a question from (out of ) a curiosity.



*いずれの表現も、通常の文章の主語と動詞の間に

 be forced  (compelled,  obliged, impelled) to

 を挟み込めば文章が成立します。ニュアンスの違いがあることを頭に入れておいてください。


*ヒト以外の動物では、外から力業で強制する be forced to do 、並びに内から本能、情動で衝き動かせられる be  impelled to do しかあり得ず、基本的に精神の動きに由来する be compelled to do 並びに be obliged to do は基本的に考えられせんね。




cf. scare

〈人を〉怖がらせて〜させる (into), 〈人を〉脅して〜を止めさせる (out of)


They scared him into signing the paper.

 彼らは彼を脅して書類に署名させた.



以下日常的に頻用される表現です:

be scared of    〜が怖い

be scared to do 〜することが怖い、怖くて〜出来ない

be scared that 〜が怖い、〜となるのではと冷や冷やする


I was scared of slipping on the ice.

 氷で滑りはしないかと怖かった.


I'm scared. 怖いよぅ。


He was scared to cross the rickety bridge.

 彼はそのぐらぐらする橋を渡るのが恐ろしかった[怖くてそのぐらぐらする橋が渡れなかった].


I was scared (that) we'd run out of gas.

 ガス欠になるのではないかとひやひやした.


cf. scary

I am scary. 僕は臆病だ。ブルブルしている。




unescapable, inevitable,  unavoidable




いずれも、避けられない、の意味ですが、表現の強さは、


  inescapable 逃げようのない

> inevitable 必然の

> unavoidable やむを得ない


 の順番になります。


それぞれ

inescapably,  inevitably,  unavoidably の副詞型を持ちますが、inescapably はほとんど利用されません。


*反対語は、 escapable, evitable, avoidable となります。


*inescapable は文字通りの、災害等からの脱出不可能性を言う場合にも利用されますので、その場合<やむを得ない>の意味とは違って来ます。


In general, residents living in a high-rise apartment building are inescapable  easily from fire,

 一般的に言えば(基本的に)、タワマンの居住者は火災からは容易には脱出出来ないだろう。

= In general, residents living in a high-rise apartment building cannot escape  easily from fire.


The collusion between politicians and business leaders is inescapable.

 政財界の癒着は避けられない。


Due to unavoidable circumstances, I can't attend the meeting.

 やむを得ない事情で打ち合わせに参加出来ません。

 (断りの決まり文句として覚えてください)


Catching cold is  unavoidable  in such a sudden cold wave.

 この様な突然の寒波では風邪を引くのは避けられない。


It would be inevitable that they should  suffer  a setback from the domestic  market

 彼らが国内市場からの撤退を被るのは不可避だっただろう。

= They would inevitably  suffer  a setback from the domestic  market


We inevitably catch cold in such a sudden cold wave attack.

 この様な突然の寒波襲来では風邪を引くのは不可避だ。



cf. It can't be helped.

 しょうが無いねぇ。


*この場合の help = avoid で、状況の推移に押し流されて諦める、受け入れるとの意味です。会話の決まり文句です。日本人の心性にぴったりの文句かも!?




 次回からは独立不定詞並びに分詞を利用した慣用表現の解説に入ります。








「〜せざるを得ない」の英語表現B


2020年9月10日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 <〜せざるを得ない>の表現の第3回目です。




cf. had better do


 特別な状況に於いて、現在或いは未来に、人々がすべき或いは望ましいと思う行動について述べる(強く助言する)時に使います。 もしそうしなければ悪い結果が起こるだろうと考える場合に使う強い表現、警告です。場合によっては脅しにもなります。

 義務や要望を伝えるものではありません。その場合は have to do, must を使います。主語として人間及び無生物主語が取れます。


〜した方がいいだろう、〜した方がいいんぢゃあないか、 〜しないとマズくないか


cf. had better not do 不定型  〜しない方がいいだろう 〜するとマズい


It’s five o’clock. I’d better go now before the traffic gets too bad.

 5時になったわ。交通が悪くなる前に私は帰らないとマズいわね。


The democratic movement had better concentrate on the immediate issues of  the economy and security.  (more formal)

 民主化運動は経済と安全保障と言う喫緊の課題に集中しないとマズいと思う。


She’d better get here soon or she’ll miss the opening ceremony.

 彼女はここにすぐに到着しないとマズい。さもないとオープニングセレモニーを逃してしまう。


Had I better speak to Joan first before I send this form off? What do you think?

この書式を発送する前に僕はまずジョウン(女性名)に話しかけないとマズいかな?君はどう思う?


Had we better leave a note for the delivery guy to take the parcel next door?

 隣のドアで小包を受け取りますと配達人にメモを残した方がいいですか?


Hadn’t we better ring the school and tell them Liam is sick?

 学校に電話してリアムが気分が悪いと伝えちゃあマズいかな?




had better の疑問型は、〜しないとマズいかな?、と他人に助言を求める疑問文になります。


cf. be supposed to do

・to be expected or designed; required or permitted  (fol. by an infinitive verb):

〜する筈になって(目論まれて)いる、〜すると期待、要求、許可されている


The machine is supposed to make noise. I'm not supposed to run fast.

この機械は騒音を出す筈だ。高速で稼動する事は許されていない。


*主語の未来に於ける状態、動作に対して、他からタガが掛けられている訳です。極く軽い意味での<せねばならない>ですね。




*以下の youtube の動画は、12歳まで母国語を日本語として身に付けたがそれ以後6年間を米国の学校に在籍し、現在は再び日本に戻り大学生となっている黒人女性にインタビューしたものです。日本で黒人で居ることは単なる外国人に過ぎないが、米国では否応なく人種の箱にカテゴライズされてしまうことを語っています。日本で両親から習った英語を米国の級友に話したところ、お前は白人だと言われたとのことです。まぁ、黒人としての口調、言葉使い、身振りでは無かったからです。


日本育ちの外国人経験!母国語は日本語の黒人女性の経験 

JAPANとUSAの人種に関する考え方の違い

2019/06/19  Max D. Capo

https://youtu.be/kB8Ekc6jMLE


この動画に対するコメントに下記のものが有りましたので参考の為引用します:


Kazimo

Even as a black person growing up in America, in middle school I too was  told I  wasn't black enough or I didn't act or sound black, by other black  people. I  remember I was asked what type of music I liked and I said  everything,  except   I'm not fond of rap music. The other kids said I wasn't  black because  of  that,  it's stupid how black people have it ingrained in them  from young how  they're  suppose to act according to stereotypes.


「米国で成長した黒人としてすら、オレも中学でお前は黒人らしくない、フリも話し方も黒人じゃあないと他の連中に言われたぜ。覚えているけど、どんな音楽が好きかと聞かれラップは楽しめないがそれ以外はどれでも好きだと答えた。すると他のガキ達はそれではお前は黒人じゃあ無いと言った。黒人達が若い時からラップを身にしみ込ませ、ステロタイプに従って行動しなきゃならないのは馬鹿げている。」


*米国旅行、特に南部を旅行すれば分かりますが、社会は白人を頂点とする硬直化したヒエラルキーの序列に生きており、最下位は色黒の黒人(色が浅いほど黒人同士の間で上位)となります。白人の中も細かな序列があり、確かイタリア系かユダヤ系が最下層だった筈です。

*この程度の英語を使い、心に浮かんだことをべらべら喋れば相手に意図は通じ、米国での日常生活は出来るでしょう。最後の they're  suppose to act は they're  supposed to act の間違いです。ここでは supposed  を  required  (求められている)に置き換えればより明確になりますね。この動画のコメントの遣り取りを眺めているとどの程度の単語が日常会話レベルで使われ、どの様な言い回しが普通に利用されるのかが分かります。表現を100通りほどノートに抜き書きして覚えれば<それだけでもだいぶ会話が上達するのではないでしょうか?




 2020年5月に、米国ミネソタ州ミネアポリスで白人警官が黒人をが死に至らしめた事件が発生し、それを端緒として米国本国のみならず世界的に、Black Lives Matter (BLM)抗議運動が起きました。米国の、そして他の国々も抱える大きな問題である人種差別 racism,  discrimination の問題について、youtube 上のpeople of african descent の発言を検証し、そこに使用される英語表現を中心として、後日取り上げたいと考えています。







「〜せざるを得ない」の英語表現A


2020年9月5日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 <〜せざるを得ない>の表現の第2回目です。




be obliged to do,  have to do,  have no choice but to do




be obliged to do

前回コラムでも指摘しましたが、

 「(状況から)私は彼女から1万ドル借りずにはいられなかった。」 を

I couldn't help   borrowing  ten  thousand dollars from her.

 とするのは間違いです。


これは、

 I could not stop  (or control)  borrowing ten thousand dollars  from her.

と意味不明の文章になります。勝手に沸いてくる感情、考えを制御出来ないとの用例ではありませんね。

尤も、例えば本人が心の底から湧き上がる強迫観念ゆえにそうなったのであれば成立はしますが。


I couldn't but borrow ten  thousand dollars from her.

こっちは、

= It was certain that I should borrow ten thousand dollars from her.

= It was inevitable that I should borrow ten thousand dollars from her.


cf. inevitable

= sure to occur, happen or come, unable to be avoided, certain 必発の、必然の


 彼女から1万ドル借りることになるのは確実だった。1万ドルを借りるのは必然だった、

 と状況の推移(確実に起こること)を単純に表します。

 (文章としては成立します)



 止むかたない理由、必要性で、せざるを得ない状況に追い込まれている、のを明確に表現するのであれば

 be obliged to do を用い、


I was obliged to  borrow ten  thousand dollars from her.

 彼女から1万ドル借りるのを余儀なくされた。

 彼女から1万ドル借りざるを得ない状況に追い込まれた。

 が一番の正解です。


= Circumstances (Necessity) obliged me to  borrow ten thousand dollars

 from  her.

 状況 (必要性) が私に彼女から1万ドル借りることに追い込んだ。


 日本語の<状況的に〜せざるを得ない>は、be  obliged to do の表現を使い訳すとピッタリでしょう。

 <状況が〜に追い込む>の受け身形と言う訳です。


I  was obliged to  receive  help  from enemy.

 仇敵の世話になる羽目になった



*目的表現のコラムにて触れましたが

be to do の表現にも be obliged to do、have to do の意味を含む用法があります。

 詳細は下記をご覧下さい:

cf. https://www.kensvetblog.net/column/202004/20200405/




have to do

・to need to or be forced to; must: 〜する必要がある、必ず〜せねばならない


I have to go to  Vermont  tomorrow.

 明日はバーモントに行かねばならない。


But the moment the children tried to join in they    had  toplay by  themselves,

- James Matthew Barrie 『ピーターパンとウェンディ』

 でも子供達が加わろうとするや否や、彼らは自分たちだけで遊ぶ羽目になるのでした。




have no choice but to do

 〜をしない訳にはいかない、〜以外の選択はない、〜以外の道はない


In light of problems we're having, we have no choice but to close the business.

= In light of problems we're having, we just have to close the  business.

 我々の抱えている問題が原因で、我々はビジネスを中止せざるを得ない。


* no + but の組み合わせで否定語が打ち消し合い強い肯定となります。


cf. in light of  = because of




cf. ought to do

・used to show when it is necessary or would be a good thing to perform the  activity referred to by the  following verb:

行動を果たすのが必要或いは望ましいことを示す 〜するのが望ましい、 〜する必要がある、すべきだ

 (過去型は無く、また人称変化もありません)


You ought to be kinder to him.

君は彼に対してもっと親切であるべきだ。

= You should  be kinder to him.


We ought not/oughtn't to have agreed without knowing what it would cost.

 どんな犠牲を払うのか知りもせずに賛成すべきではなかった。

 (完了不定詞を附けて、過去にすべきだったことを示す)

= We shouldn't have agreed without knowing what it would cost.


"We ought to be getting ready now." "Yes, I guess we ought (to)."

 我々は今備えが出来つつあらねばならない。はい、そうであるべきと思います。


Students ought not to do that sort of thing

 学生はその手のことをすべきではない。


If there's any doubt about the rocket's engines, we ought to cancel the  launch.

 もしロケットエンジンに少しでも疑義があれば、われわれは発射を取りやめるのが望ましい。


Whoever uprooted that tree ought to be ashamed of themselves.

 その木を引っこ抜いた者は誰であれ自身を恥じるべきだ。


I'm surprised at you behaving so badly - you ought to know better.

 非道い振る舞いをしている君を見て驚いた。もっと分別を持つべきだ。


cf. know better than to do  〜しない程度の分別はある


You ought to know better.

 君は無分別だ。


You should know better.

 馬鹿な真似は止めたまえ。








「〜せざるを得ない」の英語表現@


2020年8月20日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 日常的に頻用する<〜せざるを得ない><ねばならない><必要だ>の日本語に対する英語表現を考えましょう。




 <せざるを得ない>には、自分の心の内から湧いてくる感情、考えを抑えることが出来ない場合もあれば、他人からの強制の場合、或いは状況からその道を選択するしかない場合(オトナの事情と言う奴ですね)など様々なシーンが考えられます。


日本語で言えば、


 ・湧き上がる気持を禁じ得ない、

 ・遣りたくは無いが状況から或いは第三者から余儀なくされる、羽目になる、

 ・物事の流れとして必然的にそうなる

 ・第三者の意思、権力により無理遣りさせられる


    など様々なシーンが考えられます。


使役の動詞(〜させる)に、


 他からの強制でさせる make  someone do、

 頼んで遣って貰う get someone to do, have something done、

 自発性に任せる let someone/something do


 のグラデーションが存在するのとちょっと似た様なところがありますね。相手に〜させるのが使役であれば、相手側の立場のその受け身的な表現(受け身使役?)になります。英語ではどの様に使い分けているのか、用例を見ながら進めて行きましょう!


cannot help doing

cannot help sth (sth = something)


cannot but do

cannot help but do


cannot avoid doing


be obliged to do

be compelled to do

be forced to do

be forced into sth


do sth under  compulsion


これらの表現の違いについて解説していきます。




cannot help doing,  cannot but do




cannot help sth, doing

・to not be able to control or  stop something:

 自然に起こる動作や言及、湧いてくる感情を自分では制御したり止めることが出来ない

〜を禁じ得ない

= cannot controll  (stop)  sth  (doing) <sth = something>


"Stop laughing!" "I can’t  help it!"

 笑わないでよ! 止まらないのよ!


It was awful, but I couldn't  help laughing.

 それは凄かったけど、笑うのを止められ無かったわ。


I can't help thinking she'd be  better off without him.

 彼が居なければ彼女はもっと良くなる(幸せになる)のにと思わざるを得ない。

 (心の底から沸いてくるこれが私の本音)

= My true feeling is that she'd be  better off without him.


help = stop, controll と考えます。




cannot but do  

formal

= cannot help but do


cannot あり得ない   but =  except 以外には

→〜以外にはあり得ない、以外には無い

必ず〜となる、〜するしかない、〜するのは確実だ


* not + but で否定の意味が打ち消し合い強い肯定になります。

→ cannot but を surely, certainly に単純に置き換えると意味が掴み易いでしょう。


状況に追い込まれて余儀なくされる、との意味は全くありませんのでご注意を。


・used to say that something  will certainly happen:

 何かが確実に起こることを言う

 必ず〜する、〜以外はあり得ない、確かに〜だ

= (will)  certainly do

= It is certain that


If we persevere, we cannot  but succeed.

 やり続ければ我々は屹度(きっと)成功する。

= If we persevere, we will  certainly succeed.

= It is certain that we wll  succeed if we persevere.


cf. persevere  屈せずにやり通す

・to persist in anything undertaken; maintain a purpose in spite of difficulty,  obstacles, or discouragement; continue steadfastly.

 困難、障害、落胆にも拘わらず企てたことをやり抜く、目標を持ち続ける



Such power, and..resources could not but appear formidable.

 その様な動力と資源は格別なものに見えざるを得なかった。

(OED からの用例)


= Such power, and..resources  surely appeared formidable.

 その様な動力と資源は確かに格別なものの様に見えた。


I cannot but be gratified by the assurance.

その保証(請負の言葉)には満足以外にはない。(OED からの用例)


= I am surely gratified by the assurance.

 その保証には私はしかと満足している。


To see him obviously framed

Couldn't help but make me  feel ashamed

to live in a land

Where justice is a game

 彼が明らかに濡れ衣を着せられているのを見ると

 正義がゲームでしかない国に住んでいるのが

 恥ずかしいと感じる以外に無いだろう

(Bob Dylan Hurricane の lyrics から)


→To see him obviously framed would surely make me feel ashamed to live in  a  land  where justice is a game.


= When I see him obviously framed, I would surely feel ashamed to live in a  land   where  justice is a game.



cf. be ashamed to do 〜するのが恥ずかしい

 be ahsamed of,  be ashamed  that も取り得ます


He could not but try.

 彼には試す以外の道はなかった。試すしかなかった。

= It was certain  that he should try.

 彼が試すのは確かだった


We cannot but feel sorry for  the child.

その子のことを同情せずにはいられない。

=  We certainly feel sorry  for the child.

 その子のことをきっと哀れむだろう。


≒ We cannot help feeling  sorry  for the child.

 その子のことを思わず哀れまずにはいられない。


* cannot help doing と cannot but do は以上の様に同一では無くニュアンスが異なっています。それぞれ cannot stop  doing,  (will) certainly do とサッと脳内変換すると良さそうですね。cannot help but do も用いられますが 本来は cannot but do と有るべきです。


cannot help doing と cannot but do 共に、<状況から余儀なくされる>との意味は全くありません。英作文時での誤用で点が採れなくなりますのでご注意のほどを。









思考連結詞G



2020年8月15日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 思考の流れをつなぐ表現の解説の第7回目です。最終回となります。




thus

・in this way こんな風な遣り方で、こんな風にして


Bend from the waist, thus. 腰から上を曲げて、こんな風に。


・with this result この結果として、斯くして〜となる

They planned to reduce staff  and thus to cut costs.

 彼らは従業員数を減らし斯くして経費を削減しようと計画した。


The publishers claim that the book constitutes 'the first sequential  exposition  of events and thus of the  history of the revolution'.

 出版人はその本が「事件斯くして革命の歴史を一連に最初に解説」すべく構成されていると主張する。


cf.  claim

 日本語のクレームを付ける(文句を付ける)との意味は無く、権利、真実に基づいて主張する、要求する、の意味で使われますのでご注意下さい。



Thus the Romans left Britain. 

 斯くしてローマ人はブリテンから撤退した。


Exercise made us more hungry and thus our food supplies ran out.

 運動すると余計に腹が減り、我々の食料供給は底をつくこととなった。

   

Thus, the leverage of the legislature may be higher, but adaptation by courts  may be more efficient.

 斯くして、立法府の影響力はより高くなろうが、しかし裁判所側の柔軟な対応はより効率的になろう。


cf. adapt 新しい状況に合うように柔軟に改変する



cf.  thus far

= as far as this or until now 今までのところ、現在までは

We haven't had any problems  thus far.

 今までのところ、なんら問題は起きていません。




well

exclamation

・used to introduce something you are going to say, often to show surprise,  doubt,  slight disagreement, or  anger, or to continue a story:

 しばしば驚き、疑い、軽い失望、怒りを示そうとして、或いは引き続き話しを続ける為に


Well, what shall we do now?

それでは次は何をしましょうか?

 

Well now/then, how are we going to arrange things?

えぇとでは、どうやってコトを調整したら良いのでしょう?


"Who was that?" "Well, I can't remember her name."

 あの人は誰だったの? う〜ん、彼女の名を思い出せないよ。


"He's decided to give up his job and move to Seattle with her." "Well, well -  

that's  what love does for you."

  彼は仕事を辞め彼女とシアトルに移動することにしたよ。そうかいそうかい、愛の技と言う奴だね。(you は<あなた>ではなく一般人のこと)


Well, really, that was thoughtless of him!

 なんてこと。彼は軽率たりゃありゃしない。


Oh well, never mind.

おやまぁ、気にするな。




what's more  おまけに、その上

idiom

・used to add something surprising or interesting to what you have just said:

 言ったばかりのことに驚きや興味深いことを添える

= more importantly より大切なことには


The decorations were beautiful and, what’s more, the kids made them  themselves.

 飾り付けは綺麗だったし、おまけに子供達が自分達で作ったんだよ。




with that  そう言って、それから

idiom

= and then, or  after doing or saying that: その行動、言動ののちに


"I still think you're wrong," he said and with that he drove away.

 僕はまだ君が間違っていると思っている、彼はそう言うと車で去った。




 数が多く7回に分けて解説しました。耳慣れない言葉もあったのではと推察しますが、いずれも日常の硬軟取り混ぜた場で普通に使用される表現です。思考連結詞(論理接続詞+感情接続詞としておきましょう)の内、論理接続詞に関しては纏めた上で後日リストアップする予定ですが、ご自身で纏めるのも勉強になると思います。前にも触れましたが、transition  words ,transitions転換語transition とは動画の場面切り替えシーンの表現作法の意味もありますので場面切り替え語と訳しても良いでしょう) なる呼称で扱われる単語やフレーズですが、これが扱う分類法や単語、フレーズについてはまだ一考の余地ありと塾長は感じています。

 受験用の英語表現の参考書は、思考連結詞−今回扱いませんでしたが逆接、譲歩等の表現を含みます−の表現形態の中から特に入試に頻出されるものを一部取捨選択したものですが、制約上どうしても断片的で寸足らずの解説となります。人間の言語を通じての思考活動にはこの様な思考連結詞が必須であり、原則的に全ての文章がこれで繋げられる事に拠り、自分が主張したいパラグラフ(主張したい1つの意味内容から構成される文のまとまり)が完成し、更には文章全体が仕上がることになります。逆に言えば思考連結詞の応用が貧弱であれば、明快な英文1つ作れません。文学的な修辞までは覚える必要はありませんが、そこそこの表現法を頭にインプットしておくだけで英文読解、英文作成が非常に楽になると思います。

 学問に王道はありませんが、受験用の単語集や語句集を機械的に丸暗記し、見通しの利かない藪の中の小道を苦しみながら場当たり的にいつまでも進むのではなく、目的地が望める幅の広い開けた道をゆったりと進むのも、物事の本筋を理解するのに大いに役立つ筈です。但し、それには集中的な努力並びに絶対的な時間が必要になり、正直なところ、塾長も受験生時代には当初は経文を唱えるが如くに丸暗記の姿勢でした。単語、熟語の一定量が頭にインプットされて初めて勉学の土台が出来るところが英語学習には確かに存在しますので、早めに暗記作業に入るのも良いでしょう。つべこべ言わずに覚えなさい、とはこのことです。大学入学以降、時間的余裕が出来た後に改めて英文表記法のおさらいをするのも良かろうと思います。

 ここまで書いて来て思い当たりましたが、実は塾長の専門とする形態学も、最初は生物の形を支配する法則性などには思いも至らず、只ひたすらに形態を観察しデータを蓄積するだけでしたが、時間が経つと背後に隠れる法則性の様なものが感じ取れる様になりますし、形態を記載する方法自体への根源的な問いかけも芽生えて来ます。まぁ、全ての勉学は基本は同じと言えることかと思いますが、塾長は方法論的な問い掛けの域に到達して始めて物事の佳境に入るのではと考えて居ます。

 次回からは別のコラムシリーズに入ります。









思考連結詞F




2020年8月10日 

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 思考の流れをつなぐ表現の解説の第6回目です。




there

・exclamation used to express  sympathy or satisfaction:

 共感や満足を表す感嘆詞


There, I've finally got it  working.

 やったぞ、遂にそれを動作させられたよ。




thereby

adverb (formal or old-fashioned)

= as a result of this action: この動作の結果、それによって


Diets that are high in saturated fat clog up our arteries, thereby reducing

the blood flow to our hearts and brains.

 飽和脂肪酸の高い食事は我々の動脈を詰まらせ、その結果、心臓と脳への血流を減少させる。

= Diets that are high in saturated fat clog up our arteries, by which they  reduce  the blood flow to our  hearts  and brains.


= Diets that are high in saturated fat clog up our arteries, accordingly  they  reduce the blood flow to our  hearts and brains.




therefore

= for that reason その理由で、それゆえ


We were unable to get funding and therefore had to abandon the project.

 我々は資金調達を得るのに失敗し、それゆえ計画を放棄した。


The defendant was depressed and therefore not fully responsible for her own  actions.

 被告は抑うつ状態にあった故に彼女自身の行動に対しては全ての責任を負うものではありません。


We are a moral, ethical people and therefore we do not approve of their  activities.

 我々は道徳のある倫理的な者たちであり、それゆえ彼らの行動を是認しません。


Several members have not replied for over three years and their names have  therefore been removed from  the mailing list.

 メンバーの数名は3年以上も返答が無く、彼らの名前はそれゆえメーリングリストから除外されています。


Doctors are short of time to listen and therefore tend to prescribe drugs  whenever they can.

 医者は患者の声を聞く時間が足りず、それで可能な時はいつでもクスリを処方しがちです。


cf.  tend to do

〜する傾向がある,〜しがちである, 〜し易い、〜するのに役立つ,資する


Woolens tend to shrink.

 毛織物は縮みやすい.


Good health tends to make people cheerful.

 健康は人を快活にするのに役立つ。→健康だと人は快活になる。

= Good health helps (to) make people cheerful.




therein lies  その点に、そこにこそ

idiom

・in what has just been mentioned we see the reason or explanation for (a  particular situation, quality, or  problem)

 今丁度言った事に理由や説明が存在する(特別な状況、質、問題)


Her book is simply a collection of memories, told without conceit or self-  absorption - and therein lies its  power.

 彼女の本は記憶の単純な集積であり、自惚れも自己陶酔もなく語られている−そしてその点にこそ力があるのだ。




thereof

法律用語

・of or about the thing just mentioned:


Please refer to the Regulations and in particular Articles 99 and 100 thereof.

 法規、特にそれの条項99及び100を参照して下さい。


= Please refer to the Regulations and in particular Articles 99 and 100 of  that.


---------------------------------


cf. refer (to)  

*頻出しますがちょっと訳しにくい言葉です,以下の意味や用例を覚えておけば一生役に立つ!?でしょう。。

 refer の原義は to carry  again  もう一度運ぶ、です


・ to pertain , to concern  to relate to a particular person or thing

関連する、特定の人物、物に関連付ける


I have some questions  referring to yesterday's lecture

 昨日の講義に関連する質問が幾つかあります。

= I have some questions  concerningyesterday's lecture


These figures  refer only to  land for housing.

 これらの図は只、住宅用地に関するものです。

= These figures just  relates toland for housing.


The Japanese term "okami-san "was previously used to  refer to a housewife.

 日本語のオカミサンは、主婦のことを言う(指し示す)のに以前用いられた用語です。



・ to have recourse as for  aid or information:

  to look at something for  information or help

 (助け、情報として)頼る、参照する


You should  refer to  OED for  more information of the word.

 その単語の更なる情報についてはOED を参照すべきです。


He  referred to the dictionary for the correct spelling of the word.

 その単語の正しいスペルを求めて彼は辞書を引いた



・ to direct the attention, to  make allusion,

   to talk or write about  someone or something

 注意を差し向ける、引き合いに出す、言及する

 引用する、話題に上げる、〜と呼ぶ、口にする


In her autobiography she occasionally  refers to her unhappy schooldays.

 自伝の中で彼女は不幸な学校時代のことに時折触れています。


She seldom  refers to her  family.

 彼女は自分の家族のことを滅多に口にしません。



*with special referrence to の表現は論文タイトルで頻用されます


A manual of a field music research  with special reference to Southeast Asia.

 特に東南アジアに注目しての(関しての)農作業歌調査の手引き

= A manual of a field music research mainly  focusing on Southeast Asia.

主に東南アジアに焦点を当てた(注意を集中させた)農作業歌調査の手引き

 (この論文中では東南アジアの農作業歌調査に関してたっぷり言及される訳です)


*refer to A as B

 AのことをBと呼ぶ

= A be referred to as B

 AはBと呼ばれる

The children on trial  were referred to as child X and child Y.

 裁判中の子供達は子供X、子供Yと呼ばれた


He always  refers to the  house  as his "refuge".

 彼はいつもその家のことを自分の「避難所(隠れ家)」と呼んでいる


Marie Curie  is often referred to as the mother of nuclear physics.

 キュリー夫人はしばしば核物理学の母と称される

= Marie Curie is often called the mother of nuclear physics.



*refer someone/something to someone/something

・ to send someone or something to a different place or person for help:

 助けを求めて人、物を別の人、物の元に送る、紹介する


First see your pediatrician, who may  refer you to a pediatric allergist.

 最初に掛かり付けの小児科医に診て貰って下さい。小児アレルギー専門家に紹介して呉れるかもしれません。




the thing is  実を言うと、大事な話だけど

informal 口語

・used to introduce an explanation or an excuse 説明や言い訳を導入する


The thing is, my parents like  me to be home by ten o'clock.

 実を言うとさぁ、親がオレに10時までに帰宅していろつうんだよね。



・used to emphasize the importance of what you are saying:

 言おうとすることの重要性を強調する


The thing is to keep a good distance from the car in front of you, when

you're  driving in snow.

 大事なことは(=要は)雪道を走るときは目の前の車とは適度な距離を維持することね。








思考連結詞E




2020年8月5日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 思考の流れをつなぐ表現の解説の第5回目です。



that is (to say)... idiom

・or more exactly より正確には、換言すると、つまり

said when you want to give further details or be more exact about something:

 より詳細さや正確さを与えたい時に


I'll meet you in the city, that is, I will if the trains are running.

 僕は君に町で会おう。つまりは列車が運行しているならそうするってこと。


Our friends, that is to say our son's friends, will meet us at the airport.

 我々の友人、より正確には息子の友人達だが、空港で我々と会うことになっている。




the thing is

idiom informal  口語

・used to introduce an explanation or an excuse:説明や言い訳を言う時に使われる


The thing is, my parents like me to be home by ten o'clock.

 つまりだね、僕の両親は10時までには帰宅してて欲しい訳さ。


The thing is, the shops close  early on Sundays.

  つまり、店は日曜日には早じまいするってことね。


・used to emphasize the importance of what you are saying:

 言っていることの重要性を強調する


The thing is to keep a good distance from the car in front of you, when you're  driving in snow.

 大事なことは、雪道での運転中は前の車とは十分に距離を取ると言うことさ。




then

・as a result; in that case; also used as a way of joining a statement to an    earlier  piece of conversation: 

結果として、そうすれば、その場合は、それで


命令形+then 〜せよ、そうすれば

if + then  もし〜するなら、そうすると  そうすりゃの形で頻用されます

= in that case,   as a  consequence


Have a rest now, and then you won't be so tired tonight.

 今休んでおけよ。そうすりゃ今夜はあんまり疲れないぜ。


If you plan the project well, then everything should fall into place.

 そのプロジェクトをじっくり練れば、全て落ち着くべき所に落ち着く(うまく収まる)だろう。


cf. fall into place

 うまく収まる、つじつまが合う


Try and get some sleep on the plane, then you'll arrive feeling fresh.

 機内では眠るようにしなさい。そうすれば到着時にはスッキリしてるよ。


If there are only five of us going to the concert, then I've booked one too  many   seats.

 もし我々の内の5人しかコンサートに行かないのなら、その場合は座席を1つ余分に予約した訳だ。


one too many  ...s   

 (無かった方が良かった)1つ余分な、の意味で会話で良く聞くフレーズです


If 2x = 8, then x = 4.

 もし2Xが8なら、Xは4に等しい。


You'll be selling your house, then?

 では自宅を売りに出すのですか?

= You'll be selling your house  in that case?




*then  の他の用法


Prices were lower then.

 当時物価は安かった。

= Prices were lower  at  that  time.


The rain stopped and then started again

 雨は止んだがすぐにまた降り始めた。

= The rain stopped but soon  (afterwards) started again


We ate, then we started home

 我々は食事を摂り、次に家を発った。

= We ate,  and next,  we  started home


Standing beside Charlie is my uncle, then my cousin, then my brother.

 チャーリーの横に立っているのが叔父で次はいとこ、次は私の兄弟です。

= Standing beside Charlie is my uncle, and next my cousin, and next my  brother.


I found their conversation very dull,  but then I have different tastes.

 彼らの会話はとても退屈に感じられたが、しかし一方では別の味わいも感じた。

= I found their conversation very dull,  but on the other hand,  I have  different  tastes.


At first the water seemed blue, then gray.

 最初水は青くも灰色にも見えた。

= At first the water seemed blue, and  at the same time it seemed gray.


You are leaving tonight then.

 そう言う訳で君は今夜去るんだね。

= You are leaving tonight  since that is so.

= You are  therefore leaving  tonight:








思考連結詞D



2020年7月20日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 思考の流れをつなぐ表現の解説の第4回目です。




so

・and for that reason; therefore: そういう訳で、それゆえ


My knee started hurting so I  stopped running.

膝が痛み出しので走るのを止めた。


I was lost so I bought a street map.

 迷子になってしまったので街路地図を買った。


She was ill so I sent her some flowers to cheer her up.

 彼女は病気だったので元気づけようと花を送った。


So that's why you wanted me there tonight - to help with the cooking!

 そういう訳で私に今夜そこにいて欲しかったのね。調理を手伝わせる為に。




so

・used at the beginning of a sentence to connect it with something that has  been  said or has happened  previously:

前に起こったこと、言ったことと次の文を繋ぐために文頭に使う、そういうことで、それで、などと軽く訳す


So, there I was standing at the edge of the road with only my underwear on ...

 それで私は下着だけ身につけて道路の端に立っていた。


・used as a way of making certain that you or someone else understand  something  correctly, often when  you are repeating the important points of a  plan:

 皆が正しく理解していることを確認し、計画の重要性を繰り返す


So we leave on the Thursday and get back the next Tuesday, is that right?

 それじゃあ木曜日に出発して次の火曜日には戻るのでいいのね?


・used to refer to a discovery that you have just made:

 発見したばかりのことに言及する


So that's what he does when I'm not around!

 なるほど、僕が居ないときに彼がそうすると言うことか。


・used as a short pause, sometimes to emphasize what you are saying:

 短く間を置いて、言う事を時に強調する


So, here we are again - just you and me.

 いいかい、ここにはまた君と僕しか居ないんだ。


・used before you introduce a subject of conversation that is of present  interest, especially when you are  asking a question:

 特に質問をする際に、現在の会話の主題を紹介する


So, who do you think is going to win the election?

 それじゃあ、誰が選挙に勝つと君は思うのかい?



informal

・used to show that you agree with something that someone has just said, but  you do not think that it is  important:

自分は別段重要とも思わないが、相手が言ったばかりのことに賛同を示す


So the car's expensive - well, I can afford it.

 そうだよなぁ、その車は高い。ええと、でも僕には買えるけど。




sure enough

idiom

・as expected 期待通りに 期待されていた様に


He said he'd left the book on the desk, and sure enough, there it was.

 彼は本を机の上に置いたと言った。そしてその通りに見付かった。




that

・used to make a connection  with an earlier statement

 前に言ったことを繋ぐ


My car broke down. That's  why  I'm so late.

 僕の車が壊れた。それでこんなに遅刻した訳さ。


Lucy worked out how to fix it. That's Lucy for you (= She can fix anything).

 ルーシーはそれをどう直せばいいか何とか解決した。それがルーシーってものさ(君らにとってのルーシーさ)。

(ルーシーは何でも直してしまう)

= Lucy solved how to fix it. That's Lucy for you.


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cf.work out 様々な意味を持ちます(用例はOEDから):


他動詞用法

・to get rid of取り除く 除去する

We might properly say that the ‘uncompleted emotion’..could be given an  opportunity to work itself out.

 <不完全な情緒>には、それ自体を排除する機会が与えられるのではないか、と言うのも正しいのではないか。


・to work (a mine, etc.) until it yields no more; to exhaust by ‘working’.

 採掘により鉱山を枯渇させる


As one part [of the rock] was worked out it was filled in with rubble from the  new excavations.

 岩石の一部が掘り尽くされたので、新たな掘削からの瓦礫で満たしておいた。


・to bring about, effect, produce, or procure (a result) by labour or effort 労力、努力により成し遂げる、作られる

tocarry out, accomplish(a plan or purpose). 計画や目的をやり遂げる


The natural tendency of their mode of life..worked itself out as time went on.

 彼らの生き方の有り様は時が経つに連れて自然に形作られた。


The fortunes of England were being slowly wrought out in every incident.

 イングランドの繁栄は全ての出来事を通じて徐々に成し遂げられつつあった。


・tosolve; also, to reckon out, calculate 解決する、算出する


She tried to work out the question in her own mind, whether her eagerness  for  classical learning was a  wrong sort of ambition.

 彼女自身の頭の中で、古典学習への自分の情熱が間違った種類の大望なのかどうかの疑問を解決しようと努力した。


A practised novel-reader could probably work out the problem and complete  the  plot.

 手慣れた小説読者であれば、おそらくその問題を解決し筋書きを完全なものとし得ただろう。


・to bring to a fuller or finished state; to produce or express in a complete form  or in detail; to develop,  elaborate.

十分な、完全な状態、形にまで仕上げる


The theory [of the survival of the fittest]..was worked out with the most  minuteand elaborate care.

 適者生存の理論は細心且つ入念な注意を払い完成された。


This important and far-reaching truth is worked out by Mr. Mallock with much  acuteness.

 この重要且つ遠大な真実はマロック氏に拠り鋭どく、詳細に示された。



自動詞用法

・to make its way out, esp. from being imbedded or inclosed in something; to  become gradually loose and  come out:

 内部に閉ざされていたものが徐々に緩んで顔を出す


・Fresh splinters of the bone  continually worked out.

 新鮮な骨の破片が次々と出現した。


・to proceed so as to issue in a particular result; 特別な結果に進む


It is..impossible to tell..how the situation in Ireland will work out.

 アイルランドの立場がどんな結果に進むのか・・・それは分からない。


・to amount to (so much) when reckoned up, to ‘come to’

 計算すると〜に達する

This [quantity of tea] when infused works out at about 4,000,000 gallons.

 お湯を注げばこのお茶の量は凡そ400万ガロンにも達すると算定される。


*work out のout には、遣りきる、外に出るの2つの意味を当てはめて考え、訳語を当てて下さい。








思考連結詞C


2020年7月15日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 思考の流れをつなぐ表現の解説の第3回目です。




in addition (to)

・as well (as): 〜に加え、〜もまた、更に、その上

*<付け加えるに>などど訳さないで下さい! 添え物、おまけ的に加える意味はありません。


In addition to his apartment in Manhattan, he has a villa in Italy and a castle  in  Scotland.

 マンハッタンのアパートに加え、彼はイタリアに別荘とスコットランドに城も持って居る。

= He has a villa in Italy and a castle  in  Scotland as well as his apartment in  Manhattan.

= He has a villa in Italy and a castle  in  Scotland adding to his apartment in  Manhattan.


Have you got any savings in addition to your savings account at the bank?

 銀行口座に加えて何か預金をお持ちですか?


In addition, the hotel is very  near to the Tokyo station.

 その上、そのホテルは東京駅からとても近い

= Moreover, the hotel is very  near to the Tokyo station.

= Additionally, the hotel is very  near to the Tokyo station.


*in + 名詞 = 副詞 となる例は多々あります。


cf. to say nothing of

= and in addition there is 〜は言うまでもなく


It would be an enormous amount of work, to say nothing of the cost.

ゼニは言うまでも無く手間も非道く掛かりそうだ。

= It would be an enormous amount of work as well as the cost.




furthermore 

(formal)

・in addition; more importantly: その上、更に重要なことに

= moreover


The house is beautiful. Furthermore, it's in a great location.

 家は美しいし、更にロケーションが抜群だ。


I don’t know what happened to Roberto, and furthermore, I don’t care.

 ロベルトに何が起きたのかは知らないし、更に興味もない。



Furthermore, different types of defeasible information may also interfere  with  each other during the reasoning.

 更に、無効に出来る異なるタイプの情報が、証明中に互いに干渉し合う可能性がある。


Furthermore, since they were involved in the wholesaling of rice and  fertilizer,  they could not necessarily  be  recognized as retailers.

 更に、彼らは米と化学肥料の卸売りに関与していたので、必ずしも小売業者としては認められなかった。




as well (as) 

・in addition (to): 〜に加えて、〜もまた


Invite Emily - and Scott as  well.

 エミリーを招待して、それとスコットもね。


I want to visit Andrew as well  as Martin.

 私はマーティンに加えアンドリューも訪ねたい。


He went down in my estimation when he started trying to be a singer as well  as  an actor.

彼が俳優に加え歌手になろうとし始めた時に、私は評価を下げた。


cf. go down in value

 値打ちが下がる



The museum has many works by Picasso as well as other modern painters.

この博物館は他の近代画家に加えピカソの作品を多く蔵している。


As well as writing the script, he directed the film.

映画の脚本を書くに加え彼は監督も務めた


It's not all my fault, Simon was there as well.

それは全部が僕の落ち度じゃあない。サイモンもそこに居たんだ。


cf.may as well do A  (as B)

(Bより)Aする方が良い

cf. might as well do A (as B)

(Bより)Aする方が良いかも。




much/still less

idiom

・used to make a negative  statement stronger:

否定の表現を更に強く述べる まして〜など無い

= let alone


At the age of 14 I had never even been on a train, much less an aircraft.

 14歳になっても私は列車に乗った経験が無かった。ましてや飛行機などはない。


nay  

adverb (EVEN MORE)  formal

・used to introduce a second and more extreme phrase in a sentence when  the  first phrase was not strong  enough

いやそれどころか


It is my pleasure, nay (my) privilege, to introduce tonight's guest speaker.

 今夜のゲストスピーカーをご紹介出来ることは、私の喜び、いや特権でさえあります。




never mind  

idiom informal

・used as a way of emphasizing that, although a particular thing is true, the  one  you have just mentioned is  more important or interesting:

《口語》 …は言うまでもなく, …どころではなく

= to say nothing of


This is one of the best restaurants in the Northeast, never mind Boston.

 ボストンに於いては言うまでもありませんがノースイーストで最高のレストランの1つです。




now 

adverb (会話表現)

・used in statements and questions to introduce or give emphasis to what you  are saying

これから言おうとしていることを導入する、或いは重きを置く、さてと、ほら


Now, where did I put my hat?

 さてと、何処に帽子を置いたっけ?


There was a knock at the door. Now Jan knew her mother had promised to  come  by, so she assumed it was  her.

 ドアにノックがあった。さてとジャンは母が遣ってくると約束していたことを知っていたので母だろうと思った。


Hurry, now, or you'll miss the bus!

 ほら急いでよ。バスに遅れるよ。


Sorry, I can't today. Now if you'd asked me yesterday, I would have said yes.

 済まん、今日は出来ないよ。いやぁ昨日頼まれていたなら(その時)イエスと言っただろうけれど。





now then

idiom

・said to attract attention to what you are going to ask or suggest:

 これから尋ねる或いは示唆しようと思っている事に注意を引く


Now then, what's all this noise about?

 ええっと一体、この騒音はなんだい?




OK

exclamation (ACTION) (informal)

・used as a way of showing that you are going to take action or start  something  new:

 何かこれから行動を始めることを示す表現法、それじゃあ〜するか


Okay, let's go.

 それじゃあ行くか。


Okay then, if you're ready we'll start.

 それじゃあ準備できたら出かけるぞ。



cf. OK には形容詞、副詞で、大丈夫だ、好調だ、all right の用法があります。

oll korrect (=all correct の表記ゆれ) が語源だとの説があります。


The personal computer is working O.K.

= The personal computer is working all right.

 パソコンは好調に動いている。


Is this suit OK to wear to a formal party?

 フォーマルなパーティにこのスーツは大丈夫かい?


She's been OK since the operation.

 彼女は術後ずっと調子が良い。


*九州弁のヨカと同じで便利な表現です!








思考連結詞B


2020年7月10日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 思考の流れをつなぐ表現の解説の第2回目です。



hence  (formal)

・that is the reason or explanation for 

 こう言う理由で、それで、それでもって、斯くして〜と言う訳だ

= therefore それゆえ

hence + 名詞句の用例が多いです。


His mother was Italian, hence  his name - Luca.

 彼のお母さんはイタリア人だけどそれで彼の名がルカなんだ。


Peter's leaving at the end of this week - hence his anxiety to get his work  finished.

= Peter's leaving at the end of this week - hence he has an anxiety to get his  work  finished.

 ピーターは今週末に出発する予定だ。それで仕事を済ませてしまおうと一生懸命って訳だ。


cf. have an anxiety for , to do 〜したいと熱望、切望する

cf. anxiety about, that 〜に対する不安、〜ではないかとの心配


The prime minister was attending the conference, hence all the extra security.

 首相が会議に出席していたが、こういう訳で特別のセキュリティが敷かれていた。

 

He's just got a pay rise, hence the new car.

 彼は給料が丁度上がったところだが、新車を買ったのはそう言う訳だ。


She's just found out she failed her exams, hence her bad mood.

 彼女は自分が試験に落ちたと知ったばかりだが、不機嫌なのはそう言うわけだ。

= She has just found out she failed her exams That's why she is in a bad mood.


The firm is owned by Mark Atkins, hence the name - MA Advertising.

 会社の所有者はマークアトキンスだが、それで社名をMA広告社と言う。




hereby adverb (UK law  formal or specialized) 英国法律用語

・with these words or with  this  action: これをもって


I hereby pronounce you man  and wife.

 ここにあなた方のことを「男と妻」と言明することにします。




indeed

・used to add some extra information that develops or supports something  you  have just said:

 直前に述べたことを発展したり支持する情報を付け加える

really; truly 本当に、そして実際、実際に


For such creatures, speed is not important - indeed it is counterproductive.

 その様な生き物にとっては速度は重要では無い。実際それは逆効果となる。


I am happy, indeed proud, to be associated with this project.

 このプロジェクトに関与出来て幸せだしそれに本当に誇らしい。


If he has indeed quit his job, I asked myself, why is he still here?

 もし本当に彼が仕事を辞めているなら、なぜまだここにいるのかと自問する。


From a medical standpoint, the discovery may turn out to be very big news   indeed.

 医学的な見地からは、この発見は本当に非常に大きなニュースとなる可能性がある。


Indeed (= When you really think about it), why should you follow a doctor’s  advice to the letter when you feel like Superman?

 本当なら(君が本当に自分のことをスーバーマンみたいに感じる時は)、医者の助言に厳密に従った方が良くはないか?


cf. to the letter 厳密に、文字通りに、言葉通りに

= literally


・indeed is also used to make something clear or add to something you have    just said: 

 直前に述べたことに何かを付け足して明確にする場合にも indeed は使われます。


It was impossible to find workand, indeed, it became increasingly hard to  keep  looking for a job.

 仕事を見つけるのは不可能だったし、それに実際、仕事を探し続けるのもますます困難になっていた。




cf. actually, as a matter of  fact, in fact, to tell you the truth


 これらは相手の予想や期待に反して、「でも実を言うと、実際は、本当言うと」の意味で使われることが多く(それ以外の字面通りの直接的な意味も勿論ありますが)、言わば相手の失望や悪感情を事前に防止するクッション役の表現となります。論理的な思考の流れを誘導、展開する表現とは異なり、思考連結詞とは呼べないかもしれません。これらは、思考連結詞に対し、感情連結詞と呼称するのも良さそうに塾長は考えます。感情を和らげる意味をも持つゆえ、客観的事実と論理で構成されるべき科学論文での利用は控えた方が良いようにも思います。最初に述べましたが、近年、談話標識 (ディスコース・マーカー  discourse marker )と呼称される用語概念が提唱されていますが、定義に関してもまだ曖昧なところがあり、思考連結詞、感情連結詞などのより詳細な把握をした方が適切ではないかと塾長は考えています。



ipso facto  

adverb  (formal)

・used to say that it is reasonable to state or believe something based on  facts  that are already known:

(既に知られた事実を元に)〜と述べるのは合理性がある、

事実[それ]自体によって,事実上.(ラテン語 ‘by the fact itself')


You admit you fired the gun and we now know that the shot killed the victim so  you are, ipso facto, responsible for his death.

 あなたは銃を発砲したことを認め、我々は現在その発射が被害者を死亡させたことを知っている。それでその事実に拠ってあなたは彼の死に対して責任があると考えるのは合理性がある。




let alone  

adverb

・used after a negative statement to emphasize how unlikely a situation is    because something much more likely has never happened:

否定文ののちに用いられ更に強い否定を重ねる、まして〜など無い況んや〜ない

=much less /still less


Some people never even read  a newspaper, let alone a book.

新聞すら全く読まない者もいるが彼らはまして読書などしない。

= Some people never even read  a newspaper, much less  a book.


*幾らかの者は〜 → 〜の者もいる、と訳します。




I mean

・used to correct what you have just said or to add more information:

直前に述べたことを訂正する、或いは情報を更に付け加える


I really do love him - as a  friend, I mean.

本当に彼のことを愛してるの。でも友達と言う意味ね。


・something that people often say before they start or continue their  sentence:

自分の話す内容を始める、或いは続ける時にしばしば利用される


I mean, he's a good teacher,  but I just don't like him.

ええっと、彼は良い先生だけど兎に角好きじゃあない。




moreover 

adverv (formal)

・(used to add information)  also and more importantly

 情報を加える、〜もまた更に重要なことに(良いことにも悪いことにも使う)

*学術論文でも頻用されます。


The whole report is badly written. Moreover, it's inaccurate.

 レポート全体の書き方が悪いし、更に重要なことに中身が不正確だ。


Politically, moreover, he faces a split in his party.

 政治的には、更に彼は党の分裂にも直面している。


He enjoys selling and, moreover, is good at it.

 彼は商売を楽しんでいるし、さらに商売が上手い。


She alleged, moreover, that the two of them had met before.

 彼女は彼らの内の2人とは以前会ったことがあると更に申し立てた。


Moreover, common expressions are open to multiple philosophical  interpretations precisely because common expressions lack the precision  aimed  for (though not always achieved) by philosophical discourse.

 更に、普遍的表現は多様な哲学的解釈を免れない。これはまさに普遍的表現が哲学的な談話が目指している(尤も常に成し遂げられるとは限らないが)(用語定義の)正確性を欠いているからである。


cf. precisely because = just because


cf.be open to 〜に陥りやすい、免れない  

*落とし穴の大きな口が開いている、との意味ですね。


cf. an open question 未解決の問題 (開いた問題などと訳すと意味不明になります)


The very definition of a mora implies weight-sensitivity; moreover, it is not  clear  that this is a purely labeling/ terminological issue.

 モーラの正にその定義は重量感受性を含んでいるし、更に、この事は純粋に名義或いは用語上の問題なのかどうかも明確ではない。


cf. モーラ: 言語学で短母音を含む1音節の長さ


Moreover, the usage of a purely mass-memory evaluation strategy improves  previous deductive systems, eliminating, in practice, any limitation in the  dimension of the input data.

 更に、純粋に大容量メモリ評価戦略を使用すると、従来の演繹システムを改善し、実際、入力データの規模に対する制限を除外して呉れる。


cf.in practice 実際に、実務上  = practically


in + 名詞で副詞表現となる例はごまんとあります。








思考連結詞A


2020年7月5日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 思考連結詞の各語の説明に入ります。 その第1回目です。一通り頭に入れておくと学術論文等含め英文読解の大きな武器となり得る筈です。




accordingly

= in natural sequence, consequently, so その自然な流れで、その状況に従って、結果として、それで


*consequently (結果として)が論理的或いは原因と結果の明確な関係を示すのに対し、accordingly は、<その状況ゆえの自然な結果>の意味合いを持ちます。


*consequently,  accordingly  共に論文で多用されます。


He continued to have severe headaches and accordingly returned to the  doctor. 

 彼は激しい頭痛が続いたため、再受診した




and

・used to join two parts of a sentence, one part happening after the other part:

物事が起きた順に2つの文章を繋ぐ  〜してそれから〜する


I got dressed and had my breakfast.

 服を着てから朝食を摂った。

*服を着ることと朝食を摂ることを同時に行った訳では無く、最初に服を整えた訳です。


・as a result 結果として

Bring the flowers into a warm room and they'll soon open.

 花を暖かい部屋に移動しなさい。(その結果)すぐに開花するでしょう。


Stand over there and you'll  be able to see it better.

 あそこに立つともっと良く見えるよ。


・with certain verbs, "and" can mean "in order to" 

 〜する為に (go, come などの特定の動詞と共に)


I asked him to go and find my  glasses.

私のめがねを見つけに行くよう彼に頼んだ。


Come and see me tomorrow.

 明日会いに来て。


Wait and see (= wait in order to see) what happens.

 何が起きるか見るために待ちなさい。

→何が起きるか見守りなさい。


・informal

Try and get (= try to get) some tickets for tonight's performance.

 今夜の演目のチケットを何枚か取るよう頑張ってれ。




and/or

・used to refer to both things or either one of the two mentioned

=either "and" or "or": 両方或いは片方


If the game is cancelled, you will get a refund and/or new tickets.

 試合が中止になった場合、払い戻しと新たな切符の両者或いは片方を受ける事が出来ます。




anyroad (Northern English for anyway  北部方言)

= anyway


anyhow

= anyway


Anyhow, I didn’t ask you to come here to talk about your business.

 いずれにしても、私は君にここに来て仕事の話をして呉れと頼んだ覚えは無い。


cf.  somehow 

= in some way not specified, apparent, or known

= anyway, anyhow

何とかして,どうにかして,ともかくも

Somehow I must find her. 何とかして彼女を見つけなければならない.


どういうわけか,なぜか,

Somehow I don't like him. どうも彼は好かない.




consequently

= as a result 結果として、その当然の結果、必然的に、したがって

          (原因と結果の明確な関係を示します)


I spent most of my money in the first week and consequently had very little to  eat by the end of the  holiday.

 最初の週にお金をほぼ使ってしまい、その結果、休日の終わりには食べるのに使うお金は殆ど無かった。


Consequently, vegetable prices have risen dramatically throughout the country.

その結果,全国で野菜の価格が劇的に上がっている。


All the shops were closed, and consequently we couldn't buy any food.

 店は全て閉まっており、当然ながら食べ物は1つも手に入らなかった。


Doctors are short of time to listen and consequently tend to prescribe drugs  whenever they can.

 医者は患者の話を聞く時間がなく、その結果可能な時はいつでも処方箋を出しがちだ。


There is inadequate childcare provision and consequently many women who    wish to work are unable to do so.

 子ども達に対する適切な公的支援が無く、その結果多くの女性が働きたくても働けない。


cf. inadequate

= not adequate or sufficient 適切では無い、不十分な


The company is trying to reduce its costs; consequently, staff who leave  are  not  being replaced.

 会社側はコストを減らそうとしている。その結果、辞める従業員の代わりは補充されていない。


His explanation was full of technical jargon. Consequently, nobody  understood  it  at all!

 彼の説明は技術専門用語ばかりだった。結果として誰一人全く理解できなかった。


cf.jargon(理解不能な)専門用語、内輪で通じる特殊用語、ちんぷんかんぷん、たわごと、方言

 *意味不明な用語で埒外に置かれる者にとっては technical jargon ですが、中の人にとっては technical terms ですね。jargon は古フランス語の jargon (小鳥のおしゃべり)に由来します。端から聞いていても意味不明と言う訳です


She is always bad-tempered, and consequently doesn't have many friends.

 彼女は常に不機嫌そうにしているので当然ながら友達はあまり居ない。


Consequently, elderly participants were not recruited as the survey content    would have been irrelevant.

 結果として年長の参加者は採用されなかった。と言うのは調査内容が見当違いのままだったからだろう。


The cotton-manufacturing industry fulfilled different roles in each town, and    consequently had a different  impact on each political environment.

 綿花製造業は都市毎に異なる役割を果たしており、その結果、政治的環境に対してもそれぞれ異なる影響力を持っていた。




ergo 

adverb formal

・a Latin word meaning "therefore" それゆえを意味するラテン語


It will tend to be the more prestigious universities that benefit; ergo, the    existing hierarchy of universities  will be reinforced.

 潤うのはより名声の高い大学群である傾向が強まるだろう。それゆえ大学の既存のヒエラルキーは強化される。


= The more prestigious universities will tend to benefit; ergo, the existing    hierarchy of universities will be  reinforced. の強調構文


There was no justification for the war then: ergo, there is a real question    about the legality of the action  that was taken.

 当時その戦争を正当化することは出来ない状況に有った。それゆえ、取られた行動の法的正当性については真に疑義がある。


 Cogito,ergo sum. ラテン語

 Je pense, donc je suis. フランス語

 I think, therefore I am. 英語

 我思う、ゆえに我あり。


 デカルトが『方法序説』(Discours de la methode, 1637)の中で提唱した有名な命題。詳細は、塾長のコラム 2020年2月20日  『フランス語の勧めU』を参照下さい。








思考連結詞@


2020年6月20日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 思考の流れをつなぐ表現の内の接続詞としての機能を持つ言葉について扱います。

 文章と文章とを円滑に、段差無く繋ぐ為の言葉として、1987年に Deborah Schiffrin 女史がDiscourse markers 談話標識なる概念を提出しましたが、これは言語学と社会学との学際的な考究に立つものでした。その後に、より言語学に近い立場の考究が他の者らにより引き継がれて来ていますが、本コラムではその様な一群の言葉のなかでも特に明確な意思の方向付けを示す言葉を思考連結詞の名の下に扱う事にします。これらは後ろの方の文章全体に掛かる独立した性格の強い一種の副詞的接続詞とも言えるでしょう。日本語でも、<従って、ところで、そんな塩梅で、こういう訳で、更に>などの接続句を用いて文章或いはスピーチの流れを相手に対して分かり易く明瞭に或いは円滑なものとすることが出来ます。<次に私が述べることは思考の流れの中で斯く斯く然々となります>、とワンクッション入れる誘導役の表現ですね。適宜この様な言葉を利用する事で、明確性以外にも文章やスピーチを引き締まった緊張感有るものに仕上げることが出来ます。これまで扱った、原因、理由、目的を表す表現も実は思考連結詞と言えます。逆に、この様な言葉を利用せずに文章を続けると意味を把握するために読み手側に余計な負担を掛けると同時に誤解を招く事態にもつながりかねません。木に竹を接いだ様な連続性の悪い文章となってしまいます。数学のような厳密な証明的論考の中で、∴ゆえに、などの記号を用いますが、これも思考連結詞と言えるでしょう。

 女流のエッセイストなどが、文章中からこの様な一種の接続詞を排除することが文章作成の要などと主張しますが、塾長にしてみれば、そんな背骨の通らない文章作成を最初から勧めるから相手に対して明確な意思表示が出来ず、外交関係でも相手に言いくるめられてしまうのだがと反論したくなります。<ええっと>などは省略しても構いませんが、話の筋や展開を明確に示す論理接続語までカットする事は良くありません。その手の文章は「雰囲気」だけの散漫な文章になりがちです。学究生活や文筆生活などを通じて明確且つ informative な和文作成の経験を既に積んだ者は推敲の末に「多すぎる」接続詞を省略しても問題ないとしても、心に思い浮かんだままを作文させる様な、意志薄弱な文学もどきの低レベルの作文を、子供達に書く事を許すと確実に頭が悪くなります明確な論理の思考様式が頭の中に育たないからです。まぁ、大仰に言えば日本の国力低下に繋がります。教員の趣味で児童に綴り方コンクールに応募させる様な意味不明のことは直ちに止めさせた方が良いでしょう。

 優れた文学作品とは、実は明確性を内包しつつ、表現技法を通じて芸術としての新たな精神的境地を読者に誘い得るものです。鴨長明や兼好法師は別格として、凡庸な者が<筆のおもむくまま>に文章をしたためても主張の焦点のぼやけた単なる雑文以上の価値は持たないでしょう。

 英語に於いてもこれは然りで、話の流れの分かり難いダラダラした文章を書いたり話したりするのは良いことではありません。思考の流れに明確性や円滑性を与える表現を知っておくと、英文解釈上また英作文上大きな力となります。何よりも自分の思考活動を見直し、主張内容が深まる大きな利点があります。




思考の流れをつなぐ表現



 思考の流れを円滑にし、また思考の方向性を示すための単語やイディオム(慣用表現)としては、例えば以下のサイトを参照して下さい。


https://dictionary.cambridge.org/ja/topics/language/connecting-words-joining-words-or-phrases-with-similar-or-related-meanings/


Linguistics: connecting words joining words or phrases with similar or related  meanings


 詰まりは基本は順接の意味で繋ぐ語ですが、<ええっと>等の、話題をスタートする為の表現も含まれています。


   and and/or anyhow anyroad anyway anyways  consequently ergo hence  hereby I mean idiom indeed ipso  facto less let mean moreover much/still less  idiom nay never never mind idiom now now then idiom  OK  so  sure sure enough  idiom that is to say ... idiom the thing is idiom then there thereby therefore  therein therein  lies idiom thing thus well what's more idiom  with that idiom


 など多数が挙げられますが、次回から5回に分けて一通り見て行きましょう。<あのぉ、これに対し、にも拘わらず>などの逆説的な接続用語に関しては、後日、<対照概念を表す表現>のコラムにて扱う予定です。


 また特に学術論文等で多用される<論理接続詞>−思考連結詞の中のエッセンス−については後日例文と共に一括してリストアップする予定です。


 これは、transition words 或いは transitions (転換語)と呼称されるもので、


Additive transitions

  情報を付加する表現(付け加え、紹介、参照、類似、明示)

Adversative transitions

  対立、強調、譲歩、却下、代替えの表現

Causal transitions

  原因、結果、目的、影響を示す表現

Sequential transitions

 順序、余談、話題の再開、要約を明示して文章の流れを明確にする表現


 に分類されています(この分類並びに内容自体、まだ検討の余地がある様に塾長は感じています)が、論拠を立ててなにゆえ自分がその様な考えを持つに至ったかを筋道を立て出来るだけ濁り無く明確に示す文章、詰まり論文を執筆の際には大いに役立つと思います。








理由と原因を表す表現D


2020年6月15日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 理由と原因の表現について5回に分けて扱います。第5回目の最終回です。



for the sake of sth/ for sth's sake

=because of, or for the purpose of something  〜のゆえに、〜の為に


cf. on account of , for sth's account が理由を述べるのに対し、こちらは目的、利益の為の意味を強めます。


Let's not disagree for the sake of (= because of) a few  dollars.

 僅か2、3ドルの(得失の)ことで反対するのは止めないか。(ケチケチせずに2,3ドル出せよ。)


Let's say, just for the sake of argument/ for argument's sake (= for the purpose  of this  discussion), that  prices rise by three percent this year.

 議論の為に(議論を深めるために、議論のネタとする為に)言わせて貰うが、今年は価格が3%上昇しているのだ。


You're only arguing for the sake of arguing (= because you like arguing).

 君は討論する為に討論しているだけだ (=君は論争するのが好きなだけだ)



・ in order to help or bring advantage to someone  〜を助ける為に、〜を有利にするために

Please do it, for David's sake.

 デイビットのため(を助けるため)にそれをしておくれ。

= Please do it, in order to help David.


Their parents only stayed together for the sake of the children.

 子供たちの為に両親は一緒に過ごしていただけだ。


I hope for both our sakes that you're right!

 我々の互いの助けとなるべく君が正しくあることを望む。




since

=because; as, inasmuch as

誰でも理解出来る明確な理由を提示し、だからそう結論、考察するのは当然だ、との意味合いを持ちます  まぁ、歴然たる理由の提示ですね。


Since we've got a few minutes to wait for the train, let's have a cup of coffee.

 列車まで2、3分あるからコーヒーでも呑もうじゃないか。


I'm afraid I'm not a very good advertisement for the diet since I've actually put  on weight!

 悪いが私はダイエットのあまり良い宣伝とはなっていないな。実際体重が増えて仕舞ったし!


She stands a good chance, since only two people are contesting the seat and  the  other  candidate is very  unpopular.

 彼女は(勝利の)見込みがある。と言うのは、僅か2人が席を巡って競争しているだけでもう一人の方は全然評判が良くないからだ。

= She's likely to win, ...


cf. stand a chance of  〜の見込みがある


I can testify to the foregoing since I was actually present when it happened.

 それが起きたときに私は実際現場に居たので、前言を証明できる。


cf. testify to sth 〜を証言する、証明する

cf. testify that 〜だと証明する、証言する


There's no point hypothesizing about how the accident happened, since we'll  never really  know.

 事故が如何にして発生したのかについて仮説化するのは意味が無い、と言うのは我々はこの先も本当のことは何も知らないだろうから。


cf. There is  no point doing sth

〜するのは意味が無い

cf. There is no use doing sth

〜するのは無駄である

It is no use crying over spilt milk. 覆水盆に返らず。


I presume that they're not coming, since they haven't replied to the invitation.

  彼らは来ないだろうと私は推定する。なぜなら招待に返事も寄越してないからだ。




so

=and for that reason; therefore 〜と言うわけで、それゆえ


My knee started hurting so I stopped running.

 膝が痛み始めたので、走るのを止めた。


I was lost so I bought a street map.

 迷子になったので街路地図を買った。


She was ill so I sent her some flowers to cheer her up.

 彼女は病気だったので元気づける為に花を贈った。


I felt a bit chilly so I put on  a jacket.

 少し肌寒かったのでそれでジャケットを羽織った。


*so 以下の文章は時間的に後のことを表しますので、文の先頭には置けません。because, since, as とは文章の主従関係が逆転します


I felt a bit chilly so I put on a  jacket.

= Because I felt a bit chilly, I  put on a jacket.


cf. put on

服を着る

put on one's clothes .

= wear one's clothes


〜のふりをする.

put on an innocent air  無邪気な様子を装う (=本当は無邪気では無い、偽っている)

= pretend to be innocent




thanks to sb/sth  

idiom

=because of:  〜のお蔭で


Thanks to Sandy, I found this great apartment.

 サンディのお蔭でこの凄いアパートを見つけられた。




for one thing (and for another)   

・used to introduce a reason for something:  1つには〜だから、もう1つは〜だから


"Why won't you come to New York with me?" "For one thing, I don't like flying,  and for another, I can't afford  it."

 どうして私と一緒にニューヨークに行かないの?

 理由の一つはとしては飛行機が嫌いだしもう一つはお金がないからさ。




by virtue of  

formal

=because of; as a result of:


cf. virtue は美徳、長所の意味ですが、by virtue of にこの意味は無く、単純にbecause of  に置き換えられます。


She succeeded by virtue of her tenacity rather than her talent.

 才能と言うよりは、寧ろ粘り強さで彼女は成功した。

≒才能ではなく、粘り強さで彼女は成功した。


cf. A rathet than B ≒ not B but A  BではなくA

 rather は、どちらかと言えば、ではなく〜だ、などの意味の曖昧性を含んでいます。A とB 2つのものをじっくり比較検討した結果、どちらかと言うとBよりAの要素が勝っているとの解釈になりますが、BではなくAであると断言する訳出で支障ないと考えます。この和訳の場合でも、彼女に才能が無いとはどこにも表現はしていません。2つの要素を比べた場合、成功の理由は粘り強さだったと主張しているだけです。この点から「寧ろ」は省略して良いでしょう。




what with   

idiom informal

・used to talk about the reasons for a particular situation, especially a bad or  difficult situation:  〜やらで

悪い結果をもたらした原因、理由を示す。口語表現ゆえ formal な文章には使えません。


I'm very tired, what with travelling all day yesterday and having a disturbed night.

 ふぅ〜っ疲れたぜ。昨日は1日旅行したり夜は騒ぎだったりしたからなぁ。




with

・because of or caused by someone or something: 〜の理由で


He winced with pain.

 彼は傷みで顔をしかめた。


I was trembling with fear.

 恐怖でブルブル震えていた。


She's been at home with a bad cold for the past week.

 過去一週間彼女は風邪が悪化して家に籠もっている。


I can't work with all that noise going on.

 このやかましい騒音が続いていて仕事が出来ない。


Hopes were dashed in the war-torn capital with the news that no aid would be  arriving that week.

 その週には救援が届かないだろうとのニュースで戦争に引き裂かれた首都に希望は打ち砕かれた。


With exams approaching, it's a good idea to review your class notes.

 試験が近づいているのだから、君が自分の授業ノートを見直すのは良いアイデアだ。

*理由を示す分詞構文ですね。


(What) with all the excitement and confusion, I forgot to say goodbye to her.

 興奮と混乱とで彼女にさようならを言うのを忘れた。


cf. forget to do 忘れて〜しない    (未遂)

   forget doing したことを忘れる (既遂)




 以上5回に分けて理由を表現する語句をリストアップしましたが、いずれもbecause of ,  asa  result of などの語で、ニュアンスは消失しますが、書き換え可能です。

 英文の文意を迅速に得るには、例えば  in the  light ofを 〜に照らして、などと訳さずに、〜ゆえに、とさっと脳内変換すると良いでしょう。修辞的な表現に惑わされず、まずは第一に英文の論理構造を読み取ると英文解釈がすっきりと効率的に進みます (これが正直英文解釈のキモであり、或いは同時通訳などにも利用出来るでしょう)ので頭に入れておいて下さい。








理由と原因を表す表現C


2020年6月10日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 理由と原因の表現について5回に分けて扱います。その第4回目です。




in doing

・used to show when doing one thing is the cause of another thing happening:

あることが次のことの原因となることを示す。 〜した結果、次に  〜したがゆえに


In refusing (= because she refused) to work abroad, she missed an excellent jobopportunity.

 海外で働くことを拒否したので、彼女は素晴らしい仕事をする機会を失った。


The government banned tobacco advertising and, in doing so (= because of this),contributed  greatly to the nation's health.

 政府はタバコの宣伝を禁止したが、これを行ったがゆえに、国民の健康に多大の貢献をした。




in that (formal)

= because:


This research is important in that it confirms the link between aggression andalcohol.

 この研究は攻撃性(敵意)と飲酒との間の関連を確かめるものであるがゆえに重要である。



cf. now (that)

・You use now that to give an explanation of a new situation:

 新しい状況を迎えたことの説明を与える。今や〜なので、今や〜と言う次第で


Now that I live only a few blocks from work, I walk to work and enjoy it.

 今や仕事場から僅か2,3ブロックのところに住んでいるので、徒歩で仕事に出掛けそれを楽しんでいる。


Feeling better now that we're through

 あんたと破局して気分がいいわ。(Linda Ronstadt の You’re No Good の歌詞の一節)




in the light of UK

in light of  US

(idiom)

= because of something  〜のゆえに

= as a result of something: 〜の結果として


In the light of recent incidents, we are asking our customers to take particularcare of  their  personal belongings.

最近発生している事件を鑑みて(最近事件が起きているので)、我々は顧客に身の回りの品に特別注意するよう要請しています。


cf. ask someone to do 〜する様に要請する、頼む


In light of problems we're having, we have no choice but to close the business.

 我々の抱えている問題が原因で、我々はビジネスを中止せざるを得ない。




in view of sth (idiom)

・because of a particular thing, or considering a particular fact:

特別な理由ゆえに、特別な事情を考慮すると、特に考慮すると


In view of what you've said, I think we should reconsider our proposed course ofaction.

 君が言ったことを特に鑑みるに、我々は提案された行動指針を再考した方が良さそうだ。




inasmuch as

・used to introduce a phrase that explains why or how much something describedin  another part of the sentence is true:

 文の他の部分に述べられていることが何故に或いはどれほど本当であるかを説明する用法

〜だから、〜である限りは・・・当然だ

 

Inasmuch as you are their commanding officer, you are responsible for thebehaviour of  these men.

 君は彼らの指揮官なのだから、彼らの行動に責任があって当然だ。




of

・used to show the cause of something:

 原因、理由を示す of の用法


He died of a heart attack.

 彼は心臓発作で亡くなった。


Penny is frightened of spiders.

 ペニーはクモに驚いている。


I’m tired of all this criticism.

 これだけの批判を受けたことが原因で私は疲れている。

→こんなに批判を受けてしまい嫌気が差している。

→このような批判にはうんざりだ。




out of


I took the jobout of necessitybecause we had no money left.

必要ゆえに職に就いた。なぜならもう一銭もなかったからだ。


You might like to come and see what we're doingout of interest(= because Ithink you might be interested).

 ひょっとしてあなたが興味を持って我々が何をしているのか見に来てくれるといいのですが。


We didn't publish the details,out of consideration forthe victim's family.

犠牲者の家族を考慮して詳細については出版しなかった。


She decided to call her ex-boyfriendout of curiosity.

 彼女は好奇心から(=どうしているのかと思って)元カレに電話することにした。


He only went to see herout of duty.

 義務感から彼は彼女に会いに行っただけだ。


Justout of interest, how old is your wife?

  ホンの好奇心から聞きますが、奥さんのお歳は幾つですか?


She finished with him and,out of revenge, he told her husband about their affair.

 彼女は彼に別れを告げたが、彼は仕返しに彼女の夫に二人の関係をバラした。

cf. love affair 情事、浮気




owing to

= because of:


The concert has been cancelled owing to lack of interest.

関心が集まらない(興味を引かず集客出来ない)のでそのコンサートは中止されたままです。




by reason of  (formal)

= because of


He's always asked to these occasions by reason of his position.

地位ゆえに彼はいつもこれらの行事に出るよう頼まれる。


cf. reason to do,  reason for,  for reason 日常的に頻用される表現です

 

I see no reason for us to depart from our usual practice.

 我々がいつもの練習から離れる何らの理由も見えない。


Car exhaust is the main reason for the city's pollution.

 排ガスは都市汚染の主たる原因である。

 

I go to church for weddings but not for any other reason.

  私が教会に行くのは結婚式のためで、他の理由は全く無い。


For some reason the story caught the imagination of the public.

 何らかの理由で、その物語は公衆の心を捉えた。


cf. capture (catch) the imagination of

 〜の心を捕える


We made this decision purely for financial reasons.

 我々は純粋に財政上の理由からこの決定を行った。



*理由を文章で述べる場合は reason why  〜と言う理由、となります。


 I don't know (the reason) why she left school..

彼女がどうして退学したのか理由が分からない。

= I don't know the reason for her withdrawal from school.








理由と原因を表す表現B


2020年6月5日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 理由と原因の表現について5回に分けて扱います。途中、和文英訳のコラムを急遽押し込みましたが、また元に戻します。その第3回目です。




dint

by dint of sth (formal)

・as a result of something  〜の結果


She got what she wanted by dint of pleading and threatening.

 あの女は泣き落としと脅しで欲しいものを手に入れた。





due

due to

= because of

 意図的では無い原因(天候、状況、病気)を示します。


A lot of her unhappiness is due to boredom.

彼女の不幸の多くは倦怠に由来する。


The bus was delayed due to heavy snow.

大雪のためにバスが遅れた。


The game has been cancelled due to adverse weather conditions.

 不都合な天候状態ゆえに試合はキャンセルされました。


The problems might be due to a shortage of disk space

 問題はひょっとするとディスクの空き容量の不足に拠るかもしれません。


Due to computer problems, the checks will be late.

コンピュータートラブルのため会計は遅れます。


He is the first to admit that much of his success is due to his good looks.

 成功の多くは自分がハンサムだからと彼は真っ先に認めた。


cf. Scott was the first man to reach the pole.

 スコットは極点に到達した最初の人間だった。

  Scott was the last man to reach the pole.

  スコットは全く極点に到達しそうもなかった。

= スコット以外の全人類が極点に到達して彼が最後に到達する。

She had five days off work due to illness.

 病気のため彼女は仕事を5日離れた。


Due to injury, the team captain was forced to withdraw from the match.

 怪我のため、チームの主将はその試合への不参加を余儀なくされた。



cf. due

・expected to happen, arrive, etc. at a particular time:

 特定の時に起きる事が期待される


The next meeting is due to be held in three months' time.

 次の会合は3ヶ月後となっています。


Their first baby is due in January.

 2人の最初の赤ん坊は1月の予定です。


cf.  in due course(formal)

・at a suitable time in the future: 未来の適当な時に、その内


You will receive notification of the results in due course.

 結果の通知はその内届きます。




for fear that/of sth

・because you are worried that a particular thing might happen

 ある特定のことがひょっとして起きるのではないかと心配するゆえに、〜をおそれて


They wouldn't let their cat outside for fear (that) it would get run over.

逃げ出すといけないからとの理由で彼らはネコを外に出そうとはしなかった。


I didn't want to move for fear of waking her up.

彼女を起こすとマズいので動きたくなかった。


I didn't say anything for fear of (= because I was frightened of) offending him.

 彼を立腹させるのを恐れ、私は何も喋らなかった。




for

preposition 前置詞として

= because of  〜のゆえに、〜だから

= as a result of something: 〜の結果として

理由を手短に述べるのに便利な用法です。


I'm feeling all the better for my holiday.

 今日は休暇だからなおさら快適だ。


"How are you?" "Fine, and all the better for seeing you!"

 ご機嫌はどうですか? いいよ。君に会えたからますますいい。


She did 15 years in prison for murder.

 殺人を犯した結果(殺人を犯したゆえに)、彼女は15年刑務所で過ごした。


I don't eat meat for various reasons.

 様々な理由から私は肉食はしません。


I couldn't see for the tears in my eyes.

 涙で目が見えなかった。


He's widely disliked in the company for his arrogance.

 傲慢故に彼は会社で広く嫌われている。


She couldn't talk for coughing (= she was coughing too much to talk).

 咳が出て彼女は話すことが出来なかった。


Scotland is famous for its spectacular countryside.

 スコットランドは壮大な田園風景で有名だ。


He's best remembered for his novels.

 彼は執筆した小説のお蔭で良く名が知られている。



conjunction

(理由、根拠の従属節を付け加える)接続詞 として

= seeing that; since 

Introducing a detailed proof 詳細な根拠を付け加える

= This is because 〜

(前に述べたことの理由、根拠を示す) と言うのは〜だからだ、〜と言うことを鑑みると


This is no party question, for it touches us not as Liberals or Conservatives, butas citizens.

 これは党派的な問題では全然無い。と言うのは、それは自由党員とか保守党員としてでは無く市民としての我々に関与する問題だからである。


*過去の大学入試問題の英文を見て怪訝に感じたのですが、前文を受け、新たな単独の理由文を立てて For --. と言うのは〜だからだ、とする例は通常の英文では見ません。理由を表す従属節を単独の文章として使う事は破格(なぜですかの疑問文に答える場合は別)であることに加え、for は前置詞としても多様な意味を持ちますので、意味が取りにくくなります。新たな文で前文内容の理由を述べたいのであれば、This is because 〜これは〜だからだ、In  other words 換言すれば、That is (to say) 即ち、などの明確な記述をすべきでしょうね。入試問題だからと言ってまともな英文である保証はありません。




from

不幸、幸福になった原因、理由を示す。


He was rushed to hospital but died from his injuries.

彼は病院に担ぎ込まれたが怪我が元で死んだ。


She made her money from investing in property.

彼女は資産(不動産)に投資して金を稼いだ。


He made a fortune from sales of the book.

彼はその本が売れて財を成した。


You could tell she wasn't lying from the fear in her voice.

その怖がっている口調から彼女が嘘を言ってないことが君は見分けられただろう。


cf. can tell that or sth 〜と言う事が分かる、見分けられる


Wearing the correct type of clothing will reduce the risk from radiation

正しいタイプの被服を着用すれば放射線被爆を低下出来るだろう。


The number of deaths from road accidents continues to rise.

交通事故が原因の死者数が増大し続けている。








入試和文英訳D 2020東北大学



2020年5月20日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 和文英訳の問題を<解読>してみよう、のコラムの第5回目です。

 入試英文添削の時と同じく、完成形?に至る塾長の考え、迷いなど思考のプロセスをご覧ください。他ではちょっと見られない企画だろうと思います。




誰もまだ到達したことのない未知の世界を究めてみたい、美術、音楽などの芸術の世界から芸能の世界まで、そんな純粋な要求が文化を支えている。サイエンティストと呼ばれる一群の人々は、この知の限界に挑戦することを楽しむ人々である。その成果だけではなく、知の限界への挑戦のプロセスそのものを含めて、それが「文化」なのだ。「文化」には役に立つ、立たないの区別は意味を持たない。

 (東北大2020年前期 )




【和訳の基本戦略】


*サラリと書かれた感じの一見伸びやかに見える日本語であり、平易な表記ながらも知性が感じられます。但し、各々の文章内容の連続性が悪く、次の文章に行く度に思考の相転移が起き、ぶっきらぼうな雰囲気も多少覚えます。これはのちに触れますが、階調 gradation の伴わない、悉無的表現、断定が続く硬い文章だからです。


*美術などの「世界」に於いて誰も到達したことの無い「世界」を究めるならば、それは自分たちが所属する「世界」とは別の「世界」となります。ここでは自分たちが属する世界の中で到達したことのない領域に踏み込みたい、到達したいとのことでしょう。この様に、煮詰まっていない記述が含まれています。まぁ、感覚的には言いたいことが分かるものの、細部を詰めるとほころびが出る文章ですね。推敲の不足するエッセーですが、この様な思いつくままに述べる内容でしたら1日に原稿用紙数十枚はサラリと書けるだうと想像もします。但し、この程度では後世の人達からは忘れ去られるでしょう。


*エッセー風の和文によく見られる事象ですが、日本語固有の通りの良いエエカッコシ文化人用語が配列され、持論が展開されるのですが、吟味すると正確には何を表現したいのかの曖昧性を含み、雰囲気で他人を引きずって行こうとのレベルのものが多いと感じます。この意味で<解読>に難儀するゆえ、この様なレベルのエッセー或いは評論もどきが、和文英訳の問題に好んで多用されるのでは、と思います。


*主張する内容は月並みで新奇性novelty は有りません。逆に言えば、その様な月並みな主張のパターンを、英文解釈であれ和文英訳であれ一定程度頭の中にインプットすれば受験はスイスイ行けそうです。

 塾長のコラム 2019年9月15日  『lost in translation 』  

 https://www.kensvetblog.net/column/201909/20190915/

で触れましたが、上田敏の訳詩に際しての覚悟の様な高度な技能は求められません。所詮は入試問題なのですから。実力のある方はセンスの良い受験参考書を入手して自己演習に励めば相当の実力は涵養出来ると想います。基本、勉学にはゼニを掛けずに頭そのものを使え、です。


*和訳出来る箇所からさっさか直訳風に作成し、仕上がった荒削りな文章に、試験の時間配分を考えながらせっせと鉋掛けし語句の断片を糊付けする方針で行きましょうか。得点/時間のコストパーフォーマンスを考える事が入試では大切です。




【和文の大意】


*<芸術、芸能、科学の分野を問わず、非功利主義的に自分が興味を抱く未知の分野を究めたいとの欲求が文化を形作る。




【英語化し易い和文への変換】


*英語風な表現に変換すると


「美術、音楽などの芸術や芸事の世界に於いて、誰もまだ到達したことのない領域を追い求めたいとの純粋な欲求がそれらの文化を支えている。実は科学者と呼ばれる一群の人々も知の世界の限界を追及することを楽しむ人々である。科学的成果を得ることだけでなく、知の限界を追い求める過程そのものが科学の文化を形作る。そこでは実用的かそうでないかは問題にならない。」




【英文化の要点】


 おさらいとなりますが、


*大意を掴んだ平易な英文をまず作り、今度は日本語の文意に正確に近づけるべく、英語の表現を練っていきます。


流れとしては、


 @和文の修辞、日本語固有の表現をはぎ取り論理的且つ平易な文章に直す

 A自分の知っている平易な英語にさっとひとまず英訳(これでそこそこの配点は得られる)

 B和文原文のもつ意味合いに修整、推敲(時間的余裕があれば)


 となります。




塾長の解答1】


In the worlds of fine art, music and performing arts, pure desire to explore thearea  where   no one has ever reached helps maintain their culture. Actually, agroup of people  called  scientists as well enjoy pursueing the limit of the world  of knowledge. Not only the  scientific results obtained  but also the process ofpersueing this limit itself constitute the  cultute of science, where whether tobe useful or not can be out of the question.


「芸術、音楽、芸事の世界に於いて、誰も到達していない領域を探索したいとの純粋な欲求がそれらの文化を支える。実のところ、科学者と呼ばれる一群の者達もまた、知の世界の限界を追及することを楽しむ。得られた科学的成果のみならずこの限界を追い求める過程そのものが、科学の文化を構成するが、そこでは役に立つ立たないは問題外となり得る。」




*日本語の言葉通りに和訳してみました。ややごてごてした英文になりました!


*from A to B で、AをスタートとしてBに至る場所、時間の範囲等を表す副詞句(動詞を修飾する句)として機能し得ます。

 例えば、The train runs from Tokyo to Osaka. その列車は東京から大阪まで走る。


しかし上記表現のケースでは、時間要素 A から B まで、from cradle to grave 揺りかごから墓場まで、或いは場所要素 from Tokyo to Kyoto を扱うのではなく、芸術、芸事などの対等な種目(本質的に序列は無く、どこが始まりでどこが終わりかもない)について述べる訳ですから、 日本語そのままを受けて from to で括るのもどうかと言うところです。芸術関係の分野を網羅したいとの意味と思いますが、単に科目を並べるだけで良い様に思います。勿論、純粋芸術から大衆芸能まで、との序列を強調したいのであれば、In theworlds of from fine art, music and to performing arts と表現出来ます。


*In the world of art including fine art, music and performing arts  美術、音楽、芸事を含めた芸術の世界では、としても良いでしょう。including を such as 〜と言った、に置き換えてもOKです。



*<誰も到達した者のいない未知の世界を追い求める>、ですが、到達して居なければ未知ですので冗語表現です。そこで<未知>を削り、<誰も到達していない領域を探索する>とします。


*日本語で頻用される<世界を追い求める>、の表現は意味不明です。<私は日本在住ですが日本を追い求めたい>とは言わず<私は日本在住ですがまだ行っていない日本の地方を探訪したい>の正確な表現から考えて下さい。そこで、その世界の中の未知の領域を探索する、に置き換えます。限界を追い求める、との表現はまぁOKでしょう。


*<限界に挑戦する、挑む>も頻用される日本語表現ですが、オレの方が強いはずだと敵に挑んで相手を制圧しなぎ倒そうとするのが<挑戦>ですので、限界を相手に戦うとの用法は適当ではありませんし、to challenge the limit と英語に直訳すると、限界をなぎ倒したい、となり意味不明となります。日本語では雰囲気的に多用される言葉 challengeですが、典型的な<躍る日本語>表現と感じます。challenge  を利用する時にはその前に<対象がなぎ倒すべき相手かどうか>一度考えて下さい。この相手は勿論既成概念でも自分の心の殻でも構いません。それを打ち破りたいとの気持があれば challenge は使えます。


cf. challenge:  n 挑戦、挑戦すべき課題、挑戦したくなる課題、やり甲斐

  a challege to humankind  人類に向けた挑戦すべき課題 (人類に対する挑戦ではありません!) 

  to challenge   vt. 敵、課題にそれを凌駕すべく挑戦する;

            (自分の方が正しいと相手に)異議を唱える、〜と主張する to claim


cf. maintain their cultute  

 support their culture とすると、他のculture ではなくそれらの culture を応援するとの意味にもなります。この場合の<支える>は、凹まないように維持させる、ですので、より明確に maintain としました。他に、raise their  culture, develop their cultute 文化を育てる、発展させる、なども可能ですが  maintain or sustain でよいでしょう。


cf. desire to do  〜したいとの欲求、希望、欲望  ここでは「要求」ではなく「欲求」ですね。

  demand は、金銭を要求するなどのシーンで使います。


cf. actually 実は、実のところ(文全体を修飾する用法)


  in fact  それどころか本当は  

≒ as a matter of fact  本当のことを言うと、ぶっちゃげた話

 

  similarly は、全く同様に (文全体を修飾する用法)の意味ですので、これは使わない方が良いでしょう。


cf as well:   also  〜もまた 

芸術家連中が誰も到達していない領域を探検したがる、科学者<もまた>知識の限界を追い求める


cf. constitute:  to compose, form 構成する、形作る

   B, C and D constitue A          B, C,及びD は A を構成する


  A consists of B, C, and D       A はB, C,及びD から成る

  A is composed of B, C,and D    A はB, C,及びD から成る (やや硬い表現)



cf. out of the question 問題外だ、問題の外にある、問題として扱われない、相手にされない

 科学者自身が役に立つ立たないかは問題では無いと考えても、資金を出す世間側は何か現実世界に役に立つのかの視線で見ますので、can be として、その様な(=有用性を問題にされない)場合もあり得る、としました。或いは<科学者>を明確に主語に据えて

 where scientists regard it to be unimportant whether to be useful or not とする手もあります。


  beyond question 疑いなく、確かに、は誤用になります。

   be open to  question 疑問へのドアが開かれている→誰でも質問して良い→未解決の問題だ

 = the question is not yet solved


cf. whether A or B   AかBか (ここでは名詞句扱い) 

   whether to do A (or not)      Aすべきか否か  

  whether to do A or to do B   AすべきかBすべきか


To be or not to be: that is the question.

生きるべきか死ぬべきかそれが問題だ(ハムレットの台詞)  that は前文内容を示します。

=  whether to be or not to be: that is the question.

→ It is a question whether to be or not to be.


cf. where = in the culture of science

科学に限らず芸術やその他を含め、文化には有用性は問われない、との主張ですが、<科学を含め全ての文化に於いては、役に立つ立たないは問題では無い>と新たに文章を立ち上げるのも大仰と考え、科学の文化に於いて、と限定させました。主張したい意味は通るでしょう。where を in which としても良いでしょう。




【塾長の解答2】


In each scene of fine art, music, performing arts, and so on,  pure desire topursue   novelty helps sustain its culture. In the academic world as well,  scientists enjoy    pursueing their  intellectual horizons. Not only obtaining thescientific results but also  pursuieng the limit itself forms the cultute of science.Whether to be practical or not is   unimportant in there.



「芸術、音楽、芸能その他のおのおののシーンで、新奇性を追い求めたいとの純粋な欲求がそれらの文化を支える。学問の世界でも同様に、科学者達は自分たちの知の限界を追い求めることを楽しむ。科学的成果を得ることのみならず限界を追い求めることそのものが、科学の文化を形作る。その中では現実に役立つ役立たないかは重要では無い。」




*music scene ミュージックシーン、音楽界などと普通に表現されます。world はちょっと大仰かもしれないと考え、scene としてみました。


*<サイエンティストと呼ばれる一群の人々> 実は意味を持たない日本語の修辞です。<一群>の表現で pure science や medical  science など広義の科学の世界に関与する科学者と言いたいのかと受け取れますが、そうすると医学などの応用科学分野では、役に立つことが大切な価値観ですので、あとの文章が矛盾して続かなくなります。単に<科学者たち>と表記すれば良いでしょう。


* enjoy doing 〜することを楽しむ


cf. intellectual horizons :  horizons 複数形で(思考・知識などの)範囲,限界; 視野(of,in)

 

*to enlarge the intellectual horizons 知の水平線を拡大する、と日本語で頻用されますが、<水平線>は拡大など不可能ですので<今見えている領域の限界線、境界線を更に先に押し進める>の意味から、知の<領域>を拡大する、の日本語表記を当てるのが適当でしょう。因みにもともと horizon は境界線の意味です。


cf. the process は不要と考え削除します。


*the limit = the intellectual horizons 知的限界


cf. practical 現実生活に役立つ、実用的だ 

 科学的成果の中には宇宙の進化が分かったとか、テナガザルがどのようにして<ぶら下がり移動>を開始したのか推測した(塾長の本業!)、などが含まれますが、これらは学問的には valuable だろうと思いますが、工業面での発明などと異なり、useful orpractical とは世間は認めないでしょう。ここでは useful のままでもOKです。useful toour daly lives 我々の日々の暮らし、人生に役立つ、との意味です。


cf. utilitarianism 功利主義

the ethical doctrine that virtue is based on utility, and that conduct should bedirected   toward  promoting the greatest happiness of the greatest number ofpersons.

役に立つことを美徳の基盤に置き、最大数の者が最大幸福を得られる様に指揮推進する倫理教義。

 (from Random House Webster's Unabridges Dictionary)

   it is beyond utilitarianism.功利主義を超越している、で正しいですが、この哲学用語は思いつかなくて当然です。


*beyond calculating  profit and loss 損得の計算を超えて、だと商行為の方に絞られすぎるでしょう。


cf. not important = umimportant 重要では無い 

 真の意味で実利性が問題とされない科学分野は理学 Science ですが、話が前後しますが、ここではその様な pure science の世界の話だと解釈するしかありません。なんとなれば、工学や医学では自分の研究テーマが如何に現実の役に立ち得るのか、科学研究費補助金を獲得しまた自己のポストを守る為には、常にアピールしなければならないからです。詰まりは人間生活に役に立つ(成果を挙げる)ことが常に鋭く問われる世界です。


*まぁ、儲かることや役に立つ事ばかりを考える(功利主義)のではなく、追い求めることそれ自体が学問芸術の根幹だとの主張です。勿論、得られた成果をアピールして軍資金(=対価ではなく飽くまで寄付金、協賛金の形)を沢山得るに越したことはありませんが。


* there = in the academic world  

  in there の in は省略可能ですが、その世界の中での、<中で>を強調すべく付け足しました。詰まり、<外部の世間は兎も角も、彼らの内々では>、の意味を表し、科学者自身の価値観の世界では、と言う事を強調します。in there を、 for them 彼らにとっては、としても良いでしょう。in there  の in にアクセントを入れて発音します。




 和文英訳の問題に接して感じますが、悉無的表現に階調 gradation を添えてまともな日本語をまずモノして欲しいと、注文したくなる様な日本語が多いですね。英文和訳の入試問題のコラムで書いたことですがこれまた見た事も無い奇矯な英文が出たりで、受験生を意図的に誤解に誘導する意地の悪さを含ませているのかと感じもします。こんな按配で塾長も入試英語に接すると正直疲れを覚えることが多いです。奇妙な出題文に対して、まず英−英変換、日−日変換に頭脳パワーを浪費させられるからです。何故低レベルの説教臭い三流評論もどきの内容を、塾長が過去30年一度も見たことも無い様な妙な文章で記述し、受験生側の迷いを生むような真似をするのかと甚だ残念に感じています。パズルを解かせる方針なのでしょうか?しかし語学がパズルであるとすれば哀しい話です。

 今回採り上げた和文英訳の問題で一番伸びやかでそれでいながら受験生の英語力を問う好出題が京都大学のものと感じました。敢えて分かり難い、言語表現として稚拙な問題文を掲げる大学は、出題する英語担当教員(英文科所属?)の精神が時代錯誤的 (anachronic) なのではと塾長は率直に考えます。戦前の旧制高校での教養科目の授業が非常に優れていたと聞きますが、この様な英語の出題傾向は、その中の、排除すべき悪しき因習部分をひょっとして引きずっているものかなどと想像もしています。

 この様な事を考えると、大学入試の英語科目は適宜廃止し、公平性と客観性が担保されればですが、他の英語資格の成績点数で代えるのも合理的かなと思います。

 受験生の方々は入試英語とはこんなものだと割り切って入試をくぐり抜けてしまい、早く大学生になって羽ばたくのが最善です。当塾としても大学生以上の方、社会人の方に対して英語指導を行うことを旨としており、入試英語指導を直接のターゲットにはしていません。




 入試の英作文は相手側が出した課題を上手く和訳する操作に過ぎず、受け身での英文作成ですが、自身がオリジナルな内容を和文で作成しそれを英語に変換しようとする過程で(勿論、最初から英語で執筆し始めるのもOK)、英語の実力が真に自分の血肉となる様に思います。自分が言いたいことが本当に英語で十分に表現し得ているか、それが native に大きな違和感なく読んで貰える内容か、などと一語一句から推敲する必要がありますが、それを通じて力が付く訳です。最終的に rewrite を依頼する native (勿論教養水準の高い相手)との間で、本当は斯く斯く然々のことをこの点で表現したいがより適切な表現はあるかなどと遣り取りすること自体が書き言葉としての英語力を高めてくれます。

 世には受験産業として医学部専門予備校などが沢山有り(学費は年間数百万はザラです)、そこでの英語担当は過去の予備校勤務にて合格実績が豊富な者がより集められているものと推測しますが、相手(大学)が出した問題を受け身的に対応し、入試動向に合わせた知識の切り売りをし、生徒の尻を叩き医学部に送り込むのが職責です。入試までの時間も限られ、また他の科目との兼ね合いもありますので、じっくり英語の本格的な指導を行いたくとも行う事は不可能です。入試動向に照準を合わせ、エッセンスを効率よく指導するのでしょうね。尤も、彼らの努力で希望する学部に押し込んで呉れ、人生への道を開いて呉れますので、明確性の低い授業をダラダラ続ける高校英語教師よりは予備校講師の方が遙かに感謝されるのは事実でしょう。但し、指導を受けて技術的に英語の得点は取れる様になり目出度く大学に入学を果たし得ても、英語に苦手意識を抱いたままの者が日本にごまんと存在するのが現実です。入試英語は一度忘れてしまい、最初から英語をじっくり学び直すべきですが、その様な場は大学にはありません。東大や医学部に入学しようが英語圏で moderate scientist と呼称される者 (教養としてNatureやScience の内容が読み取れるクラス)が普通に読みこなす英語論文がスラスラ読めませんし、ましてや論文執筆など出来ません。これらは自前で経験を重ねて実力を身に付ける他はなく、例外は除き指導はされません。お困りの方は高度な教養レベルの指導者がコーチする当塾を是非活用戴ければと思います。

 これまで過去5回に亘り、英訳の問題を解き明かしましたが、これらは英文を作成するに際しての推敲過程そのものを例示します。詩歌の翻訳でもありませんので常にこの様な時間を掛けての検討は不必要ですが、塾長の遣り方を参考にじっくり改訂する<入試英語後の>プロセスを一度経験しておくと良いと思います。まぁ精読ならぬ精訳ですね。この様な自分なりの思考過程を身に付けておき、将来ご自身がオリジナルな中身を持った際には、それを世界に向けて意図が正しく伝わる様に発信して下さい。必要は成功の母と言いますが、脂汗、冷や汗を流し、赤っ恥をかきながらでも確実に英語力が身に付くはずです。

 全5回の2020年入試和文英訳のコラムは今回で終わり、次回からまた、主に大学入学後の方々を対象とする英語表現のコラムに戻ります。








入試和文英訳C 2020大阪大学U



2020年5月15日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 和文英訳の問題を<解読>してみよう、のコラムの第4回目、引き続き阪大の入試問題を紐解きます。

 入試英文添削の時と同じく、完成形?に至る塾長の考え、迷いなど思考のプロセスをご覧ください。他ではちょっと見られない企画だろうと思います。




(B)(イ)

本を読むときも、著者の考えをそのまま無批判に受け入れ、その内容について自分では考えないで他の人に伝えるのでは本を読む意味は有りません。大切なことは、読書を通じて、自分のそれまで持って居た考えや生き方を振り返って吟味し、さらには、自分の生き方を見直すということです。


(ロ)

歴史上の事実について書く事は傲慢なことだ。ペンを持つ人間は、既にすべてが終わっている特権的な場所から、実際には見ていないことをまるで見てきたように書くのだから。


(阪大2020年前期 外国語学部以外)




【和訳の基本戦略】


日本語に特に勿体ぶった修辞語句を加えたり衒学趣味的に漢語を用いたりはしておらず、極めて普通の日本語です。但し、逐語的に英訳すれば奇妙な英文となりますので、最初に行うべき事は、論理的表現且つ平易な日本語に置換する操作となります。


*前回指摘したのと同様、(B)(イ)の最初の文は、頭の内容を整理せずに物事を主張する時の、言わばポッと出しの口語の様な体裁の文章です。どこが主語(主題)でそれに対応する述語がどれなのか、文章の構造がどうなっているのか、その意味内容としては今ひとつ明確性に欠けるところがあります。文章の土台である述語部の<本を読む意味がありません>に対する付帯状況・修飾語(主題、主語含む)の配列がスマートに整理されておらず混乱している様に見えます。英訳する前に明確性の高い日本語に rewrite しないと訳せません。


日本語では話し手が一番叙述したいカナメの部分が文末に来て、一方英語ではカナメな部分を最初に持ってくる特徴を考え、<逆転法>で英文を作成する割り切りも有効だろうと思います。戦後まもなく出版された英語の教科書の Revised Jack and Betty 用の参考書(塾長の父親が使っていました)では、確か、漢文の返り点を付けるような文章理解の解説が為されていましたが、これには一定の合理性があります。(B)(イ)では<本を読む意味はありません>を英語の文頭で延べ、次いでその内容を順次継ぎ足していくとの単純明快な割り切りでも良いと思います。2番目の方は、<〜は大切です>を英語の文頭に持って来て文章を拵えますが、ここでは日本語の強調表現で、もともと文頭に置かれていますね。


*(B)(ロ)の方ですが、<既にすべてが終わっている特権的な場所から>が意味不明です。<既にすべてが終わっている過去に対し、特権的な立場から>と解釈すべきでしょう。まぁ、推敲の足りない、よく見られる類いの悪文を入試にぶつけて来ましたが、普段から日本語の文章の改訂(これには絶対的な経験量が必要ですのでトシの功が矢張りモノを言います)には手慣れていない若き受験生泣かせの問題とも言えそうです。しかし、傲慢、特権の日本語が躍っています。もっと平易で適切な語の採用を考えたいところです。



(B)(イ)の最初の文をカッコで括ると、


(本を読むとき)も、{(著者の考えをそのまま無批判に受け入れ、その内容について自分では考えない)で他の人に伝える}のでは(本を読む意味は有りません)。


 とでもなりましょうか。まず、頭の中では本を読むときの内容を採り上げようと、<本を読むときも>と第一声を発し、次に言いたいことの内容を述べ、最後にその様なことをしていると読書する意味がなくなります、とまた付け加えるように本音を述べています。第一声で注意を喚起する訳ですが、文章としては<本を読む>が重複しています。

 まぁ、耳から時間的にリニアに聴いて理解する口語では、文章の一番最後に言いたいことのキモが配列する日本語の構造ゆえ、<今はこのテーマで話しています>の主題の提示を言葉を変えながら繰り返して差し挟んでいくことは極めて普通のことであり、活字化する時は重複を消し去ると良いでしょう。文章内での言葉の稚拙な重複は別として、科学論文などて相手に理解が難しいと思われることを記述する場合は、別の文章でくどいぐらいに(表現を変えて)言葉を繰り返して明示性を増す操作を加えますが、これは情報の重畳(ちょうじょう)性と呼び、意図して行うものです。




【和文の大意】


(B)(イ)

*<批判的に読書し、自分の見解を伴い内容を相手に伝えることが大切だ>、<読書を通じて自己の来し方を振り返り人生の軌道修正を行うことが大切だ>ですね。


(B)(ロ)

*<歴史家は、変えることの出来ない、自分が経験もしていない過去を、好きな様に論評する点で傲慢だ>




【英語化し易い和文への変換】


*英語風な表現に変換すると


(B)(イ)

「著者の考えをそのまま批判せずに受け入れたり、内容をそのまま他人に報せるのでは読書の意味は無い。本を読み自分の過去を振り返り、今後の生き方を再考することが大切だ。」


「著者が言うことを批判せずに本を読み、或いは自身でレビューすることなく単に中身について他人に知らせるならば時間の無駄になる。読書を通じて過去にいかに生きたか、未来になにをすべきかを君は再考すべきだ。」


「著者が主張することを批判して読書し、中身を自分なりに批評して他人に伝えることが大切だ。それは、自分の過去を振り返り、将来を考えるのを助けるだろう。」


(B)(ロ)

「歴史について書く事は傲慢だ。なぜなら、動かせない過去、実際には自分が見ていない過去を、まるで見てきたように特権的に書くことだから。」


「歴史家は自分勝手だ。というのは、変えられない、経験し得ない過去の真実をあたかも見てきた様に自由に書くからだ。」


*塾長はワープロを使いながらこのコラムを書いている訳ですが、文章の順序を入れ替えたり語句を品詞変換して移動したりが容易に出来ます。ワープロも利用出来ない受験会場では日本語−日本語変換も楽では無さそうですね。


*前回も述べましたが、阪大の和文英訳は、日本語の交通整理をするのに時間が喰われてしまうと改めて感じます。




【英文化の要点】


 おさらいとなりますが、


*大意を掴んだ平易な英文をまず作り、今度は日本語の文意に正確に近づけるべく、英語の表現を練っていきます。


流れとしては、


 @和文の修辞をはぎ取り論理的且つ平易な文章に直す

 A自分の知っている平易な英語にさっとひとまず英訳(これでそこそこの配点は得られる)

 B和文原文のもつ意味合いに修整、推敲(時間的余裕があれば)


 となります。




【塾長の解答1】


(イ)

You will surely waste time if you read a book without criticizing what the authorsays or   just  inform others of its contents without reviewing in your own way.  It is important for  you to reconsider how you lived in the past and what  youshould do in the future through  reading books.


「もし著者が述べていることを批判することなく本を読んだり、或いはその中身を君自身の遣り方の評価なしで単に他人に報せるだけであるなら、君は確実に時間を無駄にするだろう。過去にどの様な生き方をしたのか、未来に何を為すべきかを、本を読むことを通じて再考することが大切だ。」


cf. say 書いてある  The  book  says...その本に書いてある


cf. to inform someone of  人に〜のことを知らせる




(ロ)

I think it is arrogant to write about history. This is because to write abouthistory is to   deal  in a favorite manner  with  the past events that cannot bechanged nor experienced.


「僕は歴史について書く事は傲慢だと思う。なぜなら、歴史について書く事は、変えることの出来ない、また経験することも出来ない過去の出来事をお気に入りの遣り方で扱うことだから。」


cf. deal with 扱う


cf. not A nor B   A でも B でも無い



*arrogant 傲慢な、の単語を思いつかない場合は、selfish 自分本位だ、自分勝手だ、自分のことしか考えない、自分のことばかり優先する、とする手もあります。

 I think the historians are selfish because.... となりますが意味は通じます。


*<特権的>の表現が浮いている様な気がしました。見てきた訳でも変えられる訳でもない過去を好きに解釈して述べるのですから in a favorite manner 気に入った遣り方で、としてみました。

freely 自由に、でもよいでしょう。


cf. experience は経験の名詞の他、他動詞として経験する、経験を通じて学ぶ、の意味を持ちます。

= to have experience of; meet with; undergo; feel

= to learn by experience.


*deal with を interpret 解釈する、understand 理解する、に置き換えても良いでしょう。



そうすると、以下に書き換えられます:


I think the historians are selfish because to write about history is to interpretfreely the  past events that cannot be  changed nor experienced.


「僕は歴史家は自分勝手だと思う。なぜなら、歴史について書く事は、変えることの出来ない、また経験することも出来ない過去の出来事を自由に解釈することだから。」




【塾長の解答2】


(イ)

It's no use reading a book without criticizing it, or just  informing others of itscontents    without  reviewing for  yourself.  You shoud reconsider how you livedin the past and  what  you will do in the future through reading books.


「批判することなく読書したり、自分で批評せず単に本の中身を他人に知らせたりするのは無駄である。過去にどの様に過ごしたかまた未来に何をするのかを読書を通じて君は再考すべきだ。」


cf. It is no use doing  〜するのは無駄だ、止めた方がいい


cf. do sth for oneself  自分(一人)で〜する。独力で〜する



*〜しないのはけしからん、無駄だ

→〜する事はとても大切だ、  と否定的表現を反転し、肯定文にする手もあります。


すると、


It is very important for you to read a book in a criticizing manner as well as  toinform  your  friends of its contents with  your own review. This will surely helpyou think how you  lived in the past and  what  you should do in the future.


 「批判的な遣り方で読書し、また友人には君自身の批評を伴い中身を伝えることがとても大切です。こうすると、君が過去にどう過ごしたか、そして今後どう過ごすべきかを考えるのに必ず助けとなるでしょう。」


と、中学で習った英語でスッキリ作文が出来てしまいました。


cf. help someone (to) do  人が〜するのを助ける、助けとなる





(ロ)

I regard the historians to be arrogant. To write about history as if actually seenis just   their privilege because the truth  in the past cannot be changed norexperienced.


「僕は歴史家を傲慢と見倣す。歴史についてあたかも実際に見てきた様に書く事は彼らの特権そのものだ。なぜなら過去の真実は変えることも経験することも出来ないからだ。」


cf. as if あたかも〜の様に 上の場合は as if it was actually seen の省略型です。


cf. regard Ato be B A を B とみなす

 = regard A as B

 = consider A to be B

 = condider A B


*privilege 特権、の語が頭に出てこないと辛いですね。特権とは上から目線で好きな判断が許される、との事ですから、これも傲慢の表現同様に selfish 自分勝手だ、に置き換えることは可能です。但し、その場合は人間、詰まりは歴史家を主語に持ってくる必要があります。



そうすると、


I consider the historians to be selfish because they freely write about, as ifthey  actually   have seen, the truth in the past which cannot be changed norexperienced.


cf. as if they  actually  have  seen の前後のカンマは省略できません。主節と従節が同一の目的語 the truth in the past を「兼用」しており、文法的にどうかと指摘されそうでもありますが、許容範囲かと思います。


「僕は歴史家を自分勝手と考える。なぜなら彼らは、変えることも経験することも出来ない過去の真実について、あたかも実際に見てきた経験が有るかの様に自由に書くからだ。」


*<傲慢>と<特権>の単語を知らずとも書けなくはないということですが、解答1に近い文になりました。




皆さんなりの英文を作成してみて下さい。自分が知っている単語、語句、

構文を用いて書いてみて下さい。1つの問題をじっくり研究し繰り返し

何度も演習を積めばコツが掴めて来る筈です。英文読解と英作文は

表裏一体であり、語彙、構文など含め英語の実力、総合力が如実に

反映される分野だと改めて認識出来るのではないでしょうか。









入試和文英訳B 2020大阪大学T



2020年5月10日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 和文英訳の問題を<解読>してみよう、のコラムの第3回目です。今回と次回の2度に分けて阪大の問題にトライします。

 基本的なアプローチとしては、和文英訳とは与えられた日本語の表現を論理的に考え直し、高校卒業程度の英語のフレーズを利用して易しく置き換える、との操作になります。即ち、実は日本語の出題文の方を添削する作業になります。出題側も、高校卒業程度の語彙レベルでの解答以上のもの、例えば文章の風格など、は期待していませんので、自分の知り得る平易な単語、フレーズ、構文を引っ張り出して兎に角解答を埋めることが大切であり、それでそこそこの点数は取れる筈です。入試英文添削の時と同じく、完成形?に至る塾長の考え、迷いなど思考のプロセスをご覧ください。他ではちょっと見られない企画だろうと思います。




(A)

過去の哲学者がどの様な問題に向き合い、どのように考えたかを知る事は、とりもなおさず、私たち自身が、当時の人間と同じような過ちを再び繰り返すことのないよう、高い費用を払って得た教訓を学ばせてもらうという側面があります。


(阪大2020年前期 外国語学部以外)




【和訳の基本戦略】


日本語に特に勿体ぶった修辞語句を加えたり衒学趣味的に漢語を用いたりはしておらず、極めて普通の日本語です。但し、逐語的に英訳すれば奇妙な英文となりますので、最初に行うべき事は、論理的表現且つ平易な日本語に置換する操作となります。


*TVなどで通行人に街頭インタビューしている時に気が付くことですが、頭に思いつくままにダラダラと考えを述べ、次の言葉、語句を追加している内に主題と述語の明確な対応が外れて来てしまう例が頻繁に見受けられます。述語が饅頭の餡だとすると、主題(主語)やその他の要素を順序構わず回りに幾らでも付け足して饅頭の皮として被せて仕上げるのが日本語の特徴でもあり、口語的にはその様な会話の流れであっても最後に<何か適当な>〆の述語を持って来ればすべてヨシとなります。この作法で問題無く相手に通じて相手も納得してしまいます。阿吽の呼吸での曖昧性を許容してしまう言語とも言えそうです。或る意味、日本語は話すのは簡単だと言われる所以です。これを明確性を持つ文章に仕上げる際に教養の差が強く出る言語とも言えそうです。これに関しては、昨年6月15日附の塾長コラム、『主語の概念 A 膠着語と屈折語』 https://www.kensvetblog.net/column/201906/20190615/ の項を是非ご参照下さい。


*上の阪大の和文を見て、これは会話文そのままの発想だ、と感じました。「Aであることを知る事」は、「Bである」ことを学ばせてもらう側面がある、ですが、感覚的には理解出来て思わず頷いてしまいますが、どこが主語(主題)でそれに対応する述語がどれなのか、文章の構造がどうなっているのか、その意味内容としては今ひとつ明確性に欠けるところがあります。まぁ、立派な悪文です。詰まりは、英訳する前に明確性の高い日本語にrewrite しないと訳せません。


(A)の文をカッコで括ると、


{(過去の哲学者がどの様な問題に向き合い、どのように考えた)かを知る事}は、とりもなおさず、{私たち自身が、(当時の人間と同じような過ちを再び繰り返すことのないよう、<彼らが>高い費用を払って得た教訓)を学ばせてもらう}という側面があります。


 とでもなりましょうか。複雑な入れ子構造です。高い費用を払ったのはどうも当時の人々の様ですね。この阪大の問題は日本語を改訂する問題、との比重が非常に高い様に見受けられます。この改訂作業をさっさかこなす、或いは自分の中で把握した大意の通りに英語を仕上げてしまう、のが基本政略となります。




【和文の大意】


*和文が入れ子構造になっており、判ったような分からない様な構造の悪文ですが、簡単に言うならば、


<哲学書を読めば先人と同じ間違いせんための教訓をタダで得られてええで(大阪弁もどき?)>、ですね。




【英語化し易い和文への変換】


*複雑な構造の文章に加え、明確性の低い述語<という側面があります>と表記しています。<脳内日本語−日本語変換>で熱が出そうになります。文意を理解したのちに和文を分解して前後を入れ替えたり繋ぎ換えたりしてみます。


*英語風な表現に変換すると


「過去の哲学者がどの様な問題を扱い、それをどのように考えたかを知るならば(知る時)、当時の人たちが痛みを伴って得た、そして同じ過ちを犯すことから我々を遠ざけて呉れる教訓、を正に得ることが出来る。それは哲学書を読むことのもう一つの利点である。」


「過去の哲学者がどの様な問題を扱い、それをどのように考えたかを知る事には、当時の人たちが痛みを伴い得た、そして同じ過ちを犯すことから我々を遠ざけて呉れる教訓、を我々に与え得る別の利点がある。」


「哲学者が扱った過去のテーマとその考察を調べることに拠り、また我々は1つの教訓を学ぶ為のコストを正に理解出来るし当時の人々が犯したのと同じ過ちを避けることが出来る。」


*<哲学者>は<哲学>としても良いでしょう。





【英文化の要点】


 おさらいとなりますが、


*大意を掴んだ平易な英文をまず作り、今度は日本語の文意に正確に近づけるべく、英語の表現を練っていきます。


流れとしては、


 @和文の修辞をはぎ取り論理的且つ平易な文章に直す

 A自分の知っている平易な英語にさっとひとまず英訳(これでそこそこの配点は得られる)

 B和文原文のもつ意味合いに修整、推敲(時間的余裕があれば)


 となります。


*基本は英語の授業中に出て来たような表現、易しい単語、語句などを上手く利用して英語を組み立てる戦略です。




【塾長の解答1】


When we get to know  what kind of subjects philosophers of the past delt withand how they   discussed them, we can easily obtain the lesson which people ofthose days learned with pain   and which helps prevent us from making the samemistakes as they did. This is second  benefit   of reading philosophy books.


「過去の哲学者がどの様な問題を扱い、それをどのように考えたかを知る時、当時の人たちが痛みを伴って習った、そして彼らと同じ過ちを犯すことから我々を遠ざけて呉れる教訓、を容易に得ることが出来る。それは哲学書を読むことのもう一つの利点である。」




*単語know は<知っている>状態を意味する言葉であり、言い換えれば、 to beaware of 〜に気づいているの意味です。何かを<知る>との状態変化つまりは動作を示すには、get (come) to know とします。

be aware of を動作化するには get aware of 〜に気づく、とすれば良い訳です。


*哲学の問題は、problem 困りごと、ではなく、考えるべき対象テーマ、主題ですので、subject としました。これは thesis 或いは theme  テーマと置き換えても良いと思います。主題についてあれこれ考えることから、discuss を用いています。

 ちなみに、困りごとを解決するのは solve a problem、疑問に答えるのなら anser thequestion ですね。


*痛みを伴って得た、ですから、それとの対比を強めるべく just obtain ではなく easilyobtain 簡単に得られる、としてみました。


*とりもなおさず =正に just


cf. deal with a subject

 主題を扱う、論じる


cf. prevent sb from sth

 起こらないように防ぐ、妨害する、遠ざける 入試に頻出の表現です。


*which 以下は、<which を目的語とする文章>+<which を主語とする文章>となり、対照性が崩れて良い文章ではありませんが、意味は通ります。


cf. make a mistake 間違える、間違いを犯す


cf. philosophy 哲学、phil (愛する)+sophy (智慧),  philosopher 哲学者

  thinker 思想家、物事を考える人

  philharmony ハーモニーを愛する、詰まりオケ


 反対語は phobia フォビア (〜嫌い、〜恐怖症)、言葉の末尾に添えます、a schoolfobia 学校恐怖症


cf. second 別の、もう一つの、他の

  名詞 benefit が不可算名詞なので another が利用出来ません。




【塾長の解答2】


Studying what thesis philosophers of the past delt with and how they discussedthem just   gives us the second benefit of  obtaining the lesson which people ofthose days gained with   pain and helps prevent us from making the samemistakes as they did.


「過去の哲学者がどの様なテーマを扱い、それをどのように考えたかを知る事は、当時の人たちが痛みを伴って得た、そして同じ過ちを犯すことから我々を遠ざけて呉れる教訓、を得るとの別の利点を正に我々に与える。」




*読み方としては、英文の順序通りに、「過去の哲学者がどの様なテーマを扱い、それをどのように考えたかを知る事は、教訓となる別の利点を我々に正に与える。その教訓とは、当時の人たちが痛みを伴って得た、そして同じ過ちを犯すことから我々を遠ざけて呉れる教訓だ。」と理解します。


*getting to know とは studying 勉強することで得られる事ですから、studying でも問題ありません。


cf. obtain の意味上の主語は we です。

  obtain = get = gain = acquire 獲得する、手に入れる


*benefit = obtaining... 間の of は前後が等しいこと、同格を示します。of は、まぁ等号=です。


cf. with pain 痛みを伴って,   with difficulty 困難を伴って


*1つの文章にすると、主語自体が長い上に、which 以下の説明記述も長くなり、読み進めるのに息切れがしそうになります。従属節+主節の複文構成或いは細切れの文章の直列にした方が読み易い英文になりそうです。


次に<〜を知る事>部分を手段の従属節にして英文を作成してみます。




【塾長の解答3】


Through studying the past theme philosophers delt with and its discussion theymade, we also   can just feel the pain with  which people of those days learned alesson and thus avoid making  the same mistakes as day did.


「哲学者が扱った過去のテーマと彼らが行ったその考察を調べることを通じ、また我々は当時の人々が1つの教訓を学んだ際の正にその痛みを感じることが出来るし、斯くして彼らが犯したのと同じ過ちを避けることが出来る。」




*also の語で<哲学の理解そのものが深まる事に加えて他に>、<側面もある>の意味を持たせます。これは can 以下の2つの内容をカバーしますので can の前に置きます。


cf. avoid doing  〜することを避ける


*真偽を問うべき命題とその考察のセットが有って初めて哲学と呼べますので、単にphilosophical   propositions 哲学的命題、としても間違いではない筈です。




【塾長の解答4】


By studying the past propositions philosophers delt with, we also can deeplyunderstand how   people of those days learned a lesson and thus avoid makingthe same mistakes as they did.


「哲学者が扱った過去の命題を調べることを通じ、また我々は当時の人々が如何にして教訓を学んだかを深く理解し、斯くして彼らが犯した同じ過ちを避けることが出来る。」


*設問の和文が意味内容の曖昧性を含むものでしたので、英文も突っ込まれては却ってやぶ蛇とばかりに、そつなくクールに、粛々と書いてしまうのも手です。語数もだいぶ減ってスッキリしました。但し、これもやり過ぎると文の生彩が無くなり能面のようになってしまいますが。




皆さんなりの英文を作成してみて下さい。1つの問題をじっくり研究し

繰り返し何度も演習を積めばコツが掴めて来る筈です。

英文読解と英作文は表裏一体で、語彙、構文など含め

英語の実力、総合力が如実に問われる分野だと

改めて認識出来るのではないでしょうか?









入試和文英訳A 2020京都大学



2020年5月5日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 和文英訳の問題を<解読>してみようとのコラムの2回目です。

 基本的なアプローチとしては、日本語の表現を論理的に考え直し、高校卒業程度の英語のフレーズを利用して易しく置き換える、との操作になります。即ち、実は日本語の出題文の方を添削する作業になります。出題側も、高校卒業程度の語彙レベルでの解答以上のもの、例えば文章の風格など、は期待していませんので、自分の知り得る平易な単語、フレーズ、構文を引っ張り出して兎に角解答を埋めることが大切であり、それでそこそこの点数は取れる筈です。入試英文添削の時と同じく、完成形?に至る塾長の考え、迷いなど思考のプロセスをご覧ください。他ではちょっと見られない企画だろうと思います。




お金のなかった学生時代にはやっとの思いで手に入れたレコードを擦り切れるまで聴いたものだ。歌のタイトルや歌詞も全部覚えていた。それが今ではネットで買ったきり一度も聴いていないCDやダウンロード作品が山積みになっている。持っているのに気付かず同じ作品をまた買ってしまうことさえある。モノがないからこそ大切にするというのはまさにその通りだと痛感せずにはいられない。

(京大2020年前期、抜粋)




【和訳の基本戦略】


*前回の東大の問題とはだいぶ趣が異なり、日本語に勿体を付ける修辞語句も見られず平易な日常的表現の文章です。自分が知っている、使いこなせる英文表現を利用して大きな語法・文法的間違いの無い和訳に仕上げれば得点出来ると想いますが、英語の基本的表現をしっかりと身に付けているかどうか(実はこれこそ本当の英語力でしょうね)を問われる伸びやかで質の良い設問であると塾長は感じます。


*和文の衣服をはぎ取り、コアを抽出し、それを英文に直し、次いで英語表現の衣服を纏わせ整える、との戦略で進めようにも、最初から裸のむき身の様な天真爛漫な?英文ですね。





【和文の大意】


*キモとなる最後の文章、つまり「モノが手に入らない時代には1つのモノを大切に利用し尽くしたが、モノが容易に手に入る時代ではモノを大切に扱わなくなった」ことをレコードvs.CD or  download music の対比で語ります。まぁ、そこらのオヤヂ (註:塾長含む) がしばしば口にする様な他愛も無い話ですね。魯迅を味方に加えれば、大概是物以希為貴罷(おそらく物は稀なるを以って貴しとなす、ということだ)、ですね。


*良くある英文読解の出題文と同様、過去 vs. 現在などの対立概念を、ははぁ〜ん、また出て来たぜ、と鋭く嗅ぎ分けてください。@過去は斯く斯く然々であった、Aしかるに現在は斯く斯く然々だ、B斯くして〜との結論だ、の構成です。芸道の序破急或いは演劇脚本の三幕構成設定 Set-up、対立 Confrontation、解決 Resolution,  SCR)の展開から成ると見抜いてください。


*最初の4文を粛々と素直に和訳し、最後の文章を間違えのないように和訳出来れば高得点は取れそうです。他の設問との時間配分を考えて、さっと手を動かして英文を書き始めてしまう姿勢が大切ではと思います。




【英語化し易い和文への変換】


*<擦り切れるまで聴いた>などの日本語に捕らわれず、<何度も何度も聴いた>の様な同じ意味を持つ易しい表現に置き換えます。


*英語風な表現に変換すると


「貧しかった学生時代にはレコードを何とか買い求めそれらを何度も何度も聴いたものだ。それでレコードの歌のタイトルや歌詞も全部覚えていた。これに対し今では、ネットで買ったが一度も聴いていないCDやダウンロード音楽を沢山持っている。一度買ったことを忘れて同じ音楽をまた買ってしまったことは稀では無い。手になかなか入らないゆえにモノは価値があるのだと強く感じざるを得ない。」


<大切にする>が曖昧表現で、本当にレコードが大切なら時々しか聴かずにおき、キズを付けたりしない様に慎重に扱うのが<大切にする>詰まりは<物理的に丁寧に扱う>ことと思いますが、磨り減るまで聴いていたとのことで、<取り扱いを大切にする>とは意味が違って来ます。聴くべきレコードが無かったのでそれを対象にエネルギーと時間を強く投射した訳で、愛聴した (loved  listening to the record)、詰まりは中身の情報に価値が有った、価値を認めていた、との意味でしょう。デジタル時代には情報は磨り減らず(但し誤動作などで一瞬で消え去り得ますが)隔世の感が有ります。まぁ、大切だ=価値がある、です。




【英文化の要点】


*大意を掴んだ平易な英文をまず作り、今度は日本語の文意に正確に近づけるべく、英語の表現を練っていきます。


流れとしては、


 @和文の修辞をはぎ取り論理的且つ平易な文章に直す

 A自分の知っている平易な英語にさっとひとまず英訳(これでそこそこの配点は得られる)

 B和文原文のもつ意味合いに修整、推敲(時間的余裕があれば)


 となります。




【塾長の解答1】


  In my poor school days, I would manage to buy records and listen to them overand  over  again. So, I memorized all  the titles and words of the musics theyhad. Now, I  have  lots of CDs and downloaded musics which I once  bought  through the  internet web and   have never listened to. It's not rare I bought thesame music again, forgetting  having   bought it  before. I can't help stronglyfeeling that things become valuable because we can  hardly get  them.


「貧しかった学生時代には、何とかレコードを買い求め繰り返し聴いたものだった。それでレコードの曲のタイトルや歌詞は全て覚えていた。今や、一度ウェブショップで買ったはいいが一度も聴いていないCDやダウンロード音楽を沢山持っている。前に買ったことを忘れてしまい同じ曲を購入してしまったことは稀では無い。モノとはなかなか手にいれられないゆえに価値が出ることを強く感じざるを得ない。」


*お気づきかと思いますが、使っている動詞の殆どは、have, get, listen, buy, feel などの中学レベルで学習する易しい動詞です。


次に動詞を幾つか明確性の高い概念を持つものに換えて書き直すと




【塾長の解答2】


  In my poor school days, I would manage to buy records and listen to themrepeatedly.  So, I  memorized each title and   lyrics of the musics theycontained. Now,  in contrast, I  hold  lots of CDs and downloaded musics which Ionce purchased through the web shops  and have never listened to. It's not rareI bought the same  music again, forgetting     having bought it before. I can't helpkeenly realizing that things become valuable because  we can hardly obtain them.


「貧しかった学生時代には、何とかレコードを買い求め繰り返し聴いたものだった。それでレコードの曲のタイトルや歌詞はそれぞれ覚えていた。今や逆に、一度ウェブショップで買ったはいいが一度も聴いていないCDやダウンロード音楽を沢山持っている。前に買ったことを忘れてしまい同じ曲を購入してしまったことは稀では無い。モノとはなかなか手にいれられないゆえに価値が出ることを鋭く認識せざるを得ない。」


*poor school days は貧しい学生時代だったのか可哀想な学生時代だったのか曖昧な表現ですが、文の後半でなかなかレコードが買えなかったと出てきますので、貧乏だったと理解して貰えるでしょう。


* all the titles and lyrics ですが each tltle and lyrics でもよいでしょう。 lyrics は1つの曲の歌詞全体を差しますが、この意味では単複同形です。


 When I was a student, I didn't have  enough money. So I bought records withdifficulty   and  would listen to them over and  over again ....と素直に表現しても勿論良いと思います。

enought とは有り余るほど十分な、の意味はなく、丁度良く十分な、の意味です。notenough   money で水準より下の経済状態にあった、となります。




【塾長の解答3】


 When I was a student, it was economically not easy to buy records. So I'd listento them   repeatedly until they got worn out and I memorized each title andlyrics of the musics  they  contained. Now, in contrast, there are lots of my CDsand downloaded  musics which  I  once purchased through the web but havenever listened to. It's not even rare I did buy  the same music again, forgettinghaving bought it before. That's why I really know things  are valuable because of  their low availability.


「学生の時はレコードを買うのが経済的に容易ではなかった。それでレコードが擦りきれるまで繰り返し聴いたものだし中身の曲のタイトルと歌詞はどれも覚えていた。現在は対照的に、web で求めた沢山のCDやダウンロードした曲があるが、買ったが一度も聴いていないものも多い。以前買い求めた経験があることを忘れてしまい同じ曲を再び買ってしまったことすら稀ではない。こんな訳で、低入手可能性ゆえにモノには価値があるのだ、と本当に知った。」




cf. would do 〜良くしたものだ 〜したものだった(過去の習慣を表す)

= was (were) accustomed to  do 〜する習慣があった

= used to  

Formerly and habitually or repeatedly, but possibly no longer, did.

以前に習慣的に或いは繰り返し行ったが、もはや遣っていない(可能性のある)  以前には良くやった


cf. be used to do  〜に慣れている 習慣だ


I'm not used to cold weather.  僕は寒い天気には慣れていない。

They weren't used to getting up so early. 彼らはそんなに早く起きる習慣ではなかった。


cf.manage to do

 (困難がある中を)何とか〜する、なんとかやり遂げる  (苦労しながらも実際にやり遂げる)


 I manageg to catch the last train. なんとか終電に乗れました。

= I could catch the last train although with difficulty. 困難を伴ったが終電に乗る事ができた。


cf. be worn out

  擦り切れてボロになる


cf. in contrast これとは対照的に、鋭い対照性を表す表現ですが、科学論文ではよく利用されます。by contrast も同じ意味ですが in contrast の方が一般的です。


*on the contrary は前言に対する対照性をより強めた表現として使われ、<それどころか、全く逆に>と訳すとピッタリ来ます。前言(否定文であるのが普通です)に対して強く反論する(前言は事実では無い、本当は逆だ、と主張する)場合に多用されますが、勿論自分が述べた前言に対して用いることも出来ます。ここでは前言は過去の真実ですのでそれに反論して現在は〜だとの表現ではありません。と言う次第で、単純に対比として incontrast が良いでしょう。


cf. my CDs  歌手が自分のCDですと差し出す場合も This is my CD. となりますが、ここでは当然ながら私が所有するCD の意味です。


cf. I did buy は I bought の強めで、買った、に対し、買って仕舞った、となります。noteven 〜ですらないに、呼応させました。

 not even rare = often  稀ですらない=〜すら稀では無い=しばしばある


cf. forgetting having bought

以前 既に買ってあった(以前に買った経験が有る)ことを忘れてしまって(理由を示す分詞構文)

= because (as) I forgot  having bought

  

forget doing 〜したことを忘れる (既遂)

forget to do 〜しようとするのを忘れる(未遂)


cf. can't help doing

= to not be able to control or  stop something:

 自然に起こる動作や言及、湧いてくる感情を自分では制御したり止めることが出来ない

 〜を禁じ得ない

= cannot controll  (stop)  sth  (doing)

"Stop laughing!" "I can’t help it!"

 笑わないでよ! 止まらないのよ!


*help = stop, controll と考えます。


cf. 過去からの一連のことが、最後の文章詰まりは結論に至った理由になっていることを主張したいのであれば、 for those reasons  これらの理由から、こんな訳で 或いはThat's why を冠すると、文章にメリハリが出ます。三幕構成を明確にする作戦です。しかしカットしても良いでしょう。


*痛感する、は、強く感じる feel strongly、 深く理解する understand deeply 、本当に分かっている(=本当に分かった、日本語では過去型表現になります) really know、本当にそう思う think  really など、自分が知っている表現に置き換えればOKです。まぁ、心中に思い浮かぶことですので、困ったら最後は何でも think を採用すればそれでパスするでしょう。易しい動詞+易しい副詞のセットに持って行く作戦です。<まさにその通り>=<本当に>、ですが、痛感する、の冗語ですので無視します。


cf. become valuable :  be valuable 価値がある、の動作型 価値が出る、価値を持つようになる、動作の動詞 get に合わせましたが、解答3の場合は be valuable でもOKです。<得ようとしてもなかなか手に入らないゆえに価値が出る> vs. <モノが入手困難性ゆえに価値がある>、です。


*解答1,2の because  を if や when に変えても通じますが、アピールは弱くなります。


cf. hardly

 困難だ with pain or with difficulty の意味の他に、

 殆ど〜無い、殆ど見込みの無い、辛うじて〜の、日本語での否定の意味を含む語として多用されます。

=almost not; barely, not at all, scarcely, with little  likelihood 


 can hardly do で殆ど〜出来ない、なかなか〜出来ない、辛うじて出来る、の意

  (僅かには出来ている)となります。

 I've got lots of barely legal photos.  オレはギリギリ合法の写真わんさか持ってんだ。

  have got = have (口語)


cf. availability 手に入り易さ、入手可能性

 available 手許にあって利用出来る、すぐ手に入る

= suitable or ready for use; of use or service; at hand

= readily obtainable; accessible




皆さんなりの英文を作成してみて下さい。1つの問題をじっくり研究し

繰り返し何度も演習を積めばコツが掴めて来る筈です。


グライダーの操縦と同じで離陸して自分で飛べるようになる

までは教官に手取り足取り指導して貰うと良いでしょう。


英文読解と英作文は表裏一体で、語彙、構文など含め

英語の実力、総合力が如実に問われる分野だと

改めて認識出来るのではないでしょうか?









入試和文英訳@ 2020東京大学



2020年4月20日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 理由を表す英語表現を2回まで掲載しましたが、連休にも入りますので−と言いますかコロナ禍で休校のままのところが多いと思いますが−急遽今春の大学入試和文英訳問題のコラムを割り込ませ5回シリーズで扱う事にします。解き方のコツをじっくり研究して戴こうとの考えからです。英語表現の残り3回分はそのあとで掲載しますね。

 さて、3ヶ月ほど前に大学入試の英文の<添削>を6回シリーズで掲載しました。今度は逆に和文英訳の問題を<解読>してみようと思います。基本的なアプローチとしては、英文和訳の過程と正逆で、日本語の表現を論理的に考え直し、高校卒業程度の英語のフレーズを利用して易しく置き換える、との操作になります。即ち、これは実は日本語の出題文の方を添削する作業にほかなりません。出題側も、高校卒業程度の語彙レベルでの解答以上のもの、例えば文章の風格など、は期待していませんので、自分の知り得る平易な単語、フレーズ、構文を引っ張り出して同じ意味を持つ英文を作成し、兎に角解答欄を埋めることが大切であり、それでそこそこの点数は取れる筈です。入試英文添削の時と同じく、完成形?に至る塾長の考え、迷いなど思考のプロセスをご覧ください。他ではちょっと見られない企画だろうと思います。




自信ばかりで押し切っては、やがていつかは他人を害する立場に立つ。自分たちは、いつも自分たちの信念がある程度までまゆつばものだということを悟り、かくて初めて寛容の態度を養うことができる。


(東大2020年前期、抜粋)




【和訳の基本戦略】


*<押し切る、立場に立つ、まゆつば、態度を養う>、などの語句は日本語に勿体を付ける修辞ですので、勿論直訳すれば奇妙な英語になります。易しい、自分が知っている表現に置換出来ないかさっと頭を捻ります。しかしごてごてした文章であり、日本語としては悪文ですね。そのアクに翻弄されずにクールに文意を取ることが肝要です。まぁ、それが問われている訳ですが。


*入試英文のコラムで、大した内容でもないことをゴテゴテした英文で表現し、下らぬ中身を勿体を付けて飾り立てて述べるのでは無く、平易な表現で高度な内容を述べるのが大切だ、と強調しましたが、これは日本語の文章にも当然当て嵌まります。


*つまり和文の衣服をはぎ取り、コアを抽出し、それを英文に直し、次いで英語表現の衣服を纏わせ整える、との戦略で進めます。




【和文の大意】


*<立場に立つ>とは、他人を害する側に立つ、他人を害する人間になる、ですから、

単に、他人に害を為す、で良いと思います。


*ばかり、いつも、或る程度まで、眉唾だ、との奇天烈な言葉の並び具合ですが、脳みそが攪乱されぬよう注意して下さい。ばかり、いつも、或る程度まで、は他の言葉に意味を含めてしまい、そのものは略してしまっても良いでしょう。


*この和文に奇妙さを覚えるのは、<ばかり、いつも>などとの悉無 (しつむ all ornothing) 的表現の言葉−感情を強める表現−を多用した暑苦しい文章の中に、一点、<ある程度>なる理性的な階調表現を交えていることです。まぁ、漢語的な堅い表現を使用していることも含め、一定の地頭はあるものの、感情失禁傾向のある、文章書きとしての教養の低い者が書いた、との出題設定でしょうか。この様な、いつも、ばかり、などの言葉は非論理的要素として無視して宜しいでしょう。また余談ですが、日常会話の中で、いつも、絶対、必ず、全て、などの言葉を多用する者が居れば、それは脳神経回路の配線が未熟か或いは老化で硬直化した<危ない>思考の持ち主ですので害を受けない内に離れた方が無難かと塾長は考えます。知性とは本来 gradation 階調を伴うものです。研究者とはその様な頭脳を持ちながら、黒か白かをギリギリまで煮詰めて論文化する者を言います。


*まず、言葉に捕らわれ過ぎずに、この文章で何を主張したいのか、書き手の意図を考えて平易な日本語の候補を思い浮かべてみます。


押せ押せで生きてるとそのうち他人様の迷惑とならぁ。自信なんてものは幻さ。自分の弱さを認めて初めて他人様に優しくなれるってもんさ。」或いは、<自分の考えが正しいと信じ込む事は、他人の別の考え方を無視しその存在を認めないことだ。><自分が完璧では無いと自覚すれば他人の見解も受け入れる事が出来、友達も出来るだろう。>


この様な大意でしょう。第1の文内容を第2の文で逆の視点から展開、説明します。




【英語化し易い和文への変換】


*英語風な表現に変換すると


「自信過剰の態度はやがては他人に害を為すことにつながる。君が自己の信念が幾らか疑わしいものだと認識した時、君は初めて他人を理解出来る様になる」


「自己肯定のみで生きて行くことは、遅かれ早かれ、他者を害することになる。この、自分が正しいとの信念が不確かであると知った時に、初めて他人を許す様になれる。」


*大意を掴んだ平易な英文をまず作り、今度は日本語の文意に正確に近づけるべく、英語の表現を練っていきます。


流れとしては、


 和文の修辞をはぎ取り論理的且つ平易な文章に

→自分の知っている平易な英語にひとまず英訳

→和文原文のもつ意味合いに修整(時間的余裕があれば)


 となります。




【塾長の解答1】


Overestimating yourself sooner or lator leads to do others  harm.

When you realize your belief is not completely certain, then  you can firstunderstand  others.


「あなた自身を高く評価し過ぎると早晩他人を害することに繋がります。あなたが自分の信念が完全には確かなものではないと認識する時、あなたは初めて他人を理解出来るのです。」




cf. overestimate:

to estimate at too high a value, amount, rate, or the like

価値、量、比率その他を高く見積り過ぎる、評定し過ぎる


cf. sooner or lator

= at some time in the future, even if you are not sure  exactly when

いつかははっきりとは判らないが将来に於いて、早晩、遅かれ早かれ


cf. lead to do 〜することにつながる


cf. do somebody harm = do harm to somebody

〜に害を為す、危害を加える

「害を為す」は具体性に乏しい記述ですが、例えば自信過剰でワンマン化して相手の立場や考えを潰すまでになれば確かに害を与える事にはなりますね。


cf. belief  信念、確信、信頼、信心、信仰


Random House Webster's Unabridged Dictionary では

1.something believed; an opinion or conviction: a belief  that  the earth is flat.

2.confidence in the truth or existence of something not immediately susceptible

to  rigorous  proof: a statement unworthy of belief.

3.confidence; faith; trust: a child's belief in his parents.

4.a religious tenet or tenets; religious creed or faith: the  Christian belief.

 と confidence 自信の意味を含んでいます。


或る程度まで眉唾だ

→完全に確かなものと言う訳では無い

= not completely 完全に〜と言う訳では無い(部分否定の意味)


*寛容の態度を養う、をそのまま直訳して

 cultivate a  tolerant attitude とするのはどうかと言うと、


cultivate = to develop or improve by education or training;  train; refine

教育や訓練に拠って発達させる、改善する、洗練させる、の意味がありますが、cultivate とは小さな苗を大きく育てるの意味ですので、この表現だと小さな tolerantattitude があったがそれを大きくする、<more tolerant attitude より寛容な態度にする>、との意味になり、<初めて>の表現と矛盾してしまいます。


have a tolerant attitude to

寛大な態度を取る、の表現がありますのでこれを利用しましょう。


*寛大な態度を取る、ことは相手の立場を理解しての話ですから、<寛大>のベースとなる<理解>の表現で大まかに考えても悪くありません。この様に、自分が知らない英語表現が出て来たら、タガを緩めて大まかに似た意味を持つ中学レベルの基本単語に置き換えてしまうのが1つのコツです。それで確実に点が取れます。<寛容の態度を養う>→<理解する>で悪いところは一つもありません。


*巷では100語で英語を全て話せるなどと、あまり知性を感じさせない顔の男性の顔写真が伴う宣伝がしばしば目に入りますが、高度な概念の英語を学んだ者が、例えばラテン語系単語を排除しゲルマン語由来の単語のみで文章を作成するなどにはそれが可能でも、最初から100語しか知らない者が英文を作成すれば児戯に似たりのものとなってしまいます。入試の英作文では、日本語で意味の理解出来る高度な概念を平易な英単語を用いて確実に表現する<言葉の絞り込み操作>が大切で、すぐ上でも触れた様に、普段から言葉の系列、レベルに対する意識がモノを言う筈です。


*日本語特有の言い回しを文字通りに翻訳しようとすると相手側は却って理解出来なくなります。伝えようとしている意味内容を外れること無く訳せればそれが一番の正解となります。文芸や詩歌を翻訳する時には香気まで伝達せんとの工夫と心構えが必要であり、また技術翻訳では意味する詳細を間違いなく正確に伝えることが肝要ですが、入試レベルの誰でも思いつくような内容レベルの文言を字面通りに「正確」に訳す必要はありません。意味内容を伝える文章が作成出来れば点が採れます。


forgive は(自他のものを問わず)悪い対象、悪と考える対象を放免する、許す、の意味ですのでここでは利用出来ません。


tolerant = broad-minded 心が広い、もOKでしょう。


*自信過剰

 overconfidence




【塾長の解答2】


Overconfidence will sooner or lator lead to ignore other people.

When you come to realize your belief is not completely  certain, then you canfirst have  

a  broad-minded attitude to others.


「自信過剰は早晩他人を無視することに繋がります。あなたが自分の信念が完全には確かなものではないと認識するに至った時、あなたは初めて他人に寛大な態度を取ることが出来るのです。」




ignore を pay little attention to 他人にほとんど注意を払わない、に換えても良いでしょう。この場合、you を主語に書き直す必要が生じます。


If you are too highly estimating yourself, you may be paying little attention toothers.

君が自身を高く評価しすぎている時は他人にほとんど注意を払っていないかもしれない。


 特に動詞についてですが、日本語の言葉尻に捕らわれ、それに逐語的な訳を当てはめると、ズレた英語表現に陥る危険性があります。中学校程度の易しい、語感の理解に間違いの無い動詞を採用し、肩肘張らずに英文を作成すると良いでしょう。




皆さんなりの英文を作成してみて下さい。演習を積めばコツが掴めて来る筈です。








理由と原因を表す表現A


2020年4月15日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 理由と原因の表現について5回に分けて扱います。第2回目です。




because

= for the reason that 〜と言う理由で、〜と言う訳で、〜なので


"Why did you do it?" "Because Carlos told me to".

 なぜそうした? だってカルロスが遣れって言ったからさ。


We can't go to Julia's party because we're going away that weekend.

 その週末には我々は離れる予定なのでジュリアのパーティには行けない。


Where've you been, because (= the reason I am asking is that) we haven't seen  you recently?   (informal)

 お前どこに行ってたんだ?こう聞くのは近頃お前を見てないからさ


He hated being in the army because he had to obey commands.

 命令に従わねばならなかったので彼は軍隊生活を嫌っていた。


The journey was quite quick  because the road was clear.

 道路がガラ空きだったので旅行は極めて素速く進んだ


I didn't tell her that he was late because I didn't want to cause her any alarm.

 彼女の不安を呼び起こしたくは無かったので彼が遅刻したことを言わなかった。


Patients were discharged from hospital because the beds were needed by other  people.

 他の者がベッドを必要としたので患者等は病院から退院させられた。


cf. discharge

to relieve of a charge or load; unload: to discharge a ship.

 荷を下ろす、労役から解放する(=囚人を釈放する)、解放する、放電する


入院する enter (go into、be  admitted to) hospital

退院する leave  (the)  hospital



I almost missed my flight because there was a long queue in the duty-free shop.

 免税店で人が並んで居たのでもう少しで飛行機に乗り遅れるところだった。


cf. almost do 殆ど〜し掛ける、すんでの所で〜しそうだ (実際には行わない)




*because は口語と文章語両者に於いて as, since よりは一般的です。because を用いる時は理由に焦点を当てます


as と since は理由よりも結果により焦点を当てたいときに使います。because よりは、より formal です。主節のあとに since を使う時にはその前にコンマを入れます。


*because の従属節を主節の前に置くときは、その従属節の後ろにコンマを入れます。



because of

=  as a result of  〜の結果として


*cos, cause は because の短縮形ですが会話、電子メール、文書で普通の利用しますが、特に informal な状況で利用します。



Just because, simply  because

理由を強調します。


Just because I'm lending you my dress for tonight doesn't mean you can borrow  it  whenever  you want to.

 今夜私のドレスをあなたに貸しているからと言ってそれはあなたが必要なときにいつでも借りられると言うことではないの。

 (because 以下を名詞として扱う)




behalf

on behalf of

on one's behalf

= for the good of  or  because of  〜のために、〜のためを思って

= for the sake of  〜の爲に、〈利益〉〜のために


Please don't leave on my  behalf.

= Please don't leave for the sake of me.

 後生だから行かないで呉れ。

→あなたが去ってしまうと私が悲しむ、困るなどする訳ですね。


The executive of the health workers' union accepted the proposed pay increase  on behalf of  their members.

 医療従業員組合の長は給与引き上げの提案を組合員の為にと受諾した。


=The executive of the health workers' union accepted the proposed pay increasefor  tha sake  of their members.


What a liberty, to refuse the invitation on your behalf, without even asking you!

 尋ねもせずに君の為を思ってと招待を拒否するとは何と勝手なことだろう。

 →この文章からだけでは君が招待する側なのかされる側なのか意味が取れません。


He's spending a lot of his time at the moment campaigning on behalf of the  Conservative Party.

彼はその時には保守党の為にと多くの時間をキャンペーンに費やした。


The company was set up to buy and sell shares on behalf of investors.

 その会社は投資家の利益の為、株の売買行為を共有するために設置された




cf.  on behalf of sb (US also in behalf of sb); (on sb's behalf);

(US also in sb's behalf)

= representing:


on behalf of , on one's behalf は、〜を代表して、〜を代理して、との別の意味を持ちますので、文意に応じてどちらの意味かを判断する必要があります。曖昧性を含んだ表現ですね。


He gave what amounted to an apology on behalf of his company.

 彼は会社の利益の為に(or 会社を代表して)、陳謝に足りる全額を供与した。


cf. amount to 〜に達する、等しい

cf. what = whatever = anything

= He gave anyting that amounted to an apology on behalf of his company.

= He gave all the money that amounted to an apology on behalf of his company.

 


On behalf of the entire company, I would like to thank you for all your work.

 全社を代表し、君のこれまでの全ての仕事に感謝したいと思います。


Unfortunately, George cannot be with us today so I am pleased to accept this  award on his  behalf.

生憎とジョージは今日参加出来ず、それでこの賞を彼の代理として喜んで受けます。


cf. award 発音注意、アワード ではなく アウォード です。


She wasn't able to be present, so I signed the letter in her behalf.

彼女は顔を出せませんでしたので彼女の代わりに私が手紙にサインしました。


by right of

= because of


She spoke first, by  right of  her position as director.

指導者としての地位ゆえにまず彼女が発言の口火を切った。




in that case

because of the mentioned  situation: そう言うことなら


There's no coffee left? In that case I'll have tea.

 えっ?もうコーヒーはないの?そう言う訳ならお茶を貰おうか。



(just) in case

because of a possibility of something happening, being needed, etc.:

〜の場合に備えて


I don't think I'll need any money but I'll bring some just in case.

 自分にはこの先お金は全然要らないと思っているけど、何か起こらなとも限らないから幾らかは持って居よう。


Bring a map in case you get  lost.

 迷子になった時に供えて地図を持って行きなさい。

 迷子になると行けないから地図を持って行きなさい。

= Bring a map because of a possibility of  your getting lost.


I'll bring an umbrella in case  it rains.

 雨に供えて傘を持って行く。




courtesy

polite behaviour, or a polite action or remark 礼儀正しい行動、発言


(by) courtesy of

by permission of 〜の許しを得て

Jessie J appears courtesy of  Universal Records.

ジェシージェイはユニバーサルレコード社の許可(好意)で出演する。


because of

He got his black eye courtesy of a bloke he insulted at the bar last night.

昨夜バーで侮辱したヤツのお蔭で彼は青タン喰らったぜ。




 理由を表す英語表現はあと3回ありますが、次回からの5回は、2020年春の大学入試の和文英訳問題解説を挟み、コラムを進めて行きます。








理由と原因を表す表現@


2020年4月10日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 理由と原因の表現について5回シリーズで扱います。



理由や原因の意味を持つ単語やイディオム(慣用表現)としては、


https://dictionary.cambridge.org/ja/topics/language/connecting-words-which-introduce-a-cause-or-reason/

Linguistics: connecting words which introduce a cause or reason

   account, as, at, because, because of, behalf, by right of (idiom), case, cause,cos, courtesy, dint, due, fear, for, from, in, in the light of sth (idiom), in view ofsth (idiom), inasmuch as, light, of, on sb's account (idiom), order, out of, owing to,reason, right, sake, since, so, thanks to sb/sth (idiom), thing, through, view,virtue, what with (idiom), with


など多数が挙げられますが、関連表現も含めながら一通り見て行きましょう。和訳から原文がスラスラ言えるようにしてください。実際に発声することが大切です。




account

on account of sth  (formal) 〜が原因で、〜の理由で

 = because of something


  He doesn't drink alcohol  on account of his poor health.

 健康状態が悪いので彼は酒は止めている。


   Dinner was somewhat delayed on account of David's rather tardy arrival.

 デビットが幾らか遅れて到着したため、ディナーの開始は少し遅れた。


   Please don't go to any  bother on my account.

 お願いだから厄介ごとはもう止めにしておくれ。


 on my account

= because of me  私を理由として→私の顔を立てて→私のために


   Both his first and second wife divorced him on account of his womanizing.

 女道楽が理由で最初の妻も二番目の妻も彼とは離婚した。


cf. womanize

他動詞:To give female characteristics to; feminize 男を柔弱にする、女性化する

自動詞: To pursue women lecherously 女性を好色に追い求める、女道楽する



cf. for the sake of,for one's sake

〜のためのに 目的・利益を表わす

  Please don't go to any  bother for my sake.

  後生だから厄介ごとはもう止めにしておくれ。

  for my sake

= 私の(健康、平穏、立場の)ためを思って


 *理由と目的は厳密には区別出来ないと述べましたが、on my account も for mysake も似た様な意味です。但し前者は本人は困っていないが立場を尊重してくれとの理由、後者は本当に困るから考えてくれと心情的に訴える、とのニュアンスの違いは有ります。表現する理性 vs. 感情の比率が違ってくるように見えます。


 for charity's sake 慈善の目的で.、慈善の利益のために




cf.  take sth into accout,  take into accout sth

 = take account of

to consider or remember something when judging a situation:

 状況を審査する際に考慮、頭に入れる


I hope my teacher will take into account the fact that I was ill just before the  exams   when she marks my paper.

 採点するときに先生が試験直前に私が病気だったことを考慮して呉れるといいけど。


A good architect takes into account the building's surroundings.

 良い建築家は建物の周囲を考慮に入れる。


The UK's tax system takes  no account of children.

 英国の徴税システムは子供達のことを全く考慮していない。


I think you have to take into account that he's a good deal younger than the  rest of us.

 彼が残りの者達よりもずっと若いと言う事を君は考慮すべきだと思う。


   There are three factors to take into account: firstly cost, secondly time,and    thirdly  staff.

 考慮に入れるべき3点がある。第一にコスト、第二に時間。そして第三に人材である。


  The jury must take into account any mitigating circumstances presented by  the    defense, such as previous good character.

 陪審員は、以前には良い性格であったなどの抗弁で示される軽減事由を考慮に入れねばならない。




as

= because:

As it was getting late, I  decided to book into a hotel.

 日が暮れてきたのでホテルを予約することに決めた。


You can go first as you're  the oldest.

 一番年上だからあなたが最初に行って下さい。


I'd frayed the edges of my jeans as that was the fashion in those days.

 ジーンズの縁をすり切れさせたものです。当時のファッションでしたからねぇ。

      (that は前文の意味内容を示す代名詞)

 

I asked the teacher if I could be excused from football practice as my knee  still  hurt.

 膝が痛むのでサッカーの実習を休めるかどうか先生に尋ねた。

 

The ceasefire treaty was meaningless, as neither side ever had any intention  of   keeping  to it.

 休戦協定は意味が無かった。なぜならどちらの側もそれを遵守しようとの意図を全く持たなかったからだ。

 

Improved safety measures in cars can be counterproductive as they  encourage  people  to  drive faster.

 自動車の安全対策は改善されたが、乗り手に速度を更に上げさせる様に勇気づけてしまうので逆効果となり得る。


cf. encourage someone to do  〜する様に勇気づける、駆り立てる

 

This man is desperate and should not be approached as he may have a gun.

 この男は自暴自棄となっており、また銃を所持している可能性があり近づくべきではない。




*as には、様々な用法と意味があり、接続詞 (文章同士を連結する) としては例えば


A as B  <Bと同じ様にAだ>、

not A as B  <Bの様にはAではない> <Bと違ってAではない>


 の用法がありますが、後日、比較・様態を示す表現の項にて詳しく扱う予定です。


   He works hard, as does  his friend.

=  He works hard, as his  friend works hard.

=  He works hard like his  friend.

   友人が懸命に働くのと同じ様に、彼は懸命に働く。

  (この例では as の後の主語と述語が倒置)


   He doesn't work hard, as  does his friend.

=  He doesn't work hard, as  his friend works hard.

=   He doesn't work hard  unlike his friend .

   友人が懸命に働く様には、彼は懸命には働かない。

=  友人が懸命に働くのと違って、彼は懸命には働かない。


 まぁ、主節の方に not が付いて内容が対比されるかどうかで、<同じ>か<違う>かに分かれます。    as 以降は省略された元の文を「復元」すると理解し易いでしょう。


cf. He doesn't work so hard  as  does his friend.

 彼は友人が懸命に働くほどには懸命には働かない。

 not so A as B  A はB ほどではない、は単なる対比ではなく、程度の比較の念が入ります。


*理由を表す as と比較・様態の as とは、文意から区別は困難ではありません。




at

used to show the cause of something, especially a feeling:

 原因、特に感情を引き起こす原因を示す。


We were surprised at the  news.

 我々はそのニュースを聞いて驚いた。


I was quite excited at the  prospect.

 その予想に私は興奮した。

 

Why does no one ever laugh  at my jokes?

 どうして私の冗談に誰も全く笑って呉れないのだろう?


There was a chorus of  disapproval at his words.

 彼の発言に対し不賛成の合唱が起こった。

 

It was a courageous decision to resign in protest at the company's pollution  record.

 会社の汚染記録を知り抗議の辞職をするとは勇気のある決定であった。

 

He looked very disappointed at their decision, but did not argue.

 彼らの決定を聞いて彼は失望している様に見えたが異議は唱えなかった。


I cringed at the sight of  my  dad dancing.

 親父が踊っているのを見てドン引きしたぜ。







目的を表す表現B be to do


2020年4月5日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 目的を表す表現の第3回目です。

 目的表現+例文をリストアップしていきますので、<つべこべ言わずに>丸暗記して下さい。全く損はしないことを確約します。



その他の目的表現 番外編



前回で扱った

 in order (for sb/sth)  to  do sth    { sb=somebody, sth=something }

 in order that sth 

 so as to do sth

 so that sth

 with a view to doing sth (やや形式張った表現)


 以上の表現は、<〜をする目的で、〜をする為に>、を明確に表現するものですが、いずれも動詞に掛かる副詞或いは副詞節(副詞として機能する従節)扱いになります。

 <〜は〜する目的である>との表現としては 受験参考書には  be to do も挙げられています。しかし、これは強い意志でそうしたいとの人間が主体となる目的そのもの表現では無く、(未来には、将来的には)〜の役目がある、〜の責務がある、との意味になります。本質的な目的表現とはちょっとズレるものですが、本項にて詳細に説明します。




be to do sth  

 〜する役目がある、〜をする目的である、〜する必要性がある


 The positioning over the porch of statue and good luck symbols has beenspecifically  to  keep out bad elements  either human or supernatural.

 ポーチ(屋根付きの張り出し玄関)の上に像や幸運のシンポルを配置することは、人間であれ超自然的なものであれ悪い要素を遠ざけておく特別の役目があった。(北大入試英文を改編)


「役目」を「目的」、「必要性」と訳しても日本語の意味として全く問題ないと思います。


= The positioning of statue and good luck symbols over the porch has beenplaying a  specific role in keeping out bad  elements even if they are human orsupernatural.

 ポーチの上に像や幸運のシンポルを配置することは、人間であれ超自然的なものであれ悪い要素を遠ざけておく特別の役割を果たしてきた。


cf. play a role in, play a part in

 〜に役割を果たす


cf. either A or B  AかBかのいずれか、ここでは名詞句ではなくAかBのいずれであったにせよ、の意味の譲歩節的な意味遣いです。


cf. over = on 、 離れて上の方に、ではなく、この文意では、接して上に、の意味です。


= People have been accustomed to position statue and good luck symbols overthe  porch in  order specifically to keep  out bad elements even if they arehuman or  supernatural.

人々は人間であれ超自然的なものであれ悪い要素を明確に遠ざけておくため、ポーチの上に像や幸運のシンボルを配置することを習慣として来た。


 上記の書き換えた文は人を主語に据え人の意思に拠る目的性を強調した言い換えになります。


cf. specific

= particular 特別の、clear,  definite 明確な



be to do sth とは




Oxford English Dictionary (OED)での be の項目に以下の記述があります:


16. With the dative infinitive, making a future of appointment or arrangement;hence of  necessity, obligation, or duty;  in which sense have is now commonlysubstituted.

 間接目的の意味(〜に対して)の to 不定詞を伴い、未来の約束や手はずを表す。斯くして未来の必要性、義務或いは職務を示すがこの意味で現在では一般的に have に代用される


・a. 能動の to 不定詞を伴って

1742 Richardson Pamela III. 264, I am to thank you, my dear Miss, for your kindLetter.

 親愛なるお譲さん、あなたの親切なお手紙に私は有り難うと言うべきですな。


1814 Scott Wav. I. v. 55 Had he been to chuse between any punishment..and the  necessity.

 彼は何か罰を選ばねばならなくなったのですか?



・b. Hence, to be to seek: to have to seek, to be obliged to seek, to be in want orat a l oss.

 斯くして、to be to seek は to have to seek, to be obliged to seek, to be in want  or to  be  at a loss に置き換えられる。


1832 Fair of May Fair III. ii. 278 It was excusable that a man having passed solarge a   portion of those sixty years in  a  compting house, could be somewhatto seek in the  economy of his social system.

その60年間の大半を小ぎれいな家で過ごして来た男が人付き合いに幾らか倹約せねばならなかったろうことは納得が行く話だった。


=Taking into account that a man have passed so large a  portion of those sixtyyears in  a compting house, it was  excusable that he could be somewhat obligedto seek in the   economy of his social system.

一人の男がその60年間の大半を小ぎれいな家で過ごして来たことを考慮すれば、彼が人付き合いに幾らか倹約せねばならなかったろうことは納得が行く話だった。


( cf. could be to seek in economy of his social system

= could be obliged to seek in economy of his social system

= could be obliged to save money for his social system 


cf.could は〜することがあり得たの意、即ち、〜だったろう、と訳すと良いでしょう

(以上塾長追記)


・c. with inf. pass. 受動の to 不定詞を伴って


1869 Freeman Norm. Conq. III. xii. 145 Normandy was to be invaded on each side.

 ノルマンディは各方面から侵略される運命にあった。




 A is to do sth.で、


 @Aは〜する約束になっている、r.

〜する手筈となっている、することになっている、未来がそれに向けられている、手配されている、定まっていることを表現します。


The next meetingis to be held in  Wednesday.

= The next meeting  has been arranged forWednesday.

 次の会議は水曜日の手筈になっています。


Normandywas tobe invaded on each side.

≒ Normandywas fated tobe invaded on each side

≒ Normandywas destined tobe invated on each side

 ノルマンディは各方面から侵略される運命にあった。



 Aそれから派生して、

〜する必要がある  need to do

〜すべきである、せねばならない  have to do,  be obliged to do

〜する役務・役目がある  have a duty to do

の意味が出ました。be to do の be  動詞を need, have,  have a duty に置き換えれば良い訳です。


 基本的にこの2つの意味(@未来の定事 さだまりごと、A必要・役目)だと覚えてください。分からなくなったら、全て、〜に向かう、〜に向かうものだったと訳せば0点にはなりません。


上記の最初の文も、

 ポーチ(屋根付きの張り出し玄関)の上に像や幸運のシンポルを配置することは、人間であれ超自然的なものであれ悪い要素を遠ざける方に特に向かう(向けて)ものだった。


 と訳しても曖昧性はやや出ますが意味は通ります。点は取れます。


 上記OED の説明にも、必要性、義務の意味では be to do を have to do, be obligedto do (ねばならぬ)に置き換えられるとの記述があります。 be for the purpose of 〜の為である、との目的を示す意味には何ら言及されていません。即ち、本質的に人間側が強く意図した目的を表す表現ではありませんね。客観的に(半ば必然的に)〜となる、〜の役目だ、必要だ、との意味です。





受験参考書を見ると、be to do の訳語として、予定・運命、義務・命令、に加え、可能(〜出来る)や意図(〜したい)を当てる記述がありました。


例えば、

The book was not to be found. <その本は見付けられなかった>

の説明ですが、これはその本が見つけられない運命、そう言う事になっていた、の意味ですので、 確かに見つけようとする人間の側に立てば We couldn't find the book.となります。人間の側の営為を柔らかくして表現すべきですが、<その本はどうしても見付からなかった>の方がマシでしょう。


意図の説明としては、

If youare to passthe entrance examination, study harder.

もし入試に受かりたいならもっと勉強しなさい、とありますが、


こちらは意図<〜したい>として訳すのではなく、上記Aの説明のように be を need,have などに置き換えて考えるべきです。何となれば、be to do は主語の意志、意図を表す表現では無いからです。

従って

= If youneed to passthe entrance examination, study harder.

もし入試に受かる必要があるなら、もっと勉強しなさい

或いは、

= If youhave to passthe entrance examination, study harder.

もし入試に受からねばならないのであれば、もっと勉強しなさい


 と解釈するのがより正しいでしょう。


主語の人間側の意図を表さないと説明しつつ、意図の意味で訳すのは矛盾しています。OED などに当たって詳しい解説を参照することが大切であり、参考書やweb に掲載されている解釈や説明が真に適当なものであるとは限りません。be to do には5通りの意味があるなどと延べられていますが、却って混乱する危険性があります。上に述べた様に基本は2つの意味で成立しています。それを押さえて下さい。


cf. Who is to blame for the accident?  だれがその自己の責任を取るのだ?

意味的には

 Who has to be blamed for the accident?  だれがその事故の責めを受けねばぬらないのか?

ですが、慣用的表現として  be to blame for 〜(過失、過ち)の責任がある、となります。


他に、be to be expected 予期されることだ、当然だ、の慣用的表現があります。




 助動詞 should は助動詞 shall の過去型ですが、基本は単純未来〜だろう、未来への意志〜して遣る、の過去表現或いは婉曲な表現となります。


 未来の或る時点で、


 〜となっているだろう→ 〜となって見せてやる→ 〜すべきだ


 の意味の派生が should に有りますが、

 未来表現が意志、次いで義務表現に変遷・派生するのは、


be to do の、

〜することになっている→ 〜する義務・必要がある、


 の意味の派生に類似していて面白くも感じます。








目的を表す表現A


2020年3月20日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 目的を表す表現の第2回目です。

 目的表現+例文をリストアップしていきますので、<つべこべ言わずに>丸暗記して下さい。全く損はしないことを確約します。


その他の目的表現




 <何かを成し遂げる目的で> 

 with the aim of achieving something:

 with the intention of doing something

 を単純に表現するには、

 単純に to 不定詞を用いて to do とする表現がありますが、to 不定詞は様々な意味を持ち明確性が低い表現となります。目的であることをより明確に印象づけて表現するには、


 in order (for sb/sth) to  do sth

 in order that sth 

 so as to do sth

 so that sth

 with a view to doing sth (やや形式張った表現)


 の表現が用いられます。特に上の4つは日常的に頻用されます。


*so as to, so that の方が口語としては in order to, in order that よりはずっと普通の表現で、in    order  that は formal な表現となります。so that , in order that 共に、節の中では can, would, will,   etc. などの助動詞がしばしば利用されます。in order to , in order that は文頭に置けますが、so as   to, so that は文頭に置けません。


*to 不定詞の意味上の主語は主文の主語に一致しますが for で別の主語を添えることも出来ます。




  I agreed to her suggestion  in order not to upset  her.

 =I agreed to her suggestion  so as not to  upset  her.


 彼女を怒らせないよう私は彼女の提案に賛成した。


   They've introduced all sorts of new elements to that programme in order to broaden its appeal.

 彼らは訴求力を拡大する為にあらゆる種類の要素をそのプログラムに導入した。


=They've introduced all sorts of new elements to that programme in order  that   they   could  broaden its appeal.

=They've introduced all sorts of new elements to that programme  so that  they   could  broaden its appeal.


   In order to make the company viable, it will unfortunately be necessary to  reduce    staffing levels.

 その会社を潰さないで存続させる為には、残念ながら従業員員数を減らす必要があるだろう。


cf. viable

=capable of living., physically fitted to live,  able to live and grow.,having theability to    grow, expand, develop 生きて行く力がある、成長する活力のある、


   The president took the unusual step of altering his prepared speech  in  order  to  condemn the terrorist attack.

 テロリストからの攻撃を強く非難する為に、大統領は前もって用意されたスピーチを差し替えるとの異例の手に出た。


cf. condemn

発音注意、末尾の n は発音しません。


   Children need to feel secure  in order to  do well at school.

 子供は学校生活を上手く送る為には安心感を得る必要があります。

 = Children need to feel secure if they hope to do well at school.

  子供は学校生活を上手く送りたいのなら安心感を得る必要があります。


   He assumed a false identity  in order to escape from the police.

 警察から逃れる為に彼は偽のアイデンティティを身に纏った。

= He assumed a false identity  so as to escape from the police.

 警察から逃れるようにと彼は偽のアイデンティティを身に纏った。

= He assumed a false identity  because  he wanted to escape from the police.

 警察から逃れたかったので彼は偽のアイデンティティを身に纏った。




 We have established the institute  with a view to diffusing scientific  knowledge.

 私たちは科学知識の普及を目ざしてその協会を設立した。

 (to は前置詞ですのでうしろに名詞相当語が付きます)

= We have established the institute  for the purpose of  diffusing scientific  knowledge.

= We have established the institute  in order to  diffuse scientific knowledge.  


   We read the contract  with a view to (knowing) how it could be made to  appeal to   voters.

 投票者にアピールするためにどの様な工夫が為されているのかの視点で我々は契約書を読んだ。

 投票者にアピールしようとどの様な工夫が為されているのか知る目的で我々は契約書を読んだ。

  → We read the contract  in order to  find  how it could be made to appeal to  voters.


       We read the contract  with a view to  its renegotiation.

 再交渉するべく我々は契約書を読んだ。

   → We read the contract  in order to  make its renegotiation.

 

  と書き換えることが出来ます。

with a view toのすぐ後ろに名詞や節が続く場合は適当な動詞を補って解釈すると文意が分かり易くなりますね。意味としては「〜したいので」となります



 so は「直前に述べた文意に付加的な説明を与える語ですので、

I deliberately didn't have lunch so (that) I would be hungry tonight.

 オレは意図して昼飯を抜いたんだが、そんなで今夜は腹ぺこだろうよ。(結果を付加)

Leave the keys out so (that) I remember to take them with me.

 鍵を外に出しといて。そんでもって持って行くのを忘れない様にするつう塩梅。(目的を付加)


などの様に幾らか曖昧性を含んでいます。まぁ、so as toso that目的+結果を合わせた様な表現ですね。それゆえ文頭には持って来れない訳です。日本語の口語の「そんでもって〜する訳さ」に近い様にも思います。口語の性質が強い表現ですので、formalな文書やformal な会話では、目的そのものをダイレクトに表す明確性の高い in order to(in order that )が、更にお堅いガチガチの文書では with a view to が良いでしょう。








目的を表す表現@


2020年3月15日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 過去暫くの間、言語学としての英語並びに歴史的背景を含めた英語の成立について詳述してきました。塾長は理系の出身であり、例えば大学の英文科でシラバス(講義・授業計画)としてどの様な講義科目と講義内容が配列するのかについて全く知識がありませんが、それらに類する講義が当然含まれるだろうとは想像しています。

 さて、今回から暫くは英語の取り得る各表現について触れて行こうと思います。まぁ、目的、日時、譲歩、仮定、などの記述に使われる表現となりますが、思考の流れを明確にし、意思を正しく相手に伝える助けとなる表現であり、英作文にも直接役立つものとなります。文語のみで使われる formal な畏まった表現から、informal な即ち日常的な口語表現まで説明出来たらと思います。

 その様な表現+例文をリストアップしていきますので、また<つべこべ言わずに>丸暗記して下さい。全く損はしないことを確約します。



 さて、目的とは何でしょうか?jまぁ、何かの行動を計画したり結果をもたらすことを頭の中に意図してイメージ或いはデザインしていることになります。文字通りの矢を射る時の「的」ですね。しかしそれには何らかの理由や動機が有っての意図となります。<矢を的に当てればオリンピックに出場できるから>などの理由です。

 例えば以下の日本語の文章は概念的にはほぼ同じものとなります。

 私は出世するために一生懸命勉学する。(目的

 私は出世したいので一生懸命に勉学する。(理由


<子供達が床に就く前に顔を見たいと思って彼は早く帰宅した。> は、


 子供達が眠る前に会う目的で彼は早く帰宅した。

 He came home early  in order to see the kids before they went to bed.

 He came home early  in order that he saw the kids before they went to bed.


 子供達が眠る前に会おうとの理由で彼は早く帰宅した。

 He came home early  so that he could see the kids before they went to bed.

 He came home early  because he wanted to see the kids before they went to  bed.


 上からお分かりと思いますが、意味的には重なるところがあります。目的とは心の中に思い描くそれに向かいたいとの意思の流れ、希望、要求であり、「〜するために」は「〜したいので」「〜できるように」と理由や動機に置き換えても意味は通ります。詰まり、目的であり理由でもありこの2つは厳密な区別は出来ませんね。

 と言う次第で初回として目的を表す表現を扱い、それ以降それに続けて理由を表す表現を扱います。

 目的や理由は、主たる文章に対してそれを補足説明する表現となりますので、従属的な立ち位置にあります。従ってそれ単独で文章を作りません。作るとすれば

 Why did he come  home early?

  In order to see  the kids before they went to bed.

  Because he  wanted  to  see  the kids before they went to bed.

   などの様に、前文内容との組み合わせとしての単独文となります。




目的表現



単純に目的をサラッと述べる表現は英語にはあまり多くはありません。


目的の意味を持つ単語としては、

 purpose, intention, aim, goal  などが挙げられます。




purpose

 実は purpose の語源ですが

https://www.etymonline.com/word/purpose

purpose (n.)

c. 1300, "intention, aim, goal," from Anglo-French purpos, Old French porpos "aim,  intention" (12c.), from porposer "to  put forth," from por- "forth" (fromLatin pro- " forth;" see pur-) + Old French poser "to put, place" (see pose (v.1)). On purpose "by  design" is attested from 1580s; earlier of purpose (early15c.).


目の前に置く→目の的にする→「目的」 が原義であり、目の前になぜ置くのかの「理由」ではありません。


 しかしながら状況に応じて「目的」或いは「理由」として柔軟に和訳すると良いでしょう。


 For budgeting purposes, you really have to start estimating costs now.

 予算を立てる為に(立てたいので)、君は経費の見積もりを今すぐ本当に開始する必要がある。

 The delay really  served no good purpose and may have harmed the negotiation.

 その遅延はマジで全く目的に適わなかったし交渉に害をもたらした可能性がある。

=その遅延は我々の目指すところ(目的)とは全く違っていたし交渉に害をもたらした可能性がある。


 for the purpose of doing sth

 〜の目的で、〜のために、〜するべく、〜に向けて、〜したいので


 The user goes to that store  for the purpose of taking the articles for special  sale.

  その品を特別価格で入手する目的でユーザはその店舗に向かう。

=その品を特別価格で入手したいのでユーザはその店舗に向かう。


 The user goes to that store  in order to  take the articles for special sale.

  The user goes to that store because  they  want to take the articles for  special   sale.

これらはほぼ同じ意味です。







Mac とアイスランド


2020年3月10日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 新型肺炎の感染が拡大を続けており、学校が休みになったりテレワークでご自宅に籠もってられる方々も多いかと思います。この様な時に英語の勉強を積んで将来に目を向けるのも良いのではと思います。

 さて、ハンバーガーとアイスクリームの話題かと早合点した方も居られるやもしれません。食べ物の話ではなく、英語圏の姓に Mac やMc が付くものがありますが、これは一体何を表しているのかが今回のコラムテーマです。

 街中で見掛けるハンバーガー店も大々的にそれが冠された名前を TV でも時々連呼していますし、コンピュータやスマホで鼻息荒いリンゴマークの会社にも該当するブランドが存在します。古くは戦後、コーンパイプを咥えて厚木飛行場に降り立ったサングラスの米軍人、荒野の七人に出演した渋いアクション俳優 (塾長は大ファンでした!) にも、また60年代に世界的なブームを巻き起こした英国発4人組のポップスグループにも該当者がいます。日本人には世界 (=英語話者圏のことを英語話者達は「世界 world 」と言うらしい) の一大勢力の様に見えますが実勢はどうなのでしょうか?



 実のところ、Mac 或いは Mc はゲール語 (アイルランド、スコットランド、マン島のケルト語、Qケルト語)で、〜の息子を意味します。元々は父親の、姓ではない名前、詰まりは first nameの方に、Mac をつけて息子の姓にしていましたが、いつしかそれが固定化された苗字となったものです。例えばアーサー Arthur と言う名の男に息子が生まれると、息子の姓が  MacArthurとなります。その息子の名前 が 例えば Douglas MacArthur 即ちアーサーの息子ダグラスであれば、次の息子の姓が MacDouglas という具合です。これでは当人が何の一族の係累であるのかが分かりません。単に父親の名が分かるだけです。対外的には、当人がアイルランド orスコットランド系ケルト人の血を引くことだけははっきりしますが。

 古ノルド語 (北ゲルマン語 =スカンジナビア語の共通祖語) が古来より殆ど変化もせずに話されているアイスランドでは、現在でもこの様式で子供が命名されます。詰まりはいわゆる日本人のような苗字の概念がありません。〜の息子、〜の娘が形式的に姓に該当します。

 日本人に顔が似ていると指摘されるアイスランド人歌手のビョークの名前は ビョーク・グドゥムンズドッティル (Bjork  Gudmundsdottirですが、<父親の first name の Gudmund +属格(〜の)s + dottir  娘>が姓に相当します。詰まりは Gudmund の娘ビョーク、です。ちょっと違いますが更級日記の作者、菅原孝標女 すがわらのたかすえのむすめ を連想してしまいました。Gudmund さんに息子が生まれれば、息子の<姓もどき>は Gudmundson となります。ビョークに仮に兄弟がいれば男女の子供の間で姓が異なる訳です。通常は父親の名前から姓を付けますが、母親の名やミドルネームを利用する場合もあるとのことです。

 人口が少ない狭い社会(アイスランドは全人口35万人程度)ではこの様な命名法でも混乱は起きませんが、人口が増えると血統、家系が明確に辿りにくくなる事に加え、似たような<氏名>の者が重なり不都合でしょう。言うなればムラの命名法ですね。日本も明治に入るまで武士などを除いて苗字を持たず、例えば八丁堀の三吉、馬喰町の伝兵衛の様に、適当な符号 (屋号) を添えて呼び合っていました。これでは対外的に血筋も不明ですが、逆に言えばそれが問題にされない階層であったと言えます。まぁ、てめぇみてぇな馬のホネは引っ込んでいやがれ、ですね。



 苗字が変わらなければ家系が明確に辿れます。詰まり、家系を辿られることが有用である上層の階級ほど 「まともな」 姓を保持します。仮りに姓に息子、娘などに相当する語が入っていれば、現在は固定された姓を親から引き継いでいるにしても、嘗ては親の名前から「その場しのぎの苗字」を作っていた家系であることが分かりますので、<そこらの只の人> だと見なされもします。デンマークの童話作家アンデルセン Andersen は <Ander の息子>が起源の名字ですから、上流の出ではないと一時は鼻であしらわれたりもしたようです。童話と違って現実世界は世知辛いですね。

 〜の息子、〜の娘の命名法はケルト系以外にも古ノルド語圏、即ち、北ゲルマン語 (アイスランド、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク) で一般的です。アイスランド以外は既に固定された姓になっています。

https://ja.wikipedia.org/wiki/マック_(ゲール語)

 ここを見ると、英国の姓の"O'Sullivan"や"O'Hana の Oは Ui (孫息子) の変化したものとの記述があります。Sullivan と言う祖父の名前に対して、その息子は MacSullivan 、孫息子は O'Sullivan としたのかと思いますが、それに関しての記述はありません。おじいさんがムラの有力者でそれを誇りに思って伝えたのでしょうか。



 マーガレット・ミッチェルの長編小説 『風と共に去りぬ』 に登場する架空の人物スカーレット・オハラは、1844 或いは1845年、ジョージア州タラの自家のプランテーションで出生、父方はアイルランド系カトリックの家系、母方はフランス人であるが、有名な貴族サバンナ家の子孫、ロビヤール家の出である、とありますのでアイルランドの血が入っているとの設定です。塾長は子供の時はオハラの響きから日本人に関係があるのかなどど思っていましたが全然違いますね。余談ですが、塾長が高校の時にお世話になった体育の先生はオバラ先生、数学はオオハラ先生でした・・・。ジョージア州には 1733 年に移民が入りますが父方はこれ絡みの設定でしょう。ジョージア州の西方にフランスの植民地だったルイジアナがありますので、母方はそちら由来かもと想像します。

 苗字1つ取っても奥が深くて面白いですね。ヨーロッパの貴族の姓の命名法については後日機会があればまた触れたいと思います。

 自宅待機の方々も多いと考え、今回は娯楽的要素を強めてみました。楽しみがてら知識を得るのも悪くはなさそうです。

 途中6回分の入試英語の話を差し挟みましたが、これまで全19回に亘り、言語としての英語の背景を探るコラムを書いて来ました。英語史、英国史について興味を抱かれた方は、専門の書籍も数多世に出ていますのでそれらを紐解いて更に勉学を進めて戴ければと思います。次回からは英語の個々の表現法に話を戻しますね。







ケルト人とウェールズ語


2020年3月5日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 ノルマン・コンクエストの項で、大陸側のブルターニュ半島へとブリテン島からウェールズ人が植民した (ブルトン人と呼称) とチラと触れました。これに絡めてお話ししましょう。

 ローマ人がブリテン島に拠点を構える(1〜5世紀)以前には、先にヨーロッパ大陸から渡ってきていたケルト系民族がブリテン島、アイルランド島及び周辺の島嶼に居住していました。但し、紀元前3000〜2000年にストーンヘンジを作ったのがケルト系民族であるかは不明です。ケルト人は先住民であるからと言って文化に乏しい原始民族であったと言う事は無く、青銅器の製造技術や鉄器の武器も持っていましたし、独特の宗教(ドルイド教)も信仰していました。

 それがローマ撤退後に、ゲルマン系がブリテン島に、寄せる波の様に何度も侵攻を開始して以降(基本は海賊形態の植民です)、ケルト系民族は次第に辺境の地−ヨーロッパ大陸からは遠い、言わば裏日本ならぬ裏ブリテンに追いやられて行ったのです。尤も、ローマ人からすれば、北海に面したフランス北部、ゲルマン系民族が居住する北ヨーロッパやスカンジナビア自体が辺境そのものであったのですが。ブリテン島のケルト人はほぼ駆逐或いはアングロサクソン人人(ゲルマン系)に吸収されましたが、ウェールズのケルト人は抵抗烈しく、結局最後まで彼らを支配下に置くことが出来ませんでした。

 その様な次第で、現在でもウェールズにはケルト系住民のウェールズ人が生活し、ケルト語の一種ウェールズ語を話す者がまだ相当数居ます。

 ブリテン島の南西端にコーンウォール州が位置していますが、この場所もケルト系住民の場所でした。残念なことに、ウェールズ語とも近い関係にあるコーンウォール語の最後の nativespeaker は 1914 年に亡くなりました。



 他方、アイルランド島のアイルランド共和国側の住民もほぼ純粋なケルト人の子孫と考えて間違いないと思いますが、こちらの方は過去150年ほどの間に英語化が著しく進み、ごく一部の地区(貧しい漁労民の生活区)にてケルト語の一派ゲール語が細々と利用されるだけとなっています。英語が話せないと経済的また社会的地位を上げる事が出来ない現実から、アイルランド人自体が学校で形だけ祖語を勉強するものの実際には利用もしない現況にあります。逆にゲール語を話すものは衒学趣味の嫌味な奴だと思われがちとのことですが、魂を完全に相手側に売り渡したようにも塾長は感じてしまいます。まぁ、文化的に優勢な言語下に組み込まれ、祖語そして固有の文化も失ってしまう例はこれ以外にも普遍的に見られることではありますが、優勢な言語が文化とセットになって入る以前に、失っては困る、他に置き換え出来ない高度な文化、或いは武力を持っていなかったから呑み込まれたのだとも言えそうです。この様な言語に拠る文化支配を言語帝国主義と呼称する者もいます。

 生き残っているケルト語には、ウェールズ地方と植民先のブルターニュ半島で話されるウェールズ語とブリトン語(Pケルト語と呼ぶ)、それとアイルランド及びアイルランドからの植民先であるスコットランドで話されるゲール語(Qケルト語)の2派があります。地理的には遠く離れてはいませんが、2つの言語は分離して既に数千年が経過していると考えられ、同じケルト語であっても互いの意思疎通が困難です。

 ウェールズ語はまだ話者も多く、ウェールズの北方では小学校に入るまで英語を知らない子供達も居るとのことで、日本人の感覚としては同じブリテン島に全く異なる言語体系の者が相当数住んでいることが驚きですね。

 ウェールズ語の文法は大変複雑に見え、他国語の話者が習得するのは難しそうに見えます。言語学的に分析はし得たにしても実際の話者となるのに道は遠い様に感じますが、これは塾長の偏見かもしれません。またケルト語から英語への借用語なども少なく、これは英語話者側はケルト語を文化的に相手にしなかったと言うことでしょう。



 イングランドの800年に及ぶ支配下にあり迫害されていたアイルランドのケルト系住民が、1800年代のジャガイモ飢饉で生活に困窮、逼迫し、再起を図って新大陸にこぞって移民しました。そこで成功を収めてケネディの様に大統領になった者も出現します。古くはヨーロッパ大陸に広く居を構えていましたが、他民族に呑み込まれ、或いは追い立ててられ、辺境の地の中の辺境で生き残ったケルト人が、新大陸で花開いた訳ですが、その歴史にはケルト人の底力を感じると同時に落涙を禁じ得ません。







フランス語の勧めU


2020年2月20日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 続編のフランス語の勧めUです。




 ラテン語についてここで軽く触れておきますね。

 ラテン語起源の言語は動詞1つを取っても格変化を起こします。私が、君が、彼が、あなたたちが、彼らが、などで末尾がまた変化します。それゆえ、動詞1個だけで<主語+行為、動作>が表現でき文が成立します。但しフランス語では他の俗ラテン語と異なり主語も付けます。

デカルトの 『方法序説』 (Discours de la methode)にある、

 「我思う、故に我在り」は


 仏: Je pense, donc je suis. ジュポンス ドンク ジュスゥイ

 羅: Cogito ergo sum. コーギトー エルゴ スム

 英 I think, therefore I  am..

 和 私は考える、それゆえに私は存在する。


  となります。




デカルト 方法序説

DESCARTES DISCOURS DE LA METHODE (1637)

POUR BIEN CONDUIRE SA RAISON ET CHERCHER LA VERITE DANS LES SCIENCES


『理性を正しく導き、学問において真理を探究するための方法の話(方法序説)


第4部の冒頭の章に以下の文が含まれます:


    Et  remarquant  que  cette  verite  :je pense, donc je suis, etait si ferme et si assuree,  que toutes les plus  extravagantes suppositions des sceptiques n'etaient pas capables   de   l'ebranler, je jugeai que je pouvais la recevoir, sans  scrupule, pour le premier principe  de la philosophie que je cherchais.


 この真実、即ち我思うゆえに我あり、は大変堅固で確実なものであるが故に、懐疑論者達に拠る最大限に華やかな仮定をも揺るがす事が出来なかったのだと私は気づき、自分が探し求めていた哲学の第一原理として疑念無く受け入れることが出来る、と私は判断したのである。

(塾長訳)


 『方法序説』は元々フランス語で執筆されましたが、<Je pense, donc je suis> を、デカルトと親交のあったメルセンヌが <Cogito ergo sum> とラテン語訳しました。余談ですが400年近く前のフランス語ですが現代フランス語の文章の様に普通に和訳出来てしまいます。言語として大変安定していて揺るぎがありません。言語としての曖昧性が無く、この様な理由から外交文書にフランス語が採用される訳ですね。




 ラテン語の cogito は cogitare (考える)の直説法一人称単数現在形、詰まり、「私は」の意味がこの動詞活用形に含まれています。cogito だけで I think です。同様に sum はラテン語の be 動詞相当 esseの直説法一人称単数現在形で I  am 私は存在する、に相当します。迷子になった時に英語で Where am I? と聞きますが、今私はどこにいるの、どこに存在するの、ですね。英語でも be 動詞は主語が何であるかで ある程度は変化しますので am  happy で、私は幸せだ、と判りますが、主語 I は省きませんね。 donc, ergo,  therefore の3つは「それゆえに、そう言う訳で」の同じ意味です。

 因みに「我思う、故に我在り」の対偶命題は「我居らず故に我思わず」ですが、I am notpresent therefore  I  do not think at all. となります。映画『ターミネーター2』の最後で、使命を果たしたアンドロイドが自分を消滅させるべく溶鉱炉に沈むのですが、彼が見ていた世界の画面がプツンと切れて全ては終わります。これを見て、自分が存在しての世界の認識であって、自分が消えてしまえば世界など失せてしまうと、このデカルトの言葉を塾長は感じました。認識論的世界観?とも言うべきなのかと思いますが、今も死ぬとはこう言うことなのか、その人の世界観が失せることなのか、なるほどと勝手に納得しています。


 ラテン語には名詞、形容詞などにも格変化が有り、名詞は例えば主呼属与対奪 しゅこぞくよたいだつなどと覚えるのですが、主格(〜は)、呼格(〜よ、呼び掛け)、属格(〜の)、与格(〜に)、対格(〜を)、奪格(〜から)と利用されるシーンに応じて単語の末尾が変化します。言わば英語での動詞+前置詞の状態ですが、経文の様に覚える他はありません。塾長は第3外国語にギリシア語とラテン語を選択し、辞書まで買い込みましたが、ギリシャ語の方は途中で挫折しましたがラテン語の方はそこそこ進みました。何通りかのパターンを<つべこべ言わずに>口唱するのみです。

 フランス語ではラテン語の活用の仕方を基本は遺していますが、変化しているところや消滅したものもあります。しかしラテン語の格変化とはこんなものなのかと、英語学習のみ行って来た者には新鮮に映るのではと思います。まぁ。これは実はドイツ語などを学習しても同じ事ですが。




 話を元に戻します。

 国内の web 上の英語のサイト、より正確には語学としての英語のサイトに幾つかアクセスしてみたのですが、執筆者がフランス語が出来ないが故に、英語に関する考察が途中で止まってしまい、考察が今一だなぁと感じさせられるものがそこそこ見られました。或る特定の単語の英語での用法が揺れている、どうしてその様な意味、用法が派生したのかを探るに当たり、語源 etymology を探るのですが、それがラテン語起源でフランス語からの借用語であるとまでは判っても、フランス語からラテン語へと自分で直に遡る事が出来ず、そこに第三者のフィルター、詰まり他人の見解が介在することになります。

 動物クリニックの院長コラムで星の王さまの話題を採り上げましたが、フランス語を知らないのに、日本語の「飼いならされた」の言葉についてあれこれ語る者が多く、大変びっくりしました。原文に当たる事が出来ない様では論考としては門前払いに等しく、町内会のご隠居話や只の雑感以上の意味を持ちません。日本語に翻訳された用語であれこれ考えを巡らせてもサン=テグジュペリの思想には到達出来ません。同様に、フランス語起源の英単語をフランス語を知らずにあれこれ論じても、的の外れた、独りよがりの奇妙な考察に陥る危険性があります。

 英語にはフランス語やラテン語からの借用語が非常に沢山あることを考えると、英語学的なことを追求したい、或いは英語の教養を真に高めたいのであれば、フランス語の習得は寧ろ必須と言えるぐらいではと考えます。勿論、ドイツ語などの他のゲルマン語もその基本を習得出来れば最高ですが。






フランス語の勧めT


2020年2月15日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

入試英文のコラムを6回差し挟みましたが、また元に戻しますね。

 フランス語の勧め、とのタイトルですが、当塾は英語塾ですので、勿論のことですが、英語学習を止めてフランス語に乗り換えなさいと言っているのでありません!英語学習と併せてフランス語を勉強しなさいとの主張です。

 大学では第2外国語を選択することになる筈ですが、もし講座が開設されているのであればフランス語を選択することをお勧めします。

 多くの方はドイツ語を選択するのだろうと思いますが、少し前にコラムで採り上げましたが、英語は他のゲルマン系の言語からはだいぶ姿を変えてはいる −語順も異なり、動詞の格変化などが簡略化はされている− ものの、矢張り基本はゲルマン語の体を保っています。


 同じゲルマン語ではなく系統の離れたヨーロッパ語から英語を見つめ直すと英語の特性が一段と深く理解できる様になると思います。候補としては、ラテン語系、ケルト語系、少し地理的距離は離れますがギリシャ語或いはスラブ語系の言語などが浮かびますが、後ろの3つの系統は教えてくれるところが少なく、ラテン語系の言語に絞り込むことになろうと思います。フランス語、スペイン語、ポルトガル語、イタリア語、はたまたルーマニア語が俗ラテン語ですが、大学で実際に選べるのはフランス語にほぼ限定されるのではと思います。こんな按配で非ゲルマン系の言語で第2外国語を選ぶとなるとフランス語に絞られる、これが第1の理由です。

 余談ですが、フランス語は国際条約文に使用されるなど有力言語でもありますが、何よりも日本では学習者が少なく、フランス語の学術論文はじめちょっとしたワインの瓶の能書きを読むにも優位な位置に立てます。塾長の場合、霊長類の筋骨格系の形態進化を研究テーマとしていますので、マダガスカル島 (1960年までフランスの植民地) の原猿(キツネザル)について掛かれた論文、またキュビエの比較解剖の書物など読むのに大変有益でした。


 第2の理由としては、ノルマン・コンクエストに伴い、フランス語から大量の語彙の借用が起こり、それらの単語の原義を知り、英語での意味変化、また英語自体への影響・変化などを探る上でフランス語の知識があると大変役に立つ点を挙げたいと思います。これは勿論、ラテン語から直接入った言葉或いはラテン語から合成された言葉に対しても同様です。

(つづく)








入試英文を添削するE



2020年2月10日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 普段一般的な英語の文章を多読している塾長からすると、大学入試の英語文に触れてギョッとなることがそこそこあります。入試英文も一つの英語の文章として、公平な観点から見てみようとのコラムの第6回目です。

 以下、過去問とはなりますが具体例を挙げながら入試英文を<添削>して参りましょう。最終的には改訂した英文を掲載しますが、そこに至る塾長の考え方、迷い?など思考のプロセスをご覧ください。他ではちょっと見られない企画だろうと思います。




Manual labor was highly valued. Later it was the man who workedwith his  head to achieve success in business and industry who waslooked up to.   Now there is in America a curious combination ofpride in  having risen to a  position where it is no longer necessaryto depend upon manual labor for a  living and  genuine delight inwhat one is able to accomplish with his hand.

(大阪府立大)


 「単純労働は非常に価値があった。のちに、実業や産業で成功せんと頭を使って働くものこそが尊敬された。今や米国では、生きていく為に最早単純労働に頼る必要が無い地位に昇り得たプライドと、自分の手を汚して成し遂げられることの純粋な喜びとの奇妙な組み合わせが見られる。」



 だらだらと切りどころの無い長い記述が続く悪文です。息継ぎが出来ずに健康面でも良くありません! who が二度繰り返し現れ、塾長はギョッとするのを通り越して笑ってしまいました。look up to  (= respect) なる句動詞 phrasal verb が登場しますが、formal な文章では句動詞は控えますので、カシコまらずに気軽に書かれた文章であることが分かります。その割には言う事が鹿爪なのですが。


 内容の対照的な語句(対句)に着目するとカッコ付けがまだラクかもしれません。これは現在過去未来の時間の推移と肉体労働 vs. 頭脳労働の対比に注意を払えば容易でしょう。


cf. manual from Latin manus 手の、手に関する。manual labor を手仕事と訳すと、頭を使う仕事とは対照性が明確に出ません。頭脳労働に対し、頭を使わない仕事、単純労働、肉体労働と訳して下さい。


カッコを付ける(カッコ付ける?)と


Manual labor was highly valued. Later it was (the man who workedwith his  head to achieve success in buisiness and industry) whowas looked up to.   Now there is in America a curious combinationof (pride in having risen to a  position where it is no longernecessary to depend upon manual labor for a  living) and (genuinedelight in what one is able to accomplish with his hand).


 a combination of A and B の用法を見抜きます。curious 珍しい、奇妙な、珍妙な、と形容されていますので、珍妙な組み合わせ、即ち A と B は対立的な内容だろうと察しを付けながら身構えて読解すると良いでしょう。AとBとが対立的概念ですので、単に「AとBとの珍妙な組み合わせ」とするより、「Aである一方Bであるとの珍妙な組み合わせ」と和訳するとピッタリ来ると思います。


 Later 以下は強調構文風ですが、元の文章を考えてみましょう。


The man who worked with his head to achieve success in businessand  industry was  looked up to.

 頭を使って事業や産業で成功を収めんと働く者が尊敬された。


 頭でっかちの文章ですので、強調構文と言うよりはそのまま倒置させたとも考えられます。倒置した場合 who  who となると奇妙ですので、後ろの who を that にした方が混乱が起きません。


Later it was the man who worked with his head to achieve successin  business and  industry that was  looked up to.


或いは受け身形は止め、


Later peple came to respect such a man as to work with his head for success inbusiness   or  industry.

「のちに、人々は実業や産業での成功を頭脳を使って求める様な者を尊敬する様になった。」


cf. such A as to do 〜する様な A


と書き換え、これを強調構文すなわち、


Later it was such a man as to work with his head for success in business orindustry whom   (=  that)  peple came to respect.


 「のちに、人々が尊敬する様になったのは、実業や産業での成功を、頭脳を使って求める様な者である。」

としても良いでしょう。


cf. come to do 〜するようになる




後半の文章

Now there is in America a curious combination of (pride in havingrisen to a  position where it is no longer necessary to depend uponmanual labor for a  living) and  (genuine delight in what one is ableto accomplish with his hand).

 

 読解のキモは a combination of pride and delight の構造が掴めればそれで終わりますが、pride と delight  以下おのおのが長すぎて読むのが苦しくなります。


*人間を主語に建てて書き換えましょう。


*pride in having risen to a position where it is no longer necessary to dependupon   manual  labor for  a living

生きる為に manual labor をせずとも過ごせる地位に上ったとの自尊心

→ manual labor をせずとも生活できることの自尊心


*genuine delight in what one is able to accomplish with his hand

 単純労働を通じて成し遂げられる事への純粋な喜び

→単純労働をしている間に感じることの出来る純粋な喜び


*much pride とmuch  を付け、genuine delight とのバランスを取り、対句の対照性を強めます。


*later, now と時間の経過を示す言葉が続きますので、最初の分にも適当な語句を加えます。



以上から全文を以下に書き換えます。

Rewrite:

In old times manual labor was highly valued. Later it was such a manas to   work with his head  for  success in business or industrywhom (= that) peple  came to respect. Today the generalAmericans  have a curious combination   of much pride they have inliving a life without manual labor and genuine  delight they can feelwith it.


 「単純労働は非常に価値があった。のちに、人々が尊敬するようになったのは頭脳を用いて実業や産業に成功せんと働く様な者である。今日、アメリカ人は一般に、単純労働せずに生活を送ることに高いプライドを覚える一方、単純労働を通じて純粋な喜びを感じ得るとの珍妙な組み合わせに生きている。」


*最後の文章でhave が2度続きますので、最初の have を possess などに置き換えても良いのですが、そのままでも良いでしょう。


*和訳に際しては、名詞→動詞化等の、<品詞変換の術>を使っています。


 大金持ちが使用人に料理、洗濯、掃除を任せ切りにする一方、陶芸で泥をこねて喜んでいる光景を思い浮かべてしまいました。




 これまで6題の入試英文をじっくり見ていきましたが、採り上げた出題例は塾長の目からしてどうなのかと感じるものばかりであり、一般的な入試英文がこれらの様に常に奇矯な様相を示している訳でもありません。

 繰り返しますが<簡潔平易で高度な概念を述べる>ことが意思伝達の道具としての語学に一番大切なことであり、文章構造が簡単に理解出来なかったりするようでは、何をか況(いわ)んや、です。1つの文章に多くのことを詰め込まずに適宜細かく分けて述べるなども必要なことです。世の中が忙しくなり合理精神が進んで居ますので、勿体を付けた修辞だらけの英文だと、歌舞伎役者が街に出て来たようになります。皆さんも<簡潔平易で高度>であるかを英文の価値を見抜く規準の1つにして戴ければと思います。









入試英文を添削するD



2020年2月5日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 普段一般的な英語の文章を多読している塾長からすると、大学入試の英語文に触れてギョッとなることがそこそこあります。入試英文も一つの英語の文章として、公平な観点から見てみようとのコラムの第5回目です。

 以下、過去問とはなりますが具体例を挙げながら入試英文を<添削>して参りましょう。最終的には改訂した英文を掲載しますが、そこに至る塾長の考え方、迷い?など思考のプロセスをご覧ください。他ではちょっと見られない企画だろうと思います。




There is general apathy to if not positive distrust of science itself  as a  search for truth; for, to the  ordinary American, science is  identified with  mechanical inventions.

(早稲田大)


「積極的な不信とまでは行かないが、真理を探究するものとしての科学に対する冷淡さが社会一般にある。と言うのは、普通のアメリカ人にとっては科学とは器械の発明と同一のものだからだ。」



早速カッコで括れば、

There is general apathy to (if not positive distrust of) (science  itself  as a  search for truth); for, to the  ordinary American,science  is  identified with  mechanical inventions.


 最初の括弧内の前後を最初からカンマで括るべきですが、意図的に外して受験生を混乱させようとしている様に見えます。タチの悪い英文です。


 if 以下の括弧内は従属節扱いの文が短縮省略されたものですので、science の語に対して、主節と従属節がそれぞれ前から掛かる構文はどうなのかと言うところで、塾長は幾らかギョッとしました。主節と従属節が1つの単語を兼用せず、if (これは本来文章を従える接続詞)以下を別個の独立した文として分けた上で短縮化する必要がある筈です。


尤も、

He decided to go, although I  begged him not to.

 彼は行く事に決めた。私が行かないでくれと乞うたにも拘わらず。

 この文章では最後の  do so, 或いは go が省略されています。do so 或いは go を直接兼用しているのとは話が違います。ここで無理遣り従属節を主節に挿入すると


He decided to (although I  begged him not to) go.

 となりますが、矢張り珍妙な文章です。


if not

 勿論、もし〜で無いなら、の単純な仮定の文を短縮する用例も普通に見られますが、

even if, even though たとい〜であっても、の意味の文章を短縮したケースもあります。この場合、実質副詞的に用い、基本的に同類の意味を持つ語を<弱 + 強>の順に並べ、前者がより蓋然性が高い事を示します。後ろには極端な例を持ってくることが通例です。


<〜とは言わないまでも>と訳すとピッタリ来ます。


A, if not B  (here A is  semantically weaker than B)

 B 程までに(程度が強くは)ないが A である

= A, not to say B


 A とB は等位の関係(同じ品詞、同じ語数)であって、しかも簡略な表現が挿入句としては求められるでしょう。


cf. semantically 意味的に


It's highly desirable, if not essential, for you to go on a diet.

 君がダイエットをするのは, 絶対必要だとは言わないが, きわめて望ましい。

= It's highly desirable, not to say essential, for you to go on a diet.

= It's highly desirable for you to go on a diet, even if it's not essential for you  to  do so.




平易な書き換えの要点


*A と B は等位にした方がバランスが良さそうです。

 そこでまずは、不要な  positive  を削除し、

There is general apathy to, if not distrust of, science itself as a search for truth.

 とします。


*しかし、主節と従属節が名詞 science に共通に掛かる構文にはやはり疑問符が拭えず、


There is general apathy to science as a search for truth, even if  (there is)  not   distrust of it.


 と分離させ、従属節にて science  as a search for truth を it で代用します。これが一番安全でしょう。但し、対照を表す2つの表現、apathy to と distrust of が離れてしまいます。この対照的修辞表現を接近させつつ、文法的にも疑義を抱かせないだろう記述に改めます。


*there is なる記述は、主体が不明確であり、物理的に存在するのか、誰かが保有しているのかの明確性がありません。


There is no air in space.

→ Air is not present in  space.

 宇宙に空気は無い。

→  Space has no air.

 宇宙は空気を持たない。


There is apathy to science.

 科学に対する冷淡さがある。

 apathy は物質として存在せず人間の精神にありますので、We have apathy to  science. としたいところですが用例が見付かりませんでした。


 ちなみに、以下の表現は取り得ます。

have (feel) sympathy for

 同情する、心を寄せる

People often have no  sympathy for the homeless.

 ホームレスに同情心を持たない人が多い。


cf. apathy: Greek apatheia, from a: without + pathos: feeling

 感情を持たない、何とも思わない

apathy = being without  feeling


 そこで

There is apathy to science. を

→ We are indifferent to  science.

 我々は科学には冷淡だ。

 と書き換えます。


*ここで省略的な挿入表現を使いたいなら、接続詞 if を使わない単なる副詞句を採用します。


*scientific inquiry <科学的探求>の用法から a serch for を inquiry into に換えます。


*itself は無くてもOKでしょう。




 以上から全文を平易に書き換えると


Rewrite


Generally, we are indifferent to, not to say suspicipus of, science  as  inquiry   into  truth.  This is  because the ordinary Americans  regard science to be  equal  to  mechanical inventions.


 「一般に我々は、真理を探求するものとしての科学に対し、疑念を持つ程では無いが冷淡である。なぜなら、米国人は科学イコール器械の発明と普通見倣すからである。」


→ 「世間一般は真理探求のための科学に対し、疑念を持つ程では無いが冷淡である。なぜなら、米国人は科学イコール器械の発明だ、と普通見倣すからである。」


 まぁ、短兵急に実用性に直結するもの、すべきものとして科学を捉えているのでしょう。これは日本も同様で、「科学技術」なる言葉がありますが、以前から科学と工業技術、産業技術を同列に並べるのは奇妙だとの指摘は為されています。科学技術庁の名も正しくは産業技術庁と変更すべきでしょう。


*この様に簡潔に書き換えました。意味するところは同じです。比較すると上記入試出題文が無駄な鎧で身を固めた表現であることが浮かび上がるでしょう。この様に、入試英文は大した内容を述べるまでもないのに、わざわざ肩肘張った意味の取りにくい英文としてしまい、「結晶度」が高くない、形が歪んだものが散見されます。同一の思考内容を理路整然と平易且つ簡潔に述べるのが学術論文とすれば、感性・詩情豊かに簡潔に述べるのが文学と言えそうです。評論であっても平易簡潔が望ましいでしょう。当然、(平易簡潔で高度な概念を述べる)>>(難解な形式で詰まらぬ事を述べる)、ですね。


形式的に難解な英文をカッコで括ったりひっくり返して読解せんとの姿勢には、漢文を相手に苦闘した古い時代の<悪癖>或いは<因習>が大学入試の世界に別の姿形として遺残していることを示すのではと思います。これが、入試が片付いたら入試英語とはさっさと縁を切りなさいと塾長が主張する1つの論拠です。受験産業に関わってメシの種とする者は別として(塾長もその一人?!)。


* apathy の前の general を引っ張り出して文章全体に掛かる副詞 generally にさせました。Generally speaking, In general <一般的には、普通には、通常>と同じ意味ですが、皆が普通にそうだ、そう考えるのが少数者では無く大多数だ、との意味です。


cf. regard A to be B  A を B とみなす

= regard A as B


cf. be identified with = be  equal to 〜に等しい


cf. ordinary 普通の、ordinary  people 普通の人々

→和訳時に、副詞的に扱い、<見倣す>に掛けると自然になります。<普通の人々は見倣す>を<人々は普通に見倣す>とする方法です。この様に和訳時に英語の品詞を別の品詞扱いにして適宜再配置すると自然な日本語になります。逆に日本語を英訳する際にこの方法を用いて英語らしい英文とすることも出来ます。<品詞変換の術>との塩梅です。この<品詞変換の術>については後日まとめてコラム化しようと考えています。




 これまで5題の入試英文をじっくり見ていきましたが、塾長が展開したのと同じ遣り方で、入試英文を「解読」し、用いられている語句の用法を辞書で(出来れば英英辞典で)調べて知識とする習慣を身につければ、英文の読解力は格段に上がる筈です。更には自分だったらこう書き換えるのだが、と英英翻訳を行うと完璧に近づきます。この様な訓練を重ねると、脳内での和訳変換無しに、最初から目に入る英文の意味のままに読み進められるようになります。平易な英文であれば一晩で数十〜百頁程度は読みこなせる様にはなるでしょう。その様なレベルに到達してのちに、ギョッと感じる英文に出会った場合には英文の方がおかしいとの疑義を自信を持って抱いて良いと思います。まぁ、精読と多読をインターバルで行うと良いと思います。









入試英文を添削するC



2020年1月20日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 普段一般的な英語の文章を多読している塾長からすると、大学入試の英語文に触れてギョッとなることがそこそこあります。入試英文も一つの英語の文章として、公平な観点から見てみようとのコラムの第4回目です。

 以下、過去問とはなりますが具体例を挙げながら入試英文を<添削>して参りましょう。最終的には改訂した英文を掲載しますが、そこに至る塾長の考え方、迷い?など思考のプロセスをご覧ください。他ではちょっと見られない企画だろうと思います。




However, I feel that the teacher's role is more fundamemtal than  the critic's.   It  comes down ultimately,  I  think, to the fact thathis  first obligation is  to   the  truth of the subject he is teaching,and  that  for  the reading of  literature  ever  to become a habitand a pleasure, it must first be a discipline.

(慶応大)



 やや堅い内容の会話風の文章でしょうか。一見遠慮がちな様でいながら力強く述べる気持もあるとの文章であり、ゴテゴテしたところも有りますが知性と香気の感じられる文章です。塾長がギョッとなる箇所はありません。意味が取りにくい箇所は適宜動詞を脳内追加(名詞を動詞化)しながら読み下すしかありません。この辺の力量を問う点に於いて、この入試英文は文章それ自体は別として良く出来た問題と感じます。


 カッコで文章の構成要素を適宜括れば、

However, I feel that the teacher's role is more fundamemtal than  the critic's.  It   comes down ultimately, I  think, to the fact { (thathis  first obligation is  to  the   truth of the subject he is teaching),and  (that for  the reading of  literature   ever   to become a habitand a  pleasure, it must first be a   discipline).}


 となります。構文的には難易度は高くはありません。クールな視線でさっさかカッコで括ると良いでしょう。


 省略や倒置無しでさっと書き換えて粗訳すれば、

However, I feel that the teacher's role is more fundamemtal than  the critic's   role.

 しかしながら、教師の役目は批評家の役目よりはもっと根本的なところがあると感じます。


I think it comes down  ultimately to the fact

 〜と言う事実にまで究極的に落ちると思います(詰まるところ〜と思います)


that his first obligation is to the truth of the subject he is teaching,

 最初の義務は自分が教える教科の真実に向けてのものであり


and that it must first be a discipline for the reading of literature  ever to    become a habit and a pleasure.

 文章を読むことがしかと習慣となり喜びとなること、それこそが最初の躾けであるべきです。



 カッコで括ることが出来たなら、次は文章を読み下しながら字面通りにこの様な粗訳まで頭の中でさっと組み立てます。こなれた日本語まで持って行くのは最後で結構です。主張の対句表現、全体の文意を捉えた上で語句そのものにとらわれずに自然な日本語を当てます。上の程度の粗訳まで行ければ良い配点を貰えるかもしれません。ここまで数分で到達出来れば軽く合格も出来そうです。


 「しかしながら、私は教師の役割は批評家のそれよりはもっと根本的なものを抱えていると感じています。役割は詰まるところ次の様な事実に帰結すると思うのです。教師の第一の義務は自分が教える教科を正しく教えることであり、文章を読むことがいずれ習慣となり喜びとなるように最初に生徒達にしつけるとの役割です。」

 これで満点でしょう。


come down to noun (名詞)

obligation to noun

discipline for someone to do

 と、用法は異なりますが動詞や名詞のあとにto を頻用しています。to は〜への方向性、未来性を示す品詞であり、<〜しむける>や<自ずとそうなる>の気持を添えます。最初の come down to noun の表現は、述べる側に「言うなれば」との自然にそうなる、詰まり、婉曲なモノの言い方の気持が含まれていることが判ります。これは I feel, Ithink と自分の感じたこと、考えですよと重ねて言葉を加えていることからもうかがえます。まぁ、だから控えめ風な体裁を取る文章になっている訳ですね。教師らしい?責任を上手く回避して逃げの手を打ちながら意見を述べる物言いの仕方が良く出ているとも感じますが如何でしょうか?


come down to sth/ do

〜に帰結する、結局〜になる、落着する、責任が回ってくる

It came down to a single choice between to be or not to be.

 最後は生か死かのどちらかを選ばなければならなくなった。

With my father's death, it has come down to me to support my brothers.

 父が亡くなったので弟達を養う責任が私にまわってきた。


obligation to  sth

〜に対する義務

I have no legal obligation to  that  child.

 私はあの子どもに対して何の法的責任もない。

= I have no  legal obligation  to raise that child.

 あの子を育てる法的な義務はない。


obligation is to the truth

→義務は真実に向けてのものです、では日本語として意味が不明ですので動詞を補って理解します。真実を「守る」 「教える」「沿う」義務がある、と考えれば良いでしょう。義務とはもともと履行されるべきものですから基本は「遂行する」ですが、文脈に合わせそれの派生語を考え当てはめます。教科に関する義務ですから、〜の真実に沿って教える義務がある、としてもよいでしょう。

have an obligation to  teach  the truth 

真実を教える義務がある、嘘を教えてはならない


cf. obligation to do 〜する義務がある

We have a legal obligation to  pay our taxes.

 私たちには税金を払う法的義務がある。


cf. be obliged to do 〜するのを余儀なくされる、せざるをえなくなる

We felt obliged to obey his orders. 彼の命令に従わなければならないと思った。


be obliged to someone for 〜のことで感謝致します (丁寧な表現)

I'm deeply obliged to you for your kindness. ご親切のほど深く感謝いたします.



最後の

for the reading of literature ever to become a habit and a pleasure

 これは

reading of literature surely becomes a habit and a pleasure

 文章を読むことがしっかりと習慣となり喜びとなる、の意味を、名詞句化したもので、to不定詞の主語を for 以下で添える形式です。ever は強めの意味、<しかと>と捉えると良いでしょう。ここでは、first 真っ先に、に強めの意味が込められていますので省略しても良いと思います。


It was my great pleasure for him to have passed the entrance examination.

 彼が入試に受かったのが私の大きな喜びでした。

= For him to have passed the entrance examination was my great pleasure.

= I was very pleased to know that he (had) passed the entrance examination.

 これは He passed the entrance examination. 全体を名詞にして It で受けたものですが、for + 意味上の主語 + to不定詞の形に分解しています


 <for 〜to不定詞>は意味的には、〜が〜すること(名詞用法)、〜が〜するべき(形容詞、限定用法)、〜が〜する様に(副詞用法)、の3つの意味を持ち得ますが、ここでは<for 〜to不定詞>= discipline ですので最初の用法である名詞用法としました。to不定詞は本来的に〜する方向にある、の意味を含みますので、読書することが楽しい習慣となる様に躾ける、と、名詞である discipline を<躾をする>との動詞と見なし、動詞を修飾する目的の意味の不定詞風に訳しても寧ろ日本語としてはしっくり来るでしょう。<品詞変換の術>との塩梅です。しかし文法的には名詞である discipline に対し、to不定詞は副詞的な修飾はできません。名詞の言い換え、同格としての用法、或いは、This   is the  applefor me  to  eat これは僕が食べるリンゴ、の様な用法に限られます。


 the fact that のthat 節に文章を押し込んでいる関係から更にその内部でthat 節を利用するのを避ける為に<for 〜to不定詞>構文にしたのだろうと思います。


単独であれば、


It must first be a discipline that the reading of literature  should ever become  a  habit   and  a   pleasure.

 文章を読むことがしっかりと習慣となり喜びとなること、それを最初の躾けとすべきです。

 とし得たでしょう。



literature

文献、文学、文章、書物

 the reading of literature は、本を読むこと、としました。<文学を読むこと>を躾ける、ではちぐはぐです。文学を読む、とは躾けられて本を読む段階を超えての行為ですので。ここでは躾けの語が登場しますので、小学生相手の教育の話と考えます。因みに学術論文の最後に必ず添えられる Literature Cited  は論文本文内に引用された文献のリストのことです。


書き換えの要点


*遠慮がちでいる様で強い主張を行う二律背反的な口幅ったい文章を、明確な主張をより堂々と述べるものとします。

*yet は複数の意味を持ちますが、会話文ではhowever は大仰ですのでyet を採用します。

*the fact that の中身が2つ続いて重いので、中身を一続きの文にします。

*<dicipline 鍛錬、躾けの名詞>と、<for to 名詞句、この中にも名詞が多用される>を is で繋ぐ硬い表現を、動詞を用いて平易に書き換えます。


以上から、

Rewriteその@:

Yet I think the teacher's role is more fundamemtal than the critic's.  It  comes   down ultimately to the  fact  that he has primarily an  obligation to  teach the   truth of his subject, and also to train first  children   to become  accustomed  to  reading books with pleasure.


 「それでも教師の役割は批評家に比べるともっと深いものがあると思うんですよね。煎じ詰めれば、教師は第一に、教科を私見なく正しく教えねばならない義務がありますし、子供達が本を読むのが好きになる習慣を持つ様にまず最初に躾ける義務もあります。」


 批評家は個人の思想で思うところを述べて良いが教師はそうはいかない、本を批評的に読むのではく、まず読書するそのものの楽しみを子供達に習慣づけねばならない、教師はもっと深いことを考えているのですよ、と言う話ですね。


It comes down ultimately to the fact that

 この表現が回りくどくて大仰ですので、スッキリした表現に換えます。

  become accustomed も短い表現に換えましょう。


RewriteそのA:

Yet I think the teacher's role is more fundamemtal than the critic's.  That is    (to  say), he has primarily  an  obligation to teach thetruth  of  his subject,   and   also to train first children to form thehabit of  reading books with    pleasure.


 「それでも、教師は批評家と比べるとより根本的な役割を持っていると思うんです。詰まりは教師は第一に、教科を正しく教えねばならない義務がありますし、子供達が楽しく読書する習慣を身に付ける様に最初に躾けねばならない義務もあります。」


 修辞上の鎧を削ぎ落とし裸にさせたらこんなに簡潔明快な英文になりました!意味内容的には最初の英文とほぼ同じです。


cf.

form (get, acquire, contract, pick up) the habit of

〜の習慣がつく


train someone to do

〜するように教え込む; 鍛える.

It is important to train  children to obey.

言うことを聞くように子供たちを教育することが大切です。


be accustomed to sth

= be used to 〜に慣れている

I'm not accustomed to running long distances. 長距離走行には慣れていない。

be accustomed to do

〜するのに慣れている、〜する習慣だ

He was accustomed to have  a cup of tea after lunch.

彼は昼食後にお茶を飲むのを習慣にしていた。









入試英文を添削するB



2020年1月15日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 普段一般的な英語の文章を多読している塾長からすると、大学入試の英語文に触れてギョッとなることがそこそこあります。入試英文も一つの英語の文章として、公平な観点から見てみようとのコラムの第3回目です。

 以下、過去問となりますが具体例を挙げながら入試英文を<添削>して参りましょう。最終的には改訂した英文を掲載しますが、そこに至る塾長の考え方、迷い?など思考のプロセスをご覧ください。他ではちょっと見られない企画だろうと思います。


Yet, somehow, historians or political scientists studying our own  age must try to  identify the  landmarks that lead to the present.They must select from the  countless events of recent  history  those  which seem the most important and  which provide some  clue to the  mysteries of modern history. For only some  understanding of the  past enables us to know  where we are and  provides some  paths through the forests in the future.

(青山学院大、問題文の後半部分)


 「それにも関わらず、我々自身の時代を研究している歴史家或いは政治学者は、現在に通じる道しるべが何かを何とかして見い出そうと努めねばならない。近世史の数え切れない事象の中から、最も重要であり且つ近代史の秘密解明に何らかの手掛かりを備えるそれらを選び取らねばならないのだ。なぜなら、過去の何らかの理解のみが我々が何処に立っているのかを知らしめて呉れ、未来の森を抜ける幾本の小道を備えるからである。」



 構文的には大した難解性は無く、基本的に伸びやかな英文です。所々をカッコで括って読解を進めるのみです。しかしながら、当たり前すぎる様な内容を、もって回ったような表現でごてごてと述べ立ててあり、その意味に於いては悪文の類いと感じます。文意は、<現在を知るには過去を理解するキーとなる事象を探し出す必要があり、それはまた未来を理解する手掛かりにもなろう>、との最後の一文に全て集約されています。まぁ、文意を4文字で要約せよと言われれば只の<温故知新>ですね。



 カッコで文章の構成要素を適宜括れば、

Yet, somehow, (historians or political scientists studying our own  age) must try to  identify  the landmarks that lead to the present.They must select (from the  countless events of  recent history)  those { (which seem the most important) and  (which provide some  clue to  the mysteries of modern history)}. For (only some  understanding of the  past) { (enables us to  know where we are)  and  (provides  some paths through the forests in the future).}


 となります。出題文を読みながらさっさかカッコで括り、頭の中の思考を視覚化すると英文解釈がとてもラクになります。これが出来れば問題は7割方解けた様なものです。



identify

To establish the identity of.  独自性、唯一性、主体性を確立する、他に、同一視する、の意味もありますがここでは以下の意味になります。

To ascertain the origin, nature, or definitive, characteristics of

 〜の起源、性質、定義、特徴を(誰だと)確認する、(見分けて本質を)突き止める、見分ける


cf. be identified with = be equal to 〜と一致する、同一視される、等しい


 上記では、現在へと通じる道しるべとなるものを様々な事象の中から見分けて突き止める、即ち<見つけ出して他とは区別する>の意味ですが、<見つけ出す>こととは他のモノとは違うとレッテルを貼る意味も含んでいますので単に<見つけ出す>で良いと思います。identify の意味が不明でも、次の文で select from  <〜の中から選択する>、と言い換えが為されています。



 最初の somehow  (なんとかして)、以外に some が3個次々と出現しますが、最初の2つは単数形名詞を修飾しますので certain 詰まりは<或る、何らかの>の意味であり、最後は複数形名詞に係りますので、<幾つかの>の意味ですね。英語は同じ単語が続く冗語性を嫌いますので、感心した記述ではありません。誰でも文章を書くときは頭の中に前の文章で使用した語句が残り、どうしても同じ語句を繰り返し使いがちになります。これを推敲して別の表現に体裁を整えるのが肝要です。



 最後の文の初頭に For が立ちますが、for は前置詞として多様な意味を持ち、詰まりは意味が曖昧性を抱えます。接続詞としての for は理由を表す用法があり、理由を示す従属節の先頭に貼り付けて用います。例えば、as, since, because などと同様に。但し、従属節ですから、疑問文で理由を尋ねられた時の答えに、Since ----. 〜の理由からだ、との用法では単独で利用する事は出来ますが、上記文の場合は単に従属節を独立文としているので適当ではありません。経験しない表現でギョッとしました。文章の流れとしてはFor  only 〜で、只〜の者に対しては、と文が展開すると思いきやそうではないので、なんだこれはとなった訳です。文章の最後でキモとなる理由を述べる大切な箇所ですので、曖昧性を含んだ用法ではなく、というのは〜だからであると、強い明確な表現に改めるべきです。



書き換えの要点


*yet は複数の意味を持ちますので、despite that の意味を明確に示すために

→ however, nevertheless, nonetheless に置き換えます。

*somehow try to do 何とかして〜しようとする

→ manage to do

*for

→ This is because

*only some は only が some に掛かる様に誤解(ホンのちょっとだけの意味)を与えますので some は削除します。

*only は〜だけと心情的に訴える色が濃くなります。理性的な判断を述べたいのであれば solely か just に換えます。

*関係代名詞の多用は文がゴテゴテして重くなりますので数を減らします。日本語で言うと、〜するところの〜、となりますが、文章がごつごつしますね。


以上から

Rewrite:

Nonetheless, historians or political scientists studying our own  age  should  manage  to  identify the landmarks leading to the  present. They must select from  the countless events  of  recent  history those which seem to be most important  and help  provide  certain  clue to  the mysteries of modern history. This is   because  just understanding of the past  enables us  to know where we are  and can  provide some paths through the forests in the future.


 「それにも関わらず、我々自身の時代を研究している歴史家或いは政治学者は、現在に通じる道しるべが何かを何とかして見い出そうと努める必要がある。近世史の数え切れない事象の中から、最も重要であり且つ近代史の秘密の解明に何らかの手掛かりを与える助けとなる道しるべを選び取らねばならないのだ。これはなぜなら、過去への理解のみが我々が現在何処に立っているのかを知らしめて呉れ、未来の森を抜ける幾本の小道を備え得るからである。」


 ごてごてした表記を、意味内容を変えること無く簡潔明快に書き換えが出来ました。


cf.

countless

数え切れない、無数の

priceless  

きわめて貴重な、値段の付けられない、(口語)とてもおもしろい




 「以下の英文を院生に頼んで入試問題用に試作させたのだが、根拠を示しつつ適宜改訂せよ」 などの入試問題が登場したら傑作ですね。


 「文章は訳さなくて良いので適宜カッコで括り、文章の構造を明確にしなさい」 なども面白ろそうです。




 元々の英語が曖昧性を含んでいて優れた表記ではない文章に対し、それを英語を取り巻く情報、常識を元に上手く訳すまでに到達しないと入試英語への回答としては駄目だと宣う英語指導者も散見しますが、それは間違いです。native が書いた文章が、或いは入試問題が絶対である様な態度は良くありません。native であっても普段から明確な表現を心がけて英文をモノする修練をしている者もいれば、内輪でしか理解出来ない表記のままにしておく者も居ます。

 塾長も生物学徒として英文の論文を週に2本ずつは一通り目通しする習慣にしていますが、簡潔且つ見事な表現の論文もあれば、多義に取れる明確性の低い論文(非英語圏からの投稿が多い)も目にします。基本は書かれた文字の通りに解釈するのが論文の読解ですので、読み手側がウラまで斟酌して遣る必要はありませんし、行間を読むなどと悠長なことをする必要もありません。相手との明確な意思疎通を図る道具としての英語の語学学習と、英文学(もどき)の勉強とを混ぜてしまってはいけません

 入試の英文を見ても然りですが、評論文であれば、余計な修辞や冗長な表現を避け、読者に誤解の発生しないように明確なテキパキした表現を行うべきが、多義性を含んだ曖昧な語句を採用したり、突拍子も無い稚拙な構文を出してきたりで大変驚かされる時がそこそこあります。駄目な英文を受験生側が補ってまで解釈して遣る必要は全くありませんが、文意が通らないまでの非道い文章はさすがに入試には出題されないとは思います。

 まぁ、語句をカッコで括って倒置を理解するなどの解読技法を一定程度身に付け、あとは単語や熟語の用法を覚えていけば英文読解力自体は短期間でも相当の伸びが期待できます。英語とはなんと単純な学習方法で足りる科目なのでしょうか困っている方は当塾の指導を是非一度受けてみたら如何ですか?弱点を見抜きオーダーメードの徹底的な指導を行いますが、成績は指導を受けただけ確実に底上げが図れます。








入試英文を添削するA



2020年1月10日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 まともな英文だったものを入試判定の道具とすべく、あれこれ加工したものが入試の英文であると前回述べました。引き続き、この場では入試英文も一つの英語の文章として公平な観点から扱い、<添削>して参りましょう。最終的には改訂した英文を掲載しますが、そこに至る塾長の考え方、迷い?など思考のプロセスをご覧ください。他ではちょっと見られない企画だろうと思います。


To form a society individuals must be related in a certain manner.  For instance, if people do  not communicate with each other, if  they  are perpetually in aggressive physical combat, if  they do not  cooperate with  each other, and do so routinely over a period of  time, then  their  interactions are not social and they don't  constitute a society.

(早稲田大学)


 「社会を形成するためには個々人はある特定の遣り方で関係せねばならない。例えば、仮に人々が互いに意思疎通せず、終わりの無い攻撃的な実戦状態に在り、互いに協力し合わず、或いは単に一定期間の決まり切った協力であれば、彼らの相互作用は社会的とは言えず、社会を構成しているとは言えない。」


早速、カッコで括ると、

(To form a society) individuals must be related in a certain  manner.   For instance, [(if people  do not communicate with each  other), (if  they  are perpetually in aggressive physical  combat), (if  they do  not   cooperate with  each other, and do so routinely over  a period  of   time)], then [(their interactions are not social) and  (they don't   constitute a society)].



 <例えば>以下に仮定の従属節を3個配列し、最後に言うべき結論を持ってくるとの構文(=文章の形式)ですね。文章自体は平易で分かり易く素性の良さが漂う英文となっています。但し、内容的には当たり前のことが述べられているだけで、何ら面白みのある文章ではありませんが。


 意味内容としては、社会を形成する為に必要な条件を挙げねばなりませんので、そうでは無い逆の条件を列挙するのがそもそも婉曲な力の弱い文章表現となっています。また実際のところ、従属節を複数個、しかも3個も列挙する構文が適当であるのかの疑問が出て来ます。塾長はこの様な英文はほとんど見ません。垢抜けしない三文小説を思わせる記述にも思えます。


 また、3つめの条件 if they do not cooperate with  each other, and do so  routinely  over a period of time では、<,and >でもう一つ追加の記述が入りますが、カンマの前で一旦3つのif 節が切れて、更に別の文がここに追加されるのかと身構えますがそうではありません。カンマは削除すると同時に、意味的には and で繋ぐのではなく、or  if they  do so  (= cooperate with  each other)  just routinely over a period  of  time) <或いは単に一定期間、機械的に協力するだけであれば>、と or で繋ぐと明確になるでしょう。


 そこで堅苦しくなりますが以上から formal に書き換えの一例としては、


Rewrite その@

With a view to constituting a society, individuals must be related in  a certain manner. For  instance, people should communicate and  cooperate with each other, without being  perpetually in  aggressive   physical combat or just routinely social.


 「社会を構成するためには、個々人は一定の遣り方で関係する必要がある。例えば、絶え間なく攻撃し合う態度や或いは単に形式的に社交的であることを排除し、人々は互いに意思疎通し協力し合あうべきである。」


perpetually in aggressive  physical combat

just routinely social over a period of  time

 は軽い対句表現ですが、over a period of  time は不要と判断し削除しました。


 言うべき主張を間延びしてダラダラ記述すると小学生の作文のようになります。短くビシっとキメることが肝要です。これは英語に限らず日本語でもそうなのですが。


perpetual は

without end, eternal

continuing or enduring  forever; everlasting.

continuing or continued without intermission or interruption

 永遠の、際限の無い、終わりの無い

 の意味ですが、perpetual friendship 貴女との友情は永遠よ、との気持は表明し得ても、perpetual combat と大上段に振りかぶるのもいささか奇妙に感じます。<絶え間の無い>ことを心情的に強調する表現となります。まぁ神様の視点でこいつら人間共はいつまでも永遠の争いを続けるものだ、との気持でしょうか。単に continuously 絶え間なく、の方が淡々として良い様にも感じます。


 そこで

Rewrite そのA

With a view to constituting a society, individuals must be related in  a certain manner. For  instance, people should communicate and  cooperate with each other, without being  continuously in  aggressive  physical combat or just routinely social.


 「社会を構成することを視野に入れると、個々人は一定の遣り方で関係する必要がある。例えば、絶え間なく攻撃し合う態度や或いは単に形式的に社交的であることを排除し、人々は互いに意思疎通し協力し合あうべきである。」


 ここまで直してきてナンですが、最初の with a view to (〜に視点を向けると、〜するためには)の重々しさと述べられている内容の軽さとがちょっとアンバランスな様な気もします。「社会を形作るには争っていないで互いに意思疎通して協力し合いなさい」などと、そもそもそれを述べるために一体誰がわざわざ文章をモノするのか、との疑問に立ち返ってしまいます。もっと気の利いたことをモノしないと評論家デビューは不可能です。小中学生相手に説教している状況でしょうか?


* without A or B (A でも B でもなく)の A とB を等位にします。


 そこでもう少し軽く、

Rewrite そのB

In order to constitute a society, individuals must be related in  a  certain manner. For  instance, people should communicate and  cooperate with each other, without being  continuously aggressive  or just routinely social.


 「社会を形作るためには個々人は一定の遣り方で関係し合わねばなりません。例えば、いつも争ったり形だけ仲良くせずに、お互いに意思疎通を図ったり協力し合う必要があるのです。」


 これと同じ事を述べるのに最初のゴテゴテした英文を作る事の奇怪さがお判り戴けるでしょうか?勿体を付けすぎている様に見えます。塾長コラム『フランス語の勧め』にて後述しますが、同一内容を簡潔明快に述べることが大切であり、逆に言えば中身の主張に自信があるからそうなる訳です。主張が研ぎ澄まされるほど内容の結晶化が進み、透明に近づくとも言えるでしょう。世人、特に女性が宝石を好み高値で取引されるのは、それが分かり易いまでに美しいからです。


cf.  physical (⇔ mental)

物質の、肉体の 

a physical impossibility 物理的不可能性

physical anthropology  形質人類学


physics  物理学

physician  医師、(特に) 内科医




 大学入試の長文読解では、判りきったもっもとらしい内容の評論もどきが多数登場し、その説教臭さに辟易させられる一面もありますが、逆に言えば多少判らない語句や単語が出て来てもそれにとらわれず(と言うか考え出すと余計な時間を喰う)、意味内容を類推して自然な日本語にパッと仕立てるのも良い様に思います。それで満点を狙わずともそこそこの配点を獲得する訳です。所詮、基本は18歳の若者が受ける様に作成された試験のレベルなのですから、常識的な論説のストーリー展開を予想して外れることはないと思います。

 ギョッとさせられる様な colloqual にはとても見えない英文表現を目にすると、大学入試英語界の特殊性を色濃くも感じますが、これはウラを返せば日本の高校英語教育の偏向を物語るものでもあるでしょう。

 まぁ、割り切ってしまって英語での得点を確実にし、希望とする大学に<取り敢えず>入ってしまうのが最善でもあります。その後に英語力が身に付いた段階で、自分だったらこの英文表現はこのように書き換えるのだが、の視点を持ちながら英文に触れると実力は格段に上がると思います。但し、通過儀礼めいた入試英文の類いとはさっさと手を切り、英語圏の優れた文章(定評ある評論、一流の文芸など)にまずは浴びる様に触れることをお勧めします。








入試英文を添削する@



2020年1月5日

  皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 新年明けましておめでとうございます。本年も本コラムを利用してどうぞ勉強を進めて下さい!

 英語の成立に纏わる話題をあと数回述べる予定でいたのですが、入試も近づいて来ましたので、6回に亘り、入試英文に関する話題を押し込むことにしました。皆様のカンフル剤となれば幸いです。

 さて、普段一般的な英語の文章を多読している塾長からすると、大学入試の英語文に触れてギョッとなることがそこそこあります。意味は通るが木に竹を接いだ様な聞き慣れない表現であったり、鹿爪話を述べる評論文の筈が表現が非常に稚拙だったりもします。一つには native  speaker には通りの良い英文だと却って出題の意図に沿わず、敢えて入試問題のレベルに加工する(劣化させる?)過程でちぐはぐな表現、子供じみた間延びした英文になってしまう可能性もあるでしょう。出題する先生方も色々と大変ですね・・・。言い換えれば、試験用にあれこれ加工してある英文でもありますので、英文としてお手本とすべき文章とは別個のものと考えても良いでしょう。

 英文長文読解の参考書の内、定評あるものをアマゾン通販から購入して紐解いてみましたが、解説者はそれらの入試英文をカッコで要素を括って分解し、どの要素がどこに掛かるのだとまでは、恰もパズルを解くが如くに、親切丁寧には教えてくれますが、「一流大にも拘わらずこのような英文で出題するとはケシカラン」とはけして主張はしません。大手予備校の講師がその様な参考書を執筆している訳ですが、彼らは過去の出題傾向を把握、分析し、どの様な解法でアプローチすれば入試英語は突破出来るとの当然ながらのスタンスに立ちますので、日本の大学の入試問題以外の英文を浴びる経験が少ない可能性もあるでしょうし、また<貴大学の入試英語は良くない>とクレームを付ける訳にも行かない立場にもありましょう。

 内容的にはそこそこ優れていますので、一定以上の実力を既に備えて居る受験生はその手の参考書を購入してせっせと自己勉学に励めば、格安で大学合格の栄冠を勝ち取ることが出来るでしょうね。塾を開設している身ですが、勉学自体にはお金を掛けず、世に出ている資材を上手く利用するのがキモと考えます。時に自分の泳法を見て貰うためにプロの水泳指導者に助言を貰うのも有益ですが。最先端の資料と資材が必要な研究活動には勿論ゼニを惜しんではなりません。

 当塾は大学入試のみに特化したスタンスには無く、それを超えた英語読解力のレベルアップを目標にしていますので、その様な制約無く、入試英文も一つの英語の文章として、まだしも公平な観点から扱う事が出来ます。

 以下、過去問となりますが具体例を挙げながら入試英文を<添削>して参りましょう。最終的には改訂した英文を掲載しますが、そこに至る塾長の考え方、迷い?など思考のプロセスをご覧ください。他ではちょっと見られない企画だろうと思います。




Frank talks between an adolescent and his parents often reveal  that  the adolescent is  basically willing to rely on his parents for  protection in many situations.

(日大)


 言いたい事は、

「若者と両親との間で歯に衣を着せない遣り取りをすると、基本的には若者が自分を様々な状況で守る様に両親に依頼する気持でいることがしばしば明るみにされる。」 


 まぁ、親には反抗的な態度を取っても、独立して自身の身を守る力量無く、基本は親に守って貰いたいと虫良く?依頼する積もりでいる、との訳ですね。若者は一丁前に巣立つ前の半独立的な状況に有る、とのもっともな論評です。大学入試に当たっても、受験に掛かる費用、大学の授業料、生活費などを自前で稼ぐ若者は皆無に近く、当然ながら誰でも親の経済的庇護下に入らざるをえませんね。塾長の場合は、都立高から国立大に進み(当時の授業料は格安だった)、大学の専門学部に進学してのちは授業料免除、大学院は入学金半額免除となり、更には日本育英会から奨学金を貰い(研究職に就いたので返済は免除)、自宅通学の上に家庭教師と塾講師で稼いでいましたので、でしたので、親にはあまりゼニの負担を掛けずに来れたのが密かな矜持でもあります。只で獣医師になったようなものです。


 年明け早々からの塾長の自慢話はさておきまして!、この英文をまず目のままに読み進めると、Frank さんが何かについてこれから話すのかぁと頭の中で構えますが、<若者と両親との間で>の表現が入り混乱させられます。Frank さんが若者と両親の間に割って入って一体何を話すのかとなります。


 どうやら Frank さんではなく、形容詞の frank (相手が気分を害そうともお構いなしに本音を言う態度、率直)であることが判っても、更にtalk (about something) between 〜について話を交わす、との表現も見た経験がなくギョッとさせられます。複数人の間で何かを話題にして言葉を交わすのであれば、それは<会話>ですのでそれに適した言葉を使うべきです。


 talk とは一方から他方に話をする動作ですので、talk between 〜の間で話を交わす、は colloquial (問題なく通用する表現)かどうかですね。同様に、speak something  between, say something  between, tell something between なども聞いたことがありません。


 どう言う意図でこの様な入試英文が出題されたのかは不明ですが、日大流のおおらかさ、伸びやかさを逆に感じない訳でもありません。逆に、毎年この問題を出題するのも面白いでしょう。我が校の入試問題をきちんと勉強してくれているな、で得点をドカッと与えると言う次第です。


 実際に

have a frank talk with each  other 互いに打ち明け話しをする

この様な真っ当な表現もあります。<互いに>とは、from A to B and from B to A の意味になります。


この表現を使えば、

Rewrite その@

 When an  adolescent and his parents  have a frank talk with each  other, it is  often  revealed that  the adolescent is basically willing  to  rely on his parents for  protection in  many situations.


 若者と両親が互いに本音を語り合うと、若者が基本的には多くの状況のもとで自分を庇護して欲しい気持でいることがしばしば明るみになる。


 これが平易且つ一番良い書き換えに思います。


Rewrite そのA

 受け身型にせずに、そのままの形で、Frank  が人名では無い事をまず明確に示すためには以下に取り敢えず書き換えます。


 A frank talking made between  an adolescent and his parents  often  reveals that the  adolescent is basically willing to rely on  his   parents  for protection in many situations.


 意味は通じますが talk between の表現にまだ疑問が残ります。


 そこで

Rewrite そのB

 An honest conversation (made) between  an adolescent and his  parents often reveals that  the adolescent is basically willing to  rely  on his parents for protection in many situations.

 

 若者と両親との忌憚のない会話のなかで、基本的には若者が自分を様々な状況で守って呉れる様に両親に依頼しようとする態度がしばしば明るみにされる。


 としてみました。


ちなみに 

be willing to do

= disposed or consenting, inclined, prepared

= willingly

その気になっている、気持が傾いている、準備が出来ている


I am willing to overlook your  mistakes.

 君の過ちを大目に見ようかとの気持になっている。


反対語

 be unwilling to do

  be reluctant to do

= unwillingly, reluctantly

〜しようとの気持になれない


 I am unwilling to help them.

 I am reluctant to help them.

彼らを助けようとの気持になれない。








ノルマン・コンクエストと英語


2019年12月20日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 英語の語彙には1万語ものフランス語からの借用が認められますが、なぜこの様なことが起きたのか、を理解しておくことは、英文読解の基礎的知識としても必要なことでしょう。借用と言っても、直接的な征服・非征服の関係無しに、いわば文化交流として中国から日本に言葉が流入したのとは全く異なり、コンクエスト conquest のタイトル通り、征服の結果もたらされたものです。逆に言えば、この征服が起きる以前の英国には、高度な政治的、経済的、学問的な立ち位置にあった対岸のフランスと交流し、それら高度な概念の言葉を文化として借用せんとする気持或いは機会を持たなかったことを意味します。日本人が遣唐使や優れた僧などを派遣し対岸の中国から進んだ文化を取り入れようと頑張った気概の様なものを持ち合わせて居なかったのでしょうか?

 11世紀初頭までは、海賊のデーン人が王様に立ったりと、古英語(西ゲルマン語)や古ノルド語 (北ゲルマン語)を話す未開のゲルマン人同士でブリテン島のぶんどり合戦に明け暮れ、開明の精神に欠けていた、或いはそれどころではなかったのかもしれません。まぁ、基本は収奪に長けた海賊の習性強い血統でしょうか。文化・芸術に花開いたローマ人とはだいぶ違っている様に感じます。

 ノルマンディと聞くと、第二次世界大戦の戦況転機の突破孔となった連合軍のノルマンディ上陸作戦を想起する方も多いだろうと思いますが、イギリスの対岸の大陸側の領域名です。現在のフランスの領土のドーバー海峡に面したノルマンディ地方は、11世紀にはフランス人の領土では無く、北方ゲルマン系(ノルマン人と呼ぶ)の入植地であり、当時の英国国王の従兄弟を領袖に据えた王国、ノルマンディ公国を形成していました。まぁ、英国の殿様の親戚が海外領土県で殿様を務めている様なもので、日本で言えば、蝦夷地に藩を構えた松前藩の様な感じでしょうか。但し、血筋は北方ゲルマン系のヴァイキングなのですが文化的にはフランス化し喋る言葉もフランス語です。余談ですが、現在のフランス人自体がラテン、ゲルマン、ケルト系の混血で、特に北半分ではラテン系の血が特別濃いとは言えません。

 西暦1066年9月、英国本国の殿様が世継ぎが出来ない件に乗じて、ノルマンディ公国の王、ギヨーム2世が今度はオレが殿様になって遣ると英国に渡り、僅か3ヶ月で王位を得る (ウイリアム征服王 William the Conqueror の名で即位、母親はフランス人庶民)と 同時に、これまでの英国貴族も次々と大公国の配下の貴族と入れ替えてしまいました (ノルマン朝の成立、ノルマン・コンクエスト)。日本ではこの3年前の1063年、康平5年に朝廷側の藤原頼義が陸奥国の土着豪族安倍貞任 (陸奥国を朝廷から半独立的に統治していた) を破り前九年の役が終結したばかりです。このおよそ120年後の1180年には頼義の子孫頼朝が鎌倉幕府を打ち立てます。日本史も世界史的な視点から眺めると俄然面白くなりますね。

 ノルマン・コンクエスト以後300年の長きに亘り、民族ではなく文化上のフランス人であるノルマン人が英国の支配階級として君臨し、当然のこととして、世の中の支配に纏わる文言や文書は全てフランス語が利用されることになりました。高度な概念の言葉の導入が図られたと言う訳です。征服と同時に文化ももたらした点に於いては幾らかローマ人には類似しますね。一方、英語は一般庶民の言葉として統制もされず、この間に動詞の格変化なども簡略化が進行して行きました。その代わりに前置詞を添えるなどして、格変化の代用をさせることも進んだ筈です。言わば「てにをは」で補完する策ですね。因みに、英国国王は普段は対岸のノルマンディ公国に滞在し、そこから英国本土に睨みを効かす統治です。松前藩が幕府に成り代わり、津軽海峡を挟んで蝦夷地側から内地を統治する様なものです。

 征服王の子孫が女性問題を起こし、フランス本国側と争いになり大公国の領土を失いはしました(1204年)が、実は当時は現在のフランス領土に相当するところは完全に現在のフランス人が掌握していた訳では無く、ノルマン人は大公国以外の各地に領土(or 親英派の土地)を持っていました。イングランド王が支配下に置こうとしたスコットランド王がフランスに亡命してフランス王家の庇護下に入ったことから、またイギリス王が自分にはフランス王家の血筋が入っているからフランス王の継承権があるとフランス王の跡目争いに乗じて主張もし、戦争を仕掛けます (100年戦争 1337年 - 1453)。英国軍が大挙して大陸に渡り戦争勃発となりましたが、英国は敗退し、英仏おのおのの領土並びに国境がこれで確定されました。

 大公国を失い、英国に引き揚げた王族や貴族は、100年戦争の勃発もあり、次第に英語を再び使い始めます。フランスとの対立が先鋭化する中で嫌仏の感情が強まり、これに併行して<国風文化>を醸成しようとの民族アイデンティティ確立の機運も高まっても来ていたのでしょう。

 既に簡易化されていた英語にフランス語からの大量の借用語がミックスされ、現在の英語の基本の形が斯くして作られるに至りました。格変化も少なくなり簡素化された上に、ラテン語由来の高度な概念を表現し得るフランス語の語彙を得て、英語がこの先世界語として普及し得る素地が整ったと言うことでしょう。ノルマン朝は英語熟成の面では結果的に良い仕事をしたと言うか、まぁ、いいとこ取りの言語の誕生です。大和言葉の統語(=文法)+漢語の組み合わせの日本語の成立に似ていなくもありませんが、非漢字圏の学習者には漢字の途中習得が甚だ困難ゆえ、英語と異なり日本語の普遍化は厳しいと思います。

 この少しあとで、今度は大母音推移 Great Vowel Shift と呼称される発音上の一大変化が進行しましたが、これは既に本コラム、発音と綴りの乖離の項にて触れています。



 言葉を学ぶことは歴史を知ることそのものであることがお分かり戴けたのではと思います。しかしながら今回は戦争の話ばかりとなってしまいました。

 今年の塾長コラムはこれが最後となります。皆様、どうぞ良い年をお迎え下さい!







アングロサクソン人とはC 1066年に何が起きたのか


2019年12月15日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 アングロサクソン人とは何者なのか、どこから遣って来てどんな言葉を話していたのでしょうか?

 この話の最終回の第4回目です。

 引き続き、以下のサイトを参考にして話を進めます。

https://www.bl.uk/anglo-saxons/articles/who-were-the-anglo-saxons

British Library Who were the Anglo-Saxons?

Article written by: Julian Harrison




1066年にアングロサクソン人に何が起きたのか?


 11世紀の間、アングロサクソン人のイングランドは一度ならず二度まで征服されました。その1度目として、デーン人の王 Cnut クヌートは1016年に土着のアングロサクソンの王家を追い出し、彼とその息子の2代に亘り、1042年までイングランドを統治しました(デーン朝)。



 デーン人の進行に悩まされたエゼルレッド2世に関しては、wikipedia の記述が分かり易く、以下引用します:

Wikipedia contributors. "エゼルレッド2世 (イングランド王)." Wikipedia. Wikipedia, 13Nov. 2017. Web. 13 Nov. 2017.

「エゼルレッドは、その治世を通じて絶えずデーン人の侵入に苦しめられた。デーン人が侵入する都度、イングランドは「デーンゲルド」と称される退去料を支払ってきた。これは一時的な平和には寄与したものの、度重なる支払いでイングランド財政には大きな負担となった。  エゼルレッドは、デーン人がノルマンディーを拠点としてイングランドに攻撃を仕掛けることを恐れた。そのため、ノルマンディー公国と友好関係の樹立を図り、ノルマンディー公リシャール1世の娘エマと結婚した。

 また、エゼルレッドはデーン人に対する懸念から、国内のデーン人を虐殺した。このことは、当時のデンマーク王スヴェン1世の反発を招き、デーン人の侵入を激化させることになった。イングランドの国内勢力をまとめ上げることもかなわず、ついに1013年、デーン人の攻撃に屈して姻戚関係にあったノルマンディーへの亡命を余儀なくされた。こうしてスヴェン1世にイングランド王位を奪われたが、翌1014年にスヴェン1世が急逝した。そのため、エゼルレッドはイングランドに帰国して復位を果たした。しかし、デーン人のカヌート(のちのデンマーク王クヌーズ2世)がイングランド遠征を引き継いだため、引き続きデーン人との攻防は続いた。だが、1015年には3代の国王に仕えて「デーンゲルド」政策推進の中心人物であった重臣エアドリチがカヌートに内応して離反してしまう。これによってイングランド側は苦境に立たされる。

 こうした状況の中、生涯を通じてデーン人と争ったエゼルレッドは、1016年に病没した。その後、エゼルレッドの息子エドマンド2世が王位を継承した。しかし、間もなくエドマンドも死去したため、デーン人のカヌートがイングランドの王位につくことになる。 」




 エドワード懺悔王(エゼルレッド2世とエマ・オブ・ノーマンディーの息子、エドマンド2世の異母弟)が王位に就いている間の「デーン人が自国へ引っ込んだ幕間」が1066年彼の死と共に過ぎると、エドワード懺悔王は修道士として純潔を守り子孫が居なかったことから、世継ぎ問題でイングランドが揺れ動きました。最後のアングロサクソンの王ハロルド2世が1066年10月14日にヘイスティングスの戦いにてフランスのノルマンディー公ギヨーム2世(のちのウィリアム1世、エドワード懺悔王の従甥、自分も王位に就く正当性があると主張)に敗れ亡くなりました。

 生き延びたイングランドの貴族により選ばれたのはハロルド2世の後継者エドガー(エゼルレッド2世の次男エドマンド2世の孫、父親の亡命先ハンガリー生まれ、1125年没)でしたが、一度も権力の座に着けず戴冠することもありませんでした。新たなノルマン人の王朝はこの後ほぼ 3世紀に亘り(1066〜1154年、ノルマン朝、1154〜1399年、プランタジネット朝)イングランドを支配したのです。公文書や法廷用語に英語が再び使われ始めた1362年までは、一般民衆には理解も出来ないAnglo-Norman language (フランス語のノルマンディー方言)やLawFrench (法廷フランス語)が300年の長きに亘り使われて来たのです。


 この様に、デーン人の度重なる侵入によりイングランドの国土が彼らの支配下としてじわじわと削り取られ、アングロサクソン人の王家が弱体化しているところに、今度は対岸のフランスのノルマン人が最後に侵入してアングロサクソン人の王家は途絶えました。東と南からの波状攻撃ですね。斯くして1066年にアングロサクソン人が歴史の視界から消え去ったのです。ここで注意しておきますが、フランス語を話す対岸のノルマン人は、ラテン系の血の入ったフランス人では無く、北方ゲルマン人のヴァイキングがフランス北西部のノルマンディー(セーヌ川の河口)に住み着き、フランス語文化圏化し、「ノルマンディー公国」を建国したものです。デーン人とは親戚のようなものです。まぁ、ブリテン島の南半分を占めるイングランドの土地を巡って、北方ゲルマン系諸民族の間でぶんどり合戦が繰り広げられていたと理解すれば間違いでは無いでしょう。

 ドゥームズデイ・ブックは、土着のイングランドの多くの土地所有者並びに教会が1066年から1086年の間に自分たちの地所を実質的に失ってしまったことを証明していますが、アングロサクソン人は人口の最大区分であり続けました。

 彼らの言葉は、王家の公用語また法律システムとしてのフランス語に置き換えられましたが、12世紀またそれ以降に至るまで本は英語で執筆されました。1066年の年次記録では、アングロサクソン年代記 Anglo-Saxon Chronicleの一原稿が、アングロサクソンに対するノルマン・コンクエストがもたらした悲観的視点で描かれています−征服以降と言ったら物事はずっと悪くなって仕舞った、と。しかしアングロサクソンの習慣とイングランドの言葉はその後何世紀もの間被支配者の間では優勢で有り続けたのです。

 ノルマン人、ノルマンディ公国並びにノルマン・コンクェストに関しては、次回言葉としての英語の変遷の歴史と共に詳しく扱います。英国史の11世紀を押さえておくとそれを起点に英国への理解が一気に深まるのではと思います。言葉を知ることはその国の文化、歴史を知ることに他なりませんね。







アングロサクソン人とはB 宗教・社会


2019年12月10日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 アングロサクソン人とは何者なのか、どこから遣って来てどんな言葉を話していたのでしょうか?

 この話の第3回目です。

 引き続き、以下のサイトを参考にして話を進めます。

https://www.bl.uk/anglo-saxons/articles/who-were-the-anglo-saxons

British Library Who were the Anglo-Saxons?

Article written by: Julian Harrison




アングロサクソン人の信じる宗教は何だったのか?


 5〜6世紀にイングランドに入植したアングロサクソン人は非キリスト教徒でした。

 彼らの宗教的慣習に関しては情報も多くはなく、どう言うものであっのかあまり推測することも出来ないのですが、それらは彼らの埋葬慣行を見てのもの、或いは後世キリスト教徒が書いた記録から得たものになります。

 最も初期の時代の彼らの墓地を発掘したところ、非キリスト教徒であるアングロサクソン人が土葬以上に火葬を好んだこと、また時に遺体を埋葬品と共に埋めた事が判りましたが、これは彼らが来生を信じていた可能性を示唆しています。Bede に拠れば、アングロサクソン人の月と曜日の名前は非キリスト教に起源を持ち、他方、アングロサクソン人の神話に拠れぱ、王国の様々な規範はゲルマン人の神である Woden に全て遡るとされます。

 6世紀の晩期に、教皇グレゴリウス1世 Gregory the Great (509−604)は、ケントのAthelberht エゼルベルト王をキリスト教に改宗させるべく、イタリアの修道士アウグスティーヌを送りました。アングロサクソン人の王国らは、それに抵抗する孤立地区を伴いはしましたが、次の世紀を通じてローマからの伝道師及びアイルランドの修道士の影響下でキリスト教を採用するに至りました。

 ノーサンブリアでのキリスト教の採用は、ケントでの改宗に見られたのと同様、それに対する王の支持が決定的に作用したものです。ノーサンブリアを改宗させるべくオスワルド王は、スコットランド西岸アイオナからアイルランド出身の聖エイダを招きましたが、エイダは司教職の新たな場としてリンディスファーン島を選びそこに修道院を建てました。

 どうしてアイルランドからカトリック教会の伝道師がイングランドに遣って来たのか不思議に感じる方が大半だろうと想像しますが、アイルランドはローマの侵入及び撤退後にキリスト教化が進行し、一方ブリテン島にはアングロサクソン人の侵入があったため、布教が遅れていたと言う次第です。現在でもアイルランドでは国民の殆どがローマカトリック教徒ですが、キリスト教の布教面ではアイルランドの方がイングランドよりも先行して居た事になります。




 いささか脱線しますが、その当時の日本はどうだったのでしょうか?当時の日本人は文字も持たなかったのか、自前での歴史的記録はありません。アングロサクソン人のブリテン島への入植に先立つこと200年程前の記録になりますが、中国の魏志倭人伝から様子を窺うことになります。

 魏志倭人伝(ぎしわじんでん)は、中国の歴史書『三国志』中の「魏書」第30巻烏丸鮮卑東夷伝倭人条の略称ですが、『三国志』は、西晋の陳寿により3世紀末(280年(呉の滅亡)- 297年(陳寿の没年)の間)に書かれています。

以下、https://ja.wikipedia.org/wiki/魏志倭人伝 の中から引用します:


「卑弥呼と壹與

 元々は男子を王として70 - 80年を経たが、倭国全体で長期間にわたる騒乱が起こった(いわゆる「倭国大乱」と考えられている)。そこで、卑弥呼と言う一人の女子を王に共立することによってようやく混乱を鎮めた。

 卑弥呼は、鬼道に事え衆を惑わした。年長で夫はいなかった。弟が国政を補佐した。王となって以来人と会うことは少なかった。1000人の従者が仕えていたが、居所である宮室には、ただ一人の男子が入って、飲食の給仕や伝言の取次ぎをした。樓観や城柵が厳めしく設けられ、常に兵士が守衛していた。

 卑弥呼は景初2年(238年)以降、帯方郡を通じて魏に使者を送り、皇帝から「親魏倭王」に任じられた。正始8年(247年)には、狗奴国との紛争に際し、帯方郡から塞曹掾史張政が派遣されている。「魏志倭人伝」の記述によれば朝鮮半島の国々とも使者を交換していた。

 正始8年(247年)頃に卑弥呼が死去すると塚がつくられ、100人が殉葬された。その後男王を立てるが国中が服さず更に殺し合い1000余人が死んだ。再び卑弥呼の宗女(一族or宗派の女性)である13歳の壹與を王に立て国は治まった。先に倭国に派遣された張政は檄文をもって壹與を諭しており、壹與もまた魏に使者を送っている。 」


Wikipedia contributors. "魏志倭人伝." Wikipedia. Wikipedia, 31 Oct. 2019. Web. 31Oct. 2019.


 この記述から見ると、巫女的な神格化された女性を祭り上げ、その権威のもとでクニを統制するとの、呪術的宗教態勢下のヒエラルキー構造の社会であったことが窺えます。後に伝来した体系の整った「まともな」宗教である仏教からみれば、paganism と呼んでも違和感はありません。東アジアモンゴロイドの土俗宗教であるシャーマニズム系の宗教でしょうね。この様な土着的宗教を体系化して洗練させて行き、成立した宗教が日本の神道である様に塾長は考えますが、何をいい加減なことを言っているのだと宗教学者から叱られるかもしれません。

 因みに安田靫彦画伯の『卑弥呼』は滋賀県立近代美術館に収蔵されており(2021年3月末まで休館中)、また卑弥呼の復元3D像は大阪府立弥生文化博物館にて常設展示されています。興味のある方は是非お出かけ下さい。




アングロサクソン人の社会はどのように組織されていたのか?


 アングロサクソン人の社会はヒエラルキー(ピラミッド型の階層型組織構造)でした。その頂点には王とロイヤルファミリーが君臨し、次いで貴族、司教並びに教会関係者が並びます。底辺には社会の不自由身分である奴隷が占めていました。

 2つの要となる情報源からアングロサクソンの社会機構の実体を知る事が出来ます。1つは、ケントのエゼルベルト王(604年没)が定めた一番初期の法典、他はドゥームズデイ・ブックです。エゼルベルト王の法律は犯罪者と受傷者の地位に基づく、償いと罰則からなる込み入った体系でした。

 これら2つからは、アングロサクソン人のイングランドでは女性が権利を持っていたことが明らかになっていますが、それは個人の婚姻上の地位に従うものでした。償いは女性には支払われず、その代わりにその女性の父親、夫或いは兄弟に与えられるものでした。

 ドゥームズデイ・ブックは、1085年のクリスマスに征服王ウィリアム1世  (イングランド王、1066-1087) により作成を命じられ一年以内に完成しました。この土地台帳には11世紀のイングランドでの土地所有及び他の財産所有の形式について記述されています。征服者であるノルマン人により編集されたものではありますが、アングロサクソン人により設立された管理機構を元にしている事は明らかです。英国郡部を shire (シャー、‐shire を語尾とするイングランド中部の諸州)に分割する区割りはほぼ1974年まで丸のまま残っていましたが、これもまたアングロサクソン人の習慣に基づくものであり、ドゥームズデイ・ブックにその証拠が残っています。

 英国の街の名に Yorkshire, Berkshire, Buckinghamshire, Oxfordshire, Northamptonshire,Leicestershire, Lincolnshire, Nottinghamshire などがありますが、これらの州や群の区割りは遅くとも11世紀に遡れる訳ですね。尤も、本邦の現在の都道府県の区割りは奈良時代の風土記成立まで遡れますので、日本の歴史の方が資料豊富且つより古代まで遡ることが出来ます。ヨーロッパの諸国でも僅か5〜600年前である15世紀以前の歴史記録もほとんど残っていない国が多いのですが、ギリシア、ラテン、中国の記録には敵いませんが日本はまだずば抜けていますね。







アングロサクソン人とはA 言語文化


2019年12月5日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 アングロサクソン人とは何者なのか、どこから遣って来てどんな言葉を話していたのでしょうか?

 この話の第2回目です。

 引き続き、以下のサイトを参考にして話を進めます。

https://www.bl.uk/anglo-saxons/articles/who-were-the-anglo-saxons

British Library Who were the Anglo-Saxons?

Article written by: Julian Harrison




なぜアングロサクソン人はアングロサクソンと呼ばれるのか?


 アングロサクソン人は自身をアングロサクソンどは呼びませんでした。この用語は8世紀になり初めて使われましたが、それはブリテン島に住むゲルマン語話者をヨーロッパ大陸のゲルマン語話者達と区別する為の用語でした。

 786年に、オスティアの司教ゲオルグがイングランドに旅行し教会の会合に参加しましたが、彼はその時のことを教皇に、自分は Angul Saxnia アングルサクスニアに行ってきたと報告しています。今日では、歴史学者はアングロサクソンの用語を、ローマ占領時代とイングランドのノルマンコンクエストの間の時代に言及する時の簡潔な言い回しとして使っています。




アングロサクソン人は何語を喋っていたのか?


 アングロサクソン人は我々が今日知る古英語 Old English を話していましたが、近代英語の祖先に当たります。例えば古フリージア語、古ノルウェー語、古高地ドイツ語と言った他のゲルマン諸語とは最も近い親戚関係にあるのです。

 イングランドのアングロサクソン人に拠るアングロサクソン語の文献が遺っていますが、West  Saxon, 西サクソン、Northumbrian ノーザムブリア、また Mercian. マーシアと言ったイングランド内の異なる地域で異なる方言が話されていたことが分かっています。最古の英語詩である Caedmon’s Hymn (658 -680 年頃に編纂された)はイングランドのノーサンブリアンの方言で編まれています。


 イングランドのアングロサクソンでは、或る特定の個人に於いては数多くの他の言語が話され理解もされていました。これにはラテン語(教会の言語並びに学習言語)。ギリシャ語、コーンウォール語、アイルランド語(アイルランド語は初期の数多くの伝道師の言語でした)

 9世紀に始まるイングランドへのバイキングの侵入の時から、イングランドの北部並びに東部の多くの地域にわたり、古ノルウェー語が話されましたが、これは現在まで遺る多くの地名からも明白です。例えば、近代のヨーク York はスカンジナビアの名前、ヨーヴィック Jorvik に由来しています。

 遺された英語の古文書を見ると塾長は1語も読めません。上代語である万葉集 (630?- 759年までの約130年間の歌が収録)や古事記 (和銅5年 712年 に太安万侶が編纂し元明天皇に献上)をひらがな表記にすれば、大方の意味が掴めますが、この様に考えると日本語は大して変遷もしていない言語だなぁと感じてしまいます。




アングロサクソン人は読み書き出来たのか?


 イングランドのアングロサクソン人の読み書き能力のレベルは後の世紀のものほど高くはありませんでしたが、アングロサクソン人社会の数多くの者達は読み書きが出来ました。1100年以前に書かれ或いは所有されたほぼ1000冊に達する書物が、数百の書類(羊皮紙1枚に書かれたもの)と共に現在まで遺っています。

 これら書籍や書類には、

 宗教目的で作られた写本(聖書、詩編、祈祷書)

 聖人の生涯並びに伝記(Asser に拠る『アルフレッド王の生涯』の類例無き中世写本は残念ながら1731年に焼失しました)

 修道士の記録(例えばEly の農作業雑録)

などが含まれます。

 英語の最も偉大な叙事詩の1つである Beowulf の類例無き写本が遺されていますが、これは西暦1000年頃に写されたものです。ノルマンコンクェスト以前の古英語で書かれた最長の叙事詩となります。

 イングランドのアングロサクソン人のラテン語学習熱は、Aldhelm 並びに Bedeなどの著作者に例示されますが、 Theodore 大司教(669−690)が7世紀にカンタベリーに設立した学校に拠っても示されます。

 ウェセックスのアルフレッド王 King Alfred of Wessex (871−899)は、9世紀にラテン語学習の低下について問題視し、それに対応せんと重要ラテン語を古英語に翻訳する制度を制定したのです。







アングロサクソン人とは@ どこから来たのか?


2019年11月20日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 皆さんもアングロサクソンと言う言葉はたびたび耳にしたことがあると思いますが、その意味するところを正しく知り得ている方は少ないのではと思います。フランス語で英語のことをアングレーズと言うので、英国人とサクソン人の混血かぁ、などと思われる方もおられるかもしれませんね。

 たまたま British Library の web サイトを眺めていたところ、アングロサクソン人についての記事が目に入りました。今回はその記事を参考にしながらアングロサクソン人について採り上げましょう。アングロサクソン人とは何者なのか、どこから遣って来てどんな言葉を話していたのでしょうか?今回から4回に亘り採り上げていきます。

https://www.bl.uk/anglo-saxons/articles/who-were-the-anglo-saxons

British Library Who were the Anglo-Saxons?

Article written by: Julian Harrison


 著者のJulian Harrison 氏は British Library の中世史写本文献担当の curator 学芸員ですので豊富な文献を例示しながら解説を加えており、数多くのアングロサクソンを巡る web サイトの中で文字通りの圧巻と感じられます。是非ご覧ください。

 アングロサクソン人とは、5〜6世紀に掛けて英国に植民した者達ですが、当初は多数の小集団として上陸し、数多くの王国を打ち建てました。最終的には英王国 the kingdom of Englandとして政治的に単一の王国に纏まりました。これはアゼルスタン王の統治時代(924−939)の事です。




アングロサクソン人はどこから遣って来たのか?



 8世紀の記録として、ノーサンブリア(スコットランドの南に隣接する古王国)の修道士であった尊者ベーダ Bede the Venerable (735年没)が、彼の『イングランド教会史』(731年)(羅: Historia ecclesiastica gentis Anglorum, 英: Ecclesiastical History of theEnglish People, 5巻)の中で、これらの移民について記述しています。原典はラテン語で記述されており、


https://archive.org/details/historiaecclesia00bedeuoft


ここからラテン語原典(英文の注釈附き)が、またラテン語版、現代英訳版が共にアマゾン通販で入手可能です。英国民のキリスト教への改宗の歴史を述べた書物です。


「彼らは3つの強大なゲルマン人であるサクソン、アングル、ジュート人に由来する。ケントKent (ブリテン島の南東端)の住民と Wight島の住民はジュート人起源で、更に Wight島に向き合う Wessex 王国の一部も今日依然としてジュート国と呼ばれている。

 東、南、そして西サクソンの人々は、サクソン国つまりは古サクソンとして知られる地区から遣って来た。

 これ以外にも、アングル国(Angulus と呼称される)つまりはジュート王国とサクソン王国に挟まれた土地からは、東、中央アングル、Mercians、ノーサンブリアの全住民(即ちRiver Humber ハンバー川 の北側に住む者達)が遣って来た。アングリアの人々も同様である。アングル国はその当時から今日に至るまで見捨てられたままになっていると言われている。」


 Bede の記述は、考古学的な証拠の範囲では支持されています。 例えば Spong Hillin Norfolk と言った東イングランドの墓地の発掘の結果、初期のアングルサクソン人の埋葬慣行と北海に面する地域の他のゲルマン人のそれが非常に類似することが判明しています。例えば、Binham Hoard の最近の発見では、5〜6世紀に東アングリアに住んでいた人々が、スカンジナビア及び現在のドイツ地域から発掘されたものと大変よく似た宝飾品を身に付けていたことが示されています。


 ジュート国とは現デンマークの半島(ユトランド半島、Jutland、ジュート人の住む半島)の北半分、アングル国とは南半分、サクソン国とは半島の付け根の領域です。ローマ帝国がブリテン島から撤退したのと引き替えに移民を開始した訳ですね。先住民であるケルト系住民を支配下に置き、或いは駆逐して行ったのです。




アングロサクソン人はどこに入植したのか?


 証拠からは、最初はイングランド東部に入植したのち、西にまた北部に移動してそれまでブリトン人(ケルト系)が住んでいた領土を占領したことが示唆されます。ウェールズはブリトン人の拠点の地であり続け、またカンブリア(ウェールズ語でウェールズを指すCymru カムリと同根)はおそらく他の北の方のイングランドよりも長い間、侵入者に対抗して保持されていたのでしょう。コーンウォールも10世紀まではケルト人の独立が維持されていたのです。

 Gildas ギルダスと Bede は、ブリトン人とノーサンブリア人について各々概観していますが、早い世紀に於けるアングロサクソン人とブリトン人との間の一連の紛争を描写しています。

 Gildas は、アングロサクソ人の到来は、あるブリトン人のリーダーの堕落した行いに対する神からの罰であったと仄めかしています。

 アングロサクソン人をアングル人、サクソン人、ジュート人へと分けることは、おそらく Bede が明言する程には明確なものではなかったにしても、彼らのヨーロッパ大陸との関係は幾つかの王国の名に保たれています。例えば、南部及び西部イングランドのサクソン王国(西サクソンWest Saxons の Wessex、南サクソン South Saxons の Sussex、中央サクソン Middle Saxonsの Middlesex、東サクソン East Saxons の Essex)、並びに東、北、中央地域のアングル王国(東アングリア East Anglia,、ノーサンプリア Northumbria、及び Mercia)と言った様に。

 ユトランド半島及びその付け根の地域からブリテン島に侵入した訳ですが、隣り合う民族(部族と呼ぶ方が正しいかもしれません)ですからゲルマン諸語の中の方言程度の違いしか無かったのかも知れず、互いの情報が行き交い、オレもオレもと入植を開始したとも言えそうですね。それら民族がローマ撤退後の空白の地であったブリテン島を、つばぜり合いをして割拠したことになります。


 北海に面した厳しくまた寒冷な居住地よりは、ローマ人が放擲後のパワー不在の土地であったブリテン島の方がまだ自由に開拓も出来るとの思いで移民したのでしょう。この1000年後に、今度は一部の者達がブリテン島を脱出し北米大陸へと移民を始めることになりますが、厳しい見方をすれば、ヨーロッパの本拠地の実り豊かな土地に拠点を構えることが出来なかった文化的に弱い民族が、つぎつぎと新天地を求め、「我が物顔」で新たな土地を収奪し、更に弱い立場の先住民の文化を蔑ろにして来た話ともなります。これをアングロサクソン人の民族的習性として理解しておくと、外交関係にも当然生かすことが出来るのではないかと塾長は考えます。− 支配し得たのは、文化的に劣位の者が居住する土地ばかりでした。

 ブリテン島並びにアイルランド島が肥沃な大地であれば、ローマ側が手放すことも無かった筈です。実際には火山も無く、ミネラル分に乏しい痩せた寒冷な土地である為、アングロサクソン人はそこに入植はしたものの、同じく、別の<劣った>民族の土地を軍事力の行使を通じ植民地化して利益を収奪する、或いは金融で生きるぐらいしか道が無かったのかしれません。

 英国人が記述するアングロサクソン人の成立についての解説には、British Library 職員執筆のの事ではあっても、この様な、収奪と支配の視点はほぼ封印されている様に感じています。歴史書は−web の記事や動画を含めて−執筆者の側のマズいことには触れませんので批判的な読解が必要と言う事ですね。







英語に一番近い言語 フリジア語


2019年11月15日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 言葉の系統関係を考えた場合、文法構造が似ている事がまず第一の血の濃さ比べの道具となります。例えば日本語と朝鮮語やモンゴル語は、言葉の順序や助詞に相当する言葉の使用などに大変近いものが見られます。しかし個々の単語や発音は殆ど共通するところはなく、意思疎通は互いに困難 (unintelligible) です。逆に、日本語と中国語は同じ漢字文化ですので、書面を見れば相当程度に言わんとしている意味が理解可能です。日本語の60%は中国から借用された漢熟語、また中国語の40%は既に和製漢熟語で占められているそうです。しかし文法構造は全く別個のシステムから成り、言語の系統としては遠い存在です。我々が漢文を見れば大方の意味は分かるものの、返り点を打ったりして読み進めばならないことがこのことを見事なまでに例示します。

 歴史的に系統の異なる言語同士で言葉の貸し借りが進み影響し合うものの、言語としての構造が頑固に維持されると言うのは面白いですね。こんな按配で、言語としてのDNAは言語の造り、言語構造にまさに宿っている、と考えて不都合はありません。市井の言語研究家が恣意的に選択された単語をピックアップし、こんなに日本語に類似してる、日本語の起源はその言葉だ、などと言い立てる例が散見されますが、学問的な意義は低かろうと考えます。全ての学問領域に当てはまることと思いますが、事象を表面的に計測・比較するのではなく、意味のあることを見いだした上で計測・比較することが肝要です。


 さて、言語構造の解析に拠り、英語に一番近い言語は、オランダやドイツ領域内の各々小さな地域で話されているフリジア語であることが判明しました。

 西ゲルマン諸語の中でも、英語、フリジア語、オランダ語、低地ドイツ語は互いに近く、その中でも更に英語とフリジア語は Anglo-Frisian 語と一括りにされます。しかしながら、フリジア語話者の言葉を聞いても、オランダ語や、ドイツ語のどこかの地方の訛りとしか聞こえません。実際のところ、英語話者との意思疎通は不可能とのことです。しかしながら、オランダ語の強い影響を受けてしまったとのことで、オランダ語話者とは意思疎通が出来るとのことです。歴史的には、フリジア語と英語の共通言語を話す者の内、ローマ帝国の撤退の後、5世紀以降にブリテン島に渡ったものが英語話者(古英語)となり、ヨーロッパ大陸に残留した一派が衰退し、フリジア語話者圏として細々と生き残っているとの図式も描けますね。オランダ語や低地ドイツ語圏に呑み込まれ同化してしまった者達も多数居るのでしょう。

 標準ドイツ語はNHK の語学番組で教えられるドイツ語ですが、中〜高地ドイツ語に相当します。北海に近いところのドイツ語、詰まりは低地ドイツ語とは随分と違ってますが、別の言語扱いが出来るほどの違いがある様に感じます。実際、意思疎通が困難とのことです。尤も、低地ドイツ語圏の住民は標準ドイツ語は話せます。標準ドイツ語は、発音も低地ドイツ語、オランダ語とはだいぶ違って来ていますね。塾長には発音がハフハフ聞こえ、これが母音過剰と言われる事かと思い出しました。

 それでも、オランダ語とドイツ語は文の構造は一部語順が入れ替わる所はありますが、非常によく似ています。英語−オランダ語の関係よりは、オランダ語−ドイツ語の方が明らかに近いと感じます。

 ご存じのように、鎖国中の日本(徳川幕府)は長崎の出島を通してのみ欧州とは唯一オランダとの遣り取りがあり、学問としての医学もオランダ語の書物を通して持ち込まれました。幕末にオランダ以外の西洋からの知識吸収も必要と考えた幕府は洋学の研究機関として蕃書調所 ばんしょしらべしょ、を設けましたが、これが後の開成学校、そして帝国大学へと繋がります。蘭学を継続していたからこそ、素早い対応が出来たのだろうと推測します。イギリスはオランダの後塵を拝し、アジアへの進出が遅れ、徳川時代には日本に直接的な学問的利益を与える関係が構築出来ませんでした。しかし、その英国の嘗ての植民地だった米国の黒船来航が刺激となり蕃書調所が開かれたことになります。


 英語が、オランダ語、フリジア語、そして低地ドイツ語から離れてしまった歴史的経緯については、近代英語成立の観点から後に触れたいと思います。







英語はゲルマン語かA


2019年11月10日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 今回は英語と他のゲルマン諸語との関係並びそれ以外の言語からの影響についてざっと触れたいと思います。


 この先のコラムにて、ノルマン・コンクエスト(フランス文化圏のノルマン人による11世紀以降300年間に亘る英国支配)について詳述しますが、その影響により、英語の語彙には1万語ものフランス語からの借用が認められるに至りました。借用と言っても、文化交流として中国から日本に言葉が流入したのとは全く異なり、武力を背景とする征服の結果もたらされたものです。逆に言えば、この征服が起きる以前の英国には、高度な政治的、経済的、学問的な立ち位置にあった対岸のフランス文化圏と異なり、それら高度な概念に相当する言葉、或いはピタリとくる訳語にすべき言葉を語彙として持たなかったことを意味します。まぁ、5世紀にケルト人を追い出した、古英語(西ゲルマン語の一派)を話すアングロサクソン人に対し、10世紀には古ノルド語(北ゲルマン語)を話すデーン人が侵攻するなど、言わば未開のゲルマン人同士でブリテン島のぶんどり合戦に明け暮れ、文化的には高くは無かったのでしょう。もっとも、ノルマン人は北方ゲルマン人が現在のフランスのノルマンディー地方に入植しフランス語文化圏入りしたもので、矢張り基本はゲルマン系です。

 実はフランス語自体が、俗ラテン語とフランク人の話していたゲルマン語がミックスして出来た言語であり、現在のフランスの北2/3ほどの地域で話されている言葉でした。南1/3の方は、イタリア語、スペイン語などと同様の、ラテン語の俗化した方言である俗ラテン語の一派、オック語圏であり、現在も南フランスでは話されています。しかしフランス政府は中央集権的な姿勢を強め、この様な地方言語や方言に対し、100年以上前から圧力を加え続けています。ブルターニュ半島のブルトン人(英国側から渡来した入植ケルト人)が話すケルト語はじめオック語に禁止政策を採り続け、話者数は格段に減ってきています。


 興味深い論文がありますのでご紹介しましょう。

Denglischの危険性─ドイツ語の現状について─ 

Gudrun GRAEWE 立命館言語文化研究19巻2号

http://www.ritsumei.ac.jp/acd/re/k-rsc/lcs/kiyou/19-2/RitsIILCS_19.2pp.225-238Graewe.pdf 

(無料で全文読めます)


 この論文に拠りますと、


 ドイツ語は2000年以上前から外来語の受け入れを許容してきた混成言語であり、現在のドイツ語の語彙の80%は外国語起源のものである。(まぁ、英語に大量のフランス語が流れ込んだのと同じ様なものですね。) 外来語を調音法や綴り方でドイツ語風に仕立てた結果、話者には外来語とは判別出来なくなっている語彙も数多存在する。

 ドイツではすでに17世紀から,外来語をなるべくドイツ語に翻訳しようとする動きが見られたが、これは排外的・民族主義的動機ではなく、分かり難い外来語を多くの国民が理解出来るよう言語障壁を改善する目的のものだった。ドイツ語自体には他国の学者が討論している事象に対する様な語彙が無く、周囲の国家の言語に対する劣等感を拭いたいとの意向もあってのことである。第二次大戦中の支配者は外来語を排斥するどころか、寧ろドイツ語の概念にフランス語などを当て、<高貴>なイメージを醸し出そうと意図した位だった。

 現在では、英語文化の決定的且つ支配的な役割(言語帝国論との考え方もある)の元に、数多くの英語の流入が続いたままだが、ドイツ語の構造に侵食しそれを破壊する迄には至っていない。フランスが1994年に「フランス語使用法」(トゥーボン法,Loi  Toubon26))を制定し、外来語の排斥に乗り出したが、ドイツにはその様な法律を制定する動きは無い。しかし、ドイツ語風外来英語Denglish の無制限の流入はやがてはドイツ語の根幹そのものを変える危険がゼロとは言えず、英語がカンブリア語や多くの北米インディアンの言語,オーストラリア先住民族の多くの言語などに取って代わり、またゲール語,ウェールズ語など幾つかの言語が英語による脅威の中にあることを考えるべきである。ドイツ語への大量の英語の流入の実情は、ドイツ語学習者に対するドイツ語の魅力を低下させるおそれもある。

 (抄要訳塾長)



 塾長はドイツ語の素養浅く、現在のドイツ語の中に大量の英語起源の語彙が混ざり込んでいると知り、寧ろ驚いたぐらいですが、ゲルマン祖語に由来する語彙が濃厚に残されているとの考えはどうやら誤解だった模様です。しかし、話は逸れますが、英語の影響を受けたドイツ語 Denglisch デングリッシュの名はでんぐり返しを連想させます。ドイツ語の根幹は英語によりひっくり返されるまでには至っていない模様ですが・・・。

 ミロス・フォアマン監督の1984年公開の映画『アマデウス』のシーンで、ドイツ語でオペラを作ったらどうかとの問いかけに、バッハ風?のカツラを纏ったイタリア人音楽家がヨーゼフ2世(マリー・アントワネットの兄)に対し、イタリア語に比べてドイツ語は卑しい言葉ですからと遠慮がちに述べる1シーンがあり、塾長の記憶に残っています。芸術文化咲き誇るイタリア語からのドイツ語に対する低評価が見て取れるシーンですね。


 著者の GRAEWE 氏がドイツ語への大量の英語の流入を問題提起する一方、ドイツ語はゲルマン祖語由来の複雑な格変化、時制、相表現を色濃く残しており、言語形態としては強固な屋台骨がある様に見えます。1億人近い話者数が存在することを鑑みると、高度な文化を持たない少数話者言語が英語に呑み込まれ言語交替、消滅して行くのと同様の道筋を辿るとはとても思えず、上手く消化されて行く様に塾長は思います。

 この様に考えると、英語に対して大量のフランス語の流入があったにしても、英語の言語形態そのものに必ずしも影響をもたらしたとも考えられず、英語の格変化、活用の減少、消滅は、英語が離れ小島の中に閉じ込められ、ゲルマン祖語圏のグループから離れる地理的隔離の元で、固有の簡略化を来した可能性を考えて良いと思います。フランス語由来の語彙は、日本の小学生が漢字熟語を学習する様に、英語話者の学習の進度に伴い習得されて行くのでしょう。英語自体のこの様な高度な概念の取り込みは、複雑な活用無き簡単に習得出来る言語特性と相俟って、同時に高度な概念も表明できる言語として圧倒的支配力を持つに至ったことを、十分納得させるものだろうと塾長は考えます。

 ヨーロッパ大陸の「向こう側」の島国とアジア大陸の「こちら側」の島国日本とで、どちらも大陸側からの高度な概念を持つ言語の言葉を移入しつつも元々の言語構造は基本的に維持している面で、英語と日本語は似たところがあると感じます。いずれも高度な概念を表現可能な言語に発達していますが、漢字の音訓読みの複雑さなどもあり、外国人の中途学習者が例えば日本語の新聞を中学生並みに読み進めるのもなかなか難しそうに見えます。







英語はゲルマン語か@


2019年11月5日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 英語はドイツ語などと同類であってゲルマン語系の一族とされますが実際はどうなのでしょうか。英語はフランス語(ロマンス語系)から1万語程度の語を借用していると前に書きましたが、それではそれ以外の他の言語からの影響はどの程度でしょうか?また他のゲルマン語とはどう違っているのでしょうか? 

 これから暫くは言語としての英語の位置づけや成立について触れていきたいと思います。高校や大学の英語の授業では触れられる事は殆ど無いと思いますが、英語に関して知っておくべき必須の教養とお考え下さい。

 今回と次回の2回では、英語成立の歴史的な側面に触れつつ、英語はゲルマン語系なのかを考えて行きます。




ゲルマン語とは


 ゲルマン語派はインド・ヨーロッパ(=印欧)語族の中の1つの語派であり、ゲルマン祖語から分化・派生したと考えられています。東、北、西ゲルマン語群の3つに分類されますが、東ゲルマン語群(クリミア半島の一部で18世紀まで話されていたクリミアゴート語など)は死語となっています。

 北ゲルマン語は北欧諸国並びにアイスランドで話される諸語です。一方、西ゲルマン諸語はそれ以外の地域で使用される諸語ですが、大きく分けて、アングロ・フリジア語(ブリテン島周辺の英語並びにオランダの北東小地域でのフリジア語)、低地ドイツ語(オランダ語、フラマン語、北部ドイツ語)、並びに高地ドイツ語(標準ドイツ語)の3つに分類されます。ヨーロッパの中での分布を見ると、ロマンス諸語(スペイン、ポルトガル、フランス、イタリア、ルーマニア語などの俗ラテン語)圏並びにスラブ語(ポーランド、ユーゴスラビア、ロシア、ウクライナ語など東欧で使用される語)圏に比して、意外にこじんまりとした範囲で使用される言語に思えます。しかし世界に目を向けると、北米、豪州、南アフリカ等の入植地でも利用され、総計5億1千5百万人のネイティブスピーカーにより利用される言語です。尤も、例えば北米でカナダと米国合わせて3億人が英語を使用する計算ですので、ゲルマン諸語のヨーロッパでの使用人口は合計2億人となります。その内訳ですが、ノルウェーが人口533万人、スウェーデンが991万人、デンマーク571万人、アイスランド36万人で北ゲルマン語で合計2000万人、オランダ1731万人、ドイツ8300万人、英国6644万人で西ゲルマン語で1億7千万人となります。ドイツ語と英語の勢力が強いですね。

 余談ですが、東京都の人口が1361万人ですので、東京の周辺地域を少し加えるだけで2000万人を超え、北ゲルマン諸語の話者を凌駕します。日本語話者数は1億2500万人と推計されますが、起源不明の孤立言語とされ、使用地域は日本列島にほぼ閉じ込められているものの、大きな勢力の言語であることが分かります。言語としての完成度並びに充実度が高く、他国語の出版物を日本語に遜色なく翻訳、出版できますが、これが不可能な(=高度な概念を表す用語を持たない)言語が多く、例えば英語の本をそのまま児童や学生の教科書として使わざるを得ない国々も多いのです。




ゲルマン語の歴史

 ゲルマン祖語はBC500年頃の鉄器時代にスカンジナビアで話されていたと考えられていますが、BC200年頃にゲルマン民族大移動の開始に伴い、現在の北ドイツ及び南デンマークにまで拡大しました。祖語並びに以後の派生語も全て、インド・ヨーロッパ祖語からグリムの法則と呼ばれる子音変化(例:ラテン語のpater パ−テル→ 英語の father、p が f に変化)、並びにヴェルナーの法則として知られる音韻推移(印欧祖語でp, t, k が強勢のない音節の直後に来る場合有声閉鎖音 b, d, g として出現、例:pater のt がfather のth d音に移行)を来しているとのユニークな言語特徴を保持しています。似た様な変化は日本語にも起きている様に見えます。特にヴェルナーの法則は日本語で言う濁音化に近く、東日本訛りに似ている様に思います。因みにグリムの法則を発見したのはグリム童話を編纂したグリム兄弟の兄の方の言語学者ヤーコプ・グリムです。

 ゲルマン諸語は、やがて言語的に変異が大きくなり、10世紀頃には互いの意思疎通が困難になりました。409年にローマ帝国がブリタンニアを放棄後に、デンマーク及び北部ドイツからのゲルマン人(アングロサクソン人)が侵入し、先住民のケルト人並びにケルト語を駆逐し辺境に追いやりました。この後、ブリテン島で話されていたのが Old English 古英語ですが、9世紀後半からのデーン人を中心とするバイキングの侵入と定着(デーンローと呼ばれるブリテン島東部地域への)は古英語の文法の破壊と12世紀からの中世英語 Middle English への移行を手助けしたのだろうと考えられています。

 中世初頭には、ブリテン島での中世英語の発展、それと大陸での高地ドイツ語への子音推移に始まる高地ドイツ語と低地ザクソン語(=低地ドイツ語)の分離が始まり、近世初頭には2つの差が拡大し互いの意思疎通が困難になるまでとなりました。高地ドイツ語に見られる子音推移は低地では全く起きませんでした、

 他方、北ゲルマン諸語は10世紀まで共通のままで、実際のところ近世までスカンジナビアのゲルマン諸語間で意思疎通が可能でした。アイスランドに伝わった言語は殆ど古ノルド語が変化せずに現在までそのままの姿が残されています。




ゲルマン語の特徴

1.上に述べたようにグリムの法則並びにヴェルナーの法則の成立が見られますが、この考え方は歴史言語学に於ける比較方法の基礎を与えました(比較言語学の成立)。

2.第一音節の強調の発達により、他の全ての音節部位の減少がもたらされました。これにより、英語、ノルウェー語、デンマーク語、スウェーデン語の単語の単音節化、また近代英語及びドイツ語の、子音偏重語化が起きました。例えば、ゲルマン祖語 haubudan → 英語 head。

3.ウムラウト(母音交替現象)の発生。アクセントのある母音が、後続の i、e 等の母音の発音に引きずられて e に近い発音になる現象。また、アクセントのある母音が 後続の後母音 u、oによって発音変化を起こす場合もあります。近代ドイツ語では極端なまでに残っていますが、英語では一部の単語に残るのみです(例:足 fot フォトの複数形 fotiz フォティツが i の発音に引きずられ fet フェトに変化、後に大母音推移を経て foot, feet に)。

4.母音の数が多く、英語でも11〜12個有ります。

5.V2語順の存在。基底となる語順はドイツ語、オランダ語でSOV、スウェーデン語、アイスランド語ではSVOですが、(話題としたい1つの名詞句または修飾句)+動詞+主語の語順(V2語順と言う)を取ります。まぁ、強調したい要素を先頭に持ってくる場合、動詞が2番目に配置する訳です。英語は例外的に単純にSVOの語順を取るだけですが、There is 〜、Here comes 〜、Hardly did 〜(副詞+動詞)などの表現に名残が見られます。英文法では一種の強調による倒置表現扱いと学校英語では素通りされますが、それは実はゲルマン祖語の名残だった訳ですね。


 他に、

 ・時+相(例:進行中、終えた)の複雑な組み合わせが、過去時制と現在時制の2つに簡略化される。


 ・多くの動詞では過去型を表すのに動詞の母音変化ではなく、末尾にt, d の音を加える(弱動詞)。残りの動詞は母音交替を起こします(強動詞)。


 ・名詞の定性(特定のもの或いは一般的なものの区別)を明確にするために形容詞を活用させます(強弱形容詞)。この区別は古英語には存在しましたが現代英語にはありません。


 ・他の印欧語には起源が辿れず、ゲルマン諸語のみに存在し変異を示す語が存在します。


 ゲルマン諸語の中で、どの程度分析言語(個々の単語を変化せずに前置詞などを使用しまた語順を重視する)に傾いているかには違いがあります。アイスランド語は非常に、ドイツ語はそれよりは少ない程度に、ゲルマン祖語(印欧祖語)から受け継いだ複雑な活用形態を残します(統合言語と言う)が、一方、英語、スウェーデン語、アフリカーンス語(南アで使用されるオランダ語の派生語)は大幅に分析言語に移行しています。特に英語とアフリカーンス語はアイスランド語とドイツ語の対極にあり、殆ど全く活用形態を残していません。活用形を失い、分析言語化するのは第一音節に強調を置く性質がもたらしたものであることをここに再び注記します。まぁ、単語の最初の部分に重きを置き、後半を省略或いは簡略化する傾向ですね。因みに、バルトースラブ語は印欧語のピッチアクセントを多く残し、それ故、祖語の格変化の非常に多くを保持します。後ろの部分にアクセントがあると活用部分も残さざるを得ない訳です。



 分析言語 vs.統合言語の概念は、以前コラムで扱った膠着語 vs.屈折語の概念とも関連しますが、これについては後日別項で採り上げる予定です。







英語は論理的か(その2)


2019年10月20日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 英語の欠陥としてよく知られた具体例ですが、下記論文にて詳細な構造的分析が行われています。この様な指摘は英語圏の者自体が以前から行っていることですが、日本語での説明はやはり分かり易く参考になります。英語は構造的に複数通りの解釈を許し、意味が多重性を持ち、曖昧性が出るとの指摘です。

https://toyama.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=7262&item_no=1&page_id=32&block_id=36 (ここからpdf 形式の全文をダウンロード出来ます)


語・句レベルの曖昧性について英語暖昧表現の諸相II 中野 清治

University of Toyama NII-Electronic Library Service University of Toyama

高 岡 短期 大学 紀 要   第4巻    平成5年3月

Bull Takaoka Natiomal College.Vol.4,March1993


https://pracownik.kul.pl/files/11463/public/structural_ambiguity.pdf

Structural ambiguity in English word-formation Bogdan Szymanek

ポーランドのルーブリンカトリック大学の紀要?

こちらも上記中野氏と似たような論文ですが、中野氏の文献の引用はありません。発表年不明ですが2010年以降のものであるのは確かです。


 状況を掴んで解釈出来る、或いはその様な慣用的な意味合いに馴れている者は別として、初学者に英文和訳を難しいものにしている原因の1つは、英語が許容する構造的な曖昧性の中に確実に存在するでしょう。曖昧だから初学者には意味概念が把握しにくい訳ですね。言葉がどこに掛かるのかがまず分かり難いのです。またそれに応じ、言葉の持つ意味が変わりもします。


 詰まり、文意が多重的に把握可能な場合、読み手側は前後等の状況からいずれの意味なのかを判断しなければなりません。コンピューターでの機械翻訳時に問題となる、語義の曖昧性解消 word-sense disambiguation を人間の脳内でフル回転で処理しなければならない訳です。当然条約や法律の条文に於いては、文意が多重性を持たぬように限定された意味を持つ用語 (往々にして仏語起源!) を採用しながら細心の注意をもって作成することになります。そうしたにせよ、フランス語では形容詞の性数とそれが修飾する名詞の性数が一致しますので、言葉と言葉との対応性、即ち明確性は英語よりは確実に上がります。


 少し前にも執筆者が非英語圏の者 (姓名からの判断) が書いた遺伝学の文献を読んだのですが、形容詞がどこに掛かり何を言い表そうとしているのか、また形容詞の持つ時間系列性が曖昧で、過程なのか、結果を表しているのかの判断に迷った事があります。これは自分の専門では無い遺伝学の文献ゆえに余計に分かり難かった面もあろうかと思います。遺伝学の専門家であれば、ああ、この形容詞はここに掛かると「慣用的」に即座に理解可能な筈ですが、学術論文の英語を一応は論理語として読まんとする者には理解不明となります。英語に native な者であれば、曖昧性を避けるきっちりした記述を心がけただろうと思います。内容が優れているとの理由で英語表現に多少の問題があってもレフェリーがパスさせたのでしょうね。

 以上述べてきましたが、英語の持つ非論理的側面を理解した上で、英文読解、英文翻訳、或いは英文作成を行うこと、スッキリした頭で作業に入れるのではないかと思います。

 塾長の出身高校は公立の進学校の部類であり、教員はほぼ茗渓閥(東京教育大が茗荷谷に位置していたため、それ由来の学閥)で固められていましたが、英語の授業で英語構造の曖昧性などについて特に教えを受けたことはありませんでした。高校3年の時点で英語の曖昧表現に関する参考書は個人的に入手していましたが、頭の中のもやもやが完全には解消されることなく受験に突入して行った経緯があります。真のエリート校ではこの様な事もきちんと教えられているのかもしれませんね。








英語は論理的か(その1)


2019年10月15日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 lost in translation の項にて、科学論文などは兎も角も詩歌の翻訳は困難だ、と述べました。翻訳を通じて、言葉一つ一つの持つ固有の背景や詩の香りが抜け落ちてしまうと言う訳です。それでは仮に、同じ文章(一群の文の塊)を様々な言語間で何度も翻訳したらどうでしょうか?


 「その文章を読んで人間共通に揺るぎなく思い浮かぶ概念」がコアとなって煮詰まって来るでしょう。人間の脳機能の理解のパターンで共通に認識できる骨組みですね。そこには文化的な背景に左右される感情要素の入り込む隙間は無く、考えの明確且つ簡潔な筋道からなる文章となる筈です。まぁ、数式とまでは行かないにしても科学論文化するとも言えるでしょう。勿論、仕上がった明快な文章の中身自体に対して賛否があって当然ですが、中身が明快に理解できるがゆえの反論を招来することになります。曖昧模糊として突っ込み様が無い文章は、反論が来ないから偉いのではなく、反論も出ないほど非道いと判断すべきでしょう。他人様から悪口言われて一丁前だ、です。


 と、ここまで述べましたが、では学術論文の世界でも事実上の共通語化している英語は、論理を記述するに完璧な言語体系なのでしょうか?


 実は国際条約の締結文は現在でもフランス語での併記が為されます。昔にはフランス語のみを正文とする条約もありました。単語と単語の結びつき、或いは、ある条件を示す付帯的な文言がどの単語を修飾するのか、その明確性が高い言語だからです。これは条約締結国同士が、互いに条文を勝手に都合良く解釈し得る様な曖昧性の余地を残さない為の措置です。逆を言えば、英語はそれが表現せんとする記述に関して明確性がフランス語に比して劣っている言語であることを意味します。勝手な解釈を許容しない為には、当該のフレーズがどこに掛かるのか、何を正確に意味するのかについて、脚注の様な文言を本文に続けて羅列するしか有りませんが、見栄えの良い事ではありません。簡潔にして明快、からは遠くなりますね。


 英語圏の人間の、世界中に自国文化を行き渡らせたいとの欲求(祖先に北海の海賊、即ちバイキングの血が入っていますので、ひょっとしての話ですが、他を収奪し、それは自分のものだと言いたがる習性があるやもしれません)、並びにガチガチの厳格な格変化を持たない簡単な言語としての特性から、世界的に汎用されるに至り、加えるにラテン語起源の文化的に高度な意味内容の語彙をフランス語から大量に取り込んだことから、学術誌の言葉にも採用されているのでしょう。塾長も自分で学術論文などを書いていていつも感じる事ですが、自分が主張したい或る意味概念を<この単語や文章内容に懸けたい>と考える際、最初に書いた文章を短いものに分解して並べ直し、<懸り>を明確にする面倒さを結構頻繁に味わいもします。その様な短文の羅列全体を読み取ると、ああ、こういうことが主張したいんだなと読み手は初めて理解するに至ります。頭から文章を読み進め、音楽の様に進んだ時間系列のまま、そこまでは完全に理解できている、英語はその様な言語ではありません。ぶっきらぼう風に短い文言を並べ、或る程度記述し終わった段階で「真意」を理解して貰う性格の言語である、その様に進化してきた言語だと考えれば、英作文や会話もラクになるかも、と思います。








英語の綴りと発音の乖離


2019年10月10日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 構造的な英語の曖昧性、換言すれば英語の持つ非論理的側面について触れましたが、今回は、英語の発音にまつわる問題点を採り上げます。


 英語学習上の難点としては綴りと発音の乖離が挙げられます。

 単語を字面のままに読んで発音すれば楽ですが、英語では母音或いは母音の塊、或いは子音、子音の塊に対して単語毎に異なる発音が割り当てられており、ある程度の発音の法則性は見られるものの、基本的に個々の単語の綴りとその発音をセットにして暗記する他はありません。面倒な言語ですね。

 綴りと発音との齟齬が発生する原因の1つは、文字が流布しない様な<野蛮な>層が使用する言語ほど方言化が進行し、文字で表記された単語と発音が乖離、多種の発音が派生します。その<野蛮人>の一派の内、主導権を握った者が、自分の言葉が本当の言葉だと主張し始める訳です。そこに<本来>の単語を後から割り当てれば、文字の綴りと実際の発音に大きな隔たりが生じているとの按配です。それら一派を束ねた主導者が、「国語」の改革に乗り出し、方言の統制 (北と南で言葉が通じなければ国に値しない)、発音と綴りの対応 (単語や文章の綴り方の決まりごとですが正書法と言う)を定めれば、少なくとも見栄えよろしく<国語>として体を為すに至ります。まぁ、中央集権化に伴う締め付けの1つでもありますね。何せ言葉が正しく通じなければ指揮命令が通達も出来ないのですから。皆が有り難がって自ら学習してくれる英語話者の国家は自国文化の優位性を実に上手く打ち立てたなぁとこの意味で感心させられます。流行っている神社の姿にも似ていますね。相手が感謝の言葉を口にしながらお賽銭まで投げ込んでくれるのです。尤も現在英語を公用語として現地語に加えて採択しているのは昔に後進国と呼ばれた国々になぜか留まっています。



 音素的正書法

 https://en.wikipedia.org/wiki/Phonemic_orthography

Ideal phonemic orthography

 In an ideal phonemic orthography, there would be a complete one-to-onecorrespondence (bijection) between the graphemes (letters) and  the phonemesof the language, and each phoneme would invariably be represented by itscorresponding grapheme. So the spelling of a word would unambiguously andtransparently indicate its pronunciation, and conversely, a speaker knowing thepronunciation of a word would be  able to infer its spelling without any doubt.That ideal situation is rare   but exists in a few languages.


理想的な音素的正書法に於いては、言葉の綴りと発音の間に完全な1対1の対応が成立する。綴りはそれに対応する音素を揺るぎなく表すのだ。それで、1つの単語の綴りは曖昧さなく透明にその発音を示し、逆に、単語の発音を知っている話し手はその綴りを疑いなく推測出来るのである。この理想的な状況は稀ではあるが、2,3の言語には存在する。




 ほぼ理想的な音素的正書法の言語の例としてウクライナ語が挙げられています。塾長はスラブ語系は形無しで早期に(3日?)挫折して学習を放棄してしまったのですが、子音部分を含めて文字通り、「文字通り」に発音でき綴れるのであれば最高ですね。日本語のひらがなとカタカナ表記に於いても発音と綴りはほぼ1対1に対応しています。


 実は英語も元々は綴りの通りに発音されていたのですが、西暦1400〜1700年に掛けてGreat Vowel Shift GVS 大母音推移 と呼称される母音発音の大きな変化が発生し、綴りはそのままでしたので発音との間に乖離が起きました。一説では、ペストの結果、北部イングランドの者が大量に東南部に移動してロンドンの発音を変えた、或いはフランス語を話す上流階級の特権意識また逆にフランスに対する敵愾心が、フランス語由来の単語 (1万語に及ぶ) の発音を過剰修正 hypercorrection した影響だろうとします。変化した発音に合わせて綴りを直せば良かったのですが、既に活版印刷も普及し始め、そのまま利用し続けた訳ですね。その綴りと発音の組み合わせをセットにして英語圏の子供達は学習を進める訳ですが、日本の子供達が、漢字とその読みを勉強して一個一個覚えていくのに類似していて面白く感じます。まぁ<つべこべ言わずに>覚えればそれまでですが。

 GVS の結果、綴りと読み、学習、それとGVS 以前に記録された英語の理解、のいずれもに支障を来すようになりました。この様な面への配慮なく GVS が進行したことは、綴られた文字には関与しないクラスの、「強烈な」方言を使う一派が流入或いは台頭し勢力を握ったのではないかと率直なところ塾長は感じます。昔の事に想いを寄せたりしない、知ったことではない、「今」を生きる者達、例えば商売人の流入・台頭を塾長は考えます。子供の時に話していたり耳にしていた発音が老人に達する頃には変化してしまっているスピードですから、近頃日本語が乱れている、けしからん、どころではありませんね。明治初期と現在 (150年の隔たりがあります)の日本語の、語彙ではなく言葉自体の発音が大きく違っているレベルですから、一体何が起きたのかと驚くばかりでしょう。


 オーストラリア人の英語の発音で、today をトゥデイではなくトゥダイと発音するなどと良く耳にしますが、これも特定の地域、時代の英語方言の話者が流入し(ロンドンの労働者階級で話されるコクニー訛り、映画 『マイ・フェア・レディ』 でヘプバーンが当初喋る英語)、その発音が主導権を握った結果なのでしょう。塾長は米南部のニューオリンズに学会で出かけたことがありますが、ニューヨークで耳にする様な強い r  の巻き舌音が幾らかマイルドになり、寧ろ聞きやすいと感じました。フランスの植民地だった(財政難のフランスがのちに米国に売却した) 影響もあるのかもしれませんね。挨拶の Hello! もヘロゥではなくハローと軽やかに聞こえました。


 フランス語では、単語のどの部分は読まない、と言う決まりが明確で、表記上の<旧仮名遣い>の綴りに対しても、どこは読まないとの明確性があり、その決まりを知った上で文章を読めば良いだけで、基本は綴りのままに読んで発音すればOKです。これは日本語の仮名も同じですね。英語に見られる様に、文字と読みが乖離していて同じ表音文字であるアルファベットの塊が別の何通りにも発音される言語は西欧語には寧ろ少ないかもしれません。初学者には壁となります。言葉の発音を知っていても綴れないのですから。

 本来、綴りと発音が揺るぎないセットとして揃っているのが<まとも>な言語ではと塾長は考えます。基地の街横須賀で育った塾長の母親から直接聞いたのですが、米国の水兵が給料などを貰うときに自分の名前が書けず、受領のサイン代わりに丸印を付けるシーンを何度も目撃したとのことです。米国人自体も発音と綴りの乖離が原因で文盲率が高かった(現況は知りませんが)のかと思います。日本人で自分の名前が書けない者は塾長は見た事がありませんが、子供の時に何らかの事情で学校に通えず、漢字の読み書きが出来ない者も僅かに存在し、配偶者にも自分が文字を読めないことを隠し通し、精神的にも苦しんでいると新聞記事で読んだことがあります。表音文字のアルファベットの綴りと発音が乖離した英語圏、また仮名表記と発音が一致していても漢字を音訓覚えねばならない日本の両者に於いては、どうやら最低でも寺子屋並の教育システムが必須の様ですね。


 日本国民を構成する和人以外の別の民族であるアイヌ民族はもともと文字を持たず、民話や神話などは全て代々口伝(くでん)で伝えてきました。大変残念ながら北海道のアイヌ語母語話者はほぼ消滅し千島及び樺太のアイヌ方言は絶滅しました。それ以前に東北地方のアイヌ語話者は18世紀には途絶えています。塾長は大学時代に日高の平取(びらとり)の民宿に泊まったことがあるのですがそこはKさんと言うアイヌのご夫婦が営む宿でした。生け捕りにしたヒグマが檻に入れられ玄関近くに展示されていたことが鮮明に思い出されます。地区のリーダー格らしきご主人は標準語を話しましたが、母親がアイヌ語が話せると言うので東大の学生が習うために通いに来ており塾長も当人に会いましたが現在何をしているのかと思います。話が脱線しましたが、現在、アイヌ語をどうやって表記しようか様々な試みが為されている様ですね。実はヨーロッパの多くの国でもオリジナルの文字を持たず、アルファベット文字を導入したりキリル文字を導入したところが大半です。和人も文字を持ちませんでしたが、中国より漢字を導入し万葉仮名として転用し、後に仮名文字の発明(と言うより実用新案?)へと繋りました。GVSの様な事態が起きない限り、当初に導入された表記法と発音が大きく離れる例は寧ろ少ないのではないかと思います。表記法からの縛りが発音の崩れを防止する効果もあるでしょう。








英語ではものの順序が訊けない


2019年10月5日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 構造的な英語の曖昧性、換言すれば英語の持つ非論理的側面について、今後数回に亘り扱う予定ですが、今回は、英語表現上の制約例を採り上げます。

 各所で指摘されることですが、英語はものの順序 (序数と言う) を尋ねる疑問詞を持ちません。

 例えば、日本語ではケネディ大統領は第何代目の米国大統領ですか、とダイレクトに質問できますが、英語では不可能です。how manyth (何番目の) などの便利に使える疑問詞が無いのです。

 英語で探りたいのであれば、下記の様に、

How many persons were inaugurated as President of the United States before J.F.Kennedy?

 ケネディの前に何人が米国大統領に就任したのですか、などと聞くしかありません。この場合、同一人物が仮に複数回大統領に就任していたならば、ケネディが第何代目なのかの正しい答えが得られません。そこで更に、同一人物で複数回大統領に就任した者はいますか、などと絞り込む質問が必要になってしまいます。その答えを貰い、頭の中で計算を終えたあとで、

So, I guess J.F.Kennedy was the 35th President of the United States, right ?

それではケネディは第35代大統領ですね? と確認する段取りです。

 その点日本語は、<何+助数詞+(目)+ですか?>の短い組み合わせで幾らでも数に関する疑問文が即座に作れてしまい(助数詞は数千存在する)、或る意味大変合理的で便利な言語です。安倍総理は、ええっと第90何代目でしたっけ?と数字の1桁目だけを問う疑問文も自由に作れてしまいますね。


 英語話者の間でもたびたびこの問題が持ち上がっている様です。

例えば、


https://english.stackexchange.com/questions/21876/how-to-ask-a-question-to-get-an-ordinal-number-answer

Question

How to phrase an asking sentence that must be answered with an ordinal number?

  Given that I want to know Barack Obama is the 44th President of U.S.A, how  can I  frame a question like: The how manyeth president is  Barack Obama?


質問

順番を尋ねるにはどうやって質問したらいいの?オバマ大統領が第44代と知りたいときに、how menyeth みたいな表現で文章を作りたいんだけどさ。


Anser

There is not a word specifically meaning "how manyth" that is in common usage  in   America. If you make it  clear you're asking for the  ordinal number by giving  context,  then "which one" is a common usage: Obama is  the 44th POTUS.Which  one was  Hoover? It gets clearer if  you ask which  number president isObama?  but I   do  not like  how that  sounds because people generally take "number" to  mean a cardinal   number  (like 44)  not  an ordinal (like 44th). Whileyou could  ask  which  ordinal number president  is Obama? only amathematician  would  consider  that a reasonable phrasing and most  otherpeople wouldn't  even  understand it.  Because we  do  not have a wordspecifically  for it,  phrasing the  question to get  the answer you want in a waythat is   unambiguous  and strictly  grammatically  correct gets does get  somewhat  convoluted and sounds  awkward,  but  since we  all know  there  isn'ta better way to ask, we accept it.

Personally, when speaking informally, I'd ask like this:

   Me: Which president is Obama? He: The current one. Me: I mean   which  number?  Like the 40th or something?

When writing formally, I'd work around it with something like

   G. H. W. Bush was the 41st president, G. W. Bush was the 43rd   president,but   which  one was J. F. Kennedy?


答え

 米国で一般的に利用できる 「何番目 how manyth」 を意味するのに特化した表現はないねぇ。(中略) もし順序を聞きたいということを明確に伝えたいなら、which one を使うのが普通の用法だな。 Obama is the 44th POTUS (= President of  the UnitedStates). Which  one was Hoover? オバマは44代大統領だけどフーバーは? whichnumber  president is  Obama?にすればより明確になるだろう。でも number の語を使うと序数じゃあなくて基数(普通の数字のこと)をみな思う筈。 which ordinal numberpresident is Obama?とも質問できるけど、数学者だけがその質問文は正しいとみなすだけで大多数の人はその意味さえ分からないだろう。我々はそれを問う単語を持っていないから、曖昧ではなく厳密に文法的に正しい答えを得る質問文は、入り組んで不器用に聞こえる様なものになる。でもそれよりいい方法が無いのは皆知ってるしそうするほかはないね。


個人的には、口語で話すとしたらこんな風に質問すると思う:

Which president is Obama? He: The current one. : I mean which number? Likethe  40th  or something?

オバマはどっちの大統領? 今のだよ。何番目か訊きたいんだ、例えば第40代とか?

フォーマルに訊きたいならこんな風に:

G. H. W. Bush was the 41st president, G. W. Bush was the 43rd president, but  which  one  was J. F. Kennedy?

Bush父大統領は41代目で、息子ブッシュは43代目だったけど、ケネディ はどっちだったっけ? (塾長訳)



他にも、

https://forum.wordreference.com/threads/42nd-president-of-usa-how-to-ask-a-question-with-an-ordinal-answer.437586/


ここでもケンケンガクガクの討論が展開されますが、ここでは以下の例が挙げられています。


Where does Bill Clinton stand in the order of US presidents?

クリントンは米国大統領の順番ではどの位置に立ちますか?


How many Presidents were there before Mr. Sezer?

セゼール氏の前に大統領は何人居ますか?


How many Presidents came before her?"

彼女の前に何人の大統領が来ましたか?


 最初の問では、クリントン大統領の資質を問う意味にも取れますし、他は一人が複数回就任していた場合に正確な答えが出ません。いずれも曖昧性からは逃れていませんね。

Where does Bill Clinton stand in the historical order of US presidents?

クリントンは米国大統領の歴史的順番ではどの位置に立ちますか?

 これだと更に良いかもしれません。




他方フランス語ではどうかと言えば

https://fr.wiktionary.org/wiki/combientieme

 combientieme (最後の e  に弱音のアクセント記号が付きます)  コンビアンティエムと言う便利な言葉があります。これは combien (how much, how many ) に、〜番目を表す接尾語  ieme を付け加えただけの言葉ですが、無理遣り英語に置き換えれば howmanyth が相当語でしょうか。階級、番号の順序を問う際に利用される語です。formal な表現は  quantieme です。


疑問形容詞としての用法

 C'est la combientieme fois que je me retrouve dans son bureau depuis  la  rentree ?  Deux fois avec Reinier,  le prof de math, une fois  avec Anconis, leprof d' allemand…  Mais c'est la premiere fois avec  Dubigny. -  (Bernard Friot,La fille  qui  rit, editions  Actes Sud, 2012)


 授業が始まってから彼の研究室に顔を出すのはこれで何回目かしら?数学教授のレニエとは2度、ドイツ語教授のアンコニとは1度来たわ。でもデュビニとはこれが最初だわ。『笑う娘』 (塾長訳)


疑問代名詞

 Un nouveau sevrage commence. Je ne sais meme pas le combientieme. Jesuis   probablement la championne du  monde du sevrage. - (Kai Hermann etHorst Rieck,  Moi,  Christiane F., 13 ans, droguee, prostituee…, 1978,  traduit de l' allemand par Lea Marcou, 1981, page 282)

 新たな禁断症状が始まる。これで何度目かわかりゃないわ。わたしは多分禁断症状の世界チャンピオンだろうな。『わたし、クリスティアンヌ F、13歳、ヤクに溺れ、身体を売って・・・』 (塾長訳)


因みに、combientieme を web の仏英辞書に入れても答えが出ません。例えば、

https://www.collinsdictionary.com/spellcheck/french-english?q=combientieme

<Sorry, no results for "combientieme" in the French-English Dictionary.>と表示されます。相当する訳語が無いのです。


 英語に疑問序数詞が存在しない経緯についてご存知の方が居られましたら是非当塾塾長までご連絡下さい。



 英語の曖昧性を知ることは英文読解に、また、より良い英作文をモノにするにも勿論役立ちますが、現状日本語のみの方は、まずはじっくり英語に取り組んで一定レベル以上に勉強を進めてください。大学入学後に今度は別の言語を第2外国語として学習することになる筈ですが、その言語と英語とを対比することで言語としての英語への理解が更に深まり、最終的にはクールな視点で<言語としての英語>が理解できる様になるでしょう。その域に到達するまで(塾長はまだ道半ばですが)どうぞ頑張って下さい。








日本語には未来形がない


2019年9月20日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

  日本には未来がない、景気も良くならずに或る種の社会的閉塞状況にあり大変憂鬱だ、ではありませんので慌てないで下さいね。

 これまでのコラムで英語学習に対する一般的な取るべき姿勢或いはすぐに役に立つ実践的な暗記事項などについて述べてきましたが、<英語とは、言葉とはそもそもなんぞや>の話を交えて進めて行こうとの第3段となります。英語の背景を知って貰うことは英語学習にも利するところが大きい筈です。



 日本語の場合は、未来の日にちを付けても動詞は現在形のままですね。例えば、僕は明日は図書館に行く、で済まされます。僕は毎日ご飯を食べるけど明日はパンを食べるね、です。未来に行う事に関しては、現在形の動詞に未来であることを表す修飾句 (副詞句) を付随させて表すしかありません。誰かが、「僕はパンを食べるんだ」とボソっと言ったら、毎日食べてるのか或いはこれから食べるのか相手は状況を確認しなければならないのです。これが日本語には (明確な) 未来形が無いと言われる所以です。日本人は意識せずに話していますのであまりピンと来ないかもしれませんが。現在形と未来形が一緒だと言うので、過去形に対して 現在形を非過去形と呼称もします。


 尤も、辞書に掲載されている動詞は実は未来形であるとの主張もあります。僕はご飯を食べる、とはこれからご飯を食べるの意で、現在形は、僕はご飯を食べている、との主張です。しかし、例えば、魚は泳ぐ、では、魚は泳ぐ習性にある、で、これから(=未来に)泳ごうとしている訳ではありません。と言うことで、それが未来形だとの主張には世間の賛同は得られないでしょう。

 目の前の事象に対して、未来の時間に関する修飾句を伴わずに現在形で自己主張をすれば、相手側は、それはこれから何かをしようとしている、極く近い未来のことだな、と、どの国の人でも判断してくれるとは思います。しかしそれはその場に於いて現在形で未来形(or 未来表現)を代用しているに過ぎず、未来形やそれに相当する表現を別個に持つその言語に於いては本来の未来形ではありません。未来形を持たない日本語では 未来表現の基本は<未来を表す時間の副詞句+現在形の動詞>ですね。これは実は未来形を持たないフィンランド語やそれに近いエストニア語などでも同様です。


 中国語には過去形や未来形がないことは漢文を習った方なら、ああ、そう言えば、とお気づきになるでしょう。磁石を並べる様に漢字をぴたりとくっつけて配列しているだけで漢字自体に何らの活用形は有りません。基本は時間そのものや動作の進行具合を示す別の漢字をくっつけて過去の事か、現在か、未来の事かを判別させます。詰まりは中国語では時制 tense を、(動詞無変化形) + [(時間表現  mood   例:昨日、今、明日) and/ or  (動作の状況aspect  例:既に、〜中だ、まだ)] で表現する構造ですね。


 それでは英語の場合はどうかと言うと、お分かりの様に英語には単語自体の未来形の活用は無く、動詞句 be going to (これから〜しに行くところだ) や助動詞 will  (〜して遣ろうか)を使います。英語はゲルマン祖語から派生した言語の1つですが、実は近代ゲルマン諸語(英語、スカンジナビア語、デンマーク語、オランダ語、ドイツ語、アイスランド語等)では複雑な時制が簡略化し、動詞の時制は基本は過去形と現在形の2つから構成される共通性があります。動詞の未来形の活用はありません。時を示す副詞句が添えられていなくても <動詞句or 助動詞+:現在形動詞>が未来を示すシステムです。

 英語の未来表現には、主語の意志表明の濃淡も被さります。助動詞 shall を使うまでになると「(未来には) 必ずそうしてみせる」と最強の意志が盛り込まれます (但し英国英語ではshall は単なる未来を指す用法で使われます)。因みにたまたま塾長のメダル収集箱に収まっている米国の南北戦争代用貨 (愛国トークン) の一面に、 The Union Must and Shall Be Preserved との文字が刻まれているのですが、これはユニオン (リンカーン側を支持する北部 20州)は必ず守られるぞ、いやきっと守ってみせる、とのスローガンになります。そう言えばマッカーサー司令官がフィリピン (当時は米国が植民地化していた) のミンダナオ島からの脱出を余儀なくされ、到着したオーストラリアで  I  shall  return. きっと戻ってみせる、と何度も口にしたのは有名です。日本軍に追い出され、悔しかったのでしょう。


 それがラテン語系のフランス語になると、動詞語尾が活用する形で明確な未来形が存在します。簡単に言うと、現在形の活用形に対して活用語尾に r の発音が挟まるだけなのですが。


 この様に、時制表現のあり方を考える事も、外国語そして日本語自体の理解を深めるのに役立ちますね。








lost in translation


2019年9月15日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

  『ロスト・イン・トランスレーション』 (Lost in Translation)は、コッポラ監督の娘、ソフィア・コッポラが監督と脚本を担当した 2003年製作の映画ですが、アカデミー脚本賞他、数多くの賞を受けています。映画自体は日常生活に起こる様なちょっとした出来事を軽妙に描写するもので、塾長には特に深い文学性や芸術性があるものとは思えません。公式ホームページは http://www.lost-in-translation.com/ ですが、この程度の英文が、時に知らない単語が混じる程度でスイスイ読めれば、英語の基礎力は出来ていると判定できます。戻ることなく、文章の順序のままに頭に入りますか?


  lost in translation とは、例えば日本に旅行に訪れた英語話者が、スマホのグーグル翻訳で対応している内に<茫然自失になり何がなんだか分からなくなった>との意味もあります(lostは迷子になった、自分の座標位置を見失ったの意で多用される)が、<翻訳でニュアンスが失われる> との意味にも使われます。明確な論理仕立ての文章、例えば自然科学分野の学術論文を翻訳する場合は兎も角として、言語固有の発音や個々の単語の抱える付帯的な情報は他言語に移し替えるのは困難です。その最たるものが詩の翻訳ですが、韻を踏んだものを他言語に置き換えようがありませんね。


上田  敏の 『海潮音』

https://www.aozora.gr.jp/cards/000235/files/2259_34474.html


の序文に、 「巻中収むる処の詩五十七章、詩家二十九人、伊太利亜に三人、英吉利に四人、独逸に七人、プロヴァンスに一人、而して仏蘭西には十四人の多きに達し、曩 (さき) の高踏派と今の象徴派とに属する者その大部を占む。高踏派の壮麗体を訳すに当りて、多く所謂七五調を基としたる詩形を用ゐ、象徴派の幽婉体を翻するに多少の変格を敢てしたるは、その各の原調に適合せしめむが為なり。(中略) 訳述の法に就ては訳者自ら語るを好まず。只訳詩の覚悟に関して、ロセッティが伊太利古詩翻訳の序に述べたると同一の見を持したりと告白す。異邦の詩文の美を移植せむとする者は、既に成語に富みたる自国詩文の技巧の為め、清新の趣味を犠牲にする事あるべからず。しかも彼 (かの) 所謂逐語訳は必らずしも忠実訳にあらず。されば「東行西行雲眇眇 (びようびよう)。二月三月日遅遅」を 「とざまにゆき、かうざまに、くもはるばる。きさらぎ、やよひ、ひうらうら」 と訓み給ひけむ神託もさることながら、大江朝綱 (おおえのあさつな) が二条の家に物張の尼が 「月によつて長安百尺の楼に上る」 と詠じたる例に従ひたる処多し。」

  とあり、翻訳者の苦労が偲ばれます。詩としての格調やそれが持つ香気を減ずることなく伝える為に、日本語の七五調を採用したり、また逐語訳は忠実訳ではないとして、漢語の詩歌を大和言葉に訳出した例を挙げていますが、それが 「訳詩の覚悟」 だ、との主張ですね。

  『海潮音』 にはボードレールの詩 5篇が訳出されていますが、もう少し散文的な訳でも良かったのかとも感じますが、正しい訳であると同時に詩の香りが保たれていると感じます。 


そう言えばと、堀口大學が翻訳した Jean Cocteau コクトーの有名な詩 (訳詩集  『月下の一群』 に収載される) を調べてみました。

 Poesies <最初のeの上にアクセント記号がつきます>(1917-1920)  Cannes X

 Mon oreille est un coquillage モン ノレイユ エタン コキヤージュ

 Qui aime le bruit de la mer.  キエム ル ブリュウィ ドラメール

 私の耳は 貝のから

 海の響を なつかしむ


 短詩集 (1917-1920) 「カンヌ」 の第5篇にある僅か2行の詩文ですが、仏語サイトで検索を掛けてみましたが、この詩に関する記述が殆ど見付かりませんでした。フランスではまともな詩歌扱いされていないのかとちょっとビックリしましたが、只の短い散文詩めいた詩ですので当たり前の事を表現しただけと評価されないのかもしれません。金持ちのぼんぼんのなんでも屋のコクトーがまた何か書いているぞ、でしょうか。貝殻を耳に当てるとすーすー音が聞こえる、との事象に着想を得て、僕の耳 (耳は解剖学用語で耳介=耳の貝)は貝殻なんだ、それでざぶんざぶんと打ち寄せる潮騒の音が好きなのかぁ、の意味です。

 僕の耳は貝殻さ

 海のざぶんが大好きだ

(塾長訳)


  カンヌの地中海を目にし、海辺で過ごした子供の頃を遠い目で見るように思い出しながら、茶目っ気で書いたのかもしれませんね。ここら辺のところは日本の仏文学関係者の見解を聞きたいところですが (知り合いに早稲田の仏文を中退した奴がいたのですが現在消息不明・・・)、この詩を紹介した国内サイトはごまんと存在しますが、本国での扱いを含めて突っ込みがありません。ブログ記事を書く時に国内の他人のページを参考にするだけで、大方はフランス語での検索も掛けていない様にも見えます。今回概観していて気がつきましたが、oreille を oteille と誤記したものがあり、それを使い回しているサイトが皆その誤った綴りとなっていましたが、詩を語るもっともらしい体裁を保っていても他人の褌を借りているだけの残念なサイトだなぁと直ぐに判明した次第です。勿論例外はあって優れて深い考察を行っているサイトも存在します。

  話を戻しますが、このコクトーの詩は堀口の訳で本邦だけで有名になっている詩なのかも知れません。これが事実であれば、散文詩に、七五調に加え<響き><なつかしむ>の語を与え、詩の香りを幾らか盛り過ぎた可能性もあり、 lost   in  translation  ではなく、 added  in  translation  の例と言えるのかもしれませんね。








ゲシュタルト崩壊


2019年9月10日

 皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 前回までの主語の概念またそれに続き動詞型について一連の記事をしたためましたが、相当の長丁場でも有り、みなさんはちょっと疲れを覚えられたかもしれませんね。季節も秋めいて来ましたのでちょっとばかり一服しましょうか。

 言葉を分析的に捉えていくと、ゲシュタルト崩壊と言う心理的現象を惹き起こすことがあります。頭脳、特に前頭葉の疲労が原因で統合的にモノを考える機能が瓦解するのか、一種、自己のこれまでの世界認識の統一観が失われるとの恐怖にも似た精神状態でしょうか。今回は英語学習からは離れたおまけの内容になります。まぁ、文法絡みの鹿爪話が続きましたが、幕間の息抜きとお考え下さい。



 日本心理学会

 https://psych.or.jp/interest/ff-34/

 漢字のゲシュタルト崩壊現象とは何でしょうか?


 同じ漢字を長い間,あるいは繰り返し見続けていると,漢字としての形態的なまとまりがなくなって,各部分がバラバラに知覚されたり,その漢字がいったいどんな漢字であったかわからなくなってしまうといった経験をしたことのある人は少なくないと思います。この現象は,一般的に漢字のゲシュタルト崩壊現象と呼ばれています。




 塾長の高校の時の漢文のT先生も授業中に同じ体験を仰っていました。


 中島敦の 『文字禍』  の中にもゲシュタルト崩壊について触れていると思われる箇所があります。

https://www.aozora.gr.jp/cards/000119/files/622_14497.html 青空文庫


 以下、ナブ・アヘ・エリバ博士にまつわる内容ですが、確かにゲシュタルト崩壊と判断して間違いではなさそうです。



「実際、もう大分前から、文字の霊がある恐しい病を老博士の上に齎 (もたら) していたのである。それは彼が文字の霊の存在を確かめるために、一つの字を幾日もじっと睨み暮した時以来のことである。その時、今まで一定の意味と音とを有っていたはずの字が、忽然と分解して、単なる直線どもの集りになってしまったことは前に言った通りだが、それ以来、それと同じような現象が、文字以外のあらゆるものについても起るようになった。彼が一軒の家をじっと見ている中に、その家は、彼の眼と頭の中で、木材と石と煉瓦と漆喰との意味もない集合に化けてしまう。これがどうして人間の住む所でなければならぬか、判らなくなる。人間の身体を見ても、その通り。みんな意味の無い奇怪な形をした部分部分に分析されてしまう。どうして、こんな恰好をしたものが、人間として通っているのか、まるで理解できなくなる。眼に見えるものばかりではない。人間の日常の営み、すべての習慣が、同じ奇体な分析病のために、全然今までの意味を失ってしまった。もはや、人間生活のすべての根柢が疑わしいものに見える。」



 英語の 「文法」 と言っても、基本的には英語圏に住んでいて英語を母語とする者 (現地では「国語」)が <英語頭> でまとめ上げた英語の法則性であって、主語の概念からしてまるで違っている <日本語頭> でまとめ上げたものではありません。日本語話者が完全に、また直感的に理解できるものとは違うと言えるかもしれません。但し、前に触れましたが、英語の5文型の概念は日本発との説も存在します。膠着語話者がゲルマン語の語順の重きに<打たれ>、現地人には当たり前すぎて気が付かないでいた法則性を<発見>した可能性もありそうですが。

 いずれにしても、英語を理解せんと英文を分析的に睨み過ぎてゲシュタルト崩壊を来す前に、英語とはこんなもんだと<割り切りをして片付ける>のも手かもしれませんね。所詮は人間が話す言葉であり、言葉とは基本は慣用的表現である collocation の集積から成立するもので、当該言語の話者が互いに意思疎通出来れば足りるとされる程度の道具なのですから。








動詞型G (誰々に)+that 節を取る動詞


2019年9月5日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 引き続き、下記英国ケンブリッジ大学の文法サイトを参考に動詞型の話をしましょう。

https://dictionary.cambridge.org/ja/grammar/british-grammar/verb-patterns/verb-patterns-verb-that-clause


 今回、後ろに (誰々に)+ that 節を取り得る動詞について採り上げます。 (誰々に)の箇所は、間接目的語 indirect object を取る場合、また to などの前置詞+目的語 (前置詞句prepositional  phrase と言う) を取る場合があり、動詞毎にそれが決まっています。不要であれば(誰々に)の箇所は無しでもOKの動詞もあればと、必ず(誰々に)を必要とする動詞もありますのでご留意ください。では用例を見ていきましょう。




Verbs followed by an indirect object and a that-clause

 間接目的語 IO +that 節を従える動詞

Some verbs (generally those connected with reporting) can be followed by anindirect object plus a that-clause acting as the direct object:

以下の動詞 (大方はモノを報告する動詞) は<間接目的語+that 節>を従える事が出来ます:


advice, assure, convince, inform, persuade, promise,  remind, tell,warn




advice

to give recommendations to someone about a decision or course of action

 行動の決定や採るべき方向について人に勧める

〔+that〕〈…するように〉忠告する

I advice that you (should)  leave here at once.

直ちにここを立ち去るのがいいと思うよ。

〔someone +that〕〈人に〉〈…するように〉忠告する.通告する

I adviced him that he (should)  stay.

私は彼にとどまるように忠告した。

We were adviced that they  could not accept our offer.

我々の申し出を受けかねると彼らに通告された。


assure

to inform positively, as to  remove doubt

疑念を除去すべく肯定的に知らせる

 to cause to feel sure

 確かだと思わせる

〔someone +(that)〕〈人に〉〈…だと〉保証する,納得させる

I can assure you that he's  sincere.

彼が誠実なことはあなたに請け合うよ

= I can assure you of his  sincerity.

I was unable to assure her  that I loved her.

私が彼女を愛していることを彼女に納得させることはできなかった。


convince

to bring by the use of argument or evidence to firm belief or a course of action

討論や証拠を通じて信念や行動の方向性を固めさせる

〔someone +that〕〈人に〉〈…ということを〉確信させる,納得させる

He tried to convince me that  he was innocent.

彼は自分が無罪であることを私に納得させようと努めた。

= He tried to convince me of  his innocence.


inform

to impart information to; make aware of something

〔someone +(that)〕〈人に〉〈…ということを〉知らせる.

She informed her parents  that she had arrived safely.

彼女は両親に無事到着したことを知らせた。

= She informed her parents  of her safe arrival.


cf. notify 

*inform に比べると畏まった状況で利用されます

to tell someone officially about something

〔someone +(that), of + something〕〈人に〉〈…ということを〉公的に通知する

The school is required to notify parents if their children fail to come to school.

 学校は子供達が登校して来ない場合に親に通知する様に要請されている。

Has everyone been notified of the decision?

 皆さん、その決定について通知されましたか?

We notified the police that the bicycle had been stolen.

 我々は自転車が盗まれたと警察に届け出た。

If you have any complaints, please notify the manager.

 ご不満な点がございましたら, どうぞ支配人にお申し出ください.

He was notified to appear in court.

 彼は出廷するように通知を受けた.


persuade

to influence or move another to do or accept something

〔someone +that〕〈人に〉〈…ということを〉確信[納得]させる.

I couldn't persuade him that  she was a sincere lady.

彼女が誠実な女性だということを彼にわかってもらえなかった。

= I couldn't persuade him of  her sincerity.


〔persuade oneself  of〕 確信する

〔be persuaded of 〕 確信している

I persuaded myself of his  innocence.

彼が無罪なのを確信した。

I was persuaded of his  innocence.

彼が無罪なのを確信していた。


promise

to make a declaration assuring that something will or will not be done

 何かが起きる起きないと請負い宣言する

〔(someone)+that〕〈人に〉〈…ということを〉約束する.

They promised (us) that the work should be done before Saturday.

彼らは(私たちに)仕事は土曜前までに終わらせると請け合った.


remind

to cause to remember; put in mind

〔someone +that〕〈人に〉〈…ということを〉思い出させる,注意する.

Don't forget to remind him that tomorrow is a holiday.

あすは休みだということを忘れずに彼に注意してください。

〔someone of 〕〈人に〉〔…のことを〕思い起こさせる, 気づかせる

You remind me of your father. 君を見ると君のおとうさんを思い出す。


tell

to put into words

to make aware or cognizant of something

何かを気が付かせる、知らせる

〔someone (+that)〕〈人に〉〈…と〉言う

He told me that he liked baseball. (間接話法)

彼は野球が好きだと私に言った。

×He told that he liked baseball. の表現は誤りで必ずIO を伴う。

= He said to me, “I like baseball." (直接話法)

= I was told  (by him) that he liked baseball.


[can,could などを伴って]〈…を〉知る,わかる.

One can tell (that) she's intelligent.

彼女が聡明であるということはだれが見てもわかる。


warn

to make aware in advance of actual or potential harm, danger, or evil

 実際の、或いは潜んでいる害や危険性、悪巧みについて前もって気が付かせる

〔(someone)+that〕〈人に〉〈…だと〉警告する,注意する.

I warn (you) that it's dangerous.

(君に)警告するがそれは危険だ。

= I warned you of its dangerousness.

He warned me that they were planning something against me.

彼は彼らが私に悪だくみを企てていることを私に知らせてくれた。

= He warned me of their plans against me.


cf.

〔+目的語+to do〕〈人に〉〈…するように〉警告する,注意する.

The teacher warned Tom to be more punctual [not to cheat].

先生はトムにもっと時間を守るように[カンニングをしないように]と注意した.




  S+V+IO+that clause の文型ゆえthat 節はDO直接目的語ですが、

DOが節(=文)ではない名詞の場合は、


  S+V+IO+of +DO の様に of が入る例が見られます。

共に意味上はS+V+IO+DO の第四文型相当です。


 動詞の用例は個々に覚えるしか無く、これを踏まえて言うと、5つの文型なるものは<意味上>の把握の仕方に留まるものである事がご理解戴けると思います。動詞が、用例に拠っては前置詞 of を意味的に含んでいたり、含んでいなかったりと揺れ動く訳で、非英語話者を戸惑わせることになります。

 この点、膠着語である日本語は、<間接目的とする語 + に>+<直接目的とする語+(〜であること)を>+動詞であり、単純明快で合理性を有しています。


 that は省略可能です。




Verbs followed by a prepositional phrase and a that-clause


前置詞句+that 節を従える動詞


Some verbs can be followed by a prepositional phrase  and a that-clause actingas the  direct object

以下の動詞は<前置詞句+that 節>を従える事が出来ます:


admit, complain, explain, mention, point out, prove, recommend, say,state,  suggest


<だれだれに>を目的語ではなく、<to+ 目的語>として取る動詞です。



admit

to recognize or regard (often reluctantly) as being valid or true

 価値や真実であると(いやいや)認める

〔(to someone)+that〕〈…だと〉認める

He admitted to the court that he had lied.

嘘をついていたことを彼は法廷に対し認めた。


complain

to express or feel  dissatisfaction or resentment

〔(to someone)+that〕〔…に〕〈…だと〉不平を言う,苦情を言う.

She complained (to me) that her husband drank too much.

彼女は(私に)夫が飲み過ぎるとぐちをこぼした。

We complained to the committee that they had not kept us informed.

情報が常に知らされていた訳では無かったと我々は委員会に対して苦情を言った。


explain

to offer reasons for or a cause of

〔(to someone)+that〕〔人に〕〈…ということを〉説明する.

I explained (to them) that we could stay no longer.

(彼らに)これ以上滞在できない訳を説明した。

〔(to someone)+wh.節 / +wh.節+to do〕〔人に〕〈…かを〉説明する.

He explained (to us) what we were expected to do.

彼は我々にどんな期待がかけられているかを(我々に)説明した。


mention

to refer to something briefly  or casually

手短に、或いは気軽に言う

〔(to someone)+(that)〕〔人に〕〈…と〉ちょっと言っておく.

She mentioned (to me) that she knew you.

彼女は(私に)あなたを知っていると言った。

= She mentioned knowing you.


point out

to bring (something)  to notice 

 気が付かせる、意識に上らせる

〔(to someone)+(that)〕〔人に〕〈…ということを〉指摘する

I pointed out (to them) that the account had still not been settled.

勘定がまだすんでいないことを彼らに指摘した.

I’d like to point out to everyone that it will be expensive to hire a concert hall.

コンサートホールを借りるのはお金が掛かりすぎるだろうことを皆さんに指摘しておきたいと思います。


prove

to establish the truth or validity of by presentation of argument or evidence

討論や証拠の提示に拠り真実性や価値を確立する

〔(to someone)+that〕〔…に〕〈…ということを〉証明する.

These papers will prove (to you) that he is innocent.

これらの書類は彼の潔白を君に証明するだろう

= These papers will prove (to you) him (to be) innocent.


recommend

to praise or commend (one) to another as being worthy or desirable

 価値がある、望ましいとあるものを人に賞賛する

〔(to someone) +that〕〔人に〕〈…するように〉勧告する,勧める.

The committee has recommended to the Prime Minister that the consumptiontax  (should) be abolished.

委員会は消費税を撤廃するよう首相に勧告した.


cf.〔人に〕〈人・ものを〉推薦する.

Can you recommend me a good doctor?=Can you recommend a good doctor tome?

いいお医者さんを推薦してくれませんか。


say

to express in words:

〔(to someone) +(that)〕〈…と〉言う

(この表現は一般的ではなく、tell someone that が普通)

She said to me that she lived alone with her mother.

→She told me that she lived alone with her mother.

= She said to me, "I 'm living alone with my mother."

彼女は母親と二人だけで暮らしていると言った。


state

to set forth in words; declare

〔(to someone) +that〕〈…ということを〉述べる,明言する; 言う.

He stated (to us )that the negotiations would continue.

交渉は継続されるであろうと彼は述べた.


suggest

to offer for consideration or action

〔(to someone) +that〕〔人に〕〈…することを〉提案する.

I suggested (to him) that the sum should be paid immediately.

その金はさっそく支払ってはどうかと(彼に)持ちかけた.

= I suggested (his) paying the sum immediately

She suggested (to me) that we should go to the theater.

= She suggested going to the theater.

彼女は劇を見に行ってはと言い出した。


cf.

to make evident indirectly

〔+that〕〈…ということを〉暗示する、示唆する

Those seagulls suggest that land is not distant.

カモメが飛んでいるから陸地が遠くないことがわかる.




 全て日常会話でも頻用される基本的な動詞です。例の如くで丸暗記して下さい。今回で動詞型についての話は終わりとします。この先に知らない動詞が出て来た時には、辞書などで用例を確認することは勿論必要ですが、それができない場合は動詞の性格から用例を類推してみて下さい。基本を押さえていれば大きく外れることもないのではと思います。

 次回からは暫くの間(年末までを予定しています)、言語としての英語、即ち英語学的な内容のコラムに入ります。英語の特徴を幅広い観点から掘り下げようとの試みになります。どうぞご期待ください!その間にこれまでコラムで触れた内容について復習も進めて下さい!








動詞型F that 節を取る動詞U


2019年8月20日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 引き続き、下記英国ケンブリッジ大学の文法サイトを参考に that 節を取る動詞 の用例を解説します。


https://dictionary.cambridge.org/ja/grammar/british-grammar/verb-patterns/verb-patterns-verb-that-clause


 今回ご紹介する動詞も 広義のreporting verbs  と言えますが、頭に浮かんだ或いは認知・考察した精神作用の果実に対し、動作を与える動詞群です。但し、前回扱った動詞群に比べると、第三者に対して意思内容をそのまま内容を伝達する色彩は弱まり、that 節の内容に対する動作性(加工性)が強くなります。

 後ろに that 節を従えるときは、その動詞の意味が限定され、或いは特定の意味を持つ場合が有ります。例えば、hear は<耳で音声が聞こえる>のが原義ですが、to hear that では、<話の内容を聞いて理解している>の意味になります。余談ですが、Listen to  me carefully !  私が話すことを良く聞いて頂戴、ですが似た様な感じです。



約束する 忘れる 覚えている  promise, forget, remember

見つける 知る discover, find out, know, understand,

感じる 聞く ,気が付く  feel, hear, notice, see




promise

 to commit oneself by a promise to  do or give

[that 節の内容を]するぞと自分に断言する:〜を約束する

They promised (us) that the work  should be done before Saturday.

彼らは(私たちに)仕事は土曜前までに終わらせると請け合った。


forget

 to fail to care for or give  proper  attention to

[that 節の内容に]注意を払うのにしくじる:〜するのを忘れる

I quite forgot (that) you were  coming.

あなたが来ることをすっかり忘れていました。


remember

 to recall to the mind; think  of  again

[that 節の内容を]心に想い起こす:〜を思い出す

I remembered that I had a lot  of  things to do.

仕事がたくさんあることを思い出した。


discover

 to obtain knowledge of, as  through observation or study

[that 節の内容を]観察や研究を通じて知る:〜であることに気づく

I discovered that he was  unreliable.

彼が当てにならぬ人間だと気づいた。


find out

 to discover or ascertain through  observation, experience, or study

[that 節の内容を]実験や研究を通じて発見する:〜と言う事を知る

I found out that there's going  to  be a sale next week.

来週特売があることを知った。


know

 to perceive and recognize  the  meaning of

[that 節の内容の]意味が分かっている:〜であることを知っている

Did you know that she was  once a  singer?

彼女がかつては歌手だったことは知っていましたか。

I don't know that で] 《口語》〈…だと〉思えない.

I don't know that I can attend the party. パーティーに出席できないと思う。


cf. recognize

 to perceive or show acceptance  of the validity or reality of

[that 節の内容の]価値や真実性を受け入れる、感じる:〜だと言う事を認める、認識する

He refuses to recognize  (that) he's wrong.

彼は自分が間違っていることを認めようとしない。


understand

 to perceive and recognize the  meaning of

[that 節の内容の]意味が分かっている:〜だと判断する、解釈する

Are we to understand that you will  not cooperate?

我々はあなたが協力してくれないものと考えてよろしいのですか。

《あなたは協力しないとおっしゃるのですか》.


feel

 to be intuitively aware of

[that 節の内容を]直感的に気づいている:〜だという感じがする;

I feel that some disaster is  impending.

何か災難が迫っているような予感がする。


hear

 to learn by hearing;

[that 節の内容を]聞いて知っている:〜と(うわさに)聞いている

I'm sorry to hear  [I hear with  regret] that your mother is ill.

お母様がご病気だそうでお気の毒に存じます。


notice

 to become aware of something  not previously known

[that 節の内容に]以前知らなかったことを知る:〜ということに気が付く

When he took off his hat, I noticed  that he was completely bald.

彼が帽子を脱いだ時つるつるにはげているのに気がついた。


see

 to perceive and recognize the  meaning of

 to make sure,take care

[that 節の内容の]意味が分かっている:〜だと知っている

[that 節の内容を]確実に行う、留意する:〜をしかと遣らせる

I see that you have given up  smoking.

たばこをやめたようですね。

See that it gets done right  away.

それを直ちに終えさせて下さい。

See that he does it properly.

彼にそれをきちんとさせなさい。




確認する check, confirm

決める decide

振りをする pretend

示す prove, show, suggest

説明する explain




check

 to inspect so as to determine accuracy, quality, or other condition

[that 節の内容が]正確かどうか探る:〜を点検する.

You should check that the  fire is  out

火が消えているかを点検してください。


confirm

 to assure the certainty or  validity of

[that 節の内容が]正確だ/価値があると認める:〜を確証する

The candidate's disclaimers confirm that we were right in our  estimation.

その候補者の責任放棄は我々の判断が正しかったことを立証した。(=責任放棄する様な候補者に投票しなくて正解だった)


decide

 to settle conclusively all  contention or uncertainty about

[that 節の内容で]決着を付ける:〜と決める

He decided that he'd postpone his departure. 彼は出発を延ばすことに決めた。

= He decided to postpone his departure. (この用法は人物主語のみ可能)

It has been decided that the conference shall be held next month.

会議は来月開催することに決定された.


pretend

 to give the false  appearance of

[that 節の内容を]嘘で示す:〜だと装う、ふりをする

He pretended that he was  sick.

彼は病気のふりをした。

= He pretended to be sick.


prove

 to establish the truth or validity of by presentation of argument or  evidence

[that 節の内容を]議論や証拠を元にその真実性を確立する:〜だと証明する

These papers will prove that  he is innocent.

これらの書類は彼が潔白であることを証明するだあろう。

= These papers will prove him  (to be) innocent.


show

 to demonstrate by  reasoning or  procedure:

[that 節の内容を]理由や手続きにより提示する:〜だと明らかにする、証明する

We showed that the  hypothesis  was wrong.

我々はその仮説が間違っていることを明らかに。

He showed that the man was  innocent.

彼はその男が潔白だということを証明した。

= He showed the man to be  innocent.

I'll show you that it is very  foolish.

それが非常にばかげたものであることをこれから明らかにします。

The altimeter showed that  the  plane was descending.

高度計は飛行機が降下していることを示していた。

= The altimeter showed the  plane  descending

(to show someone or something  doing でのみ SVOC 型を取り得る)

The photo shows them  sitting  on a bench.

その写真には彼らがベンチに座っているところが写っている.


suggest

 to make evident indirectly;  intimate or imply

[that 節の内容を]間接的に明らかにする:〜であることを示唆する、ほのめかす

Those seagulls suggest that  land  is not distant.

カモメが飛んでいるから陸地が遠くないことがわかる。

Are you suggesting that he  is  guilty?

君は彼が有罪だとほのめかしているのか。


 to offer for consideration or  action

[that 節の内容を]提案する:〜したらどうかと言う

I suggested (to him) that the sum (should) be paid immediately. その金はさっそく支払ってはどうかと(彼に)持ちかけた。


explain

 to offer reasons for or a  cause  of

[that 節の内容について]理由或いは原因を提示する:〜のわけを説明する

We explained (to him) that  we  could stay no longer.

我々がこれ以上滞在できない訳を(彼に)話した。


cf. He explained (to us) what  we  were expected to do.

彼は我々にどんな期待がかけられているかを(我々に)説明した。




 that 節の中身は直接目的語で名詞扱いですから、意味が直感的に分からなくなったら that 節を代名詞 it に置き換えて考えます。そして次に it を「それであること」に置き換えて考えると意味が通り易いのではないでしょうか?

 大方の動詞は人間の脳の営為を表すものゆえ、無生物主語は取りえませんが、confirm 並びに最後の4つの動詞、prove, show, suggest, explain は証拠、状況などを根拠に記述 された前文を、it やthis 或いは these  findigs などに置き換えて主語とする事もできます。この表現は学術論文などでは寧ろ多用される表現です。この内の  suggest は直接的な理由や証拠を与えずに傍証で示すことから「示唆する」とでも訳せばよろしいでしょう。弱含みの推論ですね。更に、証拠や根拠無しでものを言う、考えを述べる時には speculate を使います。全て証拠で固めてモノを言う科学論文の世界では、結論の最後などに、思いついたこと(=科学的な証拠を(ほとんど)与えていないこと)を、これは speculation であるがと断った上で、考えをチラと述べる場合もあります。まぁ、将来の研究の糸口を開陳するような「含み」ですね。

 上記例、Those seagulls suggest  that  land is not distant.

カメモが飛んでいるから陸地が近いだろう、ではカモメは傍証です。


 伊豆大島が見えたので新島は近い、であれば伊豆大島は直接の証拠ですので、show を使って文章が書けるでしょう。例えば、

The close sight of Izu Oshima Island showed that we were navigating  about  seventy  miles north to Niijama Island.

伊豆大島が近くに見えたので、我々は新島の北70マイル近くを航行中と分かった。

と言う具合です。

 that 節の代わりに what, where, how などで始まる疑問節を取ることの出来る動詞が上に含まれていますが、用例についてはまた後日纏めて触れたいと思います。








動詞型E that 節を取る動詞T


2019年8月15日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 引き続き、下記英国ケンブリッジ大学の文法サイトを参考に動詞型の話をしましょう。


https://dictionary.cambridge.org/ja/grammar/british-grammar/verb-patterns/verb-patterns-verb-that-clause


 that clause (that 節)は皆さんご存知の筈ですが、節、詰まりは主語と述語から成る完成された文章を、新たな文章の中の1つの部品(名詞相当)として扱うべく、その先頭に目印としての that(=それ)を付ける仕組みです。日本語でも言葉が出ないときに、アレですねぇ、などと言っておいてから、次にその中身を話す時がありますが、その構造に似ていますね。

 今回と次回の2回に亘り、後ろに that 節を取り得る動詞について採り上げます。この that は特に口語ではしばしば省略されます(zero-that. と呼ばれる時もあります)。これは guess, think, hope,reckon:のあとでは特に一般的です。



Verbs + that-clause

Reporting verbs + that-clause

that 節を従える報告動詞


 Some verbs connected with reporting can be followed by a that-clause  acting asthedirect object

 物事の報告に関与する以下の動詞は、直接目的語としてのthat 節を取る事が出来ます。


accept, admit, agree, announce, assume, believe, claim, comment,  complain, consider, doubt, expect, explain, guess, hope, imagine, insist,mean, mention,  realise, reckon, remark,repeat,  reply, say, state,  suppose, think


 これらの動詞は  reporting verbs  と言いますが、頭に浮かんだ或いは認知・考察した精神作用の果実に対し、思う、表明する、疑う、などの動作を与える動詞群ですね。以下例文を挙げていきます。いずれも日常生活で極めて普通に利用される動詞です。勿論、that 節を取る動詞は他にもありますが、大方は上記動詞の(似た様な性格の)類義語となります。


 お気づきと思いますが、一部を除いて殆どの動詞はthat 節を取る時には人間を主語に取り、無生物主語は取れません。


 SVOの文型であり、受け身形は O is Ved by S ですが、Oが頭でっかちになりますので、

  It is Ved (by S) O. とするのが普通です。




言う announce, mention, reply, say, state, repeat

文句を付ける claim,  comment, complain

主張する insist

意味する mean




announce

to make one's thoughts, motives, or intentions known

[that 節の内容を]知らせしむ:〜を周知する、発表する

It has been announced that the astronaut will visit this country in  September.

その宇宙飛行士が 9 月にこの国を訪問すると発表されている.


mention

to make a comment or  remark about (observation).

[that 節の内容を](ついでながら)一言述べる:〜だとちょこっと述べる

She mentioned (to me) that  she knew you.

彼女は(私に)あなたのことを知っていると言った。


reply

to answer in response to  something

[that 節の内容を]返答する:〜と答える

He replied that his mind  was made up.

彼は決心がついたと答えた。


say

to express in words

[that 節の内容を]言葉で表現する:〜と言う、〜と書いてある

She said that she lived alone  with her mother.

彼女は母親と二人だけで暮らしていると言った。

The letter says that her  mother is seriously ill.

その手紙には彼女の母親が重病だと(言葉で表現してある)書いてある。


state

to set forth in words

to proclaim one's choice, opinion, or resolution

[that 節の内容を]言葉に出す:〜と述べる、明言する

He stated that the  negotiations would continue.

交渉は継続されるだろうと彼は述べた.


repeat

to say again

[that 節の内容を]繰り返し言う:〜と繰り返す

I repeat that this must not  happen again.

繰り返して言うがこのようなことは二度と再びあってはならない。


claim

to state to be true, especially when open to question

[that 節の内容を](疑わしいと思われている事を)正しいと主張する,言い張る.

cf. be open to question  疑わしい、疑問視される (質問に対して開かれている、などと訳すと意味不明になりますのでご注意を)

He claimed (that) his hypothesis of continental drift was correct.

彼は自分の大陸移動説が正しいと主張した.

〔+to do〕〈…すると〉主張する.

Peary claimed to have  reached the North Pole.

ピアリーは北極点に到達したと主張した.


comment

to make a comment or  remark about (observation)

[that 節の内容を]見たこと聞いたことに対し(手短に)意見を述べる,〈…であると〉(論)評する.

He commented that prospects for the firm look good.

彼は会社の展望は明るいと述べた.


complain

to express or feel  dissatisfaction or resentment

[that 節の内容を]〈…だと〉不平を言う、憤り、恨みを口にする.

She complained (to me) that  her husband drank too much.

彼女は(私に)夫が飲み過ぎるとぐちをこぼした.


insist

to take and maintain a stand  obstinately

[that 節の内容を]反対されても〈…と〉言い張る、頑強に主張する.

She insisted that he (should)  be invited to the party.

彼女は彼をパーティーに招待すべきだと主張した.

cf. She insisted on his  invitation to the party.


mean

 to act as a symbol of;  signify or represent

[that 節の内容を]示す、〜と言う意味だ

This sign means that cars  must stop.

この標識は車を停止させろと言う意味だ。


cf. The wrinkles on his face signified that he had lived a hard life.

彼の顔のしわは彼がつらい生活をしてきたことを物語っていた.




思う assume, consider, think, guess, imagine, reckon, remark, suppose

期待する expect, hope

信じる 疑う believe, doubt

認める 同意する accept, admit, realize, agree




assume

to take for granted; suppose

[that 節の内容を]当たり前と捉える、前提とする:〜とまず考える

I assumed that he would  forgive me.

私は彼が私を許してくれるものと思い込んでた。

Assuming that it is true, what  should we do about it?

もしそれが本当だとしたら, そのことについてどうしたらいいのだろう。


consider

to think carefully about

[that 節の内容を]注意深く考える:〜と考える

Do you consider that he  behaved properly?

彼がきちんとふるまったと思いますか。


think

to have or formulate in the  mind

[that 節の内容を]心に持つ:〜と思う

Do you think (that) she'll come?

彼女が来ると思いますか。


[I think that] 〈…しよう〉かな.

I think I'll go to bed early  tonight. 今夜は早く寝ようかな。


否定・疑問文で〈…ということを〉予期する

Little did she think that she would become the Princess of Wales. 彼女は自分が(英国の)皇太子妃になるだろうなどとは夢にも思っていなかった.


guess

to predict (a result or an event) without sufficient information

[that 節の内容を]十分な情報無く予想する:〜ではないかと思う

I guessed that he was an ex‐serviceman.

彼は退役軍人ではないかと思った。

I guess I'll go to bed. 寝ようかな。(口語表現)

= I think I'll go to bed.


imagine

to form a mental picture or  image of

[that 節の内容を]心に思い描く:〜を想像する

Imagine that you're Gulliver  among the Lilliputians.

君がリリパット人に囲まれたガリバーだと想像してみたまえ。

She imagines (that) he doesn't love her. 彼女は彼が自分を愛してくれていないものと証拠も無く思っている。(口語表現)


reckon

Informal. To think or assume

[that 節の内容を]思う(口語表現):〜思う、推測する

I reckon he's over sixty.

彼は 60 歳を超えていると思う。


remark

to express briefly and  casually as a comment

[that 節の内容を]気軽な気持で述べる:〜とさらっと言う

She remarked that it was  time to leave.

彼女はもう出かける時間だと言った。


suppose

to assume to be true or real for the sake of argument or  explanation:

to believe, especially on uncertain or tentative grounds:

to consider to be probable or  likely:

[that 節の内容を]不確かな証拠ではあるが信じる:〜多分と思う

{that 節の内容を]議論や説明の為に真実と考える:〜と仮定する(命令形のみ)

I suppose you're right.

多分君の言うとおりだろう。

I suppose it will rain. 多分雨が降るんじゃないかと思う。

Scientists supposed that large dinosaurs lived in swamps.

科学者らは大きな恐竜は沼に住んでいたと思っている。

They supposed that I knew all about it.

= They supposed me to know all  about it.

彼らは私がそのことをすべて知っていると思った。

Suppose (that) we win the lottery. What shall we do then?

もし宝くじが当たったらどうしようか。


(I don't suppose that 婉曲な依頼)

I don't suppose you can  [could] lend me some money.

あなたが私にお金を貸すことなんてありえないですよね?


expect

to look forward to as a probable occurrence

[that 節の内容が]起こりそうだと楽しみにする:〜であることを期待する

 (that 節内は未来時制)

I expect that you will forgive  her.

君が彼女を許してくれるものと思っています。


hope

to look forward to with  confidence or expectation:

[that 節の内容を]自信や期待をもって楽しみにする:〜となることを待ち望む、見込む

We hope that our children will carry on our family traditions.

子供達が我々家族の伝統を継いで呉れることを待ち望んでいる。

I hope that she will soon be  well again.

彼女はじきまたよくなると僕は見込んでいる。


believe

to accept as true or real

[that 節の内容を]真実だと受け入れる:〜だと信じる、だと思う

I believe (that) he is honest. (口語的)

彼は正直だと思う。

= I belive him to be honest. (硬い表現)


doubt

to tend to disbelieve

to regard as unlikely

[that 節の内容が](否定文で):〜に疑いはない

[that 節の内容が](肯定文で)起こらないのではと考える:〜はなさそうだ

I don't doubt that he means  well.

彼が善意を抱いていることに疑いはない。

I doubt that we'll arrive on  time.

我々が時間通りに到着することは無さそうだ。

= It is unlikely that we'll arrive on time.


〔+whether [if]〕〈…かどうかを〉疑う.

I doubt whether [if] she will  be present.

彼女が出席するかどうか疑問だ。


cf. suspect

to surmise to be true or  probable

[that 節の内容を](良くない内容が)真実だろうと推測する,うすうす気づく.

I suspected that an accident had happened.

何か事故でも起こったのではないかと感じた。

事故でも起きたんじゃあないかと思った。


cf. wonder

to feel curiosity or be in doubt about

[that 節の内容に] 驚く  that は普通省略される

I wonder (that) he didn't get killed.

(あんな危険なことをして)よくもまあ彼は死ななかったものだ

I wonder what happened. 何が起こったのかな.


wonder if

 if 以下の内容(肯定的、否定的を問わず)に対する疑いの気持を表明する

  〜ではないかと心配する、〜を怪しむ

I wonder if I'm going to die.

オレってマジに死ぬの?

I wonder if this book will sell.

この本は売れるかしら?


accept

to take (something given or offered) willingly

to respond affirmatively

[that 節の内容を]喜んで受け入れる:〜を認める、肯定的に受け入れる

I accept that the evidence is unsatisfactory.

証拠が不十分なことは認めます。


admit

to recognize or regard (often reluctantly) as being valid or true

[that 節の内容が]正しいと認める:〜としぶしぶ認める

He admitted that he had stolen the money.

彼はその金を盗んだと白状した。


realize

to perceive and recognize the meaning of

[that 節の内容の]意味をが分かっている:〜であると認識している、理解する.

I didn't realize (that) she was so ill.

彼女がそんなにひどい病気だとはわからなかった.


agree

to respond affirmatively

[that 節の内容に]肯定的に反応する:〜に同意する、〜に意見が一致する

He agreed that my plan was better. 彼は私の案のほうがよいことを認めた.

We agreed [It was agreed] that we should travel first‐class.

ファーストクラスで旅行しようと意見が一致した.


〔+with+(代)名詞+that〕〈…ということで〉〔人と〕意見が一致する.

I agreed with him that some active measure should be adopted.

何か積極的な措置を講ずるべきであるという点で彼と意見が一致した.




 that 節の中身は直接目的語で名詞扱いですから、意味が直感的に分からなくなったらt hat 節を代名詞 it に置き換えて考えます。そして次に it を「それであること」に置き換えて考えると意味が通り易いのではないでしょうか?

  動詞claimですが日本語では〜にクレームを付ける、〜と言う事実に対して文句を唱える、の意味で使われますが、(反対意見はあっても)〜が正しいと主張する、の意味ですのでご留意下さい。

 また動詞suspectはthat 節内の<良くないできごと>が頭に思い浮かぶ、との意味です。

 (次回に続きます)








動詞型D  感覚動詞と使役動詞


2019年8月10日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 引き続き、

https://dictionary.cambridge.org/ja/grammar/british-grammar/verb-patterns/verb-patterns-verb-infinitive-or-verb-ing から

 今回は、いわゆる感覚動詞並びに使役動詞について上記サイト掲載の用例を加味した上で採り上げます。以前に登場した動詞が再び出ても来ますが、復習がてら学習を進めて下さい。



Verbs followed by -ing or an  infinitive without to

ing 型或いはto 無しの不定詞を従える動詞


感覚動詞(感覚、聴覚、視覚の動詞)

feel, notice, see, hear, overhear, watch


  When they are used with -ing, these verbs emphasise the action or event in  progress. When they are  used with an infinitive without to, they emphasise theaction or event seen  as a whole, or as completed.

 ing 型の動詞を使う時は動作や出来事が今進行中である事を強調し、to 無しの不定詞を使う時は動作や出来事を丸ごと或いは終わったものとして見ることを強調します。全てSVOC の文型となります。(無理遣り)受け身形にすると、O is Ved C by S の形となります。



hear

   She  heard  people shouting in the street below and looked out  of  the window.(emphasises that the shouting probably continued  or  was repeated)

 彼女は人々が下の通りで叫んでいるのを聞き、窓から外を見た(叫びがおそらく継続し或いは繰り返されていることを強調する)

   I heard someone shout ‘Help!’, so I ran to the river. (emphasises  the wholeevent: the  person probably shouted only  once)

 誰かが助けてと叫ぶのを聞いたので川に駆け寄った(出来事全体のことを強調する、誰かはおそらく只1度だけ叫んだのだろう)


see

   A police officer saw him running along the street. (emphasises  the running as itwas happening)

 警官は彼が通りに沿って逃げるのを見た(事が起きている時に彼が走っていることを強調する)

   Emily saw Philip run out of Sandra’s office. (emphasises the  whole event  fromstart to finish)

 エミリーはフィリップがサンドラのオフィスから逃げ出すのを見た(最初から最後に至る出来事全体を強調)


feel

I felt my heart beat violently. 心臓が激しく鼓動するのを感じた.

= My heart is felt to beat violently. (受身では to 不定詞に)

I (can) feel something  crawling up my leg.

何かが脚をはい上がっているのがわかる.

feel oneself + past particle 過去分詞 〈自分が〉〈…されるのを〉感じる.

He felt himself lifted up. 彼は体が持ち上げられるのを感じた.



overhear 

〈人が〉〈…言うのを〉ふと聞く.、たまたま耳にする、仄聞する

to happen to hear,  to hear by chance

I overheard my wife make an  appointment with him.

私は妻が彼と会う約束をするのをふと耳にした.

He overheard her saying she was  quitting her job.

彼は彼女が仕事をやめるつもりだと言っているのをふと聞いた.


watch

I sat there, watching  the  moon come up.

私はそこに座って月が昇るのを見ていた.

She stood watching  the  people passing by.

彼女は人々が通り過ぎていくのを立って見つめていた.

for + (someone, something) + to do〕  〔…が〕〈…するのを〉待ち構える.

I stood watching for the  signal to change to green.

そこに立って信号が青に変わるのを待ち構えていた.

〔+to do〕〈…しようと〉待ち構える.

She watched to see who  would come out of the house.

彼女はだれがその家から出てくるか見てやろうと待ち構えた.


notice

〈…が〉〈…するのに〉気がつく.

Did you notice anyone  trespass the garden?

だれか庭に勝手に入るのに気がつきましたか.

I noticed a strange man  prowling around.

見知らぬ男がそのあたりをうろうろしているのに気がついた.

He was noticed breaking open the window.

彼は窓をこじ開けているところを見られた

She noticed him paying so much attention to another girl.

彼女は彼が他の女の子をとても気にしているのに気がついた


 ing 型ではまさに出来事の瞬間の情景を感知しているのに対し、to 無しの不定詞の場合、情景、シーンとして感知・理解していると言うことですね。



Verbs followed by an  infinitive without to

to 無しの不定詞を従える動詞


使役動詞

let, make, have, get


 主語の意志で第三者に何かをさせる、して貰う時にはいわゆる使役動詞  causative verbs(その状態を起こさせる、発起、発揮させる意味の動詞)を使用します。


 その場合、第三者の意思に構わず何かをさせる(殆ど命令)、説得してさせる、相手の善意に頼り、或いは対価の供与として手助けをしてもらう、相手が何かを自発的に遣りたがっているのを任せる(許可、放任)、に至るグラデーションが存在します。


 まぁ簡単に言えば

make 無理にでもさせる > get  働きかけてさせる > have 頼んですんなりしてもらう > let 自発的にさせておく、の順番で強制力が失せる代わりに相手の自発性が強くなる、と思えば分かり易いでしょう。


 do (someone or something) (do, done) の形を取りますが、get のみ  get  him to do とto 不定詞を取ります。意味的にはSVOC であり、O does C の意味であれば C は動詞原形、O is (done) C の意味であれば C を過去分詞或いは形容詞にするだけです。



let 

(自発的に〜させる、意志を解き放つ)

     Let me show you this  DVD I’ve got.

  僕の持ってるこのDVDを君に見せてやるよ。

  He won't let anyone  enter  his room.

  彼はだれひとり自室に入れさせて呉れない。

  Just let him try to stop  me!

  やれるもんなら奴に俺を止めさせてみやがれ.

  Don't let that dog loose. その犬を放すな.(loose は叙述の形容詞で補語)


make 

(有無を言わせず〜させる)

   They made us wait while  they checked our documents.

  書類をチェックする間、連中は我々を待たせた。

cf. We were obliged to wait while they checked our documents

 連中が書類をチェックする間、我々は待機せざるを得なくなった

(相手は自分たちに待てと命じたかは不明で、状況からして待つことになった)。

  The hot bath made  me feel  so good.

   熱い風呂はとても気持ちが良かった

   My mother made me feel guilty for weeks about having lied to her.

   母にうそをついたことで母は僕に何週間も罪悪感を感じさせた

   In junior high we were made to run a marathon every morning.

   中学校では我々は毎朝マラソンをさせられた(受身では be made to do となる)  

   I made myself understood in English. 英語で自分の意志を通じさせた.


get

 頼んで (人に) 〈…して〉 もらう.

  I got my smartphone repaired. スマホを修理してもらった。

  I got my hair cut. 髪を切ってもらった

  Get your friends to help you. 友達に頼んでに助けてもらいなさい.

 (自分で) 〈…して〉 しまう.

 I want to get this job  finished by noon.

 この仕事を正午までにやってしまいたい.

 I got the computer started. コンピュータを起動させた


 cf. I got my arm broken. 腕を折っちまった。

   (一種の経験受身、勿論使役の意味はない)

 (骨折したとの単なる事実ではなく、骨折したとの経験を強調する)


have

 (粛々と)〜してもらう

  We should have him  report. 彼に報告させよう.

    will,would を伴って〈…して〉もらいたいと思う.

  What would you have me do? 私はどうすればよいのですか

  When did you have  your  hair cut?

 = When did you have the  hairdresser cut your hair?

 (その理容師に)髪を刈ってもらったのはいつですか.


cf. 経験受身

 He had his wallet stolen. 彼は財布を盗まれた.

(単純に盗まれた事実ではなく、その経験、<〜されてしまった>を強調する)

  cf. His wallet was stolen.


 get + O + 過去分詞の場合ですが、第三者にやって貰ったのか自前で片付けたのかは状況で判断することになりますね。



Verbs followed by an  infinitive without to

to 無しの不定詞を従える動詞


(お助け動詞)

help


   She helped me find a  direction in life.

 彼女は私が人生の進路を見つけるのを手伝って呉れた。


 His recommendation helped  me get the job.

 彼の推薦(状)が私の就職に役立った.


cf. help (to) do 〜するのを手伝う、役立つ、協力する、助長する(悪い意味でも使う)

 The language lab will help (to) improve your understanding of  spoken English.

 LL教室は口語英語の理解力を向上させるのに役立つだろう.

Everyone can help (to) reduce carbon emissions by using public  transport.

 皆は公共交通を利用することで炭素排出削減に協力出来る。


*reduce の意味上の主語は Everyone ですが、この文章では目的達成のために必要な援助をするとの心の志向を動詞 help が添えます。



 他にも例示すべき動詞が幾つかあるのですが、全ては網羅出来ませんでした。新たな動詞に巡り会った際には、その動詞がどの様な<作用>を持つのか、その性格を理解した上で動詞型を当てはめてみるのも良いでしょう。

 皆さんもこの先に知らない動詞(知っている動詞でも)が現れる度に、その動詞がどの様な用例を取り得るのか、さっと辞書で確認する習慣にすると大きな力になる筈です。これまでに紹介した動詞型の基本ワクを押さえておくだけでも英語力は飛躍的に伸びると思います。

 動詞型の話はまだまだ続きます・・・。








動詞型C  to 不定詞と ing 型で意味が異なる動詞


2019年8月5日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 引き続き、

https://dictionary.cambridge.org/ja/grammar/british-grammar/verb-patterns/verb-patterns-verb-infinitive-or-verb-ing から

 上記サイトに掲載の動詞の大方は既に@〜Bにて扱いましたが、今回及び次回の2回では残りの動詞について触れ、またこのサイトに記述されている用例が優れていますのでそのまま大方紹介します。以前に登場した動詞が再び出ても来ますが、復習がてら目を進めて下さい。



Verbs followed by a to-infinitive or -ing


to 不定詞またはing 型動詞を従える動詞の内、意味の違いが軽度に留まる4つの動詞

(好き嫌い動詞)

hate, like, love, prefer


Hate, like, love and prefer can be followed either by -ing or a to-infinitive. The  difference in meaning is  often  small. The -ing form emphasises the verb itself. Theto-infinitive puts the emphasis  more  on  the preference  for, or the results of, theaction.


hate, like, love and prefer は ing 型動詞或いはto 不定詞のどちらも従える事が出来ます。意味の違いはほとんど無いのですが、ing 型は動詞それ自体を強調し、to 不定詞は行為に対する好み(どうする方が好きなのか)、或いは行為の結果を強調します。


 ちょっと分かり難い表現ですが、

だだもう「ジュースを呑む」のが好きなら

 like drinking juice となり、

朝に「ジュースを呑む」のが好きなら

 like to drink juice in the  morning と言う意味です。

 like (to dink juice in the morning) 「朝にジュースを呑む行為」が好き、と考えてもよいでしょう。



love like

 I love cooking Indian food. (emphasis on the process itself and  enjoyment of it)

 私は印度料理を作るのが好きです(印度料理を作る過程そのもの及びそれが楽しいことに強調が置かれる)。

 I like to drink juice in the morning, and tea at lunchtime. (emphasis  more on the  preference or habit)

 朝はジュースを飲むのが好きだけどランチタイムはお茶がいい(行為への嗜好や習慣そのものに強調が置かれる)。


hate

 She hates cleaning her room. (emphasis on the process itself  and  no  enjoymentof it)

 彼女は自室を掃除するのが嫌なんだ(掃除をする過程そのもの及びそれが全然楽しくないことを強調)

 I hate to be the only person to disagree. (emphasis more on the  result: I  wouldprefer  not  to be in that  situation.)

 自分が同意しない唯一の者になるなんて嫌だ(結果を強調、その様な立場、結果になろうことを嫌がる)


prefer

 Most people prefer watching a film at the cinema rather than on  TV. (emphasis onthe  process itself and  enjoyment of it)

殆どの人はT映画をVで見るより映画館で見る方を好む(過程そのもの及びそれを楽しむことを強調)


 We prefer to drive during the day whenever we can. (emphasis  more on theresultand on  the habit or  preference. The speaker  doesn’t  necessarily enjoy theprocess of driving at  any time of day.)

 日中はどこに行こうともドライブする方が好きだ(結果並びに習慣、嗜好に強調を置く、話し手は必ずしも一日のどの時間にもドライブするのを楽しむとは限らない)


 詰まりはing 型の方(動名詞)は、時・所・状況などに拘わらず行為そのものが好きか嫌いを示し、to 不定詞は時・所・状況に応じ、その行為が好きか嫌いかの気持が起きる、と言うことですね。

 to 不定詞の方は、未来に向かっての、そうなるとイイとかイヤだの気持が入る(to 不定詞の未来指向性)と考えても良いでしょう。




hate, like, love, prefer with  would or should

助動詞 would should と共に使う時はto不定詞のみ使われます

 She’d love to get a job  nearer home.

 彼女は自宅により近いところで職を得られればと思っている。

 Would you like to have  dinner with us on Friday?

 金曜日に我々と共にディナーは如何ですか?


 would や should は、<もし可能であれば>との婉曲の感情を込めた表現ですので、相手には丁寧な印象を与える表現となります。まぁ、英語の丁寧語ですね。当然、未来に於いてそうなるといいなとの気持ですのでto 不定詞が付きます。



Verbs followed by a to-infinitive or -ing


to 不定詞またはing 型動詞を従える動詞の内、意味が異なって来る8つの動詞

go on, mean, need, regret, remember, stop, try, want




go on

 He went on singing after everyone else had finished. (He  continued  singingwithout   stopping.)

 他の皆が歌い終えた後も彼は歌い続けた(中断することなく歌い続けた)

 She recited a poem, then went on to sing a lovely folk song. (She  recited thepoem  first,  then she sang the  song.)

 彼女は詩を朗読し、それから愛らしい民謡を歌った(最初に詩を朗読しそれから歌った)


mean

 Working in London means leaving home at 6.30. (Because I work  in London, this is  the  result or  consequence.)

ロンドンで働くと言う事は家を朝の6時半に出ることになる(ロンドンで働くが故にその結果として)。

 I didn’t mean to make you cry. (I didn’t intend to make you cry.)

君を泣かせるつもりではなかった(君を泣かせようと意図したのではない)


need  want

She wants me to go to Paris  with  her.

彼女は私に一緒にパリに行ってもらいたがっている.

I need to be back in Tokyo  as  soon as possible.

= It's  necessory for me to be back in Tokyo as soon as possible.

出来るだけ早く東京に戻る必要がある。

(英国口語表現)

My smart phone wants repairing. 僕のスマホは修理が必要だ。

(米国口語表現)

My smart phone needs repairing. 僕のスマホは修理が必要だ。

=It's necessory for me to have my smart phone repaired.

=I need to have my smart  phone repaired.

= My smart phone needs to  be  repaired.

*need,want + doing は非常に informal ゆえ、使用は控えた方が良いでしょう。


regret

I regret being unable to help  you.

= I'm sorry that I am unable  to help you.

残念ですがお手伝いできません. (現在の状況)

I regret having been unable  to help you.

= I'm sorry that I was unable  to help you.

お手伝いできなかったのは残念でした (過去の状況)

regret to do の用法は以下の定型的表現のみ

I (We) regret to say (inform, tell) you that …お伝えするのは残念ですが

We regret to inform you that your application has not been  successful.

遺憾ながら貴下のご出願は受理されませんでした

《不合格通知などの決まり文句》.

= I'm sorry to tell you that you failed to pass the entrance  examination. 言いたかないけど君は入試に落ちたよ。

(会話表現)


remember

Remember to save your work often, just in case your computer  crashes.

= Do not  forget to save your work often, just in case your  computer crashes.

 まさにPCが壊れた時に備えて仕事内容はちょくちょく保存するのを忘れずに。

 I remember meeting her once. It must have been about five years  ago.

=  I have a memory of meeting her once. It must have been about   five years ago.

 彼女には一度会った覚えがある。5年前の事に違いない。

cf. remember someone to (〜のことを)〜によろしく伝える

 Remember me to your  parents when you see them.

= I ask you to give regards to your parents when you see them.

 ご両親にお会いした時にはよろしくお伝えください。


stop

 She stopped crying as soon as she saw her mother. (She was crying, and  then shedidn’t  cry anymore.)

 母親を目にするやいなや彼女は泣くのを止めた(彼女は泣いていたがそれ以上泣かなかった)

 We stopped to buy some water at the motorway service area. (We were  travelling  and  we stopped for a  short time in order to buy  some water.)

 我々は高速のSAで水を買おうと停車した(我々は旅行していたが水を買うために短時間立ち止まった)


try

 I tried searching the web and finally found an address for him. (I  searched the web to  see what  information  I could find.)

 インターネットの検索をやってみて遂に彼のアドレスを見つけた(どんな情報が得られるのか知るべく、私は実際にインターネットを検索した)

 I tried to email Simon but it bounced back. (I attempted to email him but I did  notsucceed.)

 私はサイモンにメールしようと試みたが、不達で戻って来た(彼にメールしようとしたが上手く行かなかった)



 授業や一般の参考書、web での解説記事で扱われる馴染んだ動詞は別として、自分としてはこの様な用法があるとは知らず、盲点だった、との動詞もあろうかと思います。これまでの解説の中からその様な動詞の用例のみ抜き出して覚えるのも手ですね。

 一般化した話となりますが、ing 型動詞では、<その行為・動作が塊としてパッケージされて目の前に有る>詰まりは名詞に接近しているのに対し、to 不定詞では、<その先、未来に於いて〜するに至る>ことが頭に浮かんでいる、動作性が強い、の違いがあります。動詞によってはこの2つの中で表現が揺れ動くものもありますが、この様な基本的な性格の違いを頭に入れておくと良いでしょう。

 動詞型の話があと4回続きますが、英文理解の為の基本中の基本ですので、辛抱しつつ丸暗記して下さい。信じる者は救われるかも?








動詞型B someone + to 不定詞型を取る動詞


2019年7月20日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 引き続き、

https://dictionary.cambridge.org/ja/grammar/british-grammar/verb-patterns/verb-patterns-verb-infinitive-or-verb-ing から

  ここに掲載されている

Verbs followed by a direct object and a to-infinitive

  即ち、広義の

S+V+O (意味上の主語 someone or something) +C (叙述語 to do) の形を取る、

以下の22動詞


 advise, ask, challenge, choose, forbid, hate, help, instruct, intend,

invite, like, love, need, order, persuade, prefer, recommend,

remind, request, teach, tell,  want,


  について例文を作りましたのでご参考までに。一部動詞は Cとして ing :型も併せて取り得ます。動詞型 @ Aで採り上げた動詞も混じっていますが、復習がてらここで再確認して下さい。尚、上記で動詞 advise の綴りとなっていますが、これは参照 web サイトが英国ケンブリッジ大学の辞書である為で、米国式には advice の綴りとなります。ここでは米国式綴りに直して扱います。



advice

〔advice someone to do [doing]〕 ((人)に〜するよう助言する

I adviced him to get a job as  soon  as  possible.

I adviced him getting a job immediately.

出来るだけ早く職に就く様、彼に助言した。


ask

〔someone + to do〕〈人に〉〈…するように〉頼む、誘う

The judge asked us to leave the court. 裁判官は我々に退廷するよう求めた.

He asked me to dine with him at his club. 彼は私をクラブでの食事に招いた.


challenge  

to confront boldly and courageously 大胆に勇敢に立ち向かう

to be in opposition to 正反対の立場にある

〔someone + to do〕〈人に〉〈…、競う、勝負せよと〉挑む、課題となる

He challenged anyone to beat him.

誰でも俺を打ち倒してみやがれと彼は挑発した。

The problem challenges me to prove my theory right.

その問題で自分の理論が正しいのかを証明せねばならなくなった。

(=その問題は、<私が自分の理論が正しいことを証明する>様に、挑んでいる)

    (=その問題は、私の理論に対立している)


choose

〔someone + to do〕〈人を〉選んで〈…〉させる

We chose J.F.Kennedy to represent USA.

我々はケネディを合衆国の代表に選んだ


forbid

〔someone + to do〕 〈人が〉〈…することを〉許さない,禁止する.

Her father forbade her to  marry the man.

= Her father forbade her marrying the man. (her は目的格 or 所有格)

彼女の父は彼女にその男と結婚してはならないと言った.

SVOO 〈人に〉〈…を〉禁じる,許さない

His doctor forbade him  smoking.

=Smoking was forbidden  (to)  him by his doctor.

医者は彼に喫煙を禁じた.


hate

〔hate (for) A to do [doing]〕((人)に絶対に…してほしくない

 I'd hate (for) my husband to  know about this secret.

  夫にこの秘密だけは知られたくない

She hated her husband to  use such vulgar language.

彼女は夫にそんな野卑な言葉を使ってもらいたくないと思った.

I hate anyone using my pen.

  人にペンを使われるのはいやだ。


help

〔someone + to do( do) 〈人が〉〈…するのを〉手伝う

〈…が〉〈…するのを〉促進する,助長する

His recommendation helped  me (to) get the job.

彼の推薦(状)が私の就職に役立った.

I help my father (to) water the crops. 父が作物に水をやるのを手伝います.


instruct

〔someone + to do〕〈人に〉〈…するように〉(細かな点まで)指示する,命じる.

The teacher instructed the  pupils to remove their shoes.

先生は生徒達に靴を脱ぐよう指図した

The doctor instructed the  patient to cut down on salt.

医者は患者に減塩するよう指示した


intend

〔someone + to do〕 〈…が〉〈…するように〉意図する.

I intend my son to take over  the business.

私は息子にこの商売を任せるつもりでいる。


invite

〔someone + to do〕〈人に〉〈…するよう〉(正式に)勧める,要請する

The Democratic Party invited J.F.Kennedy to run for President of USA.

民主党はケネディに大統領選に立候補するよう要請した。.


like

〔someone or something to do〕〈…が〉〈…するのを〉好む、して欲しい

I like people to be cheerful. 人は陽気なのが私は好きだ.

I'd like you to do it for me. 私の代わりにそれをやってほしいのですが。

〔+目的格[所有格]+doing〕〈人が…するのが〉好きだ.

I don't like you [your] going  out alone at night.

あなたが夜一人歩きをするのを好みません.


love

〔someone + to do〕〈…が〉〈…するのを〉好む.

I love you to make up your face. 君には化粧して貰いたいなぁ。

She'll love for you to come with her.  《for を添えるのは米口語》

彼女はあなたが一緒に来てくれれば喜ぶだろう.


need

〔someone + to do〕〈人に〉〈…してもらう〉必要がある.

I need you to carry my bag. 鞄を運んでちょうだい。

助動詞 need only, need all …しさえすれば良い

You need only follow  his  direction.

= All you need is to follow  his  direction.

彼の指図に従えさえすればよいのだ。


order

〔someone + to do〕 〈人に〉〈…するように〉命じる.

He ordered his men to volley  gunshots at the enemy

= He ordered that his men (should) volley gunshots at the enemy.

彼は部下に敵を一斉射撃せよと命じた。


persuade

〔someone + (not) to do〕 〜する(しない)よう説得する〈 (⇔dissuade).

She persuaded me to stay. 彼女は私にとどまるよう説得した.

The police persuaded a hijacker to stop useless resistance and surrender.

警察は乗っ取り犯に無駄な抵抗は止めて投降するよう説得した。

We persuaded him not to  resign the position.

彼にその地位を手放すなと説得した。

persuade someone into doing 〜を説得して実際に〜させる

He persuaded his daughter into going to the party with him.

彼は娘を説得してパーティーに同行させた。


prefer

〔someone + to do〕〈…に〉〈…して〉もらいたい.

We'd prefer you to  participate in the discussion.

君に討論に加わってもらうと有り難いんだが。


recommend

〔someone + to do〕 〈人に〉〈…するように〉勧める.

She recommended me to try  this tonic for hair restortion.

彼女は私にこの育毛トニックを試してみるよう勧めた.

The doctor recommended me to go to the country for a change of air

医者は私に田舎に転地して気分でも変えたらどうかと勧めた。


remind

〔someone + to do〕 〈人に〉〈…するよう〉思い出させる,注意する.

= to make someone think of

Remind me to take medicin before  meals.

食前に服薬するのを忘れないよう注意してください.

Remind me to email Tony today; otherwise I’ll probably forget.

今日トニーにメールよう私に注意して。そうじゃないと多分忘れてしまうから。

remind oneself to do 〈…することを〉思い出す.

I reminded myself to return  this money to him.

私はこの金を彼に返すことを思い出した.

cf. I have to remember  to return this money to him.

この金を彼に返すのを忘れない様にしないと。


cf. remind someone of  (人)に〜を思い出させる

That song always reminds me of the time I fell in love with an Italian girl.

 その曲を聴くとイタリアの少女と恋に落ちた時のことを毎度思い出す。

  Jason reminded me of my father. They had the same eyes and the same  way oftalking.

ジェイソンを見ると父さんを思い出したよ。同じ目をしていて同じ喋り方をするんだ。


request

〔someone + to do〕〈人に〉〈…するように〉頼む,要請する.

Visitors are requested not to  touch the exhibits.

見学者は展示物に手を触れないでください 《博物館などの掲示の文句》.

The government requested tourists to cancel the visit to the nation.

政府は旅行者にその国への訪問を止めるよう要請した。

request +O +O 文型

The nation requested Japan hundreds of tons of rice in assistance.

その国は日本に数百トンのコメ支援を要請した。


teach

〔someone + to do〕〈人に〉〈…するように[するしかたを]〉教える.

She has taught her dog to do  a handstand walking.

彼女は自分の犬に逆立ち歩きを教えた。


tell

〔someone + to do〕 〈人に〉〈…するように〉命じる

He told me not to drink too  much.

= He said to me, “Don't drink  too much."

彼は私に呑みすぎるなと言った。


want

〔someone + to do〕 〈人に〉〈…して〉ほしいと思う.

She wants me to go to Paris  with her.

彼女は私に一緒にパリに行ってもらいたがっている。




 文型の構造上は別として、意味的に SVOC を取り得る動詞 (Oは目的格 or 所有格、Cは ing 型or to 不定詞、to 無しの不定詞)の内、本項ではto 不定詞を C として従えるものを採り上げました。お気づきかと思いますが、O が C となることを、主語主体が、求める、望む(嫌う)、し向ける意味を含んだ動詞(=意志作用の動詞)ばかりですね。to を利用していることから、〜の方に(これから)向かうといいなぁ、の気持を含んでいると考えても良いでしょう。前置詞の to だろうが、不定詞を作る to だろうが、英語話者には to は時間や位置への先、未来性を示す言葉であり、 to 以上でも以下でもありません。

 文意が直感的に理解が出来ないときは、まずはO+Cを独立した1つの文章として思い浮かべ、そしてそれが意味する内容に対して最初の動詞Vが何を望んでいるのか、を考えると良いでしょう。逆に作文する時も、O+Cを考えてから、適当な動詞V を添える遣り方でも悪くは無いと思います。

 いずれも極めて基本的な動詞ばかりですので、全て丸暗記して下さい。お経のように何度も唱えるの良いですし、ボイスレコーダー等に自分の声で録音するのも頭に残る方法だと思います。








動詞型A ing 型のみを取る動詞


2019年7月15日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 動詞型の違いは SVO のO、或いは SVOC のCに該当する動詞に関して、ing 型を取るのか、to不定詞を取るのか、to 無しの不定詞(要するに原形)を取るのか、のパターンを頭に入れれば大方それで終わります(この場合、O は Cの意味上の主語になります)。今回は、後ろに ing 型の動詞(これらは名詞扱いの動詞、即ち動名詞、或いは現在分詞です)のみを取る動詞について扱います。

Verb patterns: verb  + -ing

https://dictionary.cambridge.org/ja/grammar/british-grammar/verb-patterns/verb-patterns-verb-infinitive-or-verb-ing


  ここに掲載されている20個の動詞

admit, avoid, consider, deny, dislike, enjoy, fancy, feel like, finish, give up,  (can’t)help, imagine, involve, keep (on), mind, miss, practise, put off, risk,  (can’t) stand,  


 これらの動詞は ing 型のみを従え、to 不定詞は取りません。以下例文を作りましたのでご参考までに。



admit

to recognize or regard (often reluctantly) as being valid or true

価値や真実性を(しぶしぶ)認める

admit doing  〈…する [した] ことを〉認める.

He admitted having cheated  in the examination.

彼はテストでカンニングしたと白状した.


avoid

to get or keep away from 避ける

avoid doing

She tried to avoid meeting him because he alway made her feel  gloomy.

彼と居ると暗い気持ちになるので彼女は彼と会わないようにした


consider

to think carefully about. 注意深く考える

to think or deem to be;  regard as 〜であるとみなす

consider doing 〈…することを〉よく考える

I considered sending mail to her, but then decided to see her.

彼女にメールしようかと思っていたが、会うことに決めた。.

consider someone to have done 〈…を〉〈…したと〉考える

We consider him to have  done  a good  job.

彼は良い仕事をしたと我々は思う。

consider someone (to be) 〈…を〉〈…だと〉みなす,考える

English people consider Shakespeare to be a great poet.

= English people consider  Shakespeare as a great poet.

英国人はシェイクスピアを大詩人とみなしている.


deny to refuse to admit the truth, reality, value, or worth of

価値や事実、真実性を認めることを拒否する

deny doing  〈…する[した]ことを〉否定する

He denied having stolen  the  money.

彼はその金を盗んだ覚えはないと言った.


dislike

to have or express an unfavorable opinion  

dislike doing 〈…することを〉嫌う,いやがる

I dislike living in the countryside.

田舎に住むなんていやだねぇ。


enjoy 

to receive pleasure or satisfaction from 楽しむ、享受する

We enjoyed taking a seven-day cruise in the Mediterranean.

私たちは地中海で7日間のクルージングを楽しみました。


fancy

to visualize; imagine

fancy doing 〈…することを〉考えてもごらん.

Fancy  playing with a  cellphone all day long.

一日中スマホをいじっているなんて.

fancy someone doing  

〔目的格[所有格]+doing〕〈人が…するのを〉考えてもごらん.

Fancy him [his] having told  a  lie!

まさか, 彼がうそをついたなんて!


feel like (口語表現)

to have an inclination or desire for: ちょっと〜してみたい、〜の気がする

feel like doing

I feel like throwing up. 何だか吐きそうだ。

I feel like going for a walk. ちょっと散歩に出たいや。

I don't feel like eating sushi. 寿司は食べる気がしない。


finish

to bring or come to an end

finish doing  〔+doing〕〈…し〉終える

He finished drawing a picture.

彼は絵を一枚描き終えた.


give up

to put an end to what one is doing  

give up doing  〈努力・考え、希望、習慣などを〉やめる、断念する

He finally gave up stalking his  divorced wife.

彼は別れた女房を追い回すのを遂に諦めた。


(can't) help 

not to refrain from; not to avoid or resist 〈…せざるを〉得ない、抵抗出来ない

I can't help worrying about my daughter.

=I can't help but (to) worry about my daughter.

娘の事が心配で仕方が無い。


imagine 

to form a mental picture or image of 心の中で思い描く

imagine doing  〈…することを〉想像する

I could not imagine winning in a lottery .

クジに当たるとは思いもよらなかった。

imagine someone doing  〈…が…するのを〉想像する

Can you imagine him (his)  getting married with Mary?

彼がメアリーと結婚するなんて想像できますか.


involve

to contain as a part; include. 一部として含む

to have as a necessary feature or consequence 必然的に〜と言う結果になる

to connect closely, implicate 密接に関与する

involve doing  〈…することを〉(必然的結果として)伴う.含む

English rewriting involves checking grammar,  word spellings, and  collocation of  thesentence.

(当たり前の話ですが)英文の校閲は文法、スペリング、コロケーションのチェックを含みます。

Overseas business trip will involve living abroard away from  Japan.

海外出張すれば日本を離れて生活することになる訳だ。


keep (on)〈…し〉続ける

keep (on) doing    on が入ると強調的で反復, しばしば執拗さを暗示する

She kept on making the same mistake. 彼女は同じ間違いをし続けた.


mind

to care about; be concerned about. to object to; dislike

気掛かりだ、嫌だ

mind doing   〔+doing / +目的格[所有格]+doing〕〈…することを〉迷惑がる; いやがる

I don't mind him (his) smoking. 彼が喫煙するのは気にならない。

I don’t mind making a meal if you can go and purchase  ingredients.

食材を買いに出て呉れるなら夕飯を作ってもいいよ。

Do you mind the door being  opened?

ドアを開けっ放しでもいいですか.


miss

to escape or avoid,

miss doing  〈…することを〉逃す,〈…し〉そこなう、免れる

I missed watching the TV show last niggt. そのTV番組を昨晩見損ねた。

= I failed to watch the TV show last night.

He barely missed going to  juvenile prison.

= He barely escaped being jailed to  juvenile prison

彼は少年刑務所送りを辛うじて免れた。

cf. I miss you badly. 君が居なくてとても寂しいよ。(日常的口語表現)


practice (これは米語綴り、英国は practise)

to do or perform habitually  or  customarily; make a habit of

practice doing  〈…することを〉練習する.

School children must practice swimming  fully-clothed.

学童は必ず着衣泳の練習をしなければならない.


put off

to delay until a future time

put off doing 〈…することを〉延期する

Don't put off answering  his  letter  any longer.

=You must not postpone answering his letter any longer.

彼の手紙の返事をそれ以上遅らせてはいけない.


risk

to expose to a chance of loss or damage; hazard. 危険に身をさらす

risk doing   あえて〈…〉する. 〜する(〜の)リスクを負う

I'm willing to risk  losing all my  money on that investment

その投資で喜んで全財産失ってやろうじゃないか。

I am reluctant to risk  losing all my  money on that investment

その投資で全財産失うなんて気が進まないよ。

I'm unwilling to risk  losing all my  money on that investment

その投資で全財産失うなんて絶対にいやだ。


(can't) stand(口語表現)

not to continue to be in a place 同じ場所に立てない、我慢できない

(can't) stand doing 〈…することに〉耐えられない

I can't stand watching you. お前のことは見てられねぇ。



 動詞+ ing 型動詞の組み合わせですが、上記 20個の動詞は ing 型動詞に替えてもちろん他の一般の名詞を取る事が出来ます。まぁ、他動詞には違いありません。他動詞+ing 型の動詞ですので、ing 型の動詞は、〜すること、を表す動詞が名詞化したもの、即ち動名詞扱いになります。

 しかしながら、上記例文

Can you imagine him (his)  getting married with Mary?

彼がメアリーと結婚するなんて想像できますか.

= Can you imagine that he will get (or is getting )married with  Mary?


 にて、意味上の主語を 目的格の him とするならば、次の getting は動詞の現在分詞扱いに、一方、所有格の his とすれば、次の getting は動名詞扱いになります。英語話者は、文法上の位置づけなど考えず、この様に揺れ動く表現を使っていることになります。SVOC 文型とSVO 文型との間の揺れ動きですね。日本語でも「このスマホは凄いいいね」などと普通に表現しますが、「このスマホは凄くいいね」の方が まだしも formal ですが、この様な揺れ動きが積み重なって言語が徐々に変化していくのでしょう。文型の構造上は別として、意味的に SVOC を取り得る動詞 (Oは目的格 or 所有格、Cは ing 型 or to 不定詞、to 無しの不定詞)についてはまた別項で纏めたいと思います。この様な 広義のSVOC 表現を許容する動詞を頭に叩き込んでおくのが、動詞遣いのキモともなる筈です。









動詞型@  to 不定詞 を取る動詞


2019年7月10日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 英語の文型とは動詞使用の実例パターン詰まりは動詞型を簡略に纏めたものに他ならない、と前回述べました。要は、結局のところ、個々の動詞について慣用的な使用法即ち collocation を覚えるしか無いとの結論です。尤も、日常生活で利用される基本的な動詞についての collocation を頭に入れれば足りてしまいます。米国でも3億人の老若男女が普通に喋っている言葉ですので、優秀な皆さんならすぐにも覚えることが出来るでしょう。動詞型の違いは SVO のO、或いは SVOC のCに該当する動詞に関して、ing 型を取るのか、to 不定詞を取るのか、to 無しの不定詞(要するに原形)を取るのか、のパターンを頭に入れれば大方それで終わります(この場合、O は Cの意味上の主語になります)。あとはその動詞が文型的に SVOO を取り得るかどうか、ですね。

Verb patterns: verb + infinitive or verb + -ing?

https://dictionary.cambridge.org/ja/grammar/british-grammar/verb-patterns/verb-patterns-verb-infinitive-or-verb-ing


  ここに掲載されている30個の動詞


afford, agree, ask, arrange, begin, choose, continue, decide, fail, forget, hate, help,hope, intend, learn, like, love, manage, mean (=intend), need, offer, plan, prefer,pretend, promise, refuse, remember, start, try, want,


  について、以下例文を作りましたのでご参考までに。



afford to do

(原義 to put forwad  <商いの話を>前に進める)

to be able to bear the expense of  〜の出費に耐えられる

to have enough money to do something 〜をするお金を持っている


We can't afford to buy such an expensive car.

=We don't have enough money to buy such  an  expensive car.

=We can't afford such  an  expensive car.

そんな高い車を買う余裕はない。


agree to do 

〈…することに〉同意する

to give consent to doing

to assent to doing

He agreed to succeed to the  Imperial Throne

彼は皇位を継承することに同意した。.


arrange to do 

〈…するように〉準備する、段取りをつける

to place things in order

Can you arrange to be here  in  three days?

3日後にここに来ていただけますでしょうか.

I arranged to meet her at  seven o'clock.

僕は7時に彼女に会うように段取りした。


arrange for someone/ something to do

〔人・ものが〕〈…するように〉準備する,手配する.

I'll arrange for my son  to  pick  you up at the station.

駅で君を拾うよう息子に手配しよう.


ask to do 

自分に〈…させてくれと〉(人に)頼む.

to make a request to alow

He asked to play the violin.

そのバイオリンを弾かせてくれないかと彼は頼んだ


ask someone to do 

〈人に〉〈…するように〉頼む.

The police asked a crowd of curious onlookers to leave the scene.

警察は野次馬に現場から退去するよう求めた.


begin to do/ doing 

〈…し〉始める,〈…し〉だす

It has begun to snow. 雪が降りだした.


cannot begin to do 

とても出来そうにない

I cannot begin to imagine how terrible the nuclear war is.

核戦争がどれほど恐ろしいものか私にはまったく想像もできない

I can't begin to tell you how much I appreciate your support.

あなたからのご支援にはどんなに感謝しているかお礼の言いようもありません.


choose to do 

〈…することに〉決める、決心する

to prefer or decide to do

The boy chose to stay with  his father.

少年は父と一緒にいる事に決めた。

=He decided to stay with  his  father.


continue to do 

断続的・習慣的に〈…し〉続ける

to go on after suspension or interruption

He continued to climb mountaines even after the accident.

彼は事故後も山に登り続けた。.


continue doing 

ある動作を〈…し〉続ける、(中断後に)〈…することを〉続ける.

He continued playing  the game  into the night. 彼は夜中までゲームし続けた.

=He kept on playing  the game  into the night.

He continued painting her  portrail after dinner.

彼は夕食後もまた彼女の肖像画を描き続けた。


decide to do 

〈人が〉〈…しようと〉決心する,決意する

to come to conclusion

He decided to divorce his  wife.

彼は離婚することに決めた


fail to do 

期待されていることができない,〈…し〉損なう

to be unsuccessful in the  performance or completion of

He failed to marry that beautiful girl. 彼はその綺麗な娘と結婚し損ねた。.


not fail to 

必ず〈…〉する.

Don't fail to send an e-mail  to me.

= Make sure to send an e-mail to me.

=Send an e-mail to me  without fail.

必ずメールしてくれ。


forget to do 

〈…するのを〉忘れる

Don't forget to take the  medicine.

その薬を呑むのを忘れるな。


not forget doing

〈…したことを〉忘れない

I shall never forget having a  plesant time with her.

彼女と楽しい時を過ごしたことは決して忘れないだろう.


hate to do/ doing

〈…するのが〉嫌だ、残念に思う.

I hate to disturb you. おじゃまして誠に恐縮です.

I hate not to hear [not  hearing] from you any more.

もうお便りできないのは残念です.


hate someone to do

が〜するのが残念だ、止めて欲しい

She hated her son to do  such low behavior.

彼女は息子の粗野な振る舞いを止めて欲しかった。


help (to) do 

手助けする

to give aid

He helped (to) earn money. 彼は金を稼ぐ手伝いをした.


help someone (to) do

He helped me (to) move to a  new  house.

彼は僕が引っ越しするのを手伝った。


hope to do 

〈…したいと〉思う,〈…であればよいと〉思う.

to look forward to with desire

We hope to see  you again soon. またじきにお目にかかりたいと思います.

=We look forward to seeing  you again soon.


intend to do 

意図する,〈…する〉つもりだ

mean to do (こっちは less  formal)

I intend to leave tomorrow. 私は明日出発するつもりです.


intend someone to do 

〈…に〉させるつもりだ、もくろんでいる

I intend my son to take over  the  business.

私は息子にこの商売を引き継いでもらおうと思っている.


learn to do 

〈…〉できる[する]ようになる.

He has finally learned to  communicate in french.

彼はついにフランス語でコミニュケーションが出来るようになった。.


like to do/ doing

I like to play [playing]  the piano. ピアノを弾くのが好きだ.


not like to do/ doing

〈…し〉たくない; 〈…するのが〉嫌いだ.

I don't like to sleep alone.

独り寝はいやだ。.


like someone to do

〈…が〉〈…するのを〉好む.

I like her to play the piano.僕は彼女がピアノを弾くのが好きだ.


love to do/ doing 

〈…するのが〉(大)好きである

She loves to be [loves being]  admired by young men.

彼女は若い男にちやほやされるのが好きだ.


love (for) someone to do/ doing

〈…が〉〈…するのを〉好む.

I love you to play the piano.

君がピアノを弾くのが私は好きだ.

She'll love for you to come with her. (for を付けるのは米口語)

彼女はあなたが一緒に来てくれれば喜ぶだろう.


manage to do 

困難を乗り越えどうにかして〈…〉する

to bring about or succeed in accomplishing, sometimes despite difficulty or  hardship

I managed to get out of the  forest.

やっとこさ森から抜けられた。


mean doing 

〈…するに〉等しい

Success does not mean  merely  becoming  rich.

成功とは単に金持ちになることではない.

= Success is not eaqual to  merely becoming rich.


mean doing

〈…することを〉引き起こす,〈…することに〉なる.

Missing the train will mean having to spend a night in a hotel.

列車に乗り遅れると 1 晩ホテルに泊まらなければならなくなるだろう.

=Missing train will cause as an inevitable result our spending a night in a hotel.

=If we miss the train, we will be obliged to spend a night in a hotel.

もしその列車を逃すと、ホテルで一晩過ごさざるをえなくなる。


mean to do 

〈事が〉〈…することに〉等しい.

Alcoholic means to depend  on liquors.

アル中とは酒に依存すると言う事だ。.


mean to do

〈…する〉つもりである、目論んでいる  

《=intend to do》 (やや口語的表現)

She means to be a veterinary doctor. 彼女は獣医師になろうと思っている。.

I've been meaning to see that new movie everyone is talking about.

皆が話している新作映画を見に行こうとずっと目論んでいる。


mean for someone to do 

〈…に〉させるつもりだ、もくろんでいる

John meant for Jane to do the dishes.

ジョンはジェーンに食事の支度をさせるつもりだった。

=John intended Jane to do the  dishes.


be meant to do 

〈…するために/ であるべく〉作られている, 意図されている

This food is not meant  to be  taken  by  Muslim.

この食べものはイスラム教徒向けではありません。

She was meant to be a nurse.

= She was made to be a nurse.

彼女は看護師になるべく生まれついた。天性の看護師だった。


need to do 

〈…する〉必要がある.

I need to be back in Tokyo as soon as possible.

出来るだけ早く東京に戻る必要がある。

= It's  necessory for me to be back in Tokyo as soon as possible.


need doing 

〈人・ものが〉〈…することを〉必要とする (米国口語表現)

My smart phone needs repairing. 僕のスマホは修理が必要だ。

=It's necessory for me to have my smart phone repaired.

=I need to have my smart  phone repaired.

=My smart phone needs to be repaired


offer to do

〈…しようと〉申し出る,〈…してもいいと〉言う.

I offered to rewrite his paper  as a native English speaker.

英語話者として彼の論文を手直ししようと申し出た。


plan to do

〈…しようと〉計画する

I'm planning to submit a paper during the summer vacation.

夏休み中に論文を1本投稿する予定です。.


prefer doing A to doing B

prefer to do  A rather than to do B

prefer to do A instead of doing B 〔Bするよりも〕〈Aする方が〉好きだ.

Most people prefer living in a city  to living in the country

Most  people prefer to live in a city rather than to live in the country.

Most people prefer to live in a city instead of living in the country .

大多数の人は田舎に住むよりも都会に住みたいと思っている。


prefer someone to do 

どちらかと言えば〈…に〉〈…して〉もらいたい.

We'd prefer you to take part  in the discussion.

(できれば)君にも討論に加わってもらいたい.

I prefer my wife to leave me  alone.

妻には私を一人にして貰いたいと思っている。


pretent to do 

ふりをする; 〈…すると〉うそぶく.

He pretended not to see, and kept on getting public assistance.

彼は見えないふりをして、社会保障を受給し続けた。。

The boys pretended to be Indians. 少年たちはインディアンごっこをした.


not pretend to do 

〈…する〉気持になれない

Frankly speaking, I cannot pretend to support your hypothesis on the human  evolution.

率直に言うが、君の人類進化の仮説を支持しようとの気にはなれない.


promise to do

〈…することを〉約束する.

promise (someone) to do

(に)〈…することを〉約束する.

He promised (me) to continue to work for the company until the end of the  year.

彼は(私に)年末まで会社で働き続けると約束した。


refuse to do 

〔…する依頼を〕拒否する、どうしてもしない

She refused to accept his proposal. 彼女は彼の結婚の申し出を断った。

SVOO 文型有り


remember to do 

忘れずにこれから〈…〉する

I'll remember to mail. 忘れずに手紙を投函します。

remember doing 

〈…したことを〉覚えている

I remember (him/ his) mailing. (彼が)投函したことを覚えている。


start to do/ doing

〈…し〉始める

The dog began howling at sundown. 日没になり、イヌが遠吠えを始めた。.

The train was already starting to move. 列車は既に動き始めていた。.


start someone doing

〈人に〉〈…し〉始めさせる.

That scene started him looking back on his student days.

その光景は彼に学生時代を想い起こさせた。


try to do 

〈…しようと〉ためしてみる.挑もうとする

I tryed to climb Mount Fuji, but the bad weather prevented me from doing so.

富士山に登ろうとしたが悪天候で果たせなかった。


try doing

ためしに実際にやってみる

I tried climbing Mount Fuji and found it easier than I had expected.

富士山にためしに登ったが思ったよりラクだった。.


want to do 

〈…〉したい(と思う).

I want to go to France. 私はフランスへ行きたい.

want to do  

〈…〉したほうがいい.(口語)

You want to see a doctor at once. すぐ医者に見てもらった方がいい。

=You should consult a doctor  immediately.

 直ちに医師の診断を受けなさい (こちらは formal な表現)


want someone to do 

〈人に〉〈…して〉ほしいと思う

She wants me to work harder.

彼女は私にもっと熱心に働いて欲しいと思っている。.


not want someone doing

I don't want others  trespassing my garden.

他人には勝手に庭に入らないで貰いたい。


want someone/ something done/ adjective

〈人が〉〈…が〉〈…されること/の状態にあることを〉望む.

I want the room cleaned at once. 部屋を直ちに掃除してもらいたい.

I want my sake (to be ) very hot, please. お酒は熱燗にしてください.


want doing

〈 人・ものが〉〈…することを〉必要とする (英国口語表現)

My smart phone wants repairing. 僕のスマホは修理が必要だ。

=My smart phone needs repairing. (米国表現)




 動詞+動詞 (現在分詞 ing、to 不定詞、to 無し不定詞)のパターンを概観しましたが、勿論、これら以外の用法や意味もこれら30個の動詞は持ち合わせています。

 不定詞の to は前置詞の to と同じ同じ発音綴りですが、基本は方向性、<これから〜に向かう>と言う未来性、動作性を持つ表現であり、基本的に、〜しようと・・・する、意味合いを持ちます。これに対し現在分詞の ing 型は、動名詞の ing 型と同じで、<既に出来上がったこと、名詞性>を表すニュアンスを持っています。これを理解すると違いが覚えやすくなるでしょう。上記用例、例文は1つ残らず丸暗記して下さい。

 例えば、動詞 mean は「意味する」の和訳が当てられていますが、普段日本人は「意味する」との表現は使わず(そもそも日常会話で<意味する>などと使いますか?)、その様な訳語を当てると「意味」がぼやけて語感が直感的に理解できず、英語学習上の妨げになります。「〜と言う意味です」は「〜に等しい」と置き換えて間違いはありません。SVO でしたら「〜するつもり、目論む」、SVCでしたら「〜に等しい」「〜と言う事だ」 とさっと脳内変換してしまうと良いと思います。おそらく、同時通訳者は単語の基本的意味を理解していて、臨機応変にふさわしい日本語を当てはめていくのでしょうね。まぁ、通訳者とまでは行かないまでにしても、英和辞典のだらだらした記述に惑わされずに、mean ならば、目論む、等しい、の2義をぱっと思い浮かべる様にするといいでしょう。同様のことを他の単語にも当てはめて、日々、訳出のヤイバを研いでおくといいと思います。

  SVOC 相当の文型を取る動詞の場合、OCは主語+述語の関係になりますが、 to 不定詞の意味上の主語であるOに対しては、for を付ける場合、付けない場合、またこの2つの間で表現が揺れ動いている場合もあります。これは非英語話者には分からず、<意味上の主語だから for を兎に角添えれば良い>、は許されません。

  ing 型の場合、意味上の主語が取れる場合は目的格或いは所有格になりますが、これにも揺れ動きがあります。目的格+ing :型の場合は ing 型は現在分詞扱いに、一方、所有格+ing 型ではing 型動詞は動名詞扱いとなり、文型の分類が厳密には変わりますが、英語話者は ing 型の文法上の意義を何ら区別することもなく使用していることになりますね。意味的にはSVOC のままです。

 上記例文をまずはそのまま頭に叩き込んでください。また否定の意味を加えるには2番目の動詞or to 不定詞の直前に not を加えればOKですが、最初の動詞の前に not を持ってくる方が慣用的である場合もあります。分かり易い例で言えば、I want not  to go to  France. フランスに行かない事を望む、とは言わず、I don't want to go to France. フランスには行きたくない、ですね。








文型 と 動詞型


2019年7月5日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 一般的には日本語の基本構造はSOV だと考えられていますね。詰まりは、主語−目的語−述語の順です(例:ワタシwa−スシwo−タベル)。これに対し、SVO 構造に従うのが英語(例: I -eat-sushi.)であると、中学の英語授業の最初の頃に教わったのではと思います。英語の主語について触れたコラムにて、この2つの言語は全く異なる遣り方で機能するものゆえ、この様な英語の文型の概念で日本語を捉えようとするアプローチがそもそも間違いで殆ど意味を持たないとの web 上の記事を引用しました。まぁ、英語は、主語−動詞−目的語(動詞+目的語は叙述語と考えても良い)が直線的に配列し、その周りに付帯状況を説明する修飾語句がちりばめられる構造に対し、日本語は、動詞(or 叙述語)が饅頭の餡子の様に中心にドカッと配置し、その周囲に主体を含めた様々な修飾要素がウニのトゲのように配列する構造との按配です。リニアー(直線的)な配列で捉えるべき言語体系では無いとの指摘です。

 勿論、英語に於いては、その表現の法体系、即ち英文法の規則性を合理的に理解する方途として、この様な語順に注目する捉え方は相当程度に有効なのは確かです。

 今回はこの様な、語順に注目する英文法、詰まりは文型とはそもそも何なのかについて探っていきましょう。

 英語の文型 sentence patterns は基本5文型に加え、それに2つを加えて7文型とする主張もありますが、実は、特定の動詞と取り得る特定の文型とが決まっていて、要は、動詞の取り得る形式、即ち動詞型 verb patterns を簡略化して纏めたものがいわゆる文型であることが理解戴けると思います。

 各動詞についてどのパターンが許容され得るのかを知識として貯える他はありません。これは一種の慣用的な表現法 collocation であり、他言語話者が口を挟む余地はありませんが、法則性はあります。例えば皆さんご存じの様に、知覚に関する動詞の場合 SVOC 型を取れるなどです(例:I  heard the baby crying.  I saw a sloth swim in the  river. ここに、C は〜ing 或いはto のない不定詞)。

 個々の動詞について、取り得る(広義の)型を表にしたものが、英英辞典の巻末などに付録として添えられていることがありますので、迷ったらさっと参照すると英語の力が付きます。


 英語の文型と動詞型についての面白い論文が見付かりましたのでご紹介しましょう。


    文型と動詞型との関係について

 日塔 悦夫 Etsuo Nitto 雑誌名dialogos vol. 11, 2011-03:239-255

 http://id.nii.ac.jp/1060/00005062/  (無料で入手出来ます)


 「過去には、安井稔は文法用語「5文型」がT.Onionsの「述部の五形式」から「5」を借り、さらにPalmerの「動詞型」から「型」を借り、そして我が国でそれら二つが「5文型」に新配合して成立したと定義した。これに対し著者は、英語の文型概念が大正10年頃の日本語教育から発し、それが Palmer と Hornby の動詞型に受け継がれ、戦後に英語の5文型となった。Palmer の27動詞型は本邦に於ける英語教育並びに日本語教育の中から生み出された文法用語の「文型」から考案されたもので、1938年に A   Grammar of  English Words として出版された」


 と日塔氏は論考します。



 詰まりは、それまで英語圏には文型の概念も無かった訳で、日本人がその基礎を作ったとの説になります。英語話者にとっては、自分たちの語順が当たり前すぎて意識もしなかったのかもしれません。個々の単語(動詞)に関しては子供の頃からの会話を通じ  collocation を覚えて利用するに留まり、特に意識して数個の類型に分類しようとの気持がなかったのかと思います。逆に日本人は、漢文を読む時に返り点を打ったりしますが、その影響で他言語の語順に対する意識を鋭く持っていたとも言えそうです。

 因みに塾長が手持ちの、Cambridge University Press 発行の English Grammar Today なる文法書(初学者〜中級者向けの解説本)にも、Sentence Patterns の項目は無く、代わりに様々な動詞についてそれが取り得るパターンを類型化した内容の記述が続くだけです。5つの文型パターンは法律で言えば憲法の様なもので、実用面では法律としての個々の動詞の使い方詰まりは動詞型を把握するしかないだろう、と思います。

 まぁ、言うなれば、非英語話者が英語を学習する際に便利な様に、動詞を中心とする類型パターンを極くおおざっぱに纏めたものが、文型であるとも言えますね。ひょっとすると、文型だと騒いでいるのは日本人だけなのかもしれません。

 次回からは、

   https://dictionary.cambridge.org/

 に掲載の個々の動詞について、その用法・用例を採り上げながら、文型も絡めつつ解説を加えて行きたいと思います。








主語の概念 B 膠着語と屈折語U


2019年6月20日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

前回に続きます。


日本語の文章構造:超初心者向けガイド(塾長和訳)

文章構造の英語 vs.日本語

  殆どの方は、日本語は文章構造が難しくて頭がこんごらがるものだと知るようになるでしょう。日本語が他の言語とは根本的に違っていることを考えれば全くもって理解できることです。ですが、日本語の文法は正しい視点からみれば実際には信じられないほど論理的なのが真実なんです。

  一般的には日本語の基本構造はSOV だと考えられていますね。主語−目的語−述語の順です(例:ワタシ−スシ−タベル)。この記述法は、SVO 構造に従う英語と比較するのを容易にします。しかし本当は、この2つの言語は全く異なる遣り方で機能するものゆえ、この様な比較は殆ど意味がありません。SOV のレッテルを貼るのも時には誤りで、と言うのは、主語Sの前に目的語Oが現れるのは日本語では全然稀では無いからです。うぅ〜ん、マジでますます混乱してきた・・・。

 日本語の形をした杭を英語の形の穴に無理に当てはめようとするのは止めて、もう一度始めましょう。

  最初に、英語では、文章の主要なカケラは決まった順序に置かれます。何か動作を行おうとする人(主語、例:I、ワタシ)が最初に来て、その動作を記述する言葉(述語、例:eat タベル)、更にその動作が為されるもの(目的語、例:スシ)が続きます。英語では誰が何をしたのかを述べるのは語順なのです。日本語の文章は助詞と呼ばれる文法マーカーが縁取って構成されます。各助詞は、その前に並ぶ単語が文中でどの単語−たいていは動詞−に対してどの様に関与するのかを示すのです。動詞は文末に現れますが、各単語の順序は、誰が何をしたのかを述べるのは、語順では無く助詞であるが故に、変動可能です。例えば、文章内容が話題を採り上げる場合(これはしばしば主語に等しい)は「は」が続き、目的語には「を」が、そして最後に動詞が続くのです。基本的な語順ゆえに日本語はSOV言語だとしばしば考えられますが、単語に適切に助詞を組み合われば単語の実際の順序は変えて構わないのです。



    語順で言語を把握する方法論が、日本語では当てはまらない、別の概念で捉えれば、日本語は合理的な言語体系であって、基本構造はいとも簡単に理解ができる、との簡潔明快で優れた指摘です。

 日本語が膠着語であることを考えると、動作主体や話題提示に関しても、それらが動詞(述語)を取り巻く修飾的概念の中の対等な要素に過ぎないことが理解できます。これは常に<動作主体+述語>の組み合わせを確たる配列のコアとして、物事を把握して世界認識を行う言語体系とは丸で違った認識で世界を捉えていることに他なりません。ある意味、「動作内容、物事の状態」を記述する概念がメインの言語とも言えそうです。「あぁ、静かだ」と言えば、何が静かなのかはさておいて、自分の周りが静かであることをまず感じ取り、第一に叙述する意識ですね。繰り返しますが、動作主体、即ち欧米語の主語相当語は、日本語では動詞(述語)を取り巻く要素の1つに過ぎない訳です。

  日本人はどれが動作の主体主語或いは話題として採り上げる主題主語かを弁別する意識薄く(だから主語に関する論争が起きたまま!)、逆に欧米語に翻訳する過程でそれらが明確に浮かび上がるところもありますね。

  例えば前々回の@にて例示した文章 「太郎には 才能がある。」 ですが、太郎と才能のいずれかを主体主語扱いにして英語、即ち動作の主体に「拘る」言語の1つにて表現すれば、


 As to Taro, a great talent is noticiable/ recognized. 太郎に関しては、才能が認められる。


 Taro is endowed with a great talent. 太郎は才能をもって生まれた。


 と言うところでしょうか。全然別の言語体系に接し、その言語体系の元で元の概念を把握し直すと、元の概念を明確化させて捉えることも出来ます。これが日本人が欧米語を学習することの最大の利点かもしれません。

  日本語が欧米語の様な主語・主体優勢言語とは明確に異なるものであることは確かであり、英語に苦手意識を持つ日本人が多いのも、この様な本質的な言語表現法、そしてそれを裏で支える発想法の大きな違いが作用していそうに見えます。ちょっと大仰に言えば脳機能の違いですね。脳内変換がその都度必要な訳です。単に語順が違っていて配列し直せば済むような問題ではありません。

  だいぶ前の話になりますが、塾長が初めて英語に触れた中学1年生の時に、どうして英語はいちいち主語を明記する、なんと面倒臭くてくどい言葉なのだろうと感じていたことを思い出しました。教員が欧米語と日本語の主語概念の違いを説明してくれていたら、英語学習にまつわるこの様なもどかしさも幾ばくかは軽減されていたろうにと思います。








主語の概念 A 膠着語と屈折語T


2019年6月15日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 言語形態論では、日本語は膠着語 agglutinative language、一方インドヨーロッパ語族に含まれる欧米語は屈折語 inflected langage に分類されます。皆さんはこれらの専門用語を耳にしたことがあるかもしれませんが、厳めしい語感が感じられ逃げ出したくなった方もいるだろうと想像します。膠着とはニカワ(動物の骨や蹄、皮を煮詰めて作る糊)で貼り付けるとの意味ですが、日本語だと膠着状態の熟語もあり語感が良くありません。単語なる<部品>同士が糊でくっつく程度の軽い意味として、例えば<接着言語>などに改称したらどうでしょうか?まぁ、各々独立した単語に、<てにをは>を糊として使って動詞などの叙述語などに<貼り合わせる>ことで意味表現化する言語ですね。一方屈折は、何も言葉がジグザグ凸凹に折れ曲がる訳では無く、活用するとの意味ですので、誤解を招くと言うか意味不明な屈折の日本語訳は止め、只の活用言語と呼べば宜しい様にも思います。単語がゴムの棒であれば、手で握りしめた基部(語幹)は変化せずとも、その先(活用語尾)が左に右にとブレて折れ曲がる、との連想から西洋ではこの語を当てたのかも知れません。こっちは、単語(多くはその語尾)が活用することで意味表現を行う言語です。<てにをは>自体を単語の中に含む言語体系と考えれば良いでしょう。fusional langage (融合言語とでも訳しますか)との別名もありますが、<てにをは>を取り込んで単語が融合したとの意味ですね。但し、これら膠着語、屈折語の区別は厳密なものではありません。実際、英語自体は動詞活用が単純化すると共に前置詞(一種の<てにをは>)使用の比重が高まり、膠着語化の程度が進んで来ているのは確かに感じます。インドヨーロッパ語族で有りながらも、活用を簡略化し、膠着語の性質を纏うことで、事実上の共通語として普及したとも言えそうです。とは言っても英語を第一言語とする話者圏自体は英国本国並びにその旧植民地に留まってはいますが。

 余談ですが、フィンランドのバルト海を挟んでの対岸にあるエストニアでは、フィンランド語と同じ膠着語とされるエストニア語(フィンランド語に近い)が話されますが、ドイツ語などの影響で、次第に屈折語化が進行しているとのことです。言語交替(げんごこうたい)の1例ですが、英語とは真逆の進化方向ですね。



 面白い記事がみつかりましたのでご紹介しましょう。英語話者向けに日本語の特徴を説明するものですが、大変優れた内容だと思います。


https://8020japanese.com/japanese-sentence-structure/

Japanese Sentence Structure: The Ultimate Beginner’s Guide


English vs Japanese sentence structure


Most people find Japanese sentence structure to be difficult and confusing.

This is completely understandable considering how fundamentally different it is toother languages, but the truth is that Japanese grammar is actually incrediblylogical ? it just needs to be looked at from the right angle.


Usually, the basic structure of Japanese sentences is considered to be SOV ? subject-object-verb (eg. I sushi eat). This description makes it easier to compare withEnglish, for example, which follows an SVO structure, but the truth is, thiscomparison is mostly meaningless because the two languages function in completelydifferent ways. The SOV label is also wrong sometimes, as it is not uncommon inJapanese to see sentences with the object appearing before the subject. No wonderit seems so confusing…


Instead of trying to fit a Japanese-shaped peg into an English-shaped hole, let’sstart again.


Firstly, in English, the main pieces of a sentence go in a specific order. The persondoing the action (the subject, eg. I) is first, followed by the word that describes theaction (the verb, eg. eat), then the thing that the action is done to (the object, eg.sushi). In English, it is the word order that tells us who did what.

Japanese sentences are structured around grammatical markers called ‘particles’.Each particle indicates how the word before it relates to other words in thesentence, usually to the verb. The verb appears last, but the order of the otherwords can vary because it is the particles, not word order, that tell us who did what.


For example, a basic sentence might have a topic (which is often the same as thesubject) followed by the particle ‘wa’, then an object with the particle ‘wo’, andfinally the verb. This basic word ordering is why Japanese is often considered an SOVlanguage, but as long as the right particles are used with the right words, the actualorder of the words can be changed.

 (和訳は次回Bに続く)



 日本語話者の一人である塾長からすると、助詞なる便利な接着剤で単語(活用型が少ない)同士を貼り合わせて意思表示を行う日本語の方がラクな様に感じます。まぁ、日本語学習はひらがなとカタカナの世界に留まる限りでは易しい模様ですが、漢字習得の面となると欧米語話者の前には一気に壁が立ちふさがりますね。







主語の概念 @ 概論


2019年6月10日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 ラテン語の動詞には厳格な格変化があり、活用語尾で主語、主体が誰、何であるのかが判別できます。従って主語を表す言葉 (人称代名詞)を別添えする必要性はありません。しかし俗ラテン語であるフランス語は動詞以外に更に独立した、<私、お前、あなた、あなたたち、彼、彼女、彼ら> などの主語を文の先頭に添えます。これは活用語尾を旧仮名遣いの様に遺しては居ても、発音が同じになる語がある為、耳で聞いた場合に区別が出来ず、別個の主語が必要とされるからなのでしょう。更には英語からの色濃い影響もあるのかもしれません。同じ俗ラテン語であるスペイン語やイタリア語では人称代名詞は必要とはされません。英語の場合は、動詞は基本的に、動詞単独では、主語が 私、あなた、彼、彼らのどれなのか完全に区別することは出来ず、原則としてそれら主語を別個に立てざるを得ません。

 主語を別添えするか、或いは動詞の活用語尾に誰が動作主体であるのかを含んでいて主語の別添えを要しない、このいずれの場合にせよ、<誰が>と言う事を重要視する言語体系であることに違いはありません。ゲルマン語系或いはラテン語系の言語は基本はこの性格を持っています。


 日本語の場合は、未然形、連用形などの活用系での違いはありますが、動作主体の違いに拠る動詞の格変化もなく、それ以外には現在形と過去形の変化ぐらいでしょうか。またしばしば<主語>は省略されます。付帯状況から判断して呉れ、との非言語表現型の言語とも言うべきでしょうか。これが為に日本語は曖昧だと主張する者も居ますが、日本人の当人同士では意思疎通がまともに成立しており、動詞の格変化や明確な主語を併記する言語体系とは異なる言語なのだと考えればそれで済む様にも塾長は思います。或る意味、相当に高度化された、一定の合理性を保有する言語体系と言っても良い様に塾長は感じます。仮に日本語の文章を読んで意味不明であれば、それは書き手の教養水準が単に反映されているだけであって、それを日本語の構造の所為にしてはいけないだろうと思います。自分の伝えたいことが第三者に誤解無きよう明確に届くか、これを常に意識して日本語の文章がモノされているかどうかで、相手の知的水準が直ちに分かる便利な言語でもあります。何となれば、頭に思いついたままにダラダラ記述しても、文章としての成立が許されてしまうのが日本語だからです。

 昔の日本語、即ち古文に於いても単語が分からない上に主語も判らず、頓珍漢な的外れな解釈を行いテストで点が取れないとの方も多かろうと思います (塾長もそうでした)。しかし古文の場合は、敬語表現から主語が判別できる場合も多く、1文 1文 を間違いなく解釈し、筋書きを追うことで着実な理解に繋がります。余談となりますが、古文の単語を覚えるのは英単語を覚えるのと同じで、一定のセット数を経文の様に<つべこべ言わずに頭に叩き込む>以外に道はありません。


https://ja.wikipedia.org/wiki/主語

このサイトを見ると日本の主語の定義に関してはまだ定見は無い様ですね。


「主語優勢・主題優勢: 

 主語 (動作主) が語順や名詞の形などで (主格として) 明示される言語を主語優勢言語といい、一方、主題が明示される言語を主題優勢言語という。日本語も主題優勢言語であるとされる。 日本語では、主題も動作主主語もそれぞれ 「は」 「が」 で明示され、またどちらも文の必須要素ではないが、「は」のつく名詞は統語論上特別な地位にある。」 とあります。


「は」  でこれから話をしようとするテーマを提示し

「が」  で動作の主体を示す、訳ですね。


 例文として、「太郎には 才能がある。」の主語は何かの議論が紹介されています。

<太郎には>(主題) <才能>(主語) がある。

<太郎には>(主語) <才能がある> (連語述語)。

<太郎には>(主題) <才能が> (主格補語) ある。


 の3通りの解釈が紹介されていますが、文の意味としては 「才能に関しては太郎は持っている、太郎は才能を持っている」、との解釈 (=脳内日本語−日本語翻訳) も不可能ではなく、その場合「才能」が文の主題提示に相当しますね。日本語としては「は」と「が」で主題と主体の区別は一応出来ても、どうも意味概念上は完全な線引は出来ない様に思います。

 太郎には才能はある、の表現も可能で、

「どうだね、太郎君のピアノの演奏は?」「そうですね、僕は彼は才能はあると思います」の会話の遣り取りも可能ですが、「太郎君」「ピアノ演奏の才能」の2つの話題が提示されたことに対し、受け手は「彼は」「才能は」のテーマ、主題で返答しているシーンです。「才能は彼はあると思います」と答えても良い訳で、「は」が付いても主題でもあり主体でもあり得ます。








句動詞の話


2019年6月5日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

  前々回、前回 と collocation と idiom について触れました。 今回は英語の大和言葉に相当する類いの平易な動詞(易しい動作表現の動詞)+(前置詞 or 副詞)の組み合わせからなる、句動詞  phrasal verb フレイザル・バーブを採り上げましょう。例えば、 (to  look after 〜 原義は〜の後ろを見る)は to minister, to take care of   〜の世話をする、の意味を持ちます。まぁ子供の時からこの様な平易な語の組み合わせに拠る、特定の具体的な意味を持つ表現を使い込んで来て、ほとんど直感的に理解出来る native speaker は別として、非英語話者がこの言葉を見ても、to  lookater   a  baby 赤ん坊の後ろを見るとはどういう意味なのかと却って首を傾げる可能性があります。ラテン語系などの難しい言葉を使っても全く構わないので、明確な意味を持つ言葉でキリっと表現して呉れた方が、非英語話者には寧ろ明快に理解が出来ると思いますし、実際塾長もその1人です。

 collocation、idiom、phrasal veb、 の内、formal な英文を書くには正しいcollocation を使う事は必須ですが、他の2つは寧ろ排除すべき、口語的性格の強い表現法になります。特に句動詞は、informal であって、子供が使うような低レベルの表現と思われることがありますので、formal  な表現には使うべきではありません。


  逆にこれら2つを知らないと、相手のレベルにも拠りますが、円滑な会話が困難にもなるでしょう。英文の哲学書は読めても、小学生の英語が理解できない事態となります。実際、高度な内容の英文を読み進めるには、これら2つは殆ど出て来ませんが、中程度のレベルの文を読み進めたり、簡単な英作文を書けとの課題に対しては、そこそこの数の句動詞は覚えてないと入試の点が取れません。人と人との会話に使われる表現ですから、実際にそれが利用されるシーンを見て覚えるのも一法です。映画などを教材として上手く活用するのも良いと思います。


web 版のケンブリッジ辞典では、

https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/phrasal-verb

phrasal verb

a phrase that consists of a verb with a preposition or adverb or both, the  meaning   of  which is different from the meaning of its separate parts:

"Pay for", "work out", and "make up for" are all phrasal verbs.


前置詞或いは副詞或いは両者を伴う動詞からなる句。それを構成する個々の単語の意味とは異なる意味を持つ。pay for, work out, make up for は全てpfrasal verb 句動詞である。

  とあります。


 更に続き、文法の説明の項では(原文はフルバージョンのコラム参照)、

文法

 複数語動詞は1つの動詞(+小詞)+前置詞(例えばup, over, in, down)から構成される動詞である。

  phrasal verbs 句動詞、

  prepositional verbs 前置詞動詞、及び

  phrasal-prepositional verbs 句前置詞動詞 

 の3タイプがある。句動詞の用語でこれら3つを差す事もある。


句動詞とは2部分から成り、主動詞+副詞である。

前置詞句とは、2部分から成り、動詞+前置詞の組み合わせだが、2つは分離出来ない。


句動詞と前置詞動詞の違いは?

 句動詞は必ずしも目的語を取る必要は無いが、前置詞動詞(例えば listen to やdepend  on) は前置詞の後に必ず目的語を取る。


句前置詞動詞は、3つの部分から成る動詞である。動詞+小詞+前置詞から成る。小詞+前置詞は分離し得ない。この動詞の多くは informal な文の中でしばしば使われ、個々の構成から全体の意味を推測するのは困難である。


うぅ〜ん。よく分からない説明ですね。


  いわゆる句動詞 phrasal verb には3種類があり、特にその内の3語からなるものはinformal な場で使用され、意味も個々の単語からは類推できないものになっているとの指摘です。動詞+副詞の組み合わせのものでは、当然ながら代名詞が目的語になる時は、それは必ず動詞の直後に配置させます。例えば、to give up something  〜 〜を止める、では to give  it up となります。


  相当前の話となりますが、塾長が学生の時分には、一橋大教授の岩田一男先生と言う有名な英文学者が居られました。ジキル博士とハイド氏の作者のスティーブンソンの研究家であり、また塾長の愛読している作家の中島 敦とは横浜の女学校で一時期同僚でもあった方です。当時英語にまつわる各種の本を多数著作されており、塾長も数冊は買い込みました。その中でタイトルを忘れてしまったのですが、get,  take,  go  などの基本的な動詞を使った表現を覚えて英語をモノにしようと主張する内容の本がありました。しかしそれらの句動詞は、単純に動作にバリエーションを付ける表現であると同時に、精神的な働きを意味する別の意味を二重に併せ持つものであり、初学者には却って覚えられないところがあるなぁと感じました。


 例えば、動詞 look +前置詞

to look over  〜の上越しに見る    

              ざっと調べる to examine briefly

to look after 〜のあとを視線で追う  

             世話をする to  minister to, to take care of

to look for  〜に向けて目で追う 

            探し求める to  seek; 期待する to  anticipate

to look into 〜の中をのぞき込む  

           調べる to inquire into 調査する to  investigate

     動詞+小詞+前置詞

to look forward to 〜 〜の前方を見る、

         〜を楽しみに待つ 

         to be pleased or excited to meet, experience, hear, etc.

I look forward to hearing from you soon.すぐにお返事戴ければ嬉しいです。

  これは3語からなる句動詞ですが、formal な手紙の最後に使う事が出来ます。

  いずれの句動詞も、動作そのものの原義並びに、抽象化した精神的動作の二重の意味を持ちますので、口語的表現である理由以外にも論文や公的な文章中では利用は控えるべき用法です。正直なところ、塾長にしても to look over よりは最初から to  examine briefly と言って貰った方が一瞬で理解が出来でラクです。ある程度の句動詞の意味は知っておく必要は受験対策上当然ありますが、上記例で下の行に記した明確性の高い単語(いずれも一定の知的水準にある英語話者が極く普通に使う語です)等に常に置き換えられる様にしてください。まぁ、上の行の表現は小学生の作文表現の様なものかもしれません。そのレベルを 100万パターン覚えたとしても、英会話には役立っても、第三者から敬意を持って迎えられる、品格有る英文はモノ出来ないのは確かです。350語で英語が喋れるなどを謳う書籍が現在でも売られていますが、どのレベルの知識階層との会話を成立させるのか、明確性を出していないのはどうかと感じますね。学校の先生 (おそらく一部エリート校の先生方は除く)  はこの辺のことを明確には教えてくれないのではないかと思います。明確且つ品性のある formal とされる表現と、簡単な単語を組み合わせた多義性を持つ  informal な表現とを状況に応じ適宜区別して使うことが肝要です。


 idiom の場合と同じく、phrasal verb も 短い、明確な意味表現で置き換えながら覚えると、暗記が捗ると同時に英語力も一段と up すると思います。句動詞を羅列した参考書に、英英辞典(の同義語辞典)を用いて検索した言い換えの語を、自分で書き込むのも良いと思います。








idiom の話(その2)


2019年5月21日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

ついでに idom の形容詞形 idiomatic

ロングマン現代英英辞典から

https://www.ldoceonline.com/jp/dictionary/idiomatic

idiomatic

adjective    1 → idiomatic  expression/phrase

2 typical of the natural way in which someone speaks or writes when they are using their own language  自国語を話したり書いたりするのに自然で特有な遣り方


以下例文の一部:


He had the ability to write fluent and idiomatic English.  

 彼には滑らかで違和感の無い英語を書く能力があった。


Their books are translated intoidiomatic English.

 彼の本は自然な英語に翻訳される。


There are good pedagogic reasons for avoiding idiomatic idiosyncrasy of this kind.

 この種の奇怪な表現を避けるべきとの、ぴったり来る教育的理由が有ります。


In terms of style it's like a short Bach piece containing lots of idiomatic motifs and  pedal tone ideas.

 スタイルの点では、バッハの小篇の様であり、沢山のバッハ風モティーフとペダルトーンの考えが詰まっています。


Does the text contain idiomatic phrases and if so, with what kind of dialect or register  are these idioms associated?

 文章はイディオム表現を含んでいて、もしそうなら、どの様な種類の方言や使用域とにそれらのイディオムは関係していますか?


Performances are idiomatic, with well sprung rhythms and sensibly chosen tempi,and benefit from a generally cool and restrained approach.

 演奏は、よく撥ねるようなリズムと繊細に選ばれたテンポを備え、淀みなく、全体的に冷静且つ抑制の効いた表現法が良い効果を上げている。


 idiom はどの言語にもありますが、元々が多義的表現であると同時に、時代や場所により意味内容が異なって捉えられる場合もあります。会話レベルでの言語表現に潤いを添えるのは確かですが、短い、明確な意味表現で置き換える訓練を常に心がける(これには英英辞典を活用します)と英語力も一段と up すると思います。








idiom の話(その1)

 
2019年5月20日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

前回 collocation について触れましたが、では idiom とは何が違うのでしょうか? collocationとは英語話者には自然だと感じられる言葉の組み合わせ、慣用的表現のことですが、idiomは、文法的にも自然な単語(殆どは易しい単語)の固定化された配列ではあるものの、言葉通りの意味とは違った概念を生じる表現のことを指します。日本語でも多用されます。例えば「ワシのぉ、シノギもきつうなって来たさかい、足あろたろかおもてんねん」の<足を洗う>はカタギになることを意味しますが、誰でも知っている表現ですね。idiom とは日本語の成句、慣用句にほぼ相当します。

<易しい動作表現の動詞+前置詞の組み合わせ>例えば、 (to look  over 上っツラを見る =  examine briefly 手短にざっと調べる)が、或る程度の意味は類推出来るものの、意味的には軽いidiom と言って良いでしょう (文法的には正しくは句動詞 phrasal verb フレイザル・バーブと呼ぶ)。

web 版のケンブリッジ辞典では、

https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/collocation

idiom

@ a group of words in a fixed order that have a particular meaning that is different from the meanings of each word on its own:

To "have bitten off more than you can chew" is an idiom that means you have tried to  do something which is too difficult for you.

A the style of expression in writing, speech, or music that is typical of a particular  period, person, or group:


@決まり切った順番で配列される言葉の一群で、個々の単語の意味とは違った特別の意味を持つもの

A書き言葉、口述、音楽表現のスタイルで、時代、人物或いは集団に特有なもの

とあります。

Aは分かりにくいかもしれませんが、例えば黒人の音楽スタイル、平安時代の文学作品の文体などは idiom です。<スタイル>と訳せば分かり易いですね。


例文

 Though diverse in idioms, they all shared a profound involvement with  the revival of  a folk culture and its assimilation into art music.

 スタイルは多様化していたが、それら音楽は根源では、フォーク文化のリバイバル並びにその音楽としての芸術化の面で共に繋がっていた。

( to share a profound involvement with 〜 〜とは深い関係を共に持つ 

→ 根源に共有する、

→ 通底する to be connected at a fundamental level with

英文書き換え

Though diverse in idioms, they were all connected at a fundamental  level  with (or in terms of ) the revival of a folk culture and its  assimilation  into art music.

表現型は多様だが、根っこには共通部分があるとの話ですね。スラスラ解釈出来ましたか?involve は多用される言葉ですが、日本語では今一ピンと来る訳語がありませんね。ここでは、巻き込み→関与→関係と、まずは脳内変換しました)


 idiom に関してはweb 上に非英語話者向けの例示が沢山存在していますので適宜有効活用すると良いでしょう。基本的に易しい単語の組み合わせからの口語表現ですが、言葉通りに解釈すると意味不明のものが殆どでしょう。日本人には巻き舌でこの類いをぺらぺらまくし立てられても理解しにくいですが、入試には会話表現も出題されますので、基本的な表現は頭に入れておいて下さい。また formal な書き言葉ではどの様な表現に置き換え可能か随時考えてみて下さい。

 因みに、学術論文などで、表記される文言は文字通りの意味で解釈されるべきであり、言葉とは異なる別の意味を持つ表現は歓迎されません。従って idiom そのものが使われる事は皆無に近いですが、それが表現したい意味内容にぴったりくる時には茶目っ気で ””で括って使う時もあります。 







collocation の話(その3)


2019年5月17日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。


正しく書けば、

His accent is different now from before (the time when) he went  to  Australia.

ならOKとなる訳です。


Thing are much defferent than we expected three years ago.

は避けて、


Things are much different fom the conditon that we expected three years ago.  

3年前に期待していたのとは状況は全然違っている。


Things are much different from what we expected three years ago.  

 (この場合 what = things)


be different from the fact  (situation, etc.) that 〜

be different from the  time  when 〜


などの様に、間に適当な言葉を補えば、後ろに句を添えても文法的には正しくなります。


 因みに、

 The tower was much taller than I had imagined before.

塔は想像していたのよりずっと高かった。


 You should not make more money than is needed.

必要以上の金儲けはするな。


共に比較級の普通の文章ですが、これらの than は関係代名詞 which に比較の気持がプラスされたものであり、疑似関係代名詞と呼称します。


 会話ではOKですが、書き言葉では、different than の使用は止めた方が良さそうです。







collocation の話(その2)


2019年5月16日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 collocation の揺れ動きの例としてweb 上で be different の用法がしばしば採り上げられます。学校では  be different from しか習いませんが、実際の会話では、be  different  than や bedifferent to も頻用されます。


https://dictionary.cambridge.org/ja/grammar/british-grammar/different-from-different-to-or-different-than

Different from, different to or different than?


The adjective different means ‘not the same’.

When we compare two  or   more items, it is usually followed by from.

We also use different to,   especially in speaking:

   Adam is so different from/ to his brother.

   This house is very different  from/ to your last one.


In American English it is also common to say different than:

   This tea tastes very different than the one I usually drink.

(or … very   different from/to the one I usually drink)


In British English, people often say different than before a clause,

but  many speakers consider this to be incorrect:

   His accent is different now than before he went to Australia.

(or …   different now from before he went to Australia.)


 形容詞 different は「同じでは無い」の意味ですが、2つまたはそれ以上の物事を比較する時には、普通は from を従えます。特に(英国での)会話には  different to も用います。米国英語では、different than と言うのも一般的です。英国英語では、句(主語と述語からなる文章のこと)の前に  しばしば  defferent  than と言いますが、多くの話者はこれは間違いだと考えます。

 His accent is different now than before he went to Australia.

彼のアクセントはオーストラリアに行く前とは違っている。

この表記は誤りだと考えられる訳ですね。







collocation の話(その1)


2019年5月15日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 英単語の暗記のコラムで collocation コロケーションについては1つ1つ覚えていくしかない旨を書きました。形容詞 essential の叙述用法では  to  be  essential  to  or  for  something の類いですが、rain に関しても  hard rain  豪雨 とは言いますが  strong rain 強雨とは言いません。collocation とは英語話者には自然だと感じられる言葉の組み合わせ、慣用的表現のことです。言葉は単語1つずつではなく、1まとめの慣用的表現として覚えると、上達が大変早くなると思います。


 web 版のケンブリッジ辞典では、

https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/collocation

collocation の定義

@ collocate a word or phrase that is often used with another word or  phrase,

in a way that sounds correct to people who have spoken the language all their

lives, but might not be expected from the meaning:


In the phrase "a hard frost", "hard" is a collocation of "frost" and " strong"

would not sound natural.


@その言葉の話者が生活全般で普通に使う、正しく聞こえる単語やフレーズの配列。しかし言葉の意味の上からはその用法は期待されないかもしれない

a hard frost もの凄い霜の表現で、hard はfrost のコロケーションであり、strong はどうも自然には聞こえないだろう

とあります。

因みに to collocate 〜は 「〜を(一定の順序に)配列する」の意です。


 @で「言葉の意味の上からはその用法は期待されない」とありますが、frost 霜が冷蔵庫の製氷皿にびっしり付いていれば、程度が強烈の意味ゆえ本来 strong を使うべき筈が、慣用的では無く違和感があるとされ、硬さが硬いとの hard と組み合わせる、との意味です。別に霜が硬そうに見えると意味で使う訳ではありません。英語に限らず、日本語でも  collocation は幾らでも存在します。

 英会話に於いては、あまり collocation に拘ること無く、烈しい雨なら思った通りに(論理的表現として) strong  or thick rain と言っても相手は理解してくれますので、躊躇せずに話すことが大切で、相手に指摘して貰うなどして次第に正しい collocation を覚えて上達させていく方針で良かろうと思います。しかし、formal な英文を書く時は、あまり broken ですと教養の程度を疑われてしまいますので、例えば collocation dictionary をその都度紐解くなどして正しい(正しい=慣用的)言葉の組み合わせを確認して書く習慣を、最初から身に付けて下さい。まぁ、セルフ英文校閲を掛ける訳ですが、collocation のウラを取りながら英文を書き進める習慣は、英語の実力を格段に引き上げて呉れるでしょう。







師匠と弟子


2019年5月10日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 前回、「ものを教え教わると言う事は、指導者そして生徒の間の真剣勝負、一騎打ち」 と書きました。実は或る知り合いのプロのピアニストから聞いた事ですが、個人レッスン (その人の元にはいわゆる街のピアノ教室の先生やコンクール狙いの音大生、音大を目指す若者などが指導を受けに来ますし、各種コンテストの審査員でもあり、教え子には音大を出てプロとして活躍する者もいます) の場で、技量的なことは厳しく指導はするが、自分が或る曲に対して掴み得た曲想、音楽的解釈については絶体に伝授はしないとの話でした。盗めるものなら盗んでみろの気持で自分の一派、即ち弟子には対峙するそうです。それで当の弟子が自己の才能を花開けば出藍の誉れと言う次第で師匠側も評価されるに至ります。因みにそのピアニストは時々ドイツとオーストリアに出かけて演奏活動がてら、更に上の師匠筋に指導を受けています。リサイタルのチラシのプロフィール欄に**氏に師事した、と書いてありますがそれですね。まぁ、プロとして独り立ちするには、最後は当人個人の芸術的感性と技量の面で飛び抜けて優れている事が必要条件で、その究極のところは元々他人が指導して教えられるものではないと言うことです。


 当塾は芸術指導の場ではなく、只の英語の指導塾ですので、盗めるものなら盗んでみろの構えはなく、塾長が持てる知識や技法は機会を通じて全て吐き出して伝授する方針です。但し、当然ながら、非言語的な「何か」を感得し、自己の内に構築し得るかは、最終的に学習者側の「学ぶ能力」であり、教える側はそこには関与し得ませんし関知もしません。勉強とは個人が行うものであるとは正にそのことです。他人に遣らされることではありません。もし指導を受ける若者が将来指導する側に回り、塾長から得たことを伝えて呉れるならそれは大きな喜びですね。


 学習に必要な基本的な取り組み方についてこれまで述べてきましたが、次回からは英語学習に役立つ各論に入ります。







塾と大学(その2)


2019年5月6日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 少子化が今後進みますので、新制の国立大(勿論基幹的な存在である一部有力校は除く)を解体して元の専門学校に戻し、近隣の数個の県をブロックにして、工業高等専門学校はA県、師範学校はB県、医学専門学校はC県に設置などの様に、割り振るのも現実的かと思っています。各地方国立大が似た様な学部を抱え、補助金削減のジリ貧並びに入学する学生の質の低下に喘ぐ現状を打破し、纏めることでスケールメリット並びにレベルアップも期待できるのではと考えますが如何でしょうか?

 歴史の浅い、広き門の私立大学の場合、就業し得たにしても、一度リストラ等に遭うと何かの国家資格でも持たない限り、文字通りのローリングストーンに陥る可能性もあります。或る意味、大学に入る者も雇用者側も、日本はもの凄い、硬直化した形式主義に生きていますが、近頃では、意義の低い、無駄な大学進学はしない方向へと、若者自身も舵を切り始めているようですね。

 学ぶことに本質的な興味があるならば、生活が安定してから、通信制の大学等を含め入学する手もあります。

さて、練馬を含め都内全域に目を向ければ、従来に無い斬新な取り組みを行い進学(受験)実績を着実に延ばしている学習塾が散見されます。塾頭は意外や若い方が多く、感ずるところあって勤めを辞めた志のある開塾者の方々でしょうか。塾の理念を見ると、しっかりとした哲学性を持って運営に当たり、また学習者に対して科学的な配慮 (広義の教育心理学でしょうか?) を施し、柔軟な学習指導を行うなど、当塾塾長も感心せざるを得ません。その様な、<頭脳的な戦略+子供達を伸ばしたい、助けたいとの情熱>を持つ塾頭の元には優秀な教師も自ずと集まり、良循環が始まるのでしょうね。企業は人なり、は塾にも当てはまりそうです。

 塾長が考えるところでは、ものを教え教わると言う事は、指導者そして生徒の間の真剣勝負、一騎打ちです。そこに迫力が感じられない様な習いの場であれば、子供達に、金銭で問題を先送りにし人生を他人任せにする悪いクセを付けてしまう虞もあるでしょう。不安に駆られながら惰性で通い、成績の伸びが悪い様であれば、その様な塾は一度見直しを図るのも一法ですね。勉強の遣り方が判らないまま上ずった気持で通っていても時間とお金の無駄になるだけです。

 勉強の遣り方に迷いがある者は漫然と塾に通うのでは無く、個人的な指導をガツンと受けるのも良いと思います。もっともっと上を目指したいとの、凡庸な指導方法に飽き足らないご父兄、また向学心高き悩める若者は個人指導をご検討戴ければと思います。合う合わないもあるかと思いますが、一度短期決戦のカンフル指導を受けたら如何ですか?







塾と大学(その1)


2019年5月5日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 子供の日に当たり、教育絡みの話を展開しましょう。

 当塾を開講するに当たり、塾長は西武池袋線 練馬駅を中心とする学習塾について徹底的な  survey  を掛けました。半径 3km 圏内での市場調査 market research と言う次第です。率直な感想ですが、これは日本の他の地域でも等しいことと思われますが、中身が取り立てて特徴も無く、凡庸と思わされる補習塾の類いも見受けられました。尤も、塾側が入試結果の責任を回避し得る、いわゆる単なる補習のみを行う塾の場合、そこそこの地頭の生徒とその程度の先生とで、それはそれで良い組み合わせなのかもしれません。生徒側にしてみれば自分のレベルに合った先生という次第で、却って気持の理解も通じて学習効果が出、そして実際に授業に落ちこぼれることなく推移し得る可能性も否定できません。勿論、その様な妥協的な現状維持の為の勉学の姿勢では、世の中の一流にはとても手が届きません。切磋琢磨して少しでも上に這い上がろうとの気持が何よりも大切です。本コラムをお読み戴いている水準の高い方々には、その様な単なる補習塾の類いは、もとより縁無き対象だろうと思います。

塾長はかねがね根本的な疑問がぬぐえないのですが、高みを目指す受験指導と異なり、単なる補習程度のことは、学校に通い真剣に授業を聞き、自分で予習復習を行えばそれで間に合って当然であり、わざわざ高い金額を支払ってまでして、塾に通う必要が果たしてあるのか、との思いです。

 厳しい言い方をすれば、その程度の勉学も自分でこなせない様なレベルであれば、机の上の仕事に適性を欠く者ゆえ、別の方向に向けて中学入学時等の早い段階から職業訓練させる道を考えても良かろうと思います。これは欧米など殆どの国で行われていることであり、厳しい世の中に於いて、当人が社会人として道を外さず幸福に生きていく為の施策でもあります。勉学が嫌でストレスを感じるがゆえに、一部の者は、脳機能の質の低さと相俟って、授業妨害や重大な人権蹂躙であるイジメを始めたりする様になる訳ですね。モノを知りたくて気持が溢れている者は、その様な低俗なことを遣る暇もありませんし、そもそも思いつきもしない筈です。

基本、大学の名に値するのは、自分で工夫して勉強をスイスイと進められる、知る事に対する本能的な欲求水準の高い「数寄者」が本来進むべき組織であり、研究者等含めた頭脳労働の為の一種の高等職能訓練校であり、いわゆる旧帝大や歴史ある私大などがそれに相当するでしょう。卒業生から研究者を輩出できる大学です。


 因みに、昭和23年に各都道府県に1つずつ設置された国立大学は、基本は各地の師範学校(教員養成の専門学校)をコアに、その他の専門学校(農林専門学校、医学専門学校、歯学専門学校などを含む)や旧制高校を合体させて作り上げたものです。一部の大学や学部を除き、本当の意味での、学問を究める者を養成するための大学ではなく(教官側は勿論学究の徒ですが)、各分野の実学のリーダーとなる「高等職人」養成の為の専門学校の色彩を現在も色濃く遺していると思います。 まぁ、その地域の県庁に勤務したり、学校の先生になったり、技術者になったり、臨床医になったりですね。この種の学校を出て身を立て、手堅く生き、社会に貢献するのも立派な人生だと思います。







参考書の話


2019年4月20日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 勉強とは、その根本は個人が自分のペースで着実に課題を咀嚼しながら血肉の栄養とする過程ですので、多人数の塾に通うにせよ、当塾の様な個人指導塾に通うにせよ、最後は自分の勉強のスタイルが構築出来、歯車が確実に噛み合って車体が前に進めるかどうかが鍵になります。

 勉強の遣り方、詰まりは自己鍛錬のノウハウを身に付けた者は、大手の書店や web などで定評ある参考書を入手して自主学習すれば成績は遣っただけ伸びていく筈です。まぁ、弾み車が回り始めているので、少しのエネルギー補填で車輪は回り続ける訳ですね。その様な者は他人の指導を受ける必要性は少なく、時々予備校主催の模試を受けに行き、自己の学力の客観的な位置づけや問題点をチェックする程度で入試も突破出来るでしょう。まぁ、いわゆる試験に強い奴の類いです。

 参考書を吟味して本当に自分の為になるものを見つけられた者は幸せと思います。金銭的負担も掛からずで万々歳です。何も籠もって勉強せずとも、司法試験の勉強会の様に、勉学は基本は個人のものであっても、仲間内のホットスポットに身を置いて倦まず弛まず自分を鼓舞して進める方法も勿論有ります。これにも電車賃とお茶代ぐらいしか要しませんね。

 問題は、途中から stray  sheep  になってしまった者達です。勉強の遣り方が判らないうちに、あれこれ多数の参考書に手を伸ばしたが、遣り果せず、積まれているそれらを見ると精神的に苦しいとの面々です。水に飛び込んだが泳ぎ方 (=勉強法) に習熟せずになかなか前に進めずに、或いは沈みそうになり悪戦苦闘している者達です。あなたがもしそうであればですが、上ずってあれこれ参考書を買い込んだりせずに、まずはヴェテランから効率の良いスマートな泳ぎ方を習うのが最善且つ最短距離です。自己流で状況をなんとか改善しようとしても藻掻くだけで体力を消耗し身体は沈んでいきます。沈まないうちに早めに第三者からの指導や助言を受けるべきで、一度正しい泳ぎ方を身に付ける事が出来れば、効率的に疲れ知らずでスイスイと泳ぎ進める様になります。勿論泳ぐのはあなた自身ですが、こちらは泳法をコーチする側と言う立場です。もし自分の勉強の進め方に疑問を抱いているならコーチに一度見て貰うのも良い方法と思います。相性の良いコーチが見つかると良いですね。参考書を求めるのはそのあとでよいでしょう。







英単語の暗記(その2)


2019年4月16日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 ある程度、稗田阿礼になり切る様な勉強が進んだ段階で、次は文法に乗りだし、同時に個々の単語と他の単語との結びつきcollocation コロケーションも例文を紐解きながら覚え始めます。簡単な例を挙げれば、単語 essential に対し、be   essential to  something 、be   essential  forsomething 〜には必要不可欠だ、無くてはならない、の使用法を覚えることですね。essential  には前置詞  to や for を使うんだ、へぇ、との按配です。この様にして1個1個の単語について他の単語との組み合わせを特に動詞について学習し記憶して行きます。因みに上の叙述用法の essentialに、限定用法 (後ろに置いた名詞を修飾する用法) の意味の、基本的な (basic and  fundamental)、の意味を当てると日本語として意味不明になり文意が掴めなくなりますのでご注意を。

 Adequate amount of vitamin D is essential to good health.

 適量のビタミンDは健康に必要不可欠だ。

 Vitamin D is essential for bone health, helping the body absorb and  use calcium  inbones and teeth.

 ビタミンDは骨の健康の為には不可欠で、身体がカルシウムを吸収して骨と歯で利用するのを助けます。


  上の文で to と for を入れ替えても問題ないと思います。


 塾長は医学分野に興味がありますので上の例文を出しましたが、単語1個1個に対して自分が興味ある分野の例文集を作り上げる (web から文章を拾い上げる) のも効果的と思います。と言うのは市販の英文文例集を見ても面白くも無い文章の羅列で頭に入らないからです。市販の文例集を自分で作り替える訳ですね。これは一生の宝になります。


 基本的な英単語のセットが脳内に構築出来ると、英英辞典を利用することが可能になります。紙媒体や各種の web 版の英英辞書もありますし、CDやDVD化され市販されたものもあります。上の例に挙げた essential の意味が明確に分からない場合などに英英辞典を探り、英語での別の言い換えを知ると疑問が雲散霧消するのですが、英英辞典の本格的な利用は大学入学後ぐらいでも良いでしょう。知りたい方には塾長が伝授は可能です。英英辞典を使いこなしていく内に、英語は英語で理解した方が格段に易しいことに実感を持って気がつくようになります。


 繰り返しますが、つべこべ言わずに始めよう、それだけです。泣きながらでも構いません。さぁ、今から始めて下さい!








英単語の暗記(その1)


2019年4月15日

皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 これは当たり前の話なのですが、英語の文章構造、詰まりは文法を完全に理解していたにせよ、主語、動詞、装飾句等の意味が不明であれば文の持つ意味を理解できません。大学入試問題や英文の Wikipedia  に出て来る程度の単語は、頭の中の自分の辞書に基本セットとして収めておく必要があります。


 我々が漢字を学習した時を思い起こして欲しいのですが、小学校の学年毎に割り振られた漢字を少しずつ読み書き出来る様に授業が進められて行きました。学年が進むと同じ漢字でも別の読みや意味があることが追加されて行きます。この様にして 9年間の義務教育が終了した時点では約 2136字もの漢字が目出度く読み書きできるようになります。


 脳の学習能力が大幅に上がっていると期待される高校生にもなると、受験の圧力が脳の力を振り絞らせるが如くに、大量の英単語を9年間と言わず極く短期間に記憶することを余儀なくさせます。こればかりは避けて通れず、将来的に英語の大海に乗り出して自由に泳ぐ為には、せめても脳の柔軟性がある若い時分に頑張らせる世の有り難い仕組みだ、と心得るしか有りませんね。まぁ、鉄は熱いうちに打てですが、打たれる本人はその時は苦しいのですが、後になって振り返ると遣っておいて良かったなぁと思うことの1つです。


 同じ覚えるならば、精神的な煩悶なく出来るだけ合理的な方法で効率よく覚えたいですね。一つには、門前の小僧ではありませんが、出来るだけ早い内に、最頻出  or  最重要順の単語をつべこべ言わずに音読しながら頭に叩き込むことです。「つべこべ言わない」 が大切で、生まれたてのガチョウの雛が刷り込み inprinting されるように、只これを繰り返します。基本、一単語一訳語で構わないと思います。まぁ、あとになると、信じる者は救われるとはこのことかと納得することになるでしょう。恥も外聞も無く敢行して下さい。


 単語だけではなく、幾つかの単語の連なりから成る熟語も大切ですので、定評ある適当な熟語集の参考書を入手して、これも経文の如くに頭に叩き入れます。地頭が悪くない者 (そこそこの進学実績のある高校在学 or 既卒) であれば誰でも成果が出ますので、泣きながらでも構いませんから兎に角これを続けます。早ければ 1,2ヶ月で可なりイケると思います。4月或いは連休明けから始めて 7月末までに大方覚え終われば、残りの受験までの半年間に格段の伸びが期待できると思います。「つべこべ言わない」 で自分に義務を課すことはストレスを生みますが、これは自分なりの方法で発散するようにしてメンタルのバランスを維持して下さい。気分転換がてら、志望大学のキャンパスを訪問するのも良いでしょう。病気で入院してつらい思いをしている訳でもなんでもなく、全ては自分の血肉になることゆえ、これは自分のためなんだと割り切りながら進めるのも良いと思います。数学の難問を解くのとは異なり、只遣れば遣るだけ知識が積み重なりますので、或る意味、こんな容易で得をする勉強法は他に無いとも言えるでしょう。纏まった時間を取る迄もなく、他の勉強の間に生じた短い空き時間に、文字通り寸暇を惜しんで行きつ戻りつページを進めて下さい。








英文読解力涵養のすすめ


2019年4月10日
皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。


 国内の web サイトを眺めていると、ある1人が書いたことを多くの者が引用し合うだけで記事が書かれているのに往々気がつきます。つまり幾ら検索してもそれより上の、或いは深い情報が得られずに堂々巡りするだけで時間が無駄になってしまいがちです。まぁ、独自性の無い、informative ではない、自称ライター氏が作成する低レベルのサイトが相当数存在する模様です。因みに塾長が別サイトで運営している動物・獣医療相談の関連語で検索を掛けても、どこからかコピーして来たような浅い知識の開陳であったり、或いはどうもあまり知性を感じさせない質問と受け答えのオンパレードに満ち溢れ、これを烏合の衆と言わずして何と呼ぶのだろうと感じさせられることが多々あります。こんな現況ゆえ、知性派が逃げ出してしまうのも肯んじ得ることです。


 塾長は最初から英語或いは必要に応じ仏語等で検索を掛けで調べ物をしますので、海外発のオリジナルで新鮮な情報がダイレクトに得られ、手間暇を掛けた分だけガツンと勉強になるなぁと手応えを感じます。


 地球上で話者数が少数派に過ぎない日本語で検索を行い、日本列島に居住する日本人による日本人のために作られたサイトから情報を得る検索行為では、極めて限定された、偏った情報しか得られないだろうことは皆さんも理解戴ける筈です。


 ちょっと表現が迂遠だったかもしれませんが、英語が出来ない、英語が分からない、英語が読めない日本人が大多数であるゆえに、低レベルの閉ざされた情報の中をぐるぐる周りさせられることに陥る訳です。


 街角に英会話スクールが濫立し、外国人が講師として教えるところもありますが、浅い英会話が出来る程度では海外のちょっとしたホネのあるサイトには全く太刀打ちできません。只の英会話でしたら老若男女が3億人も居る米国人がいとも容易に毎日交わしていますが、一定レベル以上の文章を読みこなすことはそれとは別の次元のことで、米国人でもそれ相応の読解力が要求されます。


 日本国内居住の日本語話者−塾長もその1人です−が、一定レベルの英文を読みこなせる様になると、国内のサイトを堂々巡りすることなく、世界中のサイトにアクセスしてダイレクトに深い情報を得ることが出来、自分の知識、知性、そしてそれに基づく判断の幅が格段に広がります。これは何も受験を巡る話に限らず、人生上の様々なシーンで役に立つことであり、情報入手の点で比べものにならないぐらい得をすることになります。


 こんな訳で、英文をきちっと読みこなす力、英文読解力を身に付けることを是非お奨め致します。金銭では買えない、大きな、そして一生の宝を手に入れることになります。








英語塾開設のご挨拶


2019年4月5日
皆様、KVC Tokyo 英語塾 塾長 藤野 健です。

 この度、相談専門動物クリニック Ken's Veterinary Clinic Tokyo に併設する形で、英文読解力養成のための個別指導塾を開設致しました。以後どうぞ御見知りおきください。

 本コラムの場では英文読解指導に関するトピックスをはじめ、それらにまつわる塾長の雑感を折に触れ書いて行きたいと思います。


 他のサイトでは見られない役に立つ知識・情報も含まれることもあろうかと思います。どうぞ覗いてみてください。



*記事内容の転載をご希望の方は塾長までご連絡下さい。

*本コラムに掲載される記事内容、アイデア等については、その全体もしくは一部について、改変等を含めた無断転載、剽窃、或いはそれらに類する行為を行う事を固く禁じます。